金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

115:『蜻蛉日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』

2022-05-30 21:46:38 | 22 本の感想
角川書店 編『蜻蛉日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

美貌と歌才に恵まれ権門の夫をもちながら、
蜻蛉のようにはかない身の上を嘆く藤原道綱母の
21年間の日記。
鋭く人生を見つめ、夫の愛情に絶望していく心理を
繊細に描く。
現代語訳を前面に出し、難解な日記を
しっかり理解できるよう構成。
現代語訳・原文ともに総ルビ付きで朗読にも最適。
 
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今も昔も変わらぬ、面倒くさい女の行動だ~~~!!

同じく面倒くさい女だったから、読んで赤面してしまう。

しかし彼女の場合、そうなるのも仕方ないという気もする。
評判の美人で歌才もあって、染色と裁縫も上手かったら
そうなるよね。
「都合のいい女」になるのをよしとしないプライドの高さ、
ツンデレぶりが、兼家にとって魅力的に思えた時期も
確かにあったのだろうとよくわかる。
そして、この面倒くささが、同じような身分の時姫との差を
大きくしてしまったのだろうということも。
正妻として一緒に住んだら、疲れちゃうもん……

道綱は実資にはけちょんけちょんに言われているが、
確かに母親視点で描かれたこの日記でも
「おいおい、本当に十七歳か?」
と思うような言動がある……。


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大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯21

2022-05-29 21:39:04 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第21話「 仏の眼差し

頼む、たまには息抜きさせてくれ……
毎週だれかが死ぬかひどいめに遭って、
日曜夜の情緒、ぐちゃぐちゃじゃん!!

これは鎌倉幕府の内ゲバの物語だと思っているので、
そこに至るまではさくさく進んでいくだろうと思っていたが、
奥州合戦がナレでほとんどスキップされたのにはびっくりだよ。

「しかしまあ、ここ数回、しんどいのが続いていたので
一休みするためのスキップだよね……」
と思ってた。
間違いだった!!

時政パパとりくの間に男子が生まれ、
畠山と稲毛が娘婿になり、大人バージョンの時連も登場。
北条ファミリー勢揃いでひさびさにほんわか展開かと思いきや、
りくと先妻の子たちの間はいっそうギスギス。
大姫はスピリチュアルにはまって言動がおかしい。
すっかり穏やかになった八重さんの幸せそうな様子に、
頼朝は嫌なマウントを取る。
そして、ついには八重さんの死。

吾妻鏡との整合性を取るために、
近いうちに退場するんだろうなと思っていたし、
その死は「展開上の都合」でしかないのだけども、
失った子「千鶴」を思わせる「鶴丸」を助けようとして……
という展開は説得力があった。
最悪の元カレとの間の子でも、
実父の指示で知らないうちに殺されてしまった我が子、
忘れられなかったんだよね。
そして、これが小四郎の罪に対する天からの罰だという展開も
上手い。
序盤の八重さん、ほんと可愛くなくて
「早く退場してくれ」と思っていたのだが、
小四郎と結婚してからはすっかり慈母になっていたから、
あわれもひとしお。

平六は冷淡なこと言っていたけど、
小四郎に対して負い目を持ち続けることになるんだろうな……

【その他いろいろ】

・千葉常胤、酔っ払いじいさんでキャラ立てしてきた

・梶原景時、やっぱりめっちゃ嫌われてるね……。
 頼朝の命で致し方なく、というのもあったけど、
 義経を追い込んだのは彼自身の意向だもんな。

・ワイルド系八田知家、「13人」出すために
 無理矢理出してきたんか? という唐突さ。
 一緒に義経をしのぶ相手として土肥どのが出てきたのも
 やや唐突で、これも何かの伏線なんだろうか。
 史実では、事情ははっきりわかっていないながらも
 土肥どのは失脚しちゃうんだよね。
  
