金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

36:恩田陸 『朝日のようにさわやかに』

2008-05-29 16:51:34 | 08 本の感想
恩田陸『朝日のようにさわやかに』(新潮社)
★★★☆☆

短編集。
『図書室の海』は予告編として書かれた短編の
「説明不足」でとにかくもやもやしちゃったものだけど、
それに比べると今回は一つ一つの話が独立して
きちんと成り立っていたような気がする。
わりとホラー要素が多め。

「水晶の夜、翡翠の朝」「楽園を追われて」が◎。
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35:小川洋子 『やさしい訴え』

2008-05-28 15:19:11 | 08 本の感想
小川洋子『やさしい訴え』(文春文庫)
★★★★★

破綻しかけた夫との生活から逃れ、山奥の別荘にやってきた
カリグラファーの瑠璃子。
チェンバロを作る新田とその弟子である薫に出会い、
ふたりの作り出す世界に惹かれていくが……

****************************************

思うままにならない恋の苦しみと残酷さを描きながら、
静かで透き通った空気に満ちた物語。
嫉妬に悩んだり、夫の愛人と直接対決したりする
シーンもあるのだけど、ドロドロしたところがなくて
どこまでも透明で、悲しい。
浮き世離れした雰囲気が好み

小川洋子作品の登場する職業は
神秘的で美しいなあ……
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34:恩田陸 『中庭の出来事』

2008-05-21 20:33:10 | 08 本の感想
恩田陸『中庭の出来事』(新潮社)
★★★★☆

パーティの最中、ホテルの中庭で気鋭の脚本家が
突然死んだ。
原因は彼の飲んでいた紅茶に入っていた毒。
容疑者として上がったのは、次の芝居の
主役の候補になっていた女優三人――。

****************************************

系統としては『夏の名残の薔薇』『Q&A』と
似たタイプのお話。
劇中劇を使った話の展開に、人によっては
「なんじゃこりゃ、わけがわからん、つまらん!!」
となるかも。
わたしはわからなくても、そのわからなさ、
煙に巻かれた感じが好きなのでノープロブレム。
キャラクターで引っ張っていくタイプの話では
ないのもあって、読む人を選びそう。

同じく「演劇」や「女優」をテーマにしている
チョコレートコスモス』より好きでした。
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33:雑誌『Feel Love』 Vol.3

2008-05-14 19:08:31 | 08 本の感想
雑誌『Feel Love Volume3』 (祥伝社)

仕事のために買ったけど、どうやら使わなさそう。
処分する前に読んでみました。
わりと良質の作品が集まっている印象。
↓一部感想。

・石田衣良×佐藤江利子×唯川恵「TROIS」
★★★☆☆
コラボ小説。連載中らしい。
個人的には最悪の組み合わせだけど、短いので読めた。

・椰月美智子「西小原さん」
★★★★☆
母の恋人・西小原さんに誘拐された美希子。
ふたりのやり取りがコミカル。
お母さんのキャラもよい。

・三崎亜記「紙ひこうき」
★★★☆☆
三崎亜記、初めて読んだ。
四十歳の男性を主人公にした「すこし・ふしぎ」の
ラブストーリー。
作者はいくつなんだろう。主人公から中年らしさが感じられない。

・豊島ミホ「変身少女」
★★★★☆
不良になり、壁を感じるようになった幼なじみに近づくため、
不良になることを決意した中学1年生の菊南。
素直で可愛らしい作風。
花京院がキモかわいい。
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32:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈1〉』

2008-05-12 09:19:35 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈1〉』(文春文庫)
★★★★★

最近読書づいてるので、これを機に
長年の課題に着手しますよ!
というわけで、全24巻を制覇すべく、
まずは1巻を借りてきました。

1巻で登場するレギュラーメンバーは、
平蔵、佐嶋、酒井、粂八、彦十、久栄くらい。
ドラマ版ではわからなかった火付盗賊改方の
位置づけがわかりました。

「薄情でしたたか」という作者の女性観が
垣間見えます
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31:大橋歩 『ふつうのおいしい』

2008-05-10 20:50:35 | 08 本の感想
大橋歩『大橋歩コレクション3 ふつうのおいしい』(マガジンハウス)
★★★☆☆

食にまつわるエッセイ。
出てくる食べ物がおいしそうで、もっと食べたい!という
筆者の旺盛な食欲も楽しいのだけど、
ふたり暮らしで1ヶ月の食費が15万って……
それは「ふつうのおいしい」ではありませんよ!

