金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
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NHK大河「平清盛」レビュー17

2012-04-29 20:47:23 | NHK大河「平清盛」レビュー
【第17話のあらすじ】

清盛、歌会で自分語り&家族語り。
「夫婦ゲンカして、妻のことで頭がいっぱい。歌作れませんでした」

宿題忘れた小学生でも、もっとマシな言い訳するよ。

**************************************

ホームドラマ回。悔しいが泣かされた。

父のあとを継ぎ、平氏一門の棟梁となった清盛。
偉大な父ちゃんの後でプレッシャーを感じていたところに、
さらに家成邸での歌会で歌を詠まなければならなくなり、
ピリピリ。
一方の時子は、宴の膳の数を間違え、琵琶の演奏を所望されれば
「上達しないからやめちゃった」。
歌のことで悩む清盛にまた源氏物語トーク。
わたしは
「時子可愛すぎ……
と思って見てたのだが、清盛はイラついていたらしく

「明子ならもっとちゃんとした棟梁の妻になってた!
「清三郎もまともに育たなかった!!

と時子と清三郎の前で爆弾を投下。
時忠に、時子が琵琶を弾かなくなったのは、
明子を亡くしたばかりの清盛に弾くなと言われたからだと知らされた
清盛は反省モードに入るんだけど……
いやー……
しかしこれは、夫としても父親としても取り返しのつかない失言だろ……。
なんか最後はうまくおさまった感じだったけど、
これ、清三郎、自己肯定できなくなるよ。
宗盛がダメ棟梁になっても清盛は文句言えない。

そして、初登場時からクズ男っぷりを見せていた時忠は、
今回、その真骨頂を発揮。
そもそも清盛が爆弾を落とす発端になったのは、こやつの人でなし発言。
いたいけな子どもに
「お前の父ちゃん、前の奥さんのほうが好きだから、
 その子のほうが可愛い。お前はいらない子だから
 寺にでもやられちゃうし、頑張らなくていいよ」
って……姉ちゃんのフォローしても挽回できないひどさ。

親父と叔父に比べ、あまりにもできた重盛の長男ぶり。
泣けた
いつも明るくふるまっている時子も偉大な奥さんであるよ。

一方の源氏も波乱含み。
常盤をゲットしてさわやか好青年になっちゃった義朝。
「常盤は心の支え」
とか言っちゃって、幸福感でいっぱい。
そして、夫に放置されて息子にさえ同情される由良姫は、
ツンデレ娘っぷりもどこへやら、
「あの人のためになるならいいの……」
と演歌の世界の住人に。
そうこうしている間に、ダメパパ為義が次男・義賢を呼んで
源氏重代の太刀を与え
「義朝に並ぶ力をつけよ」
と発破をかける。
そして怒って乗り込んできた義朝に、
「俺のプライド傷つけた!! 棟梁にできない!」
といきなり逆ギレ。

ええ~っ!?

しっくりいってない描写は結構あったけど、
義朝は相変わらずパパ大好き!だったのに。
唐突すぎてびっくりだよ!

<その他いろいろ>

・清盛「平清盛である!」
 盛国「……みんな知ってます」
 ツッコミもこなす盛国。まったくできた家臣だよ!

・雅仁「帝、早く死ねばいいのに」
 相変わらずのクラッシャーぶり。

・家成は成親の父だったのか。
 家成のこと、宗子のいとこって以外わからず、
 ずっと誰これって思ってたんだが、
 自分の知識とようやくつながった。
コメント (2)
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41:山崎拓巳『「ひとり会議」の教科書』

2012-04-26 23:44:18 | 12 本の感想
山崎拓巳『「ひとり会議」の教科書』 (サンクチュアリ出版)
★★★☆☆

別のことに夢中になってたり、依頼原稿だの校正だのに追われてたりして
一か月近く、仕事本以外の本を読んでなかった。

これは何かのおすすめ本だったはず。
「ひとり会議」自体には目新しさは感じないんだけど、
忙しいときほど、目の前の仕事に追われたり、優先順位を見失ったりするから、
そういうときに「初心に帰る」つもりで読むといいかも。

「『一度に長時間会う』より、『時間を短く、何度も会う』」
「ものをたくさん見て、たくさん感想を持つことが必要」
という部分にはなるほどねと思った。
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NHK大河「平清盛」レビュー16

