金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

293:前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』

2021-08-31 21:48:04 | 21 本の感想
★★★★★

【Amazonの内容紹介】

バッタ被害を食い止めるため、バッタ博士は
単身、モーリタニアへと旅立った。
それが、修羅への道とも知らずに……。
『孤独なバッタが群れるとき』の著者が贈る、
カラー写真満載の科学冒険(就職)ノンフィクション!

****************************************

かなり前に話題になっていたベストセラー。
これは売れるわ、面白いもん……。

ガッツと研究者としての優秀さに加えて、
ユーモアのセンスとサービス精神。
虫は全然好きじゃないけど、とっても面白かった。

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映画:『Dangerous Beauty/娼婦ベロニカ』

2021-08-30 18:48:16 | 映画の感想
2021年の映画㉑『Dangerous Beauty (字幕版)』(マーシャル・ハースコピッツ監督)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

歴史を変えたのは名もなきひとりの娼婦だった―― 
激動の時代を強く生き抜いた女性の真実の物語! 
愛と感動のスペクタクルロマン

*******************************************

邦題は『娼婦ベロニカ』のはずなんだけど、
Amazonは原題のまま。
サンドラ・ブロック主演で同じタイトルの映画
あるね。

1580年代初頭のベネチアに実在した詩人
ベロニカ・フランコをモデルにした映画。
どこまでが史実なのかは不明。

以下、ネタバレ注意。



どうやらヒロインの家は身分が高くなく、
お金がない、結婚しようにも持参金が払えない……
ということは序盤から示されているのだけども、
下級貴族くらいの認識でいたものだから、

身分と貧しさから好きな人と結婚できない
「実はお母さん、元・高級娼婦でした」
「修道女と高級娼婦、どっちになる?」

という超スピーディな展開にびっくり。
「転落」と思えてしまうのだけど、実はもともとの身分、
そんなに高くなかったのかな?

失恋相手のマルコが、娼婦になったヒロインに
すり寄ってくるのが腹立たしく、
結局彼に心をささげてしまうヒロインにやきもき。
恋人になったからといって、
妻として迎え入れるわけでもなく、
援助すると言っても生活を背負うつもりもないのに
「他の男と寝るな」
と言いだすマルコに「ハアア~ッ!??」としか思えず、
ヒロインの苦悩にまったく共感できない。

マルコ、口では彼女を助けたいと言いながら
安全圏から
「頑張ったけど、無理だったよ。ごめんね~」
と言うだけだろうと思ってたから、
終盤はちょっぴり見直した。
大臣が立ち上がってくれたのを皮切りに、
男たちが義理を通したのは映画としては盛り上がるんだけど、
実際は娼婦を見捨てたんだろうな~と思っちゃう。

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292:高殿円『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』

2021-08-30 14:41:23 | 21 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

戦国の世、井伊家を背負って立った女がいた

徳川四天王・井伊直政の養母、直虎。
彼女は先を視る不思議な力を持っていた。
戦国の世に領主となった女の熾烈な一生を描いた渾身作。

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だいぶ前から積んであったもの。
初出が2011年なので、大河ドラマよりだいぶん前。

ヒロインは大河よりも賢く冷静で、
全体的にウエットな感じが少なく、好感が持てる。
直親は設定上どうしてもこうなるわなぁと言うダメっぷり。 
政次は、ここでも報われんやつやの……。

「実は~の思惑通りだったのだ!」系の歴史ものは、
当の人物が史実上何事も成していないために
無理やり感が漂うことが多く、
これもそうだったけど、
ヒロインの名や能力といったオリジナル要素は、
家紋だったり政次との関係性としっかり絡んでいた。

大河よりだいぶん史実寄りの印象で、
井伊家の勢力の規模や、登場人物の年齢差で、
「ああ、そうだったのか」と思うことが多かった。
奥山家の姉妹、あちこちに嫁いでいるから、
実際こういうネットワークはあったのだろう。

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283-291:最近読んだ漫画

2021-08-24 18:47:15 | 21 本の感想
★★★★★

小田原攻めまで。
本能寺の変の黒幕であることを打ち明けられる。
描き分けはなされているけれど、
もともと登場人物が多いので、
「誰だっけ、これ」を連発。



「あれっ!?」ってくらい、入り込めなかった……。



★★★☆☆

なんとなく昔懐かしい感じの ドタバタコメディ。
少年向けという感じでいいねえ。


★★★★☆

おもしろーい!
女性陣の好感度が高いのに比べ、
男性陣がひどい。特に笙野。
この先改心しても、読者に応援されないだろ、これ。


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映画:『アバウト・タイム  愛おしい時間について』

2021-08-24 18:32:25 | 映画の感想
2021年の映画⑳『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~ (字幕版)』(リチャード・カーティス監督)
★★★☆☆

