金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

93:小谷野敦 『帰ってきたもてない男―女性嫌悪を超えて』

2008-09-25 23:53:17 | 08 本の感想
小谷野敦『帰ってきたもてない男 女性嫌悪を超えて』(ちくま新書)
★★★★☆

「……たとえこれ以後私がどれほどもてるようになろうとも、
 若いころもてなかった、三十まで童貞だったという
 怨念だけは忘れない。」

なんて表紙に書いてあるこんな本を、男の子との待ち合わせ場所で
読みふけっていたわたしです(相手に勧めもした)。

前著『もてない男』がおもしろかったので借りてきたのだけれど、
著者は『もてない男』のあとで結婚→離婚を経験したそう。
前著に比べ、より悲哀とユーモアの感じられる内容に
なっております。
「犬の腐乱死体は遠吠えもできない」
「写真つき出会い系の残酷市場原理」
「『堅物女』がもてない男を苦しめる」
などなど章タイトルも振るってる。

職場のステキ女子な先輩が、ほかの著作についても
あれこれ教えてくださったので読んでみます
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92:遠藤寛子 『算法少女』

2008-09-22 21:32:16 | 08 本の感想
遠藤寛子『算法少女 』(ちくま学芸文庫)
★★★☆☆

父から算法を教えられている町娘の千葉あきは、
潅仏会の日、奉納された算額に誤りを見つけ
指摘してしまったことで、武家の少年に絡まれる。
その事件を耳にした久留米藩主は、あきに興味を持ち、
姫君の算法指南役にしようとするが……。

***********************************************

江戸時代に記された和算書「算法少女」を父とともに書いた
少女あきを主人公にした物語。
そんな書物の存在も、少女の存在も
まったく知らなかったのだけど、
しゃちほこ村の中・高入試で使われていたのを
何度か目にして、読んでみたいなあと思ってたのです。
江戸時代を舞台にした話ながら、
やさしい言葉でわかりやすく書かれているので
普段時代小説を読まない子どもたちにも
抵抗が少ないのではないかと。
小中学生におすすめ!
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91:関口尚 『プリズムの夏』

2008-09-19 20:11:17 | 08 本の感想
関口尚『プリズムの夏』 (集英社)
★★★☆☆

親友の今井とともに映画館に通っていた高3生の「ぼく」は、
映画館で働く松下さんに出会った。
アンバランスな魅力を持つ彼女に惹かれ、今井とともに
彼女との距離を縮めつつあった「ぼく」だが、
彼女と、ネット上でうつ病日記を書く「アンアン」が
同一人物ではないかと思い始める。
「アンアン」の日記に心乱される「ぼく」と
家庭の事情に悩む今井、そして松下さんの夏を描く
小説すばる新人賞受賞作。

***********************************************

なんかあちこちでけちょんけちょんに言われていたなあ……
と恐いもの見たさで借りてきました。
図書館で借りて懐が痛んでいないため
そう思うのかもしれないけど、それなりにおもしろかったよ!
ただ、あまりにも素直でストレートすぎるため、
読んだあとで「読んでよかった!」と思えるような
強いインパクトがない。
アンアンの日記だって、
「いや、この流れで松下さん以外ありえないだろ?」
って感じで、松下さんかも……と悶々とする主人公に
まったく感情移入ができないんだなあ。
うつ病に関してもうすっぺらで、ラストはいまいち釈然とせず。
現役高校生が書いたと言われても納得してしまいそう。

でも、こういうなんの変哲もない青春ものは好きです。
今井の筝のエピソードも良かった。
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90:川上弘美 『真鶴』

2008-09-18 14:54:14 | 08 本の感想
川上弘美『真鶴』 (文藝春秋)
★★★★☆

失踪した夫にとらわれながら、残された娘の百と
母と三人で暮らす京は、“ついてくるもの”にひかれて
真鶴へ行く。
夫の残した「21:00」と「真鶴」という言葉……
夫は果たして真鶴にいるのか?
思春期の娘の変化にとまどい、夫との記憶にとらわれ、
京は足繁く真鶴に通う。

