金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

128:徳井いつこ『インディアンの夢のあと―北米大陸に神話と遺跡を訪ねて』

2005-10-30 12:21:41 | 05 本の感想
徳井いつこ『インディアンの夢のあと―北米大陸に神話と遺跡を訪ねて』
(平凡社新書)
★★★★☆

ギリシア神話と日本神話の共通点の多さはよく知られていることですが、
ここに出てくるホピの神話もノアの方舟のエピソードとそっくり。
ギリシア―日本については、確か大陸を伝わり朝鮮半島経由で伝播したと
考えられていたはずだけど(学生時代の知識。うろおぼえ)、
こちらにも伝播ルートがあるんでしょうか。
アラスカとシベリアはかつて陸橋でつながれてたらしいしね!
この手の研究はものすごく奥深そう。
ほんと、大学時代、専門外の講義にももっと出ればよかった。
まあ、専門の講義にもたいして出てなかったけど…。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

127:中野翠 『満月雑記帳』

2005-10-29 12:19:50 | 05 本の感想
中野翠『満月雑記帳』(文春文庫)
★★★☆☆

週刊誌を買わないわたしにとって、コラムというのはとんと
縁のないものなのだけど、林真理子さんのエッセイに中野さんが
しばしば登場しているので気になり、読んでみました。
時事ネタなので、今となってはなつかしいなあ~という感じ。
ロイヤルウエディングなんて、わたしが中学二年生のときの話だよ!
まったくタイムリーな話でもないし、
読んでなにかを得たというわけでもないのだけど、
語り口はおもしろいし、するどい指摘もあるので楽しかった。
本当に「時間つぶし」のために読むのがよい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

126:『コイノカオリ』

2005-10-28 12:18:33 | 05 本の感想
『コイノカオリ』(角川書店)
★★★☆☆

最初の三編は、短い中にもきちんと起伏があって言いたいことも
はっきりしていてよかった。
「海のなかには夜」「日をつなぐ」の二編はなにが言いたいのか
よくわからず、登場人物の書き込みも物足りない感じ。
それにしても夫婦の物語って、どうしてこんなに悲しいのか。

角田光代「水曜日の恋人」
この作家さんの本は合う・合わないが激しいな…と思っていたけど、
わかった。
主人公が子供の話は好きなんだ。
子供の視点で大人を見た物語は、かわいらしくて明るさがあるのだけど、
大人の女性が主人公だと、とたんに陰鬱だったりぶっとんでたりする
ノリについていけなくなる。
母の恋人との交流を描いたこの話はおもしろかったです。

島本理生「最後の教室」
かなり前に文芸誌で既読。初読の印象は忘れてしまった。
たぶん、いちばん最初に読んだ島本さんの作品。
梨本さんの悲しみは想像できるような気がするけれど、
やっぱり無理だよなー。十代の男の子には無理だ。

栗田有起「泣きっつらにハニー」
雑誌に掲載されていた「オモル・テル」(芥川賞候補)を
読んでから、注目していた作家さん。
ギャグや洒落じゃないのだけど、ナチュラルにおかしくて、
でも胸にしみこむ要素もしっかりある。好き

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

125:村上春樹 『村上朝日堂』

2005-10-26 12:16:40 | 05 本の感想
村上春樹『村上朝日堂』(新潮文庫)
★★★☆☆

小説の簡潔で乾いた印象が強かったため、
ちょっととぼけた風味の文章に驚く。
読みやすく、短い中にもきちんとオチがついていて、おもしろい。
作者の生き方、考え方がさりげなく織り込まれていて、
興味深く読みました。
アルバイト情報誌に連載されていたものなのですね。
シリーズ化しているようなので、続きも読みたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

124:宮部みゆき 『ぼんくら』

2005-10-25 12:15:13 | 05 本の感想
宮部みゆき『ぼんくら』(講談社)
★★★★★

師匠のおすすめ。おもしろかった!
宮部さんの時代物は、ずっと前に読んだ霊験お初捕物控以来。
キャラクターも個性的だし、実写のドラマにしてもおもしろそう。
弓の助の痣については、
「この子、いじめられてるんじゃないかしら。ヘンな子だし…」
と余計な心配をしていました。ホントに余計な心配だった
これで終わりなのはもったいないなあ、シリーズ化しないのかなあ、
と思っていたら、していたのですね。
『日暮らし』、読むのが楽しみ。
書き下ろしの最終章、余計だと思っていたのだけど、
次のお話の伏線だったのかしら。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

