金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

映画:『マトリックス』

2013-04-30 09:20:42 | 映画の感想
映画『マトリックス』(アンディ・ウォシャウスキー&ラリー・ウォシャウスキー監督)
★★★★☆

プログラマーとして企業に勤めながら
ハッカーとして活躍していたネオは、
ある日、自宅のパソコンのスクリーンに
奇妙なメッセージを受け取る。
「白うさぎの後をついていけ」
というメッセージに従い、部屋を訪れた白うさぎのタトゥーを入れた女について
クラブに出かけたネオは、美女トリニティに出会い、
エージェントに追われる身となる。

*****************************************:

キアヌが好きで、大学生のころ、友だちと一緒に公開当時に
見に行った映画。
ストーリーのだいたいの流れは覚えていても
それを支える設定をまるで記憶していなかったところを見ると、
たぶん理解していなかったんだろうな……。
生きている世界が仮想空間にすぎない、というサイバーSFの世界に
アクションをミックスしつつ、ファンタジーの要素も。

当時としては衝撃的だった演出が、今見るとそれほど斬新に
感じられないのは、やはり10年のギャップなのか?
ジャッキー・チェン的アクションが原体験としてあるせいか、
バトルシーンのキアヌの動きがなんだかもたもたして見える。
キアヌ演じるネオよりも、エージェント・スミスの方が
かっこよく見えてしまう不思議。
そして、修行のシーンを見て、やはりアメリカの人にとっては
日本も中国も同じで、あんまり区別がついてないんだろうなぁ……と思う。


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映画:『わたしを離さないで』

2013-04-05 08:34:52 | 映画の感想
映画『わたしを離さないで』(マーク・ロマネク監督)
★★★★☆

寄宿学校ヘールシャムで過ごすキャシーは
同級生のトミーに心惹かれ、彼を気にかけていた。
外界から隔絶されたその寄宿学校で〈特別な存在〉として
トミーやルースとともに育つキャシーだったが、
新しく赴任してきた女性教師によって、
自分たちが何のために生まれてきたのか、
そして自分たちの将来に何が待ち受けているのかを知らされる。
キャシーは、恋仲になったルースとトミーの二人とともに
ヘールシャルムから別の施設に移るが、
トミーへの気持ちを葬り去ることができず、
ルースとの関係にもひびが入って施設を離れる。
「介護者」として穏やかな日々を送っていたキャシーだが、
運命の日が近づいていた。

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メジャーではないが良質な映画を紹介しているコラムで知った映画。 
原作はカズオ・イシグロ。
なにやら事情のありそうな閉鎖的な学校で過ごす少女の、
淡い初恋の物語……という感じで話は始まるのだが、
途中でショッキングな事実が明かされ、
ストーリーのテイストが一転する。
タイトルからラブストーリーだと思い込んでいたので、
不意打ちを食らった。
夜寝る前に見たものだから、
衝撃的すぎて眠れなくなってしまったよ……。
しかしこの映画は、事前にネタバレを見ずに見て
「ガガーン!!」とショックを受けたほうがいい。
舞台装置はSFなんだけど、まるで実話をもとにした話のようなリアリティがあって、
禁止される前に実際にこういうことが起こっていたのか? と思わされてしまう。
こんな過酷な話は全然好みじゃないんだけど、
リアリティと迫力がすごかったので★4つ。

それにしても、子どもの頃、あんなにかわいらしかったトミーが
大人になったら全然かっこよくない兄ちゃんになっちゃって……
ルースも、キーラ・ナイトレイだとは気づかないくらい
病的な感じがよく出ていた。
主人公は子役と大人役の雰囲気がよく似ていて可愛らしい。


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映画:『ブラック・スワン』

2013-04-04 08:15:33 | 映画の感想
映画『ブラック・スワン』(ダーレン・アロノフスキー監督)
★★★★☆

元ダンサーの母の期待を一身に受けて育ったダンサーのニナ。
ある日、バレエ団の代表的な存在だったベスが引退することになり、
新作の『白鳥の湖』のプリマが新しく選ばれることになる。
芸術監督ルロイは、白鳥と黒鳥の両方を踊ることのできるプリマを
求めていた。
白鳥の踊りを披露して「白鳥だけなら君を選ぶ」と
ルロイに評されたものの、ニナは黒鳥の踊りに失敗。
ルロイに直談判し、見事にプリマに抜擢されるが、
黒鳥の妖艶さを表現しきれないニナは、
徐々に追いつめられていく。
周囲の人間に悪意を感じるようになったうえ、
悪意を体に異常を覚え始め、次第に奔放なダンサー・リリーに
役を奪われるのではないかとおびえ始める。

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体を傷つける描写のせいで
「見てるだけで痛い、痛い痛いやめてー!!」
というドキドキもあったのだろうけれど、
映像に表現されたニナの不安感、母親の過干渉や自信の欠如のために
追い詰められていく過程に感情移入してしまって、
ラストまで気が休まらなかった。
どこから現実でどこから非現実なのかがわからず、ニナと同じように不安になる。
性を忌避し、正しく優等生的であろうとするニナの性格が
母親の過干渉と関連していることは明らかで、
母親への反抗と黒鳥的な要素の増大がリンクして描かれているのもおもしろかった。
結局のところ、リリーはセクシーで悪い遊びも知ってる、
ただの気のいいお姉ちゃんだったんだろうか。


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