金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

映画:『エリザベス : ゴールデン・エイジ』

2009-08-30 23:24:14 | 映画の感想
映画『エリザベス : ゴールデン・エイジ
★★★★☆

25歳でイングランド女王に即位したエリザベスは
「処女王」と呼ばれ、未婚を理由に外交を有利にすすめていたが、
すでに子どもの産めない年齢にさしかかろうとしていた。
船に乗り、新大陸への冒険に身をおくウォルター・ローリーに
心惹かれるが、ローリーは女王と同じ名を持つ女王つきの女官と
関係を持っていた。
そのうえ、かねてから女王をとりまいていたプロテスタントと
カトリックの争いは、スコットランド女王メアリの
エリザベス転覆の陰謀が発覚したことを契機に
イングランドとスペインの戦争へ発展していくのだった。

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「エリザベス女王」が続いたのは偶然。

10年前に見た映画「エリザベス」が良かったので、
続編もチェック。
個人的には前作のほうが好みです。恋人役の顔が。
ジョセフ・ファインズ演じるダドリー卿に
ぽわーんとなっちゃう気持ちはわかるが、
今回のウォルター・ローリーは全然好みじゃないので
エリザベスの恋心にいまいち感情移入できないのであった……。

そして、わたしは洋画に出てくる男性の登場人物を
主役級の1~2人をのぞいてほとんど区別できないので、
ウォルシンガムもフィリップ2世も
メアリと通じていた敵対勢力の男たちも誰が誰だか。
会話と雰囲気からなんとなく推測はできるので、
話の流れ自体を勘違いすることはないのだけど、
監督による音声解説を聞いて初めて、
「あ、これウォルシンガムだったのね」
とわかったところもしばしば。
しかも世界史なんて、高校の授業が始まって三ヶ月で
投げ出しているし、前作を見てから10年もたっているため、
「メアリって、あれ、お姉ちゃん死んだんじゃなかったっけ?」
とか言ってる始末。
ヨーロッパ史には同じ名前の人間が何回も出てくるので
きちんと理解しようと思うと事前に予習が必要です。
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映画:『クィーン』

2009-08-30 22:40:09 | 映画の感想
映画『クィーン
★★★★★

労働党のブレア首相が誕生した1997年、
ダイアナ元皇太子妃がパパラッチとの激しいカーチェイスの末、
パリで自動車事故によって急逝。
かねてからささやかれていた不仲説のため、
国民の関心はエリザベス女王へ向けられる。
女王は王室のしきたりを守り、民間人となったダイアナに対して
特別扱いをする必要はないと考えるが、
絶大な人気を誇るダイアナの死を無視することで、
国民の不満は一気に増大し、女王は窮地に追い込まれる。

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ダイアナ元皇太子妃の事故のニュース、
予備校のテレビで見てポカーンとした記憶があるなあ。
もう10年以上も前の話なんだよねー。

内容としては、ダイアナの事故死という出来事が最初にあり、
あとは特に事件も起こらず、もうただひたすら、
「ブレア首相、女王にメロメロでござるの巻」
って感じなのだけど、
主演のヘレン・ミレンの演技にひきつけられて、
退屈しませんでした。
女王の気品や健気さ、一人の女性としての弱さが
余すところなく表現されていて、
見たらエリザベス女王を好きになっちゃいそう。
それぞれに言い分があり、女王を主役にすれば別の人間の分が
悪くなるのは当然だと思うけれど、
チャールズ皇太子の扱いはひどい

それにしても、死後でなく、在位中に
こんな映画が作られちゃうことがすごい。
昔、ダイアナとチャールズ皇太子の不幸な結婚生活を描いたドラマ
(映画だったかな?)が放送されていたのを見て
「えー!!」とびっくりしたこともあった。
日本ではまずないよね……。
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32:金子由紀子 『買わない習慣』