・母がみなし子たちの世話にかかりきりになってる金剛、
 淋しいよね。
 可愛い子役だけに、その母も失ってしまうのがあわれ。

・頼朝「これから大事になるのは忠義の心だ」
 言うこと聞かないと殺され、言うこと聞いても殺されるんだから、
 もう運としかいいようがない鎌倉サバイバル。

・現在の旦那の前で「金剛はわしに似ておる」とか、
 このおっさん、最悪の元カレじゃん……。
 政子がはっきり注意してくれたからまだいいが、
 傍若無人すぎる。
 宗時の死からここまで小四郎にヘイト溜めさせても、
 殺されないと思ってるんだろうな。
 「自分のしたことが良いことがどうか、決めるのは天」
 って、こういう振る舞いにもつながってるんだろうか。

・ゴッシーに取り込まれなかった時政パパ、
 彼も成長してるのね。

・時政に突っかかる比企能員、
 先週も今週も政子の制止を聞かない道。
 着々と悲劇への種をまいてるな。

・ゴッシー「こんな時に平家がおったらの!」
     「義仲、九郎、なんで滅んだ」
 お前が言うな案件すぎる。
 ゴッシー「何でわしを止めなんだ!」
 平知康、とばっちりすぎる。

・かげの薄い稲毛のこともちゃんと気にかけてあげる小四郎。
 こういう気遣いは、一貫してやってるんだよね、前から。

・実衣「(頼朝について)何をしてもふざけてるようにしか見えない!」
 うん……

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114:永井路子『岩倉具視 言葉の皮を剥きながら』

2022-05-26 13:33:51 | 22 本の感想
永井路子『岩倉具視 言葉の皮を剥きながら』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

明治維新の立役者の一人、岩倉具視。
下級公家に生まれ、クーデターの画策などで
幾度となく追放されながら、
いかにして彼は権力の中枢までのぼりつめたのか。
本作の構想を長年温めてきた著者が、
卓越した分析力と溢れる好奇心で史料と対峙。
「尊王攘夷」や「佐幕」といった言葉を剥きながら、
新たな岩倉具視像を立ち上げることに成功した
永井文学の集大成! 

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柳原白蓮が農家に里子に出されていたのは知っていたが、
岩倉具視の息子もそうだし、
岩倉の乳母は農家の妻だったとのこと。
平安~鎌倉期の貴族とか、戦国・江戸期の武家の乳母って、
下級ながらも貴族や役人、武士の妻・娘のイメージ。
公家の乳母が農婦って、かなり意外に思えるのだけども、
この時代だと地位に対する考え方が
だいぶん変わっていたのかな……

明治新政府を主導したメンバーの多くは下級武士で、
明治維新を機に藩主から権力を奪い取ってしまったのであるが、
公家サイドでも下級公家が摂関家から
地位を奪ったのだなあ。
平安時代末期で家格が固定されて、
それが幕末まで続いていたというのもすごい。

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113:いしかわゆき『書く習慣』

2022-05-26 13:24:47 | 22 本の感想
いしかわゆき『書く習慣』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

SNS、ブログ、note、世間に発信できるサービスが増え、
多くの人が文章で自己表現しています。
他人の発信を目にする機会も増え、
「自分もなにか発信してみたいな」と思う人も増えています。
「書く」を仕事にする人も増え、
文章の指南書も数多く出版されています。
でも「書く」ことは、好きじゃないとしんどい。
むしろ「好き」になるからこそ、習慣になり、
自然と上達していきます。
この本では、あなたの「書きたい気持ち」を高め、
「書く」ことを習慣にするためのコツを紹介します。

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内容紹介をちゃんと読んでいなくて、
「ついつい後回しにしがちな仕事としての執筆を
どう習慣づけるか?」
ということのヒントを求めて読み始めてしまった。
ブログやSNSでの発信を中心に扱っているので
求めていたものではないのだけども、
それでも役に立つことが書かれていた。
特に、
「有益かどうかを決めるのは、
自分ではなく、受け取り手」
というところ。
「固有名詞にはその都度説明を入れる」というのも。
仕事で文章を書くとき、
「こんなこと、みんな知ってるし、
 書かなくていいor説明しなくていい」
と思いがちだった。