**********************************************

昨晩、寝る前に読み始めてしまい、
頭の中がぐるぐる、ぐらんぐらん

女の濃い情念を描いた物語なので
『センセイの鞄』ほど一般ウケはしないだろうし、
わたしも『ニシノユキヒコの恋と冒険』のほうが
好きだけれど、これも代表作になりそう。
悲しさと穏やかさがマーブル状に混ざり合ったような
不思議な読後感。インパクト大。
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89:ジュウ・ドゥ・ポゥム 『パリのアトリエ』

2008-09-10 22:11:39 | 08 本の感想
ジュウ・ドゥ・ポゥム『パリのアトリエ』 (ギャップ出版)
★★★☆☆

画家やデザイナー、彫刻家に染色家、陶芸家等々、
芸術の都パリで活動するクリエーターたち47人の
アトリエを写真で紹介したもの。
部屋の写真を見るのが好きなので
アトリエに関しても同じ感覚で楽しめました。
フラワーアーティストのアトリエは
お花がいっぱいで可愛かった
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88:よしもとばなな 『まぼろしハワイ』

2008-09-10 03:57:38 | 08 本の感想
よしもとばなな『まぼろしハワイ』 (幻冬舎)
★★★☆☆

ハワイを舞台にした「まぼろしハワイ」「姉さんと僕」
「銀の月の下で」の三篇を収録。
読んだのが夜中で、しかも気持ちが荒れていたせいか、
すんなり頭の中に入ってこず……。

亡き両親への愛や、母親の仕打ちに対する悲しみなんか、
胸が痛くなるような部分もあったんだけどな。
こちらのコンディションが悪かったため、
やむなく★3つ。
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87:ジャン=ルイ・ガイユマン 『ダリ ― シュルレアリスムを超えて』

2008-09-08 22:38:04 | 08 本の感想
ジャン=ルイ・ガイユマン『ダリ ― シュルレアリスムを超えて』(「知の再発見」双書)
★★★★☆

ダリを好き、と公言する人が身近にいたら、わたしはきっと
その人とは構えて付き合うようになるだろう……ってくらい、
ダリの絵画のスカトロジーや血や露骨な性器の表現が苦手です。

でも彼の人生っておもしろいんだな。
今までダリについての本は何冊か読んだけれど、
初めて知ったこともあっておもしろく読めました。
そしてダリは美形だ。
若いころの写真がハンサムすぎる!
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86:富山秀男 『岸田劉生』

2008-09-08 11:49:09 | 08 本の感想
富山秀男『岸田劉生』 (岩波新書)
★★★★☆

作品の変遷をからめながら、画家・岸田劉生の人生と
人物像を追った一冊。
岸田劉生についてほとんど知らなかったせいか、
新鮮でおもしろく読めました。
芸術家の人生はおもしろい。

かの有名な「麗子像」、わたしにはグロテスクにしか思えず、
中学生のころ、きらいな男子に「麗子」いう渾名をつけて
呼んでいましたわ。
「麗子五歳之像」はちょっと可愛い(?)。
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85:角田光代 『恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。』

2008-09-04 14:00:06 | 08 本の感想
角田光代『恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。』 (ブルームブックス)
★★★☆☆

ブルームブックスのHPで連載されていたエッセイ。
あとがきに書かれていたように、
「だらだらと話をしているよう」
な感じ。
最近はそんなことのできる相手も限られてきたけれど、
昔はよく友達とこんなとりとめもない話題で
あれこれ話を展開していたものです。
気が向いたときにちょこちょこと読むのが良い。
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84:大橋歩 『日々が大切』

2008-09-04 13:50:27 | 08 本の感想
大橋歩『日々が大切』(集英社)
★★★☆☆

イラストレーターである著者が、雑誌「LEE」に
連載していたイラストつきのエッセイ。
最初の雑貨の章はおもしろかった。
2~5章は、興味の薄い話題だったので、
いまいち気持ちを惹かれず。

新しいシーツがほしくなってきた。
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