2012-04-22 20:44:53 | NHK大河「平清盛」レビュー
【第16話のあらすじ】

「では父上、安芸にてお待ちしております」
→再会の約束は死亡フラグ

**************************************

ラストの浜辺での父ちゃんとのやりとりは
白昼夢オチだと予想がついていたけど、
なんかじーんと来ちゃった。
臨終のシーンもなく、昨年の「江」みたいに1話まるまる使って
悲嘆に暮れる描写もなく、さっぱりしてるところが良いね。
ずっと、清盛が忠盛にギャーギャー言ってかみついてた上、
ここ数回の忠盛は清盛に対する軸がブレていたけれど、
今回はふつうに仲の良い父と息子って感じのシーンもあって、
押し付けがましくない、いい描き方だったと思うわ。
そして、舞子と清盛に対してもやもやし続けてた宗子ママに
感情移入ができなかったのだけど、
忠盛にとっては、恋人ですらなかった舞子が
最後まで永遠の女性だったんだなあと思うとママのもやもやも
ちょっとは理解できた気がするよ。


忠実の命令で、忠通邸を襲撃したダメパパ為義は、
盗賊と同じだと責める義朝に向かって、
「わかってる! 一族郎党を食わせるためだ! 何が悪い!」
と開き直る。
御所で会った忠盛に
「息子にこんなこと言われちゃったよ」
と言いつつ、
「わしはわしの道をゆく。それで約束を果たす!」
とかっこよくキメたものの、忠盛ときたら

「……約束? なんだっけ?」

……為義が報われない
為義は平氏に対してライバル意識燃やしてるけど、
忠盛にとってはホント、眼中にないって感じなんだろうな。


そして、報われない人ナンバー1はツンデレ由良姫。
もともと、かなり早い段階で頼朝のナレーションに
「報われなかった」と断定されてたけど、
さすがに今回はかわいそう。
統子に「仲を取り持つのが妻のつとめ」と言われて、
為義を招き、親子仲がいい感じに修復されるかも?
というところで、さらに亀裂が入る事態に。
しかも情緒不安定になった義朝は、常盤のところへ行ってしまい、
常盤に
「パパのこと大好きだもんね」
と「こいつは俺のことわかってくれてる」的セリフを言われ、
完全にノックアウトされてしまうのであった。
自分の努力が結果的に愛人を増やすことにつながったと思うと
あわれ……


得子の腹黒ぶりが復活したのはよかったけど、
昼ドラパートに慣らされた身には、こんなんじゃ物足りない。
厳島神社のシーンでは、「まさかの兎丸の恋話!?」と
本気でハラハラしてしまった。
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映画:『その土曜日、7時58分』

2012-04-20 17:38:55 | 映画の感想
映画『その土曜日、7時58分』(シドニー・ルメット監督)
★★★☆☆

会社の重役のアンディは、弟のハンクに強盗の計画を持ちかけた。
裕福でエリートに見えたアンディは、麻薬に手を出し、
会社の金を使い込んでいたのだった。
離婚し、娘の養育費の支払いも滞っていたハンクは、
迷いながらも兄の計画に乗ることになる。
押し入る先は、実の両親が経営する宝石店。
損害は保険でカバーでき、誰も傷つかない計画のはずだったが、
ひとつの誤算が最悪の事態を招き、それをきっかけに
徐々に家族の真実が明らかになっていく。

**************************************

邦題より、原題の『Before the Devil Knows You're Dead』のほうが
ムードがあるなあ。

カットバックの多用が、徐々に真実を明らかにしていくのだけど、
それで逆にストーリーの勢いが半減してしまった感もある。
前半のカットバックの連続にはちょっと疲れてしまった。
後半の兄弟の追い詰められた状況と、父を含めた家族間の関係が
徐々に明らかになっていく展開には引き込まれる。
思わず息をひそめて見てしまったほど。

自分自身は実感した記憶がまったくないのだけど、
長子は、「奪われる存在」なんだよね~。
あとからやってきた弟や妹に、親の愛情を奪われる。
アンディの場合は、弟に奪われたそれが戻ってこなかったわけで、
弟に声をかけた理由の根底にその事実があったと思うと
やりきれない。
しかも、別のものも奪われていたことが発覚するわけだし。
そして、同じ自分の子でも、好き嫌いってあるよね。
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映画:『五月の恋』