このブログは、ここ十年くらいは、完全に
「後で仕事で使うことになるかもしれない記録」
「積ん読している漫画を何巻まで読んだかの覚え書き」
「自分が後で内容を思い出すための大河ドラマの感想」
の置き場になっていて(ノートより検索性が高いから)、
人に読んでもらうためのものではなくなっているのだけども、
いつか、読んでもらうことを目的としたブログを書くことになったら、
たいそう役立ちそうな本だった。


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112:綿矢りさ『手のひらの京』

2022-05-24 21:34:36 | 22 本の感想
綿矢りさ『手のひらの京』
★★★★☆4.5

【Amazonの内容紹介】

京都に生まれ育った奥沢家の三姉妹。
長女の綾香は図書館勤務で三十一歳。
のんびり屋だが結婚や出産に焦りを感じはじめるお年頃だ。
負けず嫌いの次女、羽依は、入社したばかりの会社で
さっそく社内恋愛に勤しむが、
女性社員からのいけずにも悩まされる。
そして、理系の大学院に通う三女の凛は、
この町を愛しながらも息苦しさを感じ、
家族には内緒で新天地を夢見ていた。
春の柔らかな空、祇園祭の蒸し暑い宵、町を囲む紅葉した山々、
夜の嵐山に降る雪、……三人それぞれの揺れる思いを、
美しい京の四季が包み込む。
「こういう小説をずっと書きたかった」。
綿矢りさがはじめて故郷を舞台に描いた、愛おしくやさしい物語。

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ずっと積んでいた本。旅行を機に、ようやく読み始める。
「綿矢版『細雪』」というのは、
解説を読むまで思いいたらなかったけれども、
確かに構造としては『細雪』なのかも。

凜が本当に異性に興味がなく、それを気に病むでもなく、
恋愛めいたイベントが一つもないままに終わるのがよかった。
世の中、「恋愛しなきゃいけない」ようなムードが強すぎる。

「いけず」やストーカー男に対する羽依の反撃の場面が
本当におもしろいんだけども、スカッとして終わらずに
その反撃ゆえに恋を失ってしまうあたり、
「実際はそうだよね……」と妙にリアリティがあってしょんぼり。
彼氏が先輩相手に強く出られないのも、
羽依にドン引きしちゃうのも、残念だけどもわかるのよ……

 
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大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯20

2022-05-22 21:15:55 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第20話「帰ってきた義経

小四郎は、さすがにもう、自分には「必ず~します!」と言ったことを
守る力もないって、自覚したほうがいいんじゃないかな?
そう思っていたが、ついに腹をくくった模様。
泰衡と国衡の不仲を利用して泰衡に義経を討たせる、というのは
頼朝の指示だけど、ほんとに畑仕事にいそしむ義経をあおったのは
小四郎の自主的な判断だもんな。
最後に「逃げてください!」とか言い出さなくて安心したよ!
以前だったら、自分も展開に加担したくせに、そう言ってたと思う。

里御前、
「こんなところに来たくなかった」
「ついてきたくなかった」
「(静に対して)いい気味だわ」
と言ったあげく、堀河夜討ちが頼朝ではなく自分の策だったと
明かして義経に殺されちゃうんだけど、なんだろうか、
気の毒な役回りでありながら「義経の妻」という記号で終わらず
良かったね、という気持ちがある……。
子を産んだけれども、最後まで愛することも愛されることもなく、
満たされずに死んでいく一人の女として描いてもらえた、という点で
いわゆる「義経もの」の創作物の中では
大事にされたほうなんじゃないだろうか。
少なくとも、これまでにわたしが触れてきた義経関連の作品って、
たいてい、静への愛は描かれるけれど、
正室に関してはたいした個性もなく、
ただ「奥州まで来て一緒に死にました」で終わるものが
ほとんどだったから。

