金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

大河ドラマ「おんな城主直虎」#4

2017-01-29 20:45:20 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#4

甘ったれで自分勝手なおとわに、
相変わらずイライライライラ
もう耐えられん、今回で脱落だ!……と思っていたのだが、
「お前が撒いた種だろ!!
という自分の苛立ちを鶴が代弁してくれて、ちょっぴりすっきり。
それにしても、周りの大人たちがなぜこのガキを叱責しないのか、
不思議で仕方ない。
せめて父ちゃんくらいはガツンと言ってやろうよ!

今回も「このエピソード、本当に必要??」と
首をかしげるような部分が多かったし、
一貫して何もしない(本当に何もしない!)おとわ父が
ついに立ち上がった!!……と思いきや、ずっこけな展開。
逆に和泉守のセコさがぶれなさ過ぎて、だんだん愛しく思えてきた。

今週で子役は退場か。
亀之丞の子がめちゃ可愛かったので残念だけど、
ヒロインのキャラがちょっとはマシになってることを祈ってる。




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22:三島由紀夫 『奔馬―豊饒の海・第二巻 』

2017-01-27 17:18:18 | 17 本の感想
三島由紀夫『奔馬―豊饒の海・第二巻』(新潮文庫)
★★★☆☆

はやり病といってもいい右翼思想に感染し、陶酔した少年が、
自らは真剣に「国のため、陛下のため」に暗殺を企てるが
周囲の大人たちに寄ってたかってそれを阻まれる話。

最終的に本懐を遂げる主人公は、視野狭窄に陥った自己陶酔野郎なのだが、
華麗な文体とも相まって何やら清冽なものも感じさせる。
愚かなことは醜いが、美しいと錯覚させるものも内包している。

しかしまあ、どうしたって、割腹自殺した作者と主人公を
重ねて見ずにはいられないよね……。

個人的には清顕のことを気持ち悪いとしか思わなかったので、
本多や飯沼の彼に対する思い入れを奇妙に感じてしまう。


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21:森井源一 『豆腐道』

2017-01-26 22:05:55 | 17 本の感想
森井源一『豆腐道』(新潮社)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

豆腐は、地域あってこその食べ物やと思います──。
川端康成が小説『古都』の中に織り込み、
司馬遼太郎が『街道をゆく』で「日本文化を食っている気がしてくる」と
感嘆した「森嘉」の豆腐から、地域における食の本来のあり方が見えてくる。
京都・嵯峨で豆腐をつくることに一意専心してきた
名職人の口から語られる食の文明論。

**************************************

普段読まない本を読もう! と思って手に取った本。
「森嘉」ってなんか聞いたことあるような……と思ってたら、
川端康成の「古都」に出てきていた模様。
嵯峨のお豆腐屋さんとして有名なのね。

豆腐はわりと食べるほうだけども、実はそんなに好きじゃない。
あまりおいしいと思えないのは、スーパーの安いやつだからなのかな。
豆腐はにがりで作るものだと思い込んでいたのだけども、
にがりを使うと硬くなるとか、油揚げ用には別の生地を作っているとか、
知らないことばかりで一冊まるごと楽しめた。


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20:スティーブンソン 『ジキル博士とハイド氏』

2017-01-25 22:23:24 | 17 本の感想
スティーブンソン『ジキル博士とハイド氏』(ポプラポケット文庫)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

ひとりの人間のなかに、実はふたつの人格があるという真理をつかんだジキル博士は、
自分で調合した薬をのむことで、悪魔のような人間に変身していきます。
ところがこの悪の人格があばれはじめ、破局へと追いつめられ…。小学校上級向け。

**************************************

そういえばちゃんと読んだことなかったな……と
職場にあったものを借りてきた。
有名な作品であるがゆえにネタバレしまくっていて、
そしてネタバレしてしまうと、
サスペンスとしての魅力が半減してしまう物語。

いまこれを書こうと思ったら、カギとなる薬については
詳細にもっともらしい説明を付け加えなければ納得してもらえないと思うのだが、
昔は読者もおおらかだったんだろうか。
この本にしろ、『透明人間』にしろ、「そういう薬を発明したの!」で
押し切ってしまっている。
ゆえに、「人格が変わる」にとどまらず、
「風貌まで変わる」という無茶な設定も平気で押し通してしまっている。