123:平岩弓枝 『御宿かわせみ29 十三歳の仲人』

2005-10-24 12:13:41 | 05 本の感想
平岩弓枝『御宿かわせみ29 十三歳の仲人』(文藝春秋)
★★★★☆

このところ気分が沈むような陰惨な話が多かったのだけど、
ひさびさにわくわくできる明るい一冊でした。
お石はいい感じでキャラクターが立ってきたところ。
もう出番はないのかな?
花世や源太郎の出番がほとんどなくてさびしいけれど、
お石のロマンスで帳消しです。
ロマンスといえば「源三郎祝言」なのだけど、あれはちょっと唐突。
(でもシリーズ中、いちばん好きな話です)
今回は前置きがきちんとあって、やきもきさせてもらいました。
るいのやきもちも恒例のギャグと化しつつありますね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

122:銀色夏生 『川のむこう つれづれノート(14)』

2005-10-21 12:12:00 | 05 本の感想
銀色夏生『川のむこう つれづれノート(14)』(角川文庫)
★★★★☆

これで最後なのか。さびしいなあ。
でも娘さんも中学に上がることだし、子供への影響を考えたら
このあたりがちょうどいいのかも。
最終巻にふさわしく、いろんなできごと(過去の結婚を含む)に対する
銀色さんの考え方にふれることができて、おもしろかった。
さまざまな人が日記を書いているけれどいちばん好きなシリーズでした。
あと③巻だけ読んでいないので、大事に読みます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

121:井上荒野 『もう切るわ』

2005-10-19 12:10:56 | 05 本の感想
井上荒野『もう切るわ』(恒文社)★★★★☆

久々に、好きになれそうだなという作家さんを発見。
雑誌で取り上げられていたのを見て気になっていた井上荒野さん。
病におかされた男をめぐる、妻と恋人の心のゆらぎを描いた物語。
夫を、恋人を、愛しているのかと自分の心を疑ってみたり、
逃げ道を作ってみたり、投げやりになってみたり。
不倫をめぐるドロドロはほとんどなく、静かに話はすすむ。
「愛する人が死ぬ」というあらすじから連想されるイメージとは
まるで違う感触にしばし呆然。
明るいのだけれどひんやりと冷たい感じもする不思議な雰囲気。
問題の男は本当にどうしようもないという感じなのだけど、
でも憎めない、惹かれる気持ちもわかる気がする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

120:よしもとばなな 『子供ができました―yoshimotobanana.com〈3〉』

2005-10-19 12:09:43 | 05 本の感想
よしもとばなな『子供ができました―yoshimotobanana.com〈3〉』(新潮文庫)
★★☆☆☆

サイトの日記をまとめたもの。
よしもとさんの作品は小説もエッセイも好きなのだけど、
この日記は正直、読むのが疲れた……。
サイトをときどきチェックしながら読む程度ならいいのかなあ。
彼女の考え方やプライベートが垣間見えておもしろいのだけど、
なんだかよくわからないもやもやが胸に残るのです。
この感じはまだちょっと、自分の中でも説明できない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

119:アンナ・チェラゾーリ 『数の冒険』

2005-10-18 12:08:15 | 05 本の感想
アンナ・チェラゾーリ『数の冒険』(世界文化社)
★★★★☆

数学の世界を祖父と孫のやりとりという形で子供向けに説明した物語。
フィーロと、元数学教師のおじいちゃん、変わり者のマウロおじさん、
という個性豊かな登場人物たちのやりとりが微笑ましく、可愛らしい。
フィーロのツッコミにふふっと笑ってしまう。
子どもにはちょっと難しいかな?と思うところもあるのだけど、
手元においてくりかえし読むうちに、数学好きの子どもになれそう。
ピタゴラスの定理は学校で習い、公式として使っていたけれど、
それがどういうプロセスを経てたどりついた結論なのか、
そこへ至るまでの考え方が初めてわかりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする