金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯8

2022-02-27 21:33:20 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第8話「いざ、鎌倉

本格的に登場して早々、

「ああ、この人、殺しとかないとダメですね」

と思わせる義経、すごくない??
狩りの獲物にもの申してきた男をだまし討ちにして
いきなり射殺したのに、屈託がなさすぎる。
頼朝のもとへ向かっていたはずが富士山のぼると言い出す義経、
ぬるぬるした里芋らしきものを豪快に刺し箸で食べる義経。
藤原秀衡に愛情いっぱいに送り出されていたのに、
サイコパスの気のある野生児ぶり。
小学生のときに読んだ手塚治虫の『火の鳥』、
主人公のモデルが弁慶なのに義経の好感度が低すぎて
結構衝撃だったのだが、
このドラマの義経もかなりやばいやつ。

最初のナレーションから「寄せ集め」と言われていた頼朝勢、
さっそく不満が爆発。
降伏した畠山重忠を頼朝が受け入れたことで
和田義盛がぷんすか。
「いちいち思いを聞く必要はない。頼朝が決めろ。
 異を唱えるやつは俺が相手になる」
と、義時をフォローしつつかっこいいこと言ってた広常ですら、
「若くて見栄えのいいほうがいい」
と決まっていた先陣を重忠に変更されるとプンプン。
(あのかっこよさはどこへ……)
最初から一貫して頼朝シンパっぽかった義盛すら、
「佐殿、近頃調子のってねえか?」
って言い出す板東武者の扱いづらさよ。
蛮族みたいな田舎のチンピラをまとめていくの、本当に大変ね……。
でも、それまでたいして親しくもなかった
三浦とか上総とかが集まっておしゃべりしてるのに、
わたしはキュンとしちゃうのであった。

義村も、ようやく「盟友」らしく義時をサポート。
義時が彼に甘えているところ、俳優さん結構な歳なのに
ちゃんと少年になっててすごいね。
過去のいきさつから孤立してる重忠の隣に義村が座ってあげたの、
よかった。

江間次郎、
「頼朝の手に渡すくらいなら八重を殺せ」
と言われたのだろうが、もういいよ、二人で逃げて……!
決してそうならないと知っているし、
八重のことは全然好きになれないが、
次郎くんには幸せになってほしいよ!!

【その他いろいろ】

・重忠、ちゃんとイケメン設定だった。
 頼朝も「重忠が窮屈な思いをしないように」って
 気遣ってあげるのね。

・亀といちゃいちゃするために政子との対面を一日延ばしにしたうえ、
 ギャラリーの中に亀がいるのに
 政子との「感動の対面」をやっちゃう頼朝。
 あ~政子の「打ち壊し」、楽しみだな~!!

・時政パパも、裏切ろうとしていたときとはまたちがったふうに、
「頼朝が自分を評価していない」
 という鬱屈を示しているし、
 実衣は継母のりくに対してばりばり反抗期。
 すでに序盤の「愉快な北条家」がなつかしい。
 りく、そんなに気にさわる描写は
 なかったような気がするんだけども。

・義村にだまされて「武衛=マブダチ」だと思い込む広常、
 おもしろかったけど、これ、一歩間違えば刃傷沙汰では。

・敵の軍勢が膨れ上がって大ピンチ! という状況で、
「それがしは大庭殿の家人ではござらん」
 とあっさり裏切りを告げる梶原のメンタル、すごすぎ。
 よく無事に帰れたな!?

・「流人の分際で、坂東武者を下に見る」
 伊東のじい様の言うこと、何一つまちがってない。

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32:碧野圭『菜の花食堂のささやかな事件簿 金柑はひそやかに香る』

2022-02-24 18:31:15 | 22 本の感想
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

「靖子先生、そういう謎を解くのが得意なんです。
いつも、ちょっとしたヒントから真実を見つけてくれるんです」
手を掛けたランチが評判の菜の花食堂を営む
靖子先生はいつも、とびきりの料理と謎の答えと、
明日へと進むためのヒントを手渡してくれる──。
好き嫌いがないはずの恋人が手作りのお弁当を嫌がるのはなぜ?
野菜の無人販売所の売上金が、月末に限って増えている理由は?
小さな食堂の料理教室を舞台に『書店ガール』の著者が描き出す、
あたたかくて美味しい大人気日常ミステリー、待望の第三弾!

