金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

28:渡辺淳子 『東京近江寮食堂』

2018-05-27 21:45:41 | 18 本の感想
渡辺淳子『東京近江寮食堂』(光文社文庫)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

定年退職を間近に控えた妙子は、10年前に消えた夫の行方を探すため
東京にやってきた。
慣れない土地でのひょんなトラブルから、
谷中にある宿泊施設、近江寮にたどりつく。
個性的な管理人や常連客の貧しい食生活を見かねた妙子は
彼らの食事を作り始めるが、その料理はやがて人々を動かし、
運命を変えていく。そして彼女自身も――。
おいしくてせつない、感動長編。

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結構前に読んだのだけど、記録するのを忘れていた。
「きっと、東京に出てきた人たちが滋賀の郷土料理を懐かしむ話であろう。
 滋賀は何回も言ってるが、鮒ずしくらいしか知らないな」
と思って手に取った本。
予想していた話とはずいぶんちがったし、
料理である必然性は薄かったけれど、思いがけずよかった。

ヒロインが五十を超えたおばさんで、
初めて友だちができ、新しい場所で人生を切り開いていくのが
いいね。
個性的な登場人物とその関係が楽しく切なく、
一気読み。
しかし旦那は勝手すぎやしないかね。

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27:おかべたかし・山出高士 『くらべる東西』

2018-05-23 22:09:53 | 18 本の感想
おかべたかし・山出高士『くらべる東西』(東京書籍)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

関東と関西の文化、食べ物、日常生活、習慣、風景…
日頃感じるなんか違う…というもやもや感。
「桜餅」「湯船」「タクシー」から「座布団」「縄文土器」まで、
そんな34の違いを写真で比べました。
東西あるあるの決定版!

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写真の占める割合の多い本だけに、
ビジュアルではっきり違いがわかるものを選んでいるそうで、
見て楽しめる本。
桜餅が関西や関東で違うというのは以前から知っていたけど、
表紙にもなっている「銭湯の湯舟の位置」、
「扇子の骨の本数」、「いろはかるたの内容」の違いなど、
初めて知ったことがたくさんあった。
シリーズものみたいなので、他のも読んでみよう。

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26:ジェニファー・L・スコット 『フランス人は10着しか服を持たない2』

2018-05-19 19:05:47 | 18 本の感想
ジェニファー・L・スコット『フランス人は10着しか服を持たない2』(大和書房)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

年齢を重ねるほど、シックで魅力的な女性になれる。
広い家でなくても、一流の家具がなくても、
毎日を「特別な日」のように過ごす。
ミステリアスで魅力的なフランス人のように、
穏やかに、エフォートレスなスタイルで、自分に満足して暮らすには―。
日本中を席巻した年間ベストセラー第1位!
(2015年実用書・ノンフィクション部門)第2弾!

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半分くらい読んだ時点で、
「おかしい、全然頭に入ってこない……」
と一度置いた。
自分が疲れてたからかなと思ったんだけど、
改めて残りを読んでわかった。
新しいことがほとんどないからだ。
まともな生活をしようと、その手の本を数多く読んでいる
(つまり、書いてあることを実践できていない)人間には、
どこかで一度は目にしたぞ、と思う内容ばかりなのだ。

まあ、小説でも何でもそうだけど、もともとシリーズ化を想定して
書いたものでない限り、1巻がいちばんおもしろいよね。
面白いことを出し惜しみせずに詰めてるから。
2巻はどうしても、搾りかすみたいになっちゃうよ。

でも、この類の本をふだん読まず、なおかつ育児中の人には
面白く読めると思う。
子どもの気分をうまくのせる例が具体的に書かれてるし。

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25:ドミニック・ローホー 『屋根ひとつ お茶一杯』

2018-05-15 11:19:45 | 18 本の感想
ドミニック・ローホー 『屋根ひとつ お茶一杯 魂を満たす小さな暮らし方』(講談社)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

質の高い人生のために「小さな家」を選ぶ。
すると、ものとのつきあいから、
時間の使い方、お金、孤独、自由、人間関係まで、
あなたが幸福になるように変わりはじめるでしょう。
フランス・ヨーロッパ各国でベストセラー。
シンプルな生き方を教える著者による待望の書き下ろし。