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19:瀧羽麻子 『左京区恋月橋渡ル』

2017-01-24 19:02:51 | 17 本の感想
瀧羽麻子『左京区恋月橋渡ル』(小学館)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

毎朝六時半のラジオ体操にはじまり、
「いただきます」の声を合図にほかほかの朝食が食堂のテーブルに並ぶ。
京都市左京区の学生寮で四年間なじんだ生活は、
山根が大学院生になった春からもつづいている。
ウマがあう生物学科の安藤や数学科の龍彦らと同様、
工業化学科の山根もまた趣味と研究を偏愛しすぎる毎日で、
当然、異性のことなんて頭の片隅にもなかったのだが―。
葵祭や五山送り火、京都ならではの風物を背景に、
不器用な理系男子のみずみずしい初恋のときめきを、
あたたかく包みこむ純情恋愛長編小説。

**************************************

初めての作家さん。
ダニと野菜の口論のところでは笑ったし、
『ローマの休日』っぽいラストの読後感も悪くないんだけど……
どうも引っかかるのは、ヒロイン。

ヒロインに一目惚れをして、初めてのデートに奮闘する山根くんの、
本当にみっともないくらいにダメなところに胸を打たれる。
彼の先走りすぎた申し出も、いかにも恋愛慣れしていない男の子といった感じ。
学校が舞台だったらヒロインとその婚約者がスクールカースト上位で、
山根くんは下位。
最初から独り相撲感が漂っていて、いたたまれない。

作者が意図しているのかどうかわからないけども、
現実だったら間違いなく、ヒロインたちは、裏で山根くんを嘲笑してる。
本当に性格がよかったとしても、彼に恋愛感情を抱かれていることに
無自覚ではいられないだろうし、それであの対応はどうなの。
なんだかきれいなラストになっていたけれども、
ヒロインやその婚約者の善意も、単純に良いものとして受け取れないのであった。

ただ、もやっとはするものの嫌いじゃないので、姉妹編も読んでみる。


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大河ドラマ「おんな城主直虎」#3

2017-01-22 20:26:48 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#3

あーもう……

おとわにイライライライラMAX!

やったこともない蹴鞠の勝負に挑み続ける姿で
懸命さ・一途さを演出しているのだろうし、
結果として人質にならずに帰ることができたのだが、
もうこの子を見ているのが苦痛で仕方ない。
まだ子役パート続くのか~。
一年続けるにはエピソード不足なんだろうな~。

それにしても、寿桂尼のメイクすごいね……。
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18:冷泉貴美子 『冷泉家 八〇〇年の「守る力」』

2017-01-22 20:03:35 | 17 本の感想
冷泉貴美子『冷泉家 八〇〇年の「守る力」 』(集英社新書)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

冷泉家は藤原俊成・定家の血を引く「和歌の家」として、
その伝統と文化を京都の地で今日まで守り続けている。
冷泉家の長女として生まれた著者によれば、
冷泉家には「大事にせんとバチが当たる」「相変わらずで結構」など、
独特な伝統・文化継承の秘訣があるという。
当主夫人でしか語りえない代々のエピソードをもとに、
急速に変化する現代社会の中で、
我々が時代に流されず生きるためのヒントとなる“公家の知恵”、
冷泉家八〇〇年の「守る力」を明かす。

**************************************

長男以外、子どもはみんな家司のもとで育てられ、
女の子は嫁に行くまで子どもとして価値がなかった、とか
門下となる公家の家も伝統的に決まっている、とか、
知らないことが多くて楽しめた。
前に読んだ『京都冷泉家の八百年 ~和歌の心を伝える~』では
文章が読みづらく感じたけれども、この本は大丈夫だった。
 

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17:津田紀代 『カメラが撮らえた 幕末・明治・大正の美女』

2017-01-22 19:47:04 | 17 本の感想
津田紀代『カメラが撮らえた 幕末・明治・大正の美女(ビジュアル選書)』(KADOKAWA)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