****************************************

常々、
「順番に読まなければ話がわからないシリーズものなのに、
ナンバリングしていない本は許せねえ! 滅べ!!」
と思っているのだけども、これはシリーズ3冊目にもかかわらず
これ一冊で話がわかったからありがたい。

タイトルになっている食材があまり重要な働きをしていないのは
気になったけれど(その食材でなければならない理由が薄い)、
4話めの「金柑はひそやかに香る」は、
ちりばめられていたピースがかちりとはまった快感があって
おもしろかった。
「小松菜の困惑」も、「小松菜、関係なくない??」とは思うが
推理にはなるほど~。


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大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯7

2022-02-20 21:21:21 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第7話「 敵か、あるいは

いや~今回もめちゃ面白かったな~。

今回の メインは 義時くんのおつかい。
上総介広常を味方にできるかどうか。
いや多分、メインの使者は和田義盛なんだけど、
案の定、交渉ごとは全然ダメだった。

義盛「 難しく考えすぎ。 ハートで勝負!」
広常「世の中、思いの強さだけではどうにもならねえ」

ですよね~。
広常の館で遭遇した梶原景時のたとえ話に対する反応も
アホ可愛かった。
(しかし事情を知っていても、梶原の事情が詳細に描かれていないので、 
この時点ではよく分からん比喩ではある)

「頼朝は天に守られている」ということを
交渉の材料に使ったがために、
頼朝が襲われるという情報を聞かされつつも、
広常のもとで拘束されてしまう義時。
緊張感良いね~。

しかし一方の頼朝ときたら……
漁師の娘の亀に目をつけ、手を出すために
時政を再び武田のもとへ向かわせ、義村の警護も解かせ。
亀と同衾している間に襲撃を受ける。
「ほら、女にうつつを抜かしてアホなことしてるから~」
という展開かと思ったら、亀の夫が乗り込んできたのだった。
夫から逃れたところへ大庭の意を受けた長狭が襲撃。
長狭VS 亀の夫 というわけのわからんバトルに。
なにこの コント。
手を出したのが人妻だったから助かりましたって、
そんな天の助けある???
亀の「ついでにうちの人も討ち取って」に笑ってしまった。

広常の大物感、それに飲まれなかった頼朝のハッタリ。
これで主従関係が続いていれば、
ドラマチックで素敵なエピソードだったのにね。
広常の辿る運命を 知っていると、
こうやって帰参を描いたこと自体を
ひどい……と思ってしまう。

【その他いろいろ】

・千葉常胤「土産がわりに、目代の首取ってきました!」
 お迎えが来ると言っていた爺さんの 振る舞いじゃない。

・千鶴丸を殺したのかと父を問い詰め、
 もう父とは呼ばないと怒りをあらわにする八重。
 これまで厳然たる父だった祐親が、
  そう言われて弱くなっちゃうの、かわいそう。
 八重って、祐親にとっては、年をとってから出来た
 可愛い娘だったんだろうな~。

・全成登場。なにこのキャラ……
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31:原田ひ香『三千円の使いかた』

2022-02-19 16:55:30 | 22 本の感想
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

垣谷美雨さん絶賛!
「この本は死ぬまで本棚の片隅に置いておき、
自分を見失うたびに再び手に取る。そういった価値のある本です」

就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。
結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。
習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。
そして一千万円を貯めた祖母・琴子。
御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、
お金をどう貯めて、どう使うのか?
知識が深まり、絶対「元」もとれちゃう「節約」家族小説!

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長い間積読していたもの。
タイトルの「三千円の使いかた」については、
一貫するテーマかと思いきやそうでもなかった
(お金がテーマであることは確か)。

一家とその周辺の人々を描いた連作短編集。
するすると読める文章で、
そこまで劇的な展開はないのに先が気になり、
あっという間に読了。
独身の次女、子持ちの長女、一人で暮らす祖母、
更年期を迎える母……と立場や暮らし方の違う人物に
順にスポットライトをあてていく構成なのも楽しい。


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30:永井路子『続 悪霊列伝』

2022-02-19 16:48:37 | 22 本の感想
永井路子『続 悪霊列伝
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