【シネマトゥデイのあらすじ】

自分に自信がなく恋人のいないティムは
21歳の誕生日に、父親から一家の男たちには
タイムトラベル能力があることを告げられる。
恋人を得るため張り切って
タイムトラベルを繰り返すティムは、
やがて魅力的な女性メアリーと恋をする。
しかしタイムトラベルによって生じたアクシデントにより、
そもそもメアリーと出会っていなかったということに
なってしまい……。

*******************************************

面白いか? と訊かれたら、
そこまで面白くはない。 
でも、評価が高いのはわかる気がする。
いい話ではあるのだ。

※以下、ネタバレ


前半は、タイムトラベルができる家系に生まれた主人公が 
うまくいかないことがあるたびに過去に戻り、
うまくいくようにやり直す……の繰り返し。
このタイムトラベルの繰り返しによって
しっぺ返しを食らうのかな~と思いきや、
予想とは違う形で「弊害」とそれによる「制限」が
明らかになる。
子供が生まれる前に戻ると、子供が別人になってしまう、
というのが、弊害。
それによって、子どもが生まれる前には戻れない、
という制限が生じ、主人公は、もう一人子どもを作れば、
死んだ父には二度と会えなくなる、という状況に。
最後はタイムトラベルなどしなくてもよい、
日々を大切に生きていくことが大切である、と悟る。

おすすめはしないけど、じんわりと良かった。

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大河ドラマ『青天を衝け』#25

2021-08-22 21:09:25 | 大河ドラマ「青天を衝け」
夏休みで 一週間のリズムが狂っていて、またもや見るのを忘れていた。
10分遅れで視聴。

今回は、帰国した栄一が周囲から留守中の出来事を聞く形式で、
戊辰戦争のダイジェスト。
いきなり慶喜が天璋院に詰られててつらい……。
詳細に説明しても反発必至な案件、
説明しなかったらそりゃそうなるわな。

小栗が斬首され、川路もピストル自決。
平九郎も討ち死に。
悲劇の連続。
平九郎については、次回、栄一が養子にしたからだって、
おていに責められそう……。
まだまだ戦いを継続してる喜作だけが、
函館で土方と青春中。

栄一は、民部公子に「側にいて欲しい」と二度も頼まれたのに
即答できない。
心に慶喜がいるし、 
気持ちの切り替えが全然できないのはわかるけど 、 
この王子様みたいな民部公子にお願いされて
よくスルーできるな!?
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277-282:山田芳裕『へうげもの』〈1〉~〈3〉+3冊

2021-08-21 23:49:27 | 21 本の感想
 山田芳裕『へうげもの(1)~(3)』+3冊
★★★★★

【Amazonの内容紹介】

群雄割拠、下剋上の戦国時代。
立身出世を目指しながら、
茶の湯と物欲に魂を奪われた男がいた。方向
織田信長(おだのぶなが)の家臣・
古田左介(ふるたさすけ)。
天才・信長から壮大な世界性を、
茶聖・千宗易(せんのそうえき=利休)から
深遠な精神性を学び、
「へうげもの」への道をひた走る。
生か死か。武か数奇か。それが問題だ!!

*************************************

1~3巻が0円販売のときに購入してあったもの。
タイトルは聞いたことがあったし、
主人公が古田織部だというのも知っていたのだけど、
「文化人が主人公だし、すごい地味な話なのでは……」
程度の期待値で、強い興味があったわけでもなく。

読んでみたら、予想外にギャグ。
しかし、しっかり勉強して描いているのがわかるし、
独自の味付けがたいそう面白い。
本能寺の変については、本当にもう
数えきれないほどの作品に描かれていて、
黒幕にされた人間の多種多様。
そんな中で、この漫画には新鮮味と大胆さ、勢いがあった。
そして、奇をてらった描き方をしようとするあまり
無理やり感の出る作品は多いのだけど、
3巻の時点ではそれも希薄。

