金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

蟹江 覚え書き

2020-10-30 17:55:32 | おでかけの記
歩くことを目的に、蟹江へ。

「蟹江出身です」という人に今まで何度か会っているのだけど、
どこにあるのかもよくわからないままだった街。
古い建物が残っていて、川が多く、
散歩に適していそうだということで選んだのだけども、
結局ひたすらしゃべって歩いていただけなので
写真は残っていない。

名古屋駅から近鉄ですぐ。

ご当地マンホール。
昔は海に近かったそうなので蟹がいたのかな?







江戸時代から続くという「甘強酒造」。
住宅と事務所の間は渡り廊下でつながっている模様。

吉川英治が訪れたことがあるそうで、
佐屋川と蟹江川に囲まれたエリアの端っこに句碑が残っていた。

お昼は、「群鳳」という中華料理店で。
ボリューム満点。
ラーメンとエビチリのランチセット。
メニューの写真ではごはんにふたがされていたので
ごはんもついているとは気づかず。
食べきれず、罪悪感が残ってしまった。
地元の人気店なのか、お客さんが多かった。

特に何があるというわけでもないのだけども、
川が多くて確かに散歩には最適。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

223-224:藤本タツキ 『チェンソーマン〈7〉〈8〉』

2020-10-30 17:45:54 | 20 本の感想
藤本タツキ 『チェンソーマン〈7〉〈8〉』

借りたもの。
間があくと、脇役なんかはすぐに
「これだれだっけ??」状態になってしまうのだけど、
独自の勢いというかムードがあって
作中世界に飲み込まれてしまう。
作中人物がすぐ殺されたり、人体がバラバラになったりする
シーンがデフォルトになってきて、
なんだか精神がおかしくなりそう。

特に7巻、絵が崩れているように思えるんだけど、
それでもキャラクターの色気というか、
惹きつけられるムードを演出するのが上手いね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画:『博士と狂人』

2020-10-28 23:39:36 | 映画の感想
2020年の映画⑭:『博士と狂人』(P.B.シェムラン 監督)
★★★★☆3.5

【シネマトゥデイの内容紹介】

貧しい生い立ちで学士号を持たない
異端のイギリス人学者マレー(メル・ギブソン)と、
精神を病んだアメリカ人の元軍医マイナー(ショーン・ペン)は、
世界最大の英語辞典の編さんを通じて盟友となっていく。
しかし、英国の威信をかけたプロジェクトに
犯罪者が協力していることが判明すると、
編さん事業は行き詰まってしまう。
やがて、時の内務大臣ウィンストン・チャーチルや
イギリス王室をも巻き込む事態へと発展していく。

*****************************

わたしにヨーロッパ文化についての素養があれば、
もっといろいろ汲み取ることができないのだろうな……と思うのだけど、
今のわたしが理解できる範囲でだと、
どうも要素が取っ散らかっている印象が残った。
実話ベースの物語だそうだし、
現実はフィクションほど整理されていないものだろうけれど、
マレーの追い求める言語の世界と、マイナーの人生の交差に
ストーリー上の必然性が感じられないんだよね。
いや、マイナーに教養があるのはわかったし、
マイナーが自分の殺した男の未亡人に文字を教え、
彼女と文字でやり取りするというあたりには、
わたしの汲み取れる範囲を超えた、
何か大きな言語とのからみがあったのかもしれないけれども。

釈然としない点は多いけれども、何となく好き。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歴史秘話ヒストリア「新発見!まぼろしの源氏物語 藤原定家の挑戦」

2020-10-28 23:20:58 | その他(ドラマ・アニメ・落語)レビュー
「武士の力を見せつけるために新古今和歌集を実朝に贈った」
とか、
「承久の乱に破れ、貴族が力を取り戻すことはないとわかりしょんぼり
 →心のよりどころにしたのが『源氏物語』」
とか、
「解釈違いです!!」
と思うところもあったけれど、知らなかったことが多くて面白かった。
「かづらき」フォントも取り上げられていた。

後鳥羽院に絶交されたことや、鎌倉の御家人の娘を息子の嫁に迎えて
承久の乱後はむしろウハウハだったことには、触れられていなかった。
自分ですべて書き写したわけじゃなく、家の者に書写させていたことも
触れられていなかった気がする。
俊成は顔も出て声つきだったのに、名前すら出てこなかったの、かわいそう。
父あっての定家だったろうに。

【メモ】
・昨年発見された写本が定家本だとされた理由は三つ
 1.サイズが他の青表紙本と同じ
 2.紙の漉き方が鎌倉時代のもの
 3.三位以上の人たちが使う「青墨」が使われていた