2009-08-26 17:41:36 | 09 本の感想
金子由紀子『お金に頼らずかしこく生きる 買わない習慣』(アスペクト)
★★★★★

持たない暮らし』、『わたし時間のつくり方』に続くアスペクトのシリーズ三冊目。

①掃除をしない
②無駄遣いが多い
③時間の使い方が下手

という自分の生活を改善すべきだという自覚はあるので
あれこれその手の本は読んだけれど、
「もう出揃ったな~」という感じでした。
方法も知ってるし(知っているが実行したり続けたりできない)、
類似本を読んでいれば刺激を受けることもなくなるし。
この本も、ネット上の評判は良かったのだけど、
実際本屋で目にする機会がなく、魔性の男(Amazon)に
頼むまでもないな……と買っていなかったのでした。
そうしたら、たまたま旅行先で立ち寄った本屋で発見。
時間つぶしに購入したのだけど、良かった!

これからもわたしは忙しさに負けて外食ばかりするだろうし、
この本を買った日には、本を5冊も買ってしまったけれど、
通販でカートに入れていた棚を買うのは思いとどまりました。
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31:『武田百合子 天衣無縫の文章家』

2009-08-24 19:49:07 | 09 本の感想
KAWADE夢ムック 文藝別冊 武田百合子』(河出書房新社)
★★★★☆

河出書房の特集本。
単行本未収録の作品にくわえ、吉行淳之介との対談や写真、
親族や友人へのインタビューなど。
巻末の川西政明と埴谷雄高の評論は、
泰淳と結婚する前に百合子が学生と心中未遂を
起こしていたことや、三回堕胎させられていたことなど、
なかなかショッキングな内容を含んでいる。

彼女の文章を読むと、本当に夫への愛がほとばしってるなあ。
二人の写真を見るとなんだか泣き出したくなっちゃうのは
そのせいなんだろうか。
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映画:『プリティ・プリンセス』

2009-08-24 14:59:03 | 映画の感想
映画『プリティ・プリンセス
★★★★☆

ボサボサの髪に野暮ったいメガネの垢抜けない女子高生ミアは、
面識のない祖母クラリスに呼び出され、自分が彼女の孫で
ジェノヴィア国の唯一の王位継承者だと知らされる。
プリンセスになるためのレッスンを受け、
美しく磨かれていくミア。
プリンセスだと知られたとたん周囲の態度ががらりとかわり、
憧れていた男の子にも声をかけられるようになるが……

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おっと、これもディズニーでした。
ださかったアン・ハサウェイが、磨かれて美しくなっていく様子は
『プラダを着た悪魔』と同様。
ストーリーとしては特に目新しさもないのだけど、
アンの顔がとっても好みなのと、
祖母役のジュリー・アンドリュースがいい味出していたのとで
★4つ。

恋愛の展開もベタといえばベタだけど、
まあうまくいかないよね、とハッピーエンドに素直にときめけない
三十路女のわたしなのでした。
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映画:『魔法にかけられて』

2009-08-24 10:39:18 | 映画の感想
映画『魔法にかけられて』
★★★★★

美しいおとぎの国・アンダレーシアの森の奥で
動物たちと暮らす娘・ジゼルは、ある日、
運命の出会いを果たした王子と結婚することに
(出会った瞬間に結婚が決定……)。
しかし、結婚式の直前、王位を奪われることを恐れた
王子の継母に井戸の底へと突き落とされ、
「永遠の幸せなどカケラもない所」・現代のニューヨークへ
たどり着くことになる。

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もんのすごく久しぶりにディズニー映画を見た
公開当時から見たいと思っていたのだけど、
腰があがらず見ないままに終わってたのです。

既存のディズニー作品へのオマージュを発見するのも
楽しいけれど、とにかくヒロインが可愛い。
姫というには結構トシとってて、
額のシワが気になっちゃったりするんだけど、
ドレスも髪型もロマンチック
(特にジゼルが作った2着目のドレスが素敵~
「運命の出会い」が否定されちゃうのは、
ディズニーのセルフツッコミなのかしらねー。

大人のためのディズニー映画という感じ。
あれこれ考えずに楽しむのが吉。
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30:飯田朝子 『数え方でみがく日本語』