これは全巻読もう……と思いつつ、
横着して、ずいぶん先の、気になるエピソードの
含まれた巻だけ3冊買って、
先につまみ読みしちゃった。

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276:和田竜『村上海賊の娘〈上巻〉』

2021-08-21 09:29:28 | 21 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

『のぼうの城』から六年。
四年間をこの一作だけに注ぎ込んだ、
ケタ違いの著者最高傑作! 
和睦が崩れ、信長に攻められる大坂本願寺。
毛利は海路からの支援を乞われるが、
成否は「海賊王」と呼ばれた村上武吉の
帰趨にかかっていた。
折しも、娘の景は上乗りで難波へむかう。
家の存続を占って寝返りも辞さない緊張の続くなか、
度肝を抜く戦いの幕が切って落とされる! 
第一次木津川合戦の史実に基づく一大巨篇。

****************************************

『のぼうの城』は、自分は世間での評判ほど
面白いと感じなかったのだけど、
これは好きになれそうな予感。

ヒロイン・景のキャラクターがとても良い。
ただのおてんば姫でなく、当時の一般的な感覚だと
醜女扱い。
なのに面食いで、「モテたい! ちやほやされたい!」
という欲望に忠実 。 
関西へ行ったら美女としてちやほやされると聞いて、 
一向宗の門徒を連れて大阪へ。

ユーモラスな部分がありつつも、
本願寺側と織田側の事情や人間関係も読ませる。
いがみあいつつも認め合ったり助け合ったりする
泉州侍たちにキュンだよ。
それにしても大坂は当時も「面白くない奴はだめ」なんか……。
上に立とうとする生真面目な人間にはしんどいな。 

コメント (2)
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映画:『ピーターラビット』

2021-08-20 22:54:30 | 映画の感想
2021年の映画⑲『ピーターラビット™ (字幕版)』(ウィル・グラック監督)
★★★☆☆3.5

【シネマトゥデイのあらすじ】

イギリスの湖水地方。
いたずら好きなうさぎのピーターと
心優しい女性ビア(ローズ・バーン)が暮らす家の隣に、
ロンドンから神経質そうな青年
マグレガー(ドーナル・グリーソン)が引っ越してきた。
彼がビアに惹かれたことで、
ピーターとマグレガーはライバル関係になる。
さまざまないたずらを仕掛けるピーターに、
マグレガーも反撃を試みるが……。

*******************************************

聞きしにまさる「よく許可下りたな!?」なコメディ。
もともと自分たちの土地だったのを、
後から来た人間が奪った……というウサギ側の言い分はあれど、
序盤から、丹精込めて世話している菜園を荒らしまわる
動物たちの害獣ぶりに、この映画のスタンスが現れている。
ブラックベリーにアレルギーがあると知って
わざとマクレガーに食べさせて
アナフィラキシーショックを起させるわ、
マクレガーが設置した電気柵に工作して彼を感電させるわ、
「いたずら」なんて可愛いもんじゃないよ。
一歩間違ったら死んでるレベル。
対して、マクレガーも大量のダイナマイトを
ウサギたちの巣に投げ込み、全面戦争へ……

最後はめでたしめでたしだが、
これを「実写化」と言っていいのか!?
なんだかんだで面白く見てしまった。
90分でコンパクトにまとまっているのはありがたい。

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268-275:最近読んだ漫画

2021-08-17 18:14:35 | 21 本の感想
桑原太矩『空挺ドラゴンズ(1)~(3)』 
★★★☆☆3.5

絵柄やカラーの色合いのせいか、
何となくナウシカを彷彿とさせるのだけど、
独自の世界観が構築されていてよかった。


★★★☆☆3.5

なるほど、これは確かに面白い。
冒頭の主人公の結婚相手が誰なのか?
というミステリー的な興味の惹きつけ方。
主人公を「ラブコメの主人公」という記号ではなく
ちゃんとキャラ立てしようという意図も感じる。
女の子も可愛いし、人気にも納得。


 ヤマザキマリ/とり・みき『プリニウス 1巻~3巻』
★★★☆☆3.5

ストーリーも絵面も非常に地味なのに(おっさん率高い!)、
不思議と惹きつけられる漫画。
細部まで妥協しない描き込みのためかな?
世界史に関しては、高校の教科書レベル(しかも途中で脱落した)
の知識しかないけれど、興味を惹かれる。


★★★☆☆

イタリアンレストランじゃなくて生パスタ教室、
兼カウンセラー。
この設定だけで、とっちらかっているように感じてしまい、
「ただの料理教室じゃいかんの……?」
とも思ったけど、兼カウンセラーという設定は
お店ものにありがちな
「たいして親しくもない店の人/先生に、
 そんなことぺらぺらしゃべるか?」
という違和感を軽減してはいるんだよな~。
事態は変わらないし、ヒロインは解決しない、
ただとらえ方を変える、というスタンスは好き。

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