文章の似通った雰囲気と、苗字が同じであることから、
てっきり「暮らしの手帖」の大橋鎮子さんの関係者かと
思ってましたが、そういうわけではないみたい。
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30:平岩弓枝 『道長の冒険―平安妖異伝』

2008-05-09 17:05:00 | 08 本の感想
平岩弓枝『道長の冒険―平安妖異伝』(新潮社)
★★☆☆☆

春が来ない。
異常気象に見舞われた都で、道長のもとにあらわれた
異相の猫。
別れたきり姿を見せない真比呂の使いだという
その猫・寅麿によると、真比呂は無明王によって
根の国に閉じ込められているという。
真比呂を救うため、道長は寅麿とともに
根の国への旅に出る。

***************************************

展開速すぎるし、
道長と、彼がわざわざ助けにいく真比呂のつながりが
いまいちよくわかんないし、わかんないのに
こんなラストを持ってこられても心動かないし!

……ともやもやしていたら、それもそのはず、
シリーズ2作目なのでした。
1作目に道長と真比呂の冒険があったのね。
これ、1作目から読んでいれば登場人物に対する思い入れが
全然ちがったんだろうなあ……。

西遊記チックな妖怪が登場→あっさりやっつけて次へ、
というのが繰り返される中盤は退屈でした。
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29:歌野晶午 『葉桜の季節に君を想うということ』

2008-05-08 22:59:14 | 08 本の感想
歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』(文藝春秋)
★★★★☆

同じスポーツクラブに通う愛子の家族が巻き込まれた
保険金殺人。
被害者が大金をつぎ込んでいた霊感商法に
関係はあるのか?
自称「何でもやってやろう屋」成瀬将虎は愛子の頼みで
霊感商法の会社について調べることになるが……

*******************************************

「このミス」受賞で話題になってましたね。
書評を読んでからずっと読んでみたかったので
借りてきました。
ラスト、


ウガーーーーーッヽ(`Д´)ノ


久々のやられた感。
作者は嘘をついてない。
ついてないが、納得できないぞ!!

でもおもしろかった。
文庫版も出てるので、興味を持った方はぜひお試しを。
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28:よしもとばなな 『人生の旅をゆく』

2008-05-07 17:01:45 | 08 本の感想
よしもとばなな『人生の旅をゆく』(NHK出版)
★★★☆☆

旅行にまつわる思い出を主としたI、
生活や生き方をテーマにしたⅡ、
周囲の人々との思い出を綴ったⅢ、
の3部構成になったエッセイ集。

よしもとばななのエッセイ、
自分はあんまり好きじゃないんだなあ~……と
改めて自覚。
小説とそれほどギャップがあるわけでもなさそうなのに
どうしてかしら。
わりとⅡ部は好きだったかな。
若い女性にたいする社会の要求が多すぎる、と
いうのに納得。
仕事もわりとバリバリして、おしゃれも恋愛も
「自分磨き」もして……ってやってる女の子の言動に、
ときどき「歪み」が垣間見えてびっくりする。
そういうのって、たいてい本人は気づいてないので
恐ろしい。
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27:町田康 『テースト・オブ・苦虫 1 (1) 』

2008-05-05 12:57:38 | 08 本の感想
町田康『テースト・オブ・苦虫 1 (1) 』(中公文庫)
★★★☆☆

「ヨミウリウィークリー」に掲載されていた
小説のようなエッセイのような40編を収録。
「ネタだよね?」という話が多かったので
やっぱり小説か。

町田康は数冊しか読んでないけど、
「おもしろいけど読むと疲れる」
という印象。
仕事で作品を使わせてもらった作家さんは、
好意的な目で見てしまうな。なんとなく。
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