直木賞作家・永井路子氏の作品が遂に電子化!
平将門、楠正成、祟徳上皇など、
中世および近世の武家社会における悪霊を、
時代とともに、描いた連作評伝。
悪霊を描きながらも、歴史上の人物の人間臭さ、本質に迫る。

****************************************

Kindleの99円セールにて購入。

目次:平将門/崇徳上皇/頼朝の死を廻って/楠木正成/
   将軍家斉の周辺

この巻は平安時代から江戸時代まで。
悪霊の祟りの規模の大きさの変化から、
時代ごとの悪霊というもののとらえ方、
扱われ方の変化を考察。

楠木正成、小学校の頃に読んだ学習漫画と大河ドラマ「太平記」で
イメージが形成されていて、それがまったく更新されていなかった。
彼の出自、立場は思っていたものとはかなり違った模様。
「悪党」として登場する彼が、どうして後醍醐天皇、
そして南朝サイドにずっとついていたのか、
不思議といえば不思議だった。
この本では、代々寺院の荘官を務めていた家の出で、
幕府よりは朝廷・寺社に代表される保守側に所属していたほうが
利益の得られる立場であったとしている。

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大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯6

2022-02-13 21:47:31 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第6話「悪い知らせ」

後白河法皇の幻覚がすでにレギュラーメンバーと化しているのに
笑ってしまう。
「青天を衝け」の「こんばんは、徳川家康です」にも度肝を抜かれたが、
出てこないと淋しいくらいになってしまったし、
ゴッシーもそうなっちゃう??

正直なところ、宗時の死については、
ドラマが始まる前からここで死ぬとわかっていて、
「アホなまま死ななくてよかった」という安堵や、
「こうやってこのエピソードを使ってきたんだ~」 という感心ばかりが
あり、前回は全然悲しくなかったんだけども、
時政パパと小四郎の涙にうるっと来てしまった。
変わり身が早く、前回から引き続き頼朝を損切りすることばかり
考えてる時政だが、やっぱり身内は大事なんだなあ。
頼朝、宗時の死の原因を作ったことを謝らずに
北条親子の中にヘイトをためていくのかと思ったけど、
ちゃんと謝ったね。よかった。

りくと政子が
「父のどころがよかったんです?」
「佐殿のどこがよかったの?」
って恋バナしてるの可愛い。
牧の方と政子が仲良しの作品、初めて見たかも。
現れた八重に「佐殿が夢枕に立った」と言われ、
政子の悔しさを察して
マウント返しできるように手伝ってあげるの、優しい。
「こっちも夢枕に立ちました! 私のほうに先に来たんです!」
とマウンティングしたあげく、水をぶちまける政子。
どんどんやってほしい。

八重、悲劇的な境遇にあるにもかかわらず、
人の話は聞かないし、偉そうだし、しつこいしで
好きになれなかったけれど、息子に会いに来て
とうの昔に死んでいたと知らされるの、
やっぱりかわいそうだった。
伊東祐親も血も涙もないじいさんじゃなく、
家のために苦渋の決断をしたのだとわかる描き方だから
よけいに憐れ。

梶原景時が頼朝を見逃すのも、三浦vs畠山も、
和田義盛が「侍大将にして!」と言い出すのも、
エピソードぜーんぶ拾ってくれてうれしい!
和田義盛が和田義盛すぎる。
畠山重忠、穏便に済まそうと思ったのに、
義盛のせいで(実際は彼の弟だったみたいだけど)
合戦になったあげく、
「裏切った!」と逆恨みされてかわいそう。
確か、このとき父親が大番役で京都にいたので、
うかつに源氏につけないうえ、
16~17歳で一族率いて出なきゃいけなくなってハードミッション。
大庭のおじさんはヤクザみたいな恫喝するし。

【その他いろいろ】

・比企館の嫁姑バトル。
 能員は尼の甥で、実の息子じゃなかったはずだから、
 よけいに気を遣うよね。

・頼朝「やだやだやだ、もう歩けないよ~!」
 こういう幼児、いるわ……。

・義村、時政のこと「叔父御」って呼んでる!