2012-04-19 22:24:12 | 映画の感想
映画『五月の恋』(シュー・シャオミン監督)
★★★☆☆

大学生・アレイは台湾の人気バンド「メイデイ」のギタリストの弟。
メイデイのHPの管理を任されていたアレイは、
ファンの少女から来たメールに対し、
メイデイのボーカル・アシンの名を使って返信してしまう。
メールを送ってきた少女・シュアンは、
中国のハルピンで京劇の学校に通っている。
公演のため台湾を訪れることになったシュアンから
会ってほしいと言われ、アシンになりすましたままのアレイは
会う約束をしてしまう。

**************************************

台湾映画。

「なんだこの体脂肪率高そうなバンド。人気バンドって設定なら、
 ビジュアルを重視してキャスティングすればいいのに」
と思ってたんだけど、実在のバンドだった。
なんか……申し訳ない……
名前がついてなくてもまったく構わないような、
背景にしか登場していないメンバーまで
「ミン(ドラム)」
とか字幕が入ってたのは、そのせいだったのか。

主人公の男の子、見たことある顔だなあ~と思ったら、
『藍色夏恋』の男の子ね。
男性陣はビジュアル格差が激しく、この主人公の男の子だけがイケメンで、
まるで「実写とアニメーションの融合」レベルで周囲との隔絶があった。
多くの資質に恵まれているけれど根性がないイケメンの弟と
ひたすら努力して人気バンドのメンバーとなった兄、
という設定はよかったな。
ヒロインの女の子はしょっぱなから攻撃的だし、結構自分勝手。
でも透明感があって、見ているうちに好きになっちゃう感じ。
例によって初恋レモンみたいな雰囲気なんだけど、
冷静に見るとストーカー映画。

台湾と中国本土の間に起こった出来事というのも
ストーリーの中に織り込まれている。
おじいさんが「家に帰る」とハルピン行きの切符を買っていたことは
お父さんの救いにはなっただろうけど、
奥さんとしてはやりきれないよね……
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映画:『ソウル・キッチン』

2012-04-18 09:21:27 | 映画の感想
映画『ソウル・キッチン [DVD]』(ファティ・アキン監督)
★★★☆☆

レストラン「ソウル・キッチン」を経営するジノスは、
恋人が仕事のために上海に行ってしまった上、
仮出所した兄・イリアスが押しかけてきたり、
滞納していた税金の支払いを迫られたり、
ヘルニアになったりと、不運が続く。
ヘルニアで調理ができなくなったジノスが雇ったのは、
高級レストランを追い出された天才シェフ。
ジャンクフードを一掃し、新しいメニューを導入して
ソウル・キッチンは繁盛するようになったのだが、
不動産業を営む同級生に目をつけられたことから、
乗っ取りの危機に見舞われる。

**************************************

以前、DVDの予告編で見かけた映画。

コメディというほどではないのだけど、
思わず笑ってしまうようなシーンもあり、楽しくみられる。
主人公がイケメンでないうえに、ヘルニアなので、
何をやってもしまらないんだよね。
中心となるのは主人公のジノスとその兄・イリアスなので、
あまり出番は多くなかったのだけど、シェフのおじさんが
かっこいい。
包丁を振り回しすぎだ。

乱れに乱れた後の、税務署のおばさんの復讐が怖い。
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DVD:『DARKER THAN BLACK-流星の双子-〈1〉~〈8〉』

2012-04-16 09:10:32 | その他(ドラマ・アニメ・落語)レビュー
DVD:『DARKER THAN BLACK-流星の双子- 1~8』
★★★★☆

「2期はよくない」と聞いてたので、期待せずに見る。
魔法少女の変身シーンみたいな演出とか、
いきなり壮大すぎる唐突な最終回にはポカーン……だったけど、
「黒の契約者」の続きと思わなければ十分おもしろい。

1期のイケメンぶりはあとかたもなく、
ロン毛のアル中ヒゲ親父として登場した黒〈ヘイ〉。
新ヒロインの蘇芳は、まだ中学生だというのに
将来DV男にひっかかる要素満点。
蘇芳&ジュライのちびっこ2人組が手をつないでるのが可愛い。

偶数巻には外伝4話を収録。
ちょっとロリータな銀〈イン〉と、
1期後半の銀と黒の間の雰囲気が好きだったので、
外伝にはあんまりときめかなかったけど、
チャイナ服とショートパンツは可愛い。
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NHK大河「平清盛」レビュー⑮