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個人的には、この著者から受け取るものは
最初に読んだ3冊で大部分受け取った……と思っているのだけど、
それ以降の本でも仕事のアイディアにつながることが
しばしばあるので、見つけた著作はとりあえず全部読む。
今回もアイディアをありがとう。
禅の言葉に俳句に、引用の数々から、
本当に日本文化に造詣の深い人だとわかる。

「衣」「食」に比べて「住」が人にストレスを与えがちであること、
広すぎる家は必要でないということは経験からもよくわかる。

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24:『サライ』編集部 『私のとっておきの京都―生粋の京都人44人が選んだ』

2018-05-12 19:53:54 | 18 本の感想
『サライ』編集部 『私のとっておきの京都―生粋の京都人44人が選んだ』(小学館)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

京都に住む有名人が、神社仏閣から料理店」、伝統工芸品まで、
観光客にはわからない、とっておきの京都を案内。

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仕事で京都に行く予定があるので、下調べ。

シニア向け雑誌の編集部が作っているため、
女の子向けの「ふわゆる系カワイイ京都☆特集」ではなく、
「生活・文化・歴史面から、ライトに、だけど本気で特集しました!」
感があっていいね。
この本が出たときには、森毅先生もまだご存命だったのね。

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23:マキ 『しない家事』

2018-05-12 19:38:05 | 18 本の感想
マキ 『しない家事』(すばる舎)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

6万部のヒット『持たない ていねいな暮らし』(すばる舎)の著者第2弾!
家事や育児、仕事など、いろいろなことに追われて
日々アタフタしている女性に向けて、時間に追われず、
ゆとりを持って暮らせる具体的な方法や考え方を、
写真やイラストとともに紹介。
平日は買い出ししない、献立を考えない、時計を見ない…。
「やらなくちゃ」という思い込みを1つやめてみるだけで、
毎日が楽しくラクになる!
〈必要最低限〉の豊かな暮らしを新提案します。

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怠けもので意志が弱いのに「~しなければならない」という
思いだけは強い人間なので、ほんと、家事に限らず
「~しなければならない」を手放せたら
どんなに生きやすくなるだろう……と思う。

前作と印象はそれほど変わらない。
料理は面倒くさいけど、スーパーの惣菜から
何かを選ぶのも面倒くさい、というのはよくわかる。

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22:コクヨ株式会社 『仕事がサクサクはかどる コクヨのシンプル整理術』

2018-05-12 19:30:05 | 18 本の感想
コクヨ株式会社『仕事がサクサクはかどる コクヨのシンプル整理術』(KADOKAWA)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

「4枚を1枚にまとめる」
「仏像ファイルを使う」
独自の手法が勢ぞろい。
あなたのまわりもすっきり片づく!
生産性がアップする!
「すごい」片づけ100のコツ。

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自分の仕事のことで頭がいっぱいの状態が続くと、
ついついこういう本ばかり読んでしまう。

これも、一週間くらい前に読んだのだけど、
ほとんど中身を覚えていなかった。
読み返して、ああそうだったと思いだした。
控えのための集約コピーをはじめ、
すでに実践してることが多かったけれど、
コード類を吊るすのはいいね。

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21:梶ヶ谷陽子 『忙しい人のための家事をラクにする収納』

2018-05-12 19:18:54 | 18 本の感想
梶ヶ谷陽子『忙しい人のための家事をラクにする収納』(エクスナレッジ)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

一度、仕組みを作ってしまえば簡単!
収納で、毎日の家事はもっとラクになる!
人気・整理収納アドバイザーが教える、
家事ラクな部屋づくりのコツ。

***************************************

確か、一週間くらい前に読んだのだけど、
「2階に片付けるものをまとめて階段に置いておく」
の部分しか覚えていなかった……。

取り立てて新しいことが書かれているわけではないし、
わたし自身、忙しいのではなく意欲がないだけなので
タイトルで手に取った人にとって有用なのかはわからない。
でも読んだときにはモチベーションが上がるし、
インテリアのセンスも好き。