・武田信義、上総広常初登場。

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29:永井路子『北条政子』

2022-02-12 11:22:14 | 22 本の感想
永井路子『北条政子
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

伊豆の小豪族の娘として生まれ、源頼朝に嫁いだ政子。
歴史の激流にもまれつつ乱世を生きた女の人生を直木賞作家が描いた傑作。

北条時政(政子の父)が京での任務を行っている間に、政子は頼朝と結ばれる。
しかし、任期を終え、伊豆に帰ってきた時政はふたりを認めようとしない。
頼朝とともに乱世を生きた政子の紅蓮の生涯の始まりだった――。 

****************************************

Kindleの99円セールにて購入。
20年以上ぶりに再読。

大姫の生涯や静のたどる運命、
題材にされることが多すぎて食傷気味だったんだけども、
久しぶりにこうして読むと胸を打つ。
なんだか劇的すぎて、
「フィクションじゃないの? 本当に??」
と信じがたいくらいに。

政子と頼家の間の愛憎が激しくて、
読んでいて息苦しくなるほど。
頼家と安達景盛の間のいざこざには、
なんだか泣きそうになってしまった。
幕府草創の家人の家がひどい扱いを受け、
頼家が藤九郎に敬意を払わないのが悔しくて。
読んでいて、
「もう、これは頼家を殺すしかないな」
と思っちゃうのが、
『吾妻鏡』の思惑通りといった感じだけども。
実朝の死の前にも死亡フラグ立てまくったりしてるので、
『吾妻鏡』がかなり「作ってる」ことは確かだけれども、
他の詳細な記録がないから、頼家の名誉挽回は難しそう。

心動かす物語なのは確かで、
大河ドラマ関連で何か読んでみようという人にはおすすめだけど、
個人的には「すごく好きな作品」ではないんだよな~。
他の永井作品ではそうでもなかったのに、
性愛に関する言及がなんだかすごく嫌。
頼朝も政子もたいして好きじゃないからかしら。
感情的で、妙に女くさくて、
ヒロインなのにまったく好きになれない政子。
勝利者サイドにいるから、悲劇の女性という描かれ方は
されないんだけども、子ども4人が全員早死に、しかも
うち2人は非業の死を遂げているので、母としては十分悲劇的だ。

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28:永井路子『悪霊列伝』

2022-02-08 18:41:38 | 22 本の感想
永井路子『悪霊列伝
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

悪霊は魂の中に棲む―
呪われてしまった権力者はいかなる生き方をするのか?
古代貴族社会の熾烈な権力闘争を勝ち抜くことができず、
恨みを呑んで死んでいく者。
それらの者が死後、“祟り”を及ぼす悪霊になるといわれる。
崇道天皇、伴大納言、菅原道真、平将門、楠木正成…。
悪霊に苦悩する者、悪霊を利用する者。
平安の公家社会に横行した悪霊の系譜をたどりながら
日本人の裏精神史に迫る、連作歴史人物評伝の大傑作。

****************************************

Kindleの99円セールにて購入。

目次:吉備聖霊/不破内親王姉妹/崇道天皇/伴大納言/
   菅原道真/左大臣顕光

藤原氏が完全に摂関家として成立する前の、
奈良時代から平安時代初期にかけての人物や出来事に
興味はあるけれど、なかなか本が読めない。
このあたりの政争もなかなか陰惨な感じがする。

藤原顕光については、悪霊となって祟った、というエピソードは
読んだことがあったものの、
自分の中では「悪霊」にカテゴライズされていなかった。
非業の死を遂げたわけでもなく、無念や恨みはあったとしても
間抜けな人物として伝えられているので、
どことなくユーモラスで小物臭がするからなのかしら。
血縁者に美形扱いされている人が何人かいるから、
割と容姿は整っていたのではないかと思うのだけども。

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大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯5

2022-02-06 21:39:47 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第5話「兄との約束」

山木兼隆襲撃から石橋山の合戦での敗退まで。

今回も面白かった!