幕末期の志士を支えた女性たち、鹿鳴館に舞った社交界の華、
外国人が撮らえた日本女性、艶やかな名妓・花魁たち、
日本初の美人コンテスト、大正期のモダンガールまで。

**************************************
 
当時の美人としてよく挙げられる「鹿鳴館の華」だったり、
美人コンテストの優勝者だったりもきちんと押さえつつ、
初めて見る写真・初めて知った人も多くて楽しめる。
一冊まるごと美女!って感じ。

こうしてみると、たかだか100年ぽっちでは
美醜の感覚って変わらないもんだな……と思う。
当時、絵葉書になって売れまくったという美女の写真は、
今見てもやっぱり美人なのだった。
しかし、「おお、これは……!」と思った美女も、
別の写真ではそれほどでもなかったりして、
「写真写り」の大切さも感じさせる。

朝の連続テレビ小説で、仲間由紀恵が
柳原白蓮をモデルにした役をやっていたけど、
写真見ると、仲間由紀恵と白蓮ってほんと似てるよね。


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16:浅倉ユキ 『あな吉さんの 人生が輝く! 主婦のための手帳術』

2017-01-21 20:15:53 | 17 本の感想
浅倉ユキ『あな吉さんの 人生が輝く! 主婦のための手帳術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

【Amazonの内容紹介】

めんどうくさがりでも、努力が苦手でもOK。
「メモはすべてフセンに書いて、手帳に貼る」
たったこれだけのことで、忙しい主婦の生活がとってもラクになります。
家族との関係が良くなる!
自分の時間が見つかる!
やりたいことに向かって動けるようになる!
“ゆるベジ”でおなじみ、あな吉さんの大人気講座が本になりました。

**************************************

全部は読んでいないので、好み度★はなし。

毎年手帳特集の雑誌を買っているのだし、
もう手帳術の本を買っても目新しいことなんかないよ……
と自分で理解しつつ、ついつい手に取ってしまうのだった。
まあ、今回は、自分のためというより、
仕事相手のためといった感が強いセレクトけれども。

ふだん手帳を使っていない人には、いいんじゃないかな?

"大人というのは、いつも自分で、自分をゴキゲンに保たなくてはいけない。
それが大人の責任である。”

にはハッとさせられた。


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15:山口晃 『ヘンな日本美術史』

2017-01-21 19:42:37 | 17 本の感想
山口晃『ヘンな日本美術史』(祥伝社)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

山口晃、初の書き下ろし「画論」!

自分が描いたということにこだわらなかった「鳥獣戯画」の作者たち。
絹本に白色を差すまでの絵師の心細さ。
「伝源頼朝像」を見たときのがっかり感の理由。
終生「こけつまろびつ」の破綻ぶりで疾走した雪舟のすごさ。
グーグルマップに負けない「洛中洛外図」の空間性。
「彦根屏風」など、デッサンなんかクソくらえと云わんばかりのヘンな絵の数々。
そして月岡芳年や川村清雄ら、西洋的写実を知ってしまった
時代の日本人絵師たちの苦悩と試行錯誤……。

絵描きの視点だからこそ見えてきた、まったく新しい日本美術史!

**************************************

あー面白かった!

上の内容紹介は非常にまじめなんだけども、
文章にユーモアがあって読みやすく、なおかつ勉強になる。
自分で見たときには気づかなかった視点で絵を紹介してくれているので、
「言われてみればそうだ」という発見が多かった。
学生の頃から、資料集に載っていた月岡芳年の絵が好きだったんだけど、
あの絵の良さも言語にしてもらって初めて理解できた気がする。

"一方、この「高津本」は、ぱっと見で明らかにこれは駄目だろうという
ビジュアルを持っています。斬新な構図と言えば聞こえはいいですが、
これは明らかに「下手」です。"(P.141)

と書かれた後にその絵が載っていて、笑えてしまう。
下手だとこきおろしているわけではなく、
その絵が生み出された背景や、美術教育にまで話が及んでいて、
絵を描かない人間にも納得できることが多かった。


コメント (2)
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