静のほうも美しくて儚い悲劇の女性じゃなくて、
里への醜い対抗意識がちゃんとあるのがよかった。
静ではない、と言い張っていたのに、
里の縁者である道にけなされて、
自分は義経の子を身ごもっている、と明かしちゃう。
最後、青墓の遊女になったんじゃないかって噂も
「美しいエピソードでは済ませませんよ!」
という脚本の強い意志を感じる。

静の舞のところでも、
義経が「自分の首で平泉を守れるのなら」と言うところでも
(だって実際には守れないし)、
ラストの頼朝の涙でも泣いちゃったんだけど、
義経の死に関しては、「ああ、こう描いてきたのか~」という感心が
先に立つ。
梶原が義経の才を誰より認めて理解していて、
でも天運を重視する梶原が選んだのは
義経ではなく頼朝で正解だった、というのも納得できる作り。

そろそろ姫の前が出てこなきゃいけないだろうから
八重さんは死んでしまうのかな? と思っていたけれど、
来週の予告は不穏。

【その他いろいろ】

・面と向かって、義経が平家を滅ぼしたことを褒めてくれたの、
 秀衡だけだったんだね……

・大姫、元気になったと思ったら、
 蝉の抜け殻で義高のこと思い出しちゃった

・善児、強すぎるんだが!?!?

・ついに重忠のキャラが崩れた!
 「こんなもん適当に叩いてればいいんだろ」
 と言った平六にキレる
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111:佐々木愛『料理なんて愛なんて』

2022-05-22 19:12:00 | 22 本の感想
佐々木愛『料理なんて愛なんて』
★★★★☆3.5

【Amazonの内容紹介】

料理が下手でフラれた私。
嫌いな言葉は「料理は愛情」――

料理嫌いな優花は、ずっと好きだった真島に
高級バレンタインチョコを渡すも
「好きな人に手作りチョコをもらったから」
と振られてしまう。
真島が憧れていた相手は料理教室の先生だった。
その日から、彼女の格闘と迷走が始まった!
自炊に挑戦し、料理男子と合コンし、
初めて「みりん」を購入するも
料理が上達するどころか好きにもなれずに苦悩する日々。
“料理は愛情”というけれど、料理が嫌いな優花の愛情は
一体どこに――⁉

****************************************

おそらく大部分の読者が
「そんな男やめろよ、東当くんにしとけよ……!」
と思うだろうし、わたしもそう思うが、
どんなにいい人でも、どんなにかっこいい人でも、
どんなに性格のいい人でも、好きになれるわけではない。
逆に客観的に見れば、いいとこなしの相手を好きになってしまう、
それが恋だよね。

料理が嫌いでも、料理をしなくても、生きていけるし、
そこまで気にする必要なんてないのでは? と思うが
こうありたいという自縄自縛の思いから
逃れられない気持ちもわかる。

しかし、料理に慣れているわけでもないのに
レシピ本の指示を守らず、勝手にアレンジして失敗するのは、
メシマズのお約束。
なぜその通りにしない!?
人の話を聞かないとか書いてあることを読まないって、
もう性みたいなものだよね。


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110:永井路子『望みしは何ぞ』

2022-05-21 21:45:30 | 22 本の感想
永井路子『望みしは何ぞ』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

摂関政治を終わらせた男が真に望んだものとは・・・?