三浦義村は、「やっぱり頼朝に兵は集まらない」と見切りをつけ、
「裏切るのか!? 無二の友の小四郎がいるんだぞ!」
って父に言われても
「小四郎、すまん」
で済ませて撤退しようとするし、時政パパも
「あいつ(頼朝)、大将の器じゃない」
「あいつの首持って行けばなんとかなるんじゃない?」
って言い出す。
あんなに佐殿佐殿言ってた宗時兄ちゃんも、
「本当は源氏とか平家とかどうでもいい」
と頼朝を利用して自らの野望を果たそうとしていたのだと
明かされる。

当時の板東武者のあり方をちゃんと描いてるところ、
大好き!
「武士の忠義」のイメージって、
主従関係が固定されるようになった江戸時代以降に形成されたもので、
このころは、一族や所領を犠牲にしてまで
主君に従う義理はないんだよね。
「勝つ方につく」が基本姿勢。
すぱんと頼朝を切ろうとした時政はスタンダードな板東武者。

そして、タイトルの「兄との約束」も、
「佐殿を助けよ」じゃないんだな。
「都の連中に口だしされずに、板東の人間が板東のことを決める。
 北条がそのトップに立つ」
であって、内ゲバを乗り越えて義時が達成する夢なのだった。

頼朝、前から自己中ではあったが、
いかにも「弱いお坊ちゃん」な言動を取るので笑ってしまう。
負け戦になったとたん、
「だからイヤだって言ったじゃん! お前らのせいだぞ、
 なんとかしろ!」
って、雑魚キャラのセリフであって、ヒーローの発言じゃないよ。
いつも尽くしてくれる藤九郎に一喝されて
拒否した案を受け入れるの、よかった。
まだまだ未完成の「担ぎ上げられただけの貴種」であって、
棟梁らしくなっていくのはこれからなんだろうね。

工藤茂光と宗時が二人で行動し始めたとき、
すでに、「ああああ、やめて~~!!」と頭を抱えたくなった。
二人が討ち死にするの、知ってたので。
千鶴丸を殺したときには、
「まあ、相手は幼児だし、たやすいよね……」
って思ってたけど、この善児、凄腕のアサシンすぎないか??
敵の軍勢に紛れ込んだうえ(バレたが)、
いくら相手が敗戦して疲労してるとはいえ、
太刀持った武士を過たずに殺害。
しかも、工藤は為朝を討った強者なんですけど……!

来週、北条家が宗時の死を向き合わなければならないの、
しんどい……

【その他いろいろ】

・堤、最後まですがすがしいほどの悪役だった……

・頼朝「誰か所領取り上げてもいい奴はおらんか」
 いないよ、そんな人!!
 馬面という理由で名を挙げられるの、ひどすぎる。

・寺女として働けを言われてサボろうとしたりするけど、
 基本的にりくはクレバー。
 今までにない牧の方の描き方。
 政子も義母に一目おいているし、
 反感持ってるのは実衣のほうなんだな。
 
・大庭も伊東も、大軍なのに油断もないし、冷静。
 負けるわ、これは……という説得力。

・梶原景時、来た!!

・八重のところに忍んでくる頼朝、間男そのもの。
 そして、妻から「頼朝を助けるために船を出せ」と言われた
 江間次郎、かわいそすぎる。
 「侮るな!」って怒るけど、結局出してあげるのね。

・時政、大庭のことが「大嫌い」だったんだ……
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24-27:最近読んだ漫画

2022-02-04 19:25:01 | 22 本の感想

表紙からエロ要素が多いのでは……と思っていたが、
そんなことはなかった。
なぜかタイムスリップしてレストランにやってきた
歴史上の有名人たちに、最後の食事を振る舞うというストーリー。
ビリーザ・キッドだけ知らなかった。

秀吉が尾張弁しゃべってるイメージは強いけど、
信長がしゃべってるイメージないね。
しゅっとした容貌に描かれがちだからかな。
尾張弁しゃべってた可能性のほうがむしろ高いよな。



企画として、他の「めしもの」と差別化をはからなければ
ならないのはわかるんだけど……
コンビニの商品、そのまま食べようぜ??
手を加える必要性が感じられないから、
やってみたいとは思えないんだよな~。

「お嬢さま」のはずなのに、
家とか生活がめちゃ庶民なことに笑ってしまう。
どうしても描いている本人の生活が
基準になってしまうからな……



コロナウイルスが問題になりはじめたとき、
「まさにこれじゃん!」と話題になっていたのを覚えている。
感染症の存在に気づき始めるところから、
苦しいほどの緊迫感。
3巻で完結、とコンパクトにまとまっているので、
続きも読んでみよう。

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