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映画:『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』

2018-05-10 21:42:51 | 映画の感想
2018年の映画⑪:『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』(クレイグ・ギレスピー 監督)
★★★★☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

貧しい家庭に生まれ、
厳格な母親ラヴォナ(アリソン・ジャネイ)に育てられた
トーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)。
フィギュアスケートの才能に恵まれた彼女は、
血のにじむような努力を重ねて、
アメリカ代表選手として1992年のアルベールビル、
1994年のリレハンメルオリンピックに出場する。
ところが、元夫のジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)の友人が
トーニャのライバルだったナンシー・ケリガンを襲い、
その後彼女はフィギュア界から追放されるが……。

*****************************

映画館にて。

この襲撃事件についての記憶は全然ないんだけど、
当時のバッシングを知っている人なら
より感慨深く見られるかも。

登場人物の大半が、本当に愚かでつらい。
ショーンの中二病めいたバカっぷりは笑えるほどだったし、
トーニャを虐待していた母親ときたら、
最後の最後まですがすがしいほどにクズ!
実はちゃんと母親らしいところもあるじゃん……と
思わせてのあの展開、見事であった。

トーニャはそこまでひどくはない気がするし、
なんだかんだでDV男と別れられないのも、
他を知らないという環境のせいじゃないかと思うんだけど。
貧しくて下品な親の元で生まれ育つと、
やっぱりどうしても自分もそうなってしまい、
それ相応の相手とつっつくことになり、
また相応の子どもが育つ……
という負の連鎖について考えさせられる。
経済的な面だけじゃなくて
生活文化の面において歴然とした差がついてしまうので、
ものすごい才能があったとしても
その連鎖から抜け出すのは至難のわざなんだよね……。
せめてあそこまで男運が悪くなければ
彼女の人生もちがっていただろうに。

「面白い」とか「楽しい」という映画ではないけれど
不思議と惹かれるものがあって、よかった。
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映画:『清須会議』

2018-05-03 11:18:23 | 映画の感想
2018年の映画⑩:『清須会議』(三谷幸喜 監督)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

天正10年(1582年)本能寺の変。
一代の英雄織田信長が死んだ―。
跡を継ぐのは誰か?後見に名乗りを上げたのは2人。
筆頭家老・柴田勝家(役所広司)と
後の豊臣秀吉・羽柴秀吉(大泉洋)。
勝家は、信長の三男でしっかり者の信孝(坂東巳之助)を、
秀吉は、次男で大うつけ者と噂される信雄(妻夫木聡)を
信長の後継者として推す。
勝家、秀吉がともに思いを寄せる信長の妹・お市様(鈴木京香)は、
秀吉への恨みから勝家派に。
一方、秀吉は、軍師・黒田官兵衛(寺島進)の策で、
信長の弟・三十郎信包(伊勢谷友介)を味方に付け、
妻・寧(中谷美紀)の内助の功もあり、家臣たちの心を掴んでいく。
そして、開かれる清須会議―。
会議に出席したのは4人。勝家、秀吉に加え、
勝家派の策士・丹羽長秀(小日向文世)、
会議の行方を左右する池田恒興(佐藤浩市)。
繰り広げられる一進一退の頭脳戦。
様々な駆け引きの中で騙し騙され、
取り巻く全ての人々の思惑が猛烈に絡み合う!
勝家派か?秀吉派か! ?

*****************************

清須会議だけで2時間使うというのである程度予想はしてたが、
やっぱり間延びした印象。
思ったよりコメディ要素は少な目。
信雄のバカさ加減には笑ったが。

「味方してくれたら官位/所領やるよ!」
という秀吉に対し、
「味方してくれたら越前の蟹やるよ! うまいぞ」
としか言えない勝家が憐れ&可愛い。
勝家と秀吉の語らい、勝家と長秀の別れの場面には
しんみり。

怒るほどつまらないとは思わなかったし、
よいところもあったけれど、
全体的にはいまいち面白いとも思えず……。
役者の顔ぶれはすごい。

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