・『源氏物語』のオリジナルは、平安時代の間にすべて失われたと考えられている

・宇治十帖と、『源氏物語』の他の四十四帖は、
 使われている語彙を統計学の手法で比較しても、
 同じ作者が書いたと言える結果になった。

・「紫式部は救世観音の化身である」として仏像を身近に置いていた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

222:山本淳子 『平安人の心で「源氏物語」を読む』

2020-10-26 23:42:55 | 20 本の感想
山本淳子 『平安人の心で「源氏物語」を読む (朝日選書)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

平安貴族の意識と記憶をひもとき、
リアルな宮廷社会へと読者を誘う。
そこに生きた平安人と同じ心で読めば、
『源氏物語』の本当の面白さが、その奥深さが見えてくる。
なぜ、宮廷の女君たちは、かくも熱中したのか?
平安をひもとく全六十五編!

*******************************

とてもおもしろかった。
源氏物語各巻のあらすじを紹介しつつ、
当時の常識や感覚といったものに焦点をあてて解説している。
「親王」「乳母子」「召人」「斎宮と斎院」といった立場、
紫式部を取り巻いていた状況や当時の貴族たちの信仰、土地の売買まで。
催馬楽や古今和歌六帖のことは知らなかったので、勉強になった。

もとはコラムとして連載されていたものだそうで、
1トピックが短く、ちょこちょこと少しずつ読めるのもよい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

221:坂口由美子 『伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス』

2020-10-23 19:14:24 | 20 本の感想
坂口由美子 『伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

王朝の男の理想像「昔男」の人生を、
「初冠」(成人式)から臨終まで、
秀逸な和歌とともに語る短編連作歌物語集の傑作。
美男で心優しく情熱的な昔男には、
高貴な女性も市井の女も、老いも若きも
心を奪われないではいられない…。
王朝の人間模様を生き生きとつづり、
後世の日本文化に大きな影響を与えた作品。
現代語訳・原文・注釈・コラムなどによって、
哀切な純愛から年をとった男の
いささか滑稽な姿までを縦横に楽しめます。

*******************************

これもビギナーズ・クラシックスシリーズ。
伊勢物語、一部しか読んだことなかったんだけど、
古文の問題で扱われていたのって
「一部のおもしろいところをすくい上げたもの」なんだなあ。
知ってる話はちゃんとストーリーとして完結しているもの。
逆に知らない話の多くは、
「それで? おしまい??」というオチもないものとか、
オチはついてもどうにもすっきりしない不快なものとか、
「またこのパターンか!」みたいなやつとか。
歌を詠まれた状況を描く歌物語だから、
ストーリーがそこまで重視されなかったのかもしれないけれども。

業平が本当に経験していないことも業平のこととして書かれていると
いうのは知っていたけれど、ちがう状況で別の人の詠んだ歌を
状況を作り替えて物語に仕立てている部分があるというのは
知らなかった。
室生犀星の「津の国人」の元ネタって、伊勢物語の24段だったのかな。
これは切ない話なのだけど、女は悪くないよね。かわいそう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

216-220:和歌の本いろいろ

2020-10-18 21:45:08 | 20 本の感想
新古今和歌集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)



古今和歌集 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)



『新古今和歌集 (新 日本古典文学大系)』



『千載和歌集 (新 日本古典文学大系)』



安藤次男『藤原定家 拾遺愚草抄出義解』(講談社学術文庫)

*************************************************

ビギナーズクラシックスは一部をピックアップしたものなので物足りず、
岩波の新日本古典文学大系へ。
定家の兄の成家、千載和歌集に入選してたんだな。
俊成が撰者だからなのかもしれないけれども。

万葉集・古今和歌集・千載和歌集・新古今和歌集を読んだのだけども、
それぞれの歌をちゃんと見て比較することで、
教科書に書かれていた特徴の説明が
本当にそうであると実感としてわかった。
同じ形式で千年以上やっていたら、
どうしたって複雑化していくことは避けられないというのも。
歌に詠もうとする心情や風景は、おそらく普遍的なもの。
それを詠もうとしたときに、素朴で分かりやすい表現は
もうすでに先人がやってしまっているので、
詠むなら技巧を凝らさなきゃいけなくなる。
平安時代後期に和歌の世界が行き詰まりを見せ、
それを打破しようとして現れたのが新古今調であること、
そしてそれを最後にして和歌が力を失っていくのも
歌を見ていると何となく納得できる。
もうこれ以上はどうにもならない、
やるべきことはすべてやった、という感じ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大河ドラマ「麒麟がくる」#28