2012-04-15 20:20:31 | NHK大河「平清盛」レビュー
【第15話のあらすじ】

宗子キレる!
忠盛キレる!
雅仁は相変わらず笑い茸食ってる。

**************************************

宗子「家盛に触るでない!」
忠正「お前のせいじゃ! お前が死ねばよかったのじゃー!」
頼盛「兄上はやることがいちいち仰々しい」

続・清盛フルボッコの巻。
「やることがいちいち仰々しい」
「騒々しく騒いでくよくよ悩む」
という頼盛の清盛評が的確すぎて笑った。
頼盛役の子って、映画『愛のむきだし』の子だよね。
あの時は可愛かったが、格好のせいか、
この大河ドラマにおいてはなんだか病気持ちのような人相。

西行再登場。
近隣のおなごたちが「西行さまー!!」と
殺到するところはまるで漫画。
おなごたちに跳ね飛ばされていた清盛……
あなた、そろそろ顔洗いなさい。

「お前の息子、食っちゃったよ」
とすぐにネタばらしする頼長は小物臭ぷんぷん。
前回も思ったけど、本物の策士は、
最後までそれと気づかせないと思うの。

「つなぎ」の回だったせいか、ネタも少なく、
書くことがあまりないな。
ダメ親父とケンカして外へ出てきた義朝が、
常盤に
「親のためになったらうれしいよね」
みたいなことを言っていたのはときめいた。
義朝って、ダメ出ししながらも父ちゃん大好きだよね。
コメント (2)
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DVD:『DARKER THAN BLACK-黒の契約者-〈1〉~〈9〉』

2012-04-09 10:06:07 | その他(ドラマ・アニメ・落語)レビュー
DVD:『DARKER THAN BLACK-黒の契約者- 1~9』
★★★★★

アニメを見て「おもしろい」と思っても「すごくおもしろい!」と
思うことはほとんどないんだけど、これはおもしろかった!
今までに見たアニメの中では一番好きかも。
これまでタイトルを耳にしたこともなかったのが謎……。

最終話まで解明されなかった謎も多いのだけど、
それなりに収まりのよいラスト。

ヒロイン(だよね?)の銀〈イン〉がすんごく可愛い。
13・14話はもだえるくらい可愛い。

そして、第1話から淡々と女をたらし込み続ける
ハイパーモテ男な主人公……
イケメンは得ね。
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NHK大河「平清盛」レビュー⑭

2012-04-08 20:48:04 | NHK大河「平清盛」レビュー
【第14話のあらすじ】

NHKの冒険。よい子は見ちゃダメ!

**************************************

ホモシーンが本日のメインディッシュ。
終盤の回想は結構泣ける演出だったと思うんだけど、
もうとにかくメインディッシュにすべてを持っていかれた……
なんか笑えてきちゃうんだよね。

キングオブ男色家の頼長、期待にたがわず本領発揮の巻。
アンチ清盛の筆頭・頼長は、舞を舞う家盛に目をつけ、
血のつながらない兄の下で不遇な時代を過ごしてきた家盛に
同情するようなことを口にして、助力をほのめかすのであった。
「よいから近う寄れ」
と言い出したときには、「来た来た来た~っ!」とそわそわしてしまったわ。

そして家盛の操は散った……

問題のシーンはぼかしかかりまくりで、
携帯で見てたわたしは携帯が壊れたのかと思ったよ。

結局、あとで頼長が真っ黒な腹の中を暴露して、
家盛は「わたしをもてあそんだのね!」状態。
そのうえで再びやられてしまう救いのなさ。
失ったものが多すぎたね。いろんな面で!
頼長邸のオウムまで白塗りなのには笑った。

そして、今回、ホモシーンに続いて輝いていたのは、
平家のみなさんによる、あからさまな家盛ヨイショの清盛イジメ。
忠正おじさんは相変わらずだし、
家盛の守役・維綱は
「あ、うちの主人、清盛とは他人なんで」。
家盛と母を異にする教盛・経盛まで、清盛に対して
「こんな人が兄だと思いたくないよね~」
とか言っちゃって、目も当てられない清盛の人望のなさ。

そんな中、どこまでも「光の君」オタクで清盛大好き!な時子が可愛い。
この夫婦は可愛いよね。
そして、初回登場時からブレない時忠のクズ男っぷり。

ところかわって、源氏のほうでは頼朝誕生。
孫バカになってデレデレしてる為義は、
「幸い殿には似なかったようです。若殿に似て精悍なお顔立ち」
とか言われてるのに、耳に入っていない様子。
そして義朝とツンデレ由良姫は、
「うるせー! 女が口出すな!」
「わたしと子どもをちゃんと食わせなさいよ!」
と、すでに夫婦仲が危ぶまれる有様。
コメント (3)
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