金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

91:ロアルド・ダール 『チョコレート工場の秘密』

2011-07-25 17:18:19 | 11 本の感想
ロアルド・ダール『チョコレート工場の秘密』(評論社)
★★★☆☆

貧しいながらも、祖父母4人と両親とともに仲良く暮らす少年・
チャーリー。
彼がチョコレートを食べられるのは、誕生日のときだけ。
チャーリーの住む街には、ワンカの経営するチョコレート工場が
あるが、その工場には人の出入りする姿が見られない。
どういうわけか、ワンカが工場を見学させてくれることになった。
招待客はたったの5人。
ワンカ社特製チョコバーの包装紙の中に
金色の招待券を見つけた者だけが工場を訪れることができる。
誕生日プレゼントのチョコレートには招待券が入っておらず、
あきらめていたチャーリーは、偶然にもこの招待券を手に入れる
幸運に恵まれる。

********************************************

映像を先に見ちゃダメ!!というのは今までの経験から
わかっていたのだけど、見たのは6年前だし……と思ったのです。
しかし、やっぱりダメでした。
もうどうしても映像的なイメージが固定されてしまって
純粋に本の世界に入っていけない。
映画を見たときは、前知識がなにもない状態だったのだけど、
あの映画はかなり原作に忠実だったのね。
映画の記憶をなぞるだけになってしまって、
純粋に本の評価ができないのだけど、
映画がよかったので★3つ。

原作のある映画は本当に気をつけなきゃいけない。
原作→映画の順だと、「どう表現しているのか」という
見方ができるので問題ないのだけど、
わたしの場合、逆は無理。
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88-90:中谷本3冊。

2011-07-24 08:38:00 | 11 本の感想
中谷彰浩
朝に生まれ変わる50の方法 』(PHP) ★★☆☆☆
お掃除デトックス』(ビジネス社) ★★★☆☆
スピード整理術』(PHP文庫) ★★★☆☆

ついに中谷本に手を出してしまった……。
(笑えるほど本を出している人→中身薄い、のイメージ)
わたしの好きなブログ(残念ながら更新停止)で
以前紹介されていたもの。
移動用に借りたのだけど、1日に3冊読めるのだから
中身はそれ相応。

『朝に生まれ変わる~』は驚くほど何も残らなかった。
夏の仕事は朝早いので、モチベーションを上げてくれると
期待していたのだが……

『スピード整理術』は、目新しい内容はないものの、
片付けようという気にはなった。

3冊の中では『お掃除デトックス』が一番良かった。
自分の家や部屋を片付けよう!というだけではなくて、
外出先――トイレや飲食店のテーブルといった場面での
振る舞いに言及しているのは新しかったかも。
「本は捨てるつもりで読む」はいい。
買った勉強本は、いつでも読めると思って
いつまでも読まないし、メモも取らない。
ちゃんと読んでメモも取るのって、
図書館で借りた本か「この日までに捨てる」と
決めた本だけ。
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87:スーザン・バーレイ 『わすれられないおくりもの』

2011-07-23 18:07:04 | 11 本の感想
スーザン・バーレイ『わすれられないおくりもの 』(評論社)
★★★★☆

親切で賢く、いつもみんなに頼られていたアナグマ。
自らの死期が近いと死っていた彼は、
「長いトンネルの むこうに行くよ さようなら」
という手紙を残し、死んでしまった。
悲しみのためとほうにくれる森の動物たちは、
アナグマとの思い出を語り合ううちに、
彼が別れた後でも宝物となるような知恵や工夫を
残してくれたことに気付く。

*****************************

絵本。
昔住んでいた家には本というものがほとんどなく、
両親も教育のために子どもに本を読ませようという
考えは持ってなかったはず。
そのせいか、わたしは絵本を読んだ記憶がほとんどない。
ひょっとしたら図書館で借りてたのかもしれないけど
記憶にあるのは、家にあった「ノンタン」シリーズだけ。
なので、幼年~低学年向けの本には全然くわしくなく、
結構、仕事で困ることがあったのでした。

これは仕事に関係する勉強本(このブログには書いてない)で
紹介されていたもの。
たぶん、これ、有名な本なのね。
静かに穏やかに死や別れと友情を描いた絵本。
読後、静かな感動に満たされる。
単純な「故人との楽しかった思い出」ではなく、
それが知恵や工夫という形をとったものであるところがいいな。
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86:ジャン・ジオノ 『木を植えた男』

2011-07-22 13:23:39 | 11 本の感想
ジャン・ジオノ『木を植えた男』(彩流社)
★★★☆☆

荒れ果てた地を訪れた主人公は、そこにひとりで住む
羊飼いの男に出会う。
男は、ただ一人、どんぐりを選別し、こつこつと
それを地に埋め続けていた。
時を経て、再びこの地を訪れた主人公は、
殺伐としていた荒れ地に森がよみがえっているのを目撃する。
かつての不毛の地は、水をたたえ、
人々が生活を営むことさえできるようになっていた。

*******************************

なぜ予約したのか、すでに不明。
わたしが読んだ彩流社のは、翻訳された原作と
同じくらいのページ数を割いて、
背景やジオノの作家としての態度、
作品についての解説がついている。

ドキュメンタリーかと思ったら、フィクションだった。
事実だと思わせる理由を、解説ではリアリティゆえだと
書いていたけど、そうではない気がするな。
フィクションとノンフィクションは、書き方が違う。
わたしは、叙情性が抑制されていて、
感情の起伏に欠けた文章を読むと、
これはノンフィクションじゃないかと判断する。
でもこれを「主人公の書いたドキュメンタリー」とするなら
リアリティがあることになるのか。
よくわからなくなってきた

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85:平沼正弘 『世界のシェー!!』

2011-07-16 09:52:23 | 11 本の感想
平沼正弘『世界のシェー (よりみちパン!セ)』(理論社)
★★★☆☆

ひさしぶりの「よりみちパン!セ」。
あと4冊で既刊56冊を制覇!と思っていたのだけど、
第6期の本が全然図書館に入って来ないな~と思ったら、
理論社が民事再生法の適用を申請したそう。
既刊は他社から復刊するそうだけど、
もう新刊が出ることはないのかな。
残念だ……。

さて、この『世界のシェー!!』は著者が訪れた
世界各地の人々にイヤミの「シェー!!」の
ポーズをやってもらって、撮ったその写真と
ちょっとしたコメントを並べただけなんだけど、
文化や国の情勢が現れていて、興味深い。
人々の笑顔にほほえましい気持ちになる一方、
政情不安の国・虐殺を体験した部族の人々の笑顔に
胸が痛む。
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84:パトリシア・マサキック 『わたしのとくべつな場所』

2011-07-14 12:20:56 | 11 本の感想
パトリシア・マサキック『わたしのとくべつな場所』(新日本出版社)
★★★☆☆

これも今年の読書感想文課題図書(小学校中学年)。
かつてのアメリカにおける黒人差別を題材にした絵本。
絵本だから文字情報が少ないのは仕方ないのかも
しれないけれど、「あとがき」を読むまで
子どもはテーマがつかめないのでは?
差別の背景も一切説明がないし、
「わたしの特別な場所」である図書館に対する
作者の思い入れも、あとがきを読んで初めてわかる。
同じく黒人差別をあつかった一昨年の高学年の
課題図書『ヨハネスブルクへの旅』は
未来へつながる意志とか思考が明確で、
感想を書きやすいように思えるんだけど、
子どもにとってはそうでもないのかな。

物足りない感じはするのだけど、
今年の4冊の中では、感想文を書く際の
落としどころはいちばんはっきりしているし、
ふくらませようはあるかも。
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83:吉田道子 『ヤマトシジミの食卓』

2011-07-13 15:44:06 | 11 本の感想
吉田道子『ヤマトシジミの食卓』(くもん出版)
★★★☆☆

今年の読書感想文の課題図書(小学校中学年)。
課題図書って、「なぜこれを!?」って思うような
本が選ばれていることがあって
選定基準がよくわからないのだけど、
これは「だから何だよ」というところもなく
物語としてきちんと成立していたし、
今年の中学年の課題図書4冊の中ではいちばん
好きだった。
やさしくて暖かい、それでいて
ちょっぴり悲しいところもあるお話。
ただ、家族の在り方とか、人と人とのつながりとか、
感想文のテーマとして書ける要素はあるのだけど、
全面に押し出されたテーマでないだけに、
それをすくい取れない子にとっては感想は書きにくいかも?
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82:ドゥニ・ゲージ 『数の歴史』

2011-07-12 08:29:53 | 11 本の感想
ドゥニ・ゲージ『数の歴史 (「知の再発見」双書)』 (創元社)
★★★☆☆

この「知の再発見」双書もわりと好きなシリーズで、
一時期よく読んでいた。
小さくて薄い割りに、図版も豊富で内容が濃いのです。

今回のこれは初読。
監修は藤原正彦。
文章はかなり読みやすく、観念的な内容も理解しやすかった。
先祖から子孫へ、時代を超えてバトンタッチを繰り返しながら、
問題を解決し、知を蓄積していく人類の学問の歴史に
感動を覚える。
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81:バニー・クラムパッカー 『数のはなし』

2011-07-11 09:00:32 | 11 本の感想
バニー・クラムパッカー『数のはなし―ゼロから∞まで』 (東洋書林)
★★★☆☆

1~9、0、10~12、100、1000……等々
それぞれの数が何を意味し、どう扱われてきたかを
古今東西のさまざまな例をあげて述べたもの。
こじつけっぽいところもあり、
翻訳もののためか文章もあまり好きじゃなくて、
おまけにページ数が結構あるのでしんどかった……。
結局、最後の3分の1くらいは
流し読みになってしまったんだけど、
久しぶりに「すごい!!」と思った本だった。
「感動した!」とか「目からウロコ!」とか
いうことではなくて、
これを書くために費やした労力に対して。
ここに書き込まれた薀蓄の量は半端じゃない。
この著者、たぶん専門家じゃないと思う。
なのにこれだけのエピソードや知識、
そして数字の関わる諸文献からの引用。
おもしろいかどうかはまた別だけど、
これだけのものを収集する時間と労力を考えると
ため息が出ちゃう。

しかし、性器に見立てるのが多すぎないかね?
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80:カレン・キングストン 『ガラクタ捨てれば自分が見える』

2011-07-11 08:47:01 | 11 本の感想
カレン・キングストン 『ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門』 (小学館文庫)
★★★☆☆

再読
お片づけ界のバイブル的存在らしいこの本、
前回読んだときはそれほどインパクトがあったわけじゃないし、
「運」とか「気」とかには相変わらずぴんと来ないんだけど、
読み返したらまた「捨てる!」という気になりました。
わたしは基本的に「今がいちばんいい」と思っていて、
過去は恥の集積=黒歴史、と言ってもいいくらいの認識なので、
過去にまつわるものを捨てることにはあまり躊躇しない。
前回の引っ越しと今回の引っ越しで、
写真を2千枚、自分の書いたもの・作った書類を500枚くらい
捨てたと思うんだけど、
そもそもなぜそんなにたまったか、と言ったら、
そのつど処理するのが面倒で
そのまましまいこんでいるからなんだよね。
ものを増やさないシステムがまだ構築できていないということ。
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