2009-08-20 22:57:58 | 09 本の感想
飯田朝子『数え方でみがく日本語』 (ちくまプリマー新書)
★★★★☆

仕事のために読む。
箪笥は「一棹、二棹」で数える、といった「数え方」は、
雑学的な知識ではなく、わたしたちがその対象をどのように
とらえているかを反映したものである、というのが筆者の主張。
「数え方」には話し手がその対象を
どのようにとらえているかという情報を補う役割があるとして、
身近な「数え方」の使い分けの方法を紹介。

・「人」と「名」→「名」はある決められた範囲の中で
 名前を挙げられる人数を数える。
 「人」は名前に関係なく、人数を数える。
・「匹」と「頭」→人間より大きいものが「頭」、
 小さいものは「匹」
・乗り物の数え方→道路を走る乗り物は「台」、
 水の上をゆく乗り物で大型のものは「隻」、小型のものは「艘」。
 空を飛ぶ乗り物は「機」を使う
・「回」と「度」→次にまた起こりうる行為には「回」、
 次はいつ起こるかわからない、これきりになるかもしれない行為には
 「度」を使う。

などなど。
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29:姜尚中 『悩む力』

2009-08-17 23:18:03 | 09 本の感想
姜尚中『悩む力』 (集英社新書)
★★★★☆

芸能人と同じように、知識人にもはやりすたりがあるなあ~。
ということで、ここ数年、雑誌等でお目にかかることの多い
政治学者・姜尚中氏の著作を初めて読んでみました。
エッセイの要素も入った新書で、夏目漱石とウェーバーを
引き合いに出しつつ、知性や青春、信仰や仕事、愛や死について
著者の考えを述べています。
面白かったし、なにやら著者にときめきを覚える
人にこの本をあげようかどうか、手放していいかどうか
迷うので、★4.5。

笑ってしまったのはここ↓

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「いま、こうした個人の心の問題を『脳』や『スピリチュアル』と
いうもので解決しようとしたり、わざと鈍感になってみたり、
周囲に心の壁を作ってしのごうとしたりする傾向があるようですが、
それではやはり解決にならないのではないかと思います。」
(P.40)

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方々へのあてこすり
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28:百田尚樹 『風の中のマリア』

2009-08-16 13:17:53 | 09 本の感想
百田尚樹『風の中のマリア』(講談社)
★★★★☆

会社への寄付本の中にあったのを、先輩が読んで
「止まらなくなった!」
と言っていたので借りてきました。
そういえば以前、話題になってたな。

主人公マリアはオオスズメバチのメス!という斬新さ。
登場人物はすべて虫や鳥、クモ。
もちろん擬人化しないと物語として成立しないのだけど、
その擬人化も虫たちの生態から大きく逸脱しないもので、
迫力あり。
帝国最強のハンターであるマリアが、
種の存続・帝国の存続のために戦いながらも、
ワーカー(ハタラキバチ)として子孫を残すこともなく
帝国の維持のためだけに生きることへ疑問を抱いたり、
世代交代のために変化する帝国に戸惑ったりするのだけど、
知らなかった知識が満載で勉強になりました。
餌の少ない寒い時期、帝国を存続させるため、
ほかのハチの巣を急襲して殺戮の限りを尽くす場面は
すさまじい。

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27:高森千穂 『風をおいかけて、海へ!』

2009-08-16 13:00:24 | 09 本の感想
高森千穂『風をおいかけて、海へ!』(国土社)
★★★☆☆

拓人は「友だち未満」の関係にあるクラスメイトの一樹と二人、
自転車で海をめざすことに。
けんかをしたり、他者と出会ったりしながら、
それまで家族構成も知らなかった一樹と
徐々に距離を縮めていく……

という、いかにも児童書らしい児童書。
これも今年の青少年読書感想文コンクールの課題図書。
低学年版『自転車少年記』って感じかなあ。
自転車はあくまでも小道具にすぎず、
愛はそれほど感じられないんだけど。
中学年向けということで、本屋であっさり立ち読みできちゃう
ライトさ。
小3・4年生が読む本って、本来このくらいのレベルだよね。
中学受験に関係してるとついつい忘れちゃうんだけど。
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