直木賞作家、永井路子が描く王朝貴族の野望と葛藤。

藤原道長亡き後、王朝社会を操る黒幕となった息子藤原能信。
皇子誕生を巡る貴族たちの思惑と
歴史に翻弄される人々がたどる数奇な運命。

『この世をば』に続く平安朝の物語を直木賞作家、
永井路子が彩り豊かに描く。

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藤原道長の子であり、頼通の弟である能信が主人公。
頼通をはじめとする鷹司系(倫子腹)に対し、
彼らに大きく水をあけられた高松系(明子腹)の息子として、
独自路線を歩んだ人生を描いた長編。
道長の息子が、摂関家の娘を母に持たない帝を即位させ、
結果的に摂関政治を終わらせる……という流れが面白い。
地位の上では逆転できず、権力者にはなれなかったが、
鷹司系の勢力を大きく後退させたという点で
ちゃんとカタルシスを得られるようになっている。

能信の養女が産んだ子が、堀河天皇の中宮なのだから、
道長の時代から院政期って、そこまでの長い時間を
隔てているわけじゃないのだな。

それにしても、貴族たちが権力者におもねって
敵対勢力の支持する帝やきさき、親王への奉仕を
ボイコットするの、いじめと変わりなくてほんとイヤねえ。
敵対勢力のきさきや御子が死ぬと、
気の毒にも思わず「ラッキー!」って思っちゃうのも、
結婚や出産が政治と直結していたから仕方ないのだが
「ヒューマニズムとは……」と思っちゃうね。


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104--109:最近読んだ本

2022-05-21 21:42:35 | 22 本の感想
寿木けい『閨と厨』

十分に歳を重ねた大人ならではといった印象のエッセイ。
どきっとするフレーズがいくつもあって、
その一つ一つをメモした。


 佐々木と俊尚『家めしこそ、最高のごちそうである。』

どんなにいいことを言っていても、
誰かを否定するもの言いは
読む人・聞く人の印象を悪くするなあ……


 須野田誠『塾の効果を10倍にする家庭の習慣』

書かれているのは大部分が当たり前のことなんだけど、
この「当たり前」が当たり前になっていない家庭は
多いと思う。


 汀こるもの『探偵は御簾の中 泣かぬ螢が身を焦がす』

当時の考え方や社会のシステムをきちんとふまえたうえで
書いているのがわかるのが好き!
そう、結婚は政治!


 成田名璃子『今日は心のおそうじ日和』

ハートウォーミングな再生の物語。
シンプルながらよかった。
家事って、ほんとに誰にでもできるわけじゃないんだよ。


 泉坂光輝『神宮道西入ル 謎解き京都のエフェメラル』

語彙が豊かで、好きなところもあったのだけれども、
三話とも、ストーリーに「謎」を作るためだけに
登場人物が不自然な行動を取るのが
どうにも気になってしまった。
一応理由はつけられているんだけども、
やはりストーリーの都合だよね。


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103:高瀬志帆『二月の勝者〈15〉』

2022-05-17 10:50:40 | 22 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

受験の人間ドラマを描く小学館漫画賞受賞作

「俺の“二月”の“合格”で、心からの笑顔にさせるから!」

桜花ゼミナール生達の1月受験スタート!
島津くんの快挙に続けと、
続々と本番に臨む生徒達。

「日本一の受験数」を誇る学校も!
埼玉初日、驚きの巨大受験会場とは?

Ω、A、Rクラスそれぞれの闘い…
緊迫の合格発表、
講師室に結果を知らせる電話の音が響く。
果たして合否は!?

一方、1月になっても
希望が見えない生徒も…
佐倉の提案で今川母子が
訪れた意外な場所は……?

冬に積もった雪も少しずつ
雪解けを迎え、春が近づく…
受験本番、いよいよ佳境!


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何か最終巻みたいな表紙だな…… と思ったが、
まだまだ続く模様。
しばらく間を空けると、
生徒が誰が誰やらわからなくなってしまうのだが、
読み進めるうちに思い出す。
最後の難関とも言うべき今川母子にも変化の兆しが
見えてよかったよかった。

偏差値の高くない学校として出てきたミッション系女子校、
モデルになった学校は全然分からないんだけど、
私の知っているスペックの似た学校も、
確かにこんなムードある。
卒業生は学校が好きだし、お金持ちの派手な子も多い反面、
いい子もまた多いイメージ。


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