2020-10-18 20:18:21 | 大河ドラマ「麒麟がくる」
感想書いてなかったけど、脱落せずに見てます。
光秀を主人公だと思わなければ面白いんだよ。
十兵衛、見てるとなんでこう腹が立つのか……。
「キャラ立ってないくせに主人公面すんな」
という苛立ち??
楽しみは、松永久秀と近衛前久。
今日の久秀も良かった。
この人は初回登場時からきちんとキャラ立ちしているから
行動原理も明確。

駒ちゃんも序盤ではしばしばイラッときたけど、
最近はそうでもない。
今日も、戦が始まったと聞いて、
「助けなきゃ! 行ってまいります!」みたいな
「足引っ張るヒロイン」ムーブをするんじゃないかと
ひやひやしたけど、その手の行動はしないんだよね。
ただ華を添えるだけではなくて、
きちんとメインストーリーに絡んだ動きをしてくれることを期待。

信長のやばさも相変わらず。
時折目つきが危ない。
石仏の首チョンパは延暦寺焼き討ちの前振りですな。
今まで信長の出る大河はいくつもあったけれど、
わたしが見た大河の中で、
当時の幕府内部のあれこれをきちんと描こうとしているものは
初めてかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

215:樫崎茜『星くずクライミング』

2020-10-12 00:20:27 | 20 本の感想
樫崎茜 『星くずクライミング
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

中学1年生のあかりは、小学4年生でスポーツクライミングに出会って以来、
毎日のように練習を重ねてきたが、
年明けの大会で、スランプにおちいってしまう。
スポーツクライミングをやめてしまおうか、とまで考えていたあかりだったが、
ひょんなことから、目の不自由な人たちのスポーツクライミング、
パラクライミングと出会う。
ナビゲーターとクライマーが2人1組となり、
ウォールをのぼっていくパラクライミング。
目の不自由な人が本当に壁を登れるのか、と半信半疑な気もちだったあかりは、
実際に壁をのぼっていくクライマーの姿を目にし、感動を覚える。
ナビゲーター役として体験イベントに参加したあかりが、
ペアを組むことになったのは、同い年の昴というクライマーだった。
態度も口も悪い昴のことを、はじめは嫌っていたあかりだったが……

2020年にむけて読者の関心の高まる「パラスポーツ」をテーマにした創作児童文学。
主人公・あかりとパラクライマー・昴の物語を通して、
「視覚障害やパラスポーツへの理解」をうながす、ほかにはない児童文学です。

**************************************************************

先輩に借りたもの。
クライミング、それもパラクライミングをテーマにしていて、
児童文学も題材選びに大変だ……と思う。
そして、入試に使われている文章を読んでいて思うけど、
児童文学、「不幸」が多くない??
このお話も、「星」と主人公をつなげる以外、
展開上の必然性があるとは思えないのに
お父さんが死んでいるんだよね。

題材の珍しさ、啓発的な内容は評価すべきところだけど、
おもしろいかと言われると、正直なところ、そこまで……。
思った通りに展開して、思った通りに終わっていく。
でも、これもバランスなのかな。
設定と展開、どちらも意外だと
負荷がかかると感じる人もいるのかもしれない。
めずらしい題材だと説明しなきゃいけないことも多いし。

今年度・来年度の入試に出そう。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

214:塚本邦雄 『菊帝悲歌―後鳥羽院』

2020-10-10 22:14:50 | 20 本の感想
塚本邦雄 『菊帝悲歌―後鳥羽院 (1978年)
★★★★☆

塚本邦雄全集第5巻より。

こっちもたいそう重かった。

後鳥羽院、定家のことは最初に会ったときから
「歌は良いし評価しているが、人間性は嫌い」
と感じているんだけど、嫌いなら遠ざければいいのに、
事あるごとに呼んで嫌な思いをさせようとしたり
恥をかかせようとしたりするのね。
定家が実朝の歌の師になったら、
実朝を呪詛するための最勝四天王院に入れる
障子絵を定家に作らせ、
実朝に守られた定家の所領を取り上げて寵愛の童にあげちゃう。
それで自分の憎悪も煽っている。
嫌いな相手のことって、
放っておいたほうが自分の精神衛生上もよいのに、
放っておけずについ見たり接触したりしてしまうんだな。
二度と目通りは許さんと言ったくせに
「消息一通、遠島見舞の品一つ届けぬのは
 彼女らと定家くらゐであろう」
って、そりゃそうやろ……。
しかし、定家もおよそ人に好かれないであろう性格で不遜が過ぎ
(このあたりはすべて創作というわけではなく、
 明月記からもひしひしと感じる)、
ムカついて足蹴にしたい院の気持ちもわかるのであった。

『火宅玲瓏』と同じ世界観なのかなあと思っていたのだけど、
宮内卿のこと、『菊帝』では「窈窕として煙るような美少女」と書かれているのに、
『火宅』では「美しくはなかつた」なんだな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする