金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

147:多湖輝 『12歳からのマナー集』

2011-12-29 20:21:57 | 11 本の感想
多湖輝『12歳からのマナー集―インターネット、ケータイから、電車内マナーまで』(新講社)

仕事関係で読んだもの。
人間関係のトラブルを避けるためにあるのがマナー、
というマナーの意義が冒頭に記されていて、
あとは1ページに1項目のペースで、
インターネットを使用する際の注意点や
友人関係におけるトラブルの対処法などが
書かれている。
本当に小学生向けといった感じで、あっというまに読める。
大人が読んで面白いかって言ったら、正直なところ
おもしろくないんだけど、小学4~5年生あたりの子どもの
本棚にそっとおいておきたい本。
これは好みかどうかって問題じゃないよな、ということで
評価なし。
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146:荻原規子 『RDGレッドデータガール はじめてのお使い』

2011-12-28 20:28:09 | 11 本の感想
荻原規子『RDGレッドデータガール はじめてのお使い』(角川書店)
★★★★☆

中学三年生になった鈴原泉水子は、両親と離れ、
世界遺産となった熊野・玉倉神社で宮司をつとめる祖父と
ハウスキーパーの佐和と暮らしている。
路線バスのない山奥から通学している泉水子は、
高校進学を機に寮に入ることを考え、
自分を変えることを考え始めた。
その一環として、お下げにしていた長い髪を少し切ってから、
不思議な出来事が彼女のまわりに起こり始める。

**********************************

母がおもしろいと言っていたような気がするな。

一巻は壮大な物語の序章といった感じ。
引っ込み思案で平凡な、取り柄のない主人公が
実は特別な血筋の重要人物、というのは、
もはやファンタジーの定番?
そんなに量を読んでないので、よくわからないけど。

主人公には特別思うところもなく、
いかにも「女の子は好きでしょ」って感じの男性キャラクターは
全然好きになれないんだけど(特に深行。うんざり)、
東京行きのあたりからは話が俄然おもしろくなってきて
一気読み。
オタクとしては出羽三山の名前だけでときめく。
現時点で5巻まで出ている模様。続きを読むのが楽しみ。
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145:増田晶文 『速すぎたランナー』

2011-12-26 19:25:04 | 11 本の感想
増田晶文『速すぎたランナー (週刊ポストBOOKS)』(小学館)
★★★★☆

マラソンランナー・早田俊幸を題材にしたノンフィクション。
わたしはマラソンにも駅伝にもまったく興味がなく、
登場している往年の名選手も、瀬古くらいしか知らない
(しかも名前と「はやかった」ということだけ)のだけど、
知らないからこそ?おもしろく読めた。

ただ早く走ればいいだけではない、ペース配分や駆け引きが
大きな意味を持つマラソンの世界。
スピードを抑えることができず、期待されながらも
勝負に勝つことのできなかった選手の、流転の人生の一部を
切り取った話なのだけど、結果を出せない原因の大本にあるのが
自分の性格である、というのは悲劇だなあ。
自己評価が高く、相手に原因を求め、攻撃的、人の言うことを聞かない……
読んでて「そりゃあダメだろう」と思えるけど、
わかっていても変えられないのが性格だしな……。
孤立して追い込まれて、再起を図るものの、
現実は物語のようにドラマチックではない。
そんな後味の悪さ、ほろ苦さに、読後、しんみりしてしまう。
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144:竹宮ゆゆこ 『ゴールデンタイム2 答えはYES』

2011-12-18 21:23:59 | 11 本の感想
竹宮ゆゆこ『ゴールデンタイム2 答えはYES』(電撃文庫)
★★★☆☆

うう~ん??

初めての履修登録に、新入生同士の飲み会、
入学して早々の振った・振られた……
大学生活が始まったばかりの頃の、学生たちの日常生活。
1巻は割とおもしろかったんだけど、
あんまりにも日常すぎて、会話も恋愛にまつわる悶々も、
なんだか、心底どうでもいいなあ~という感じで入り込めず。
主人公が全然好きになれないせいもあるのかな?
香子はかわいい。
「超音波は、なんでも簡単に手に入れる」のくだりの
打ちのめされる感じはわかる。
制服を脱いで高校を出て、「好きにできる」状態に
放り出された大学生活の初めは、縛りが少ないだけに
素の自分を思い知らされるよね。
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143:銀色夏生 『第3の人生の始まり つれづれノート〈15〉』

2011-12-17 16:01:31 | 11 本の感想
銀色夏生『第3の人生の始まり つれづれノート〈15〉』(角川文庫)
★★★★☆

先月中旬に予想外の事態が起こり、あまりの忙しさに神経も摩耗気味……。
気を紛らわすために毎日DVDを1本ずつ見ていたけど、
本は全然読めませんでした。
久しぶりに休み(半日だけだけど)ができたので、
本を何冊か借りてきたり買ってきたりして、
やはりこれが必要だ……と思いました。
映像とは違う効果。

さて、再開された「つれづれノート」。
先月『きれいな水のつめたい流れ―つれづれノート〈17〉』を
図書館で見つけて先に読んでいたのだけど、忙しくなって
読み通せないまま返却期限が来てしまったのでした。
〈15〉以降はみんなそうなのかしら?
文章量が多くなって、かなり分厚い。
本当に「濃い」ファン向けという感じ。
わたしは読んでよかったと思うけど、
気軽に読めるエッセイという感じではなくなってきた。
時間があるときに少しずつ読むのがいい。

お母さんって大変だよね。
不機嫌でふてぶてしい、中高生の時期の自分のことを
思い返してみても、親に対してなんて不当な振る舞いをしていたのか。
ただ中にいるときには、その不当さに決して気づくことができず、
親になってから子供に不遜な態度をとられ、
それが何世代にもわたってループしていくのだなあ。
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142:朝井リョウ 『桐島、部活やめるってよ』

2011-12-03 11:07:07 | 11 本の感想
朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』(集英社)
★★★★☆

なぜかamazonへのリンクが張れない。

読んだのがだいぶん前なので、細かいところはすでに
忘れてしまったのだが……
「桐島がバレー部をやめた」という事実が
直接、あるいは間接的に影響する5人の周辺を描く
オムニバス形式の短編集。

美醜やセンスによってランク分けされる学校内の
ヒエラルキーにはリアリティを感じたけど、
その時期を過ぎた人間の視点で描かれた「青春」であって、
その視点のまま、17歳の時期を、只中にいる人間に
語らせているのに違和感はあるし、
実果の話は連作短編の一つとしては突出して重く、
必然性が感じられない。
でも、割と好き。
作者の出身高校が実家と近いので
作中世界の背景というのかムードはよくわかる気がした。
桐島が最後まで登場しないのも良かったな。
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141:秋庭俊 『帝都東京・隠された地下網の秘密』

2011-11-05 09:23:16 | 11 本の感想
秋庭俊『帝都東京・隠された地下網の秘密』(洋泉社)
★★★☆☆

図書館でたまたま目について借りてきたもの。
「東京都の地下には、戦前からすでに現在の地下鉄網に
ほぼ近い地下網が建設されていた!」
という、政府の陰謀論の一種?、いわゆるトンデモ本なんだろうか。

同じことが何回も書いてあるような印象で、
全然読み進めている感じがしない。
話自体はおもしろいと思うんだけど、
地下工事にはかなりの人数の人間が参加しているわけで、
秘密が守られるものなのか疑問。
そして第一、現在まで秘密にされなければならない必然性も
それほどないような気がする。
いろいろな数値や地図を挙げて論を展開しているんだけど、
読者にいかにもそれっぽく思わせているのは、
筆者を冷淡にはねつけた関係者の対応に関するエピソード。
筆者が地下の秘密をさぐろうとしているから、
それを阻止しようと資料の閲覧を阻止している……と
受け取れるような書き方だけど、
単純に関係者以外閲覧できないものなのかもしれないし、
「こういう態度だった」というのはあくまでも主観によって
とらえられた情報で、証拠となりえないよね。
客観的な事実でないことがそれらしく見せている、という点が
なんかズルイ。
まあ、都市伝説はおもしろければそれでいいんだけど。
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140:岸本佐知子 『ねにもつタイプ』

2011-11-01 21:08:19 | 11 本の感想
岸本佐知子『ねにもつタイプ』(筑摩書房)
★★☆☆☆

エッセイ。著者は翻訳家。
かなり良い前評判を耳にしていたので、期待大!だったのですが……

まったくおもしろさを感じなかった!

読んだときの自分のコンディションも影響していると思うけど、
おもしろいおもしろいと言われる本で、
自分がくすりとも笑えなかったことがなんだかショック!

ずっと昔に読んだ本だけど、川上弘美の『なんとなくな日々』に
読後感は似てるかな。
自分の中に文章が入ってこなかったという点で。
嫌いというわけではなくて、ただもうひたすらに、入ってこない。
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139:中田薫・中筋純 『廃墟本〈2〉』

2011-11-01 09:14:16 | 11 本の感想
中田薫・中筋純 『廃墟本〈2〉』(ミリオン出版)
★★★★☆

前巻の感想はこちら
前巻で書いた文字の見づらさは解消されたのか、
あまり気にならなかった。
エロ関連になると、著者の個人的なコメントが入るのに笑う。

「のうが高原」のところに出てきた日本式ピラミッドの話、
昔、外出先でテレビで特集しているのを見た記憶があるな。
詳細は覚えていないけど、ミステリースポットらしい。
おもしろそう。

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138:山田邦紀 『明治時代の人生相談』

2011-10-31 09:46:33 | 11 本の感想
山田邦紀『明治時代の人生相談』(日本文芸社)
★★★☆☆

これも雑誌の本とマンガ特集で紹介されていたもの。
明治時代に新聞・雑誌に掲載された人生相談とその回答を
集めたもの。
身分や徴兵、将来の夢などなど、明治時代ならではの相談もあるし、
男女関係や結婚、ご近所関係といった現代と共通点もあるけれど
考え方はまるで違う相談もあり。

セックスについて相談してきた「女學界」の読者に
「不埒千万言語道断これを西比利亜(シベリア)の中原に
追いやりたい」
と激怒したり、生活が苦しいため避妊法を教えてほしいという相談に
「なんたる不料簡ぞ。余はかくのごとき人に一片の情なきなり」
と冷淡に突き放したり、感情的な回答者の返答がおもしろい。
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