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2018年の映画①:『ヒトラーに屈しなかった国王』(エリック・ポッペ監督)
★★★☆☆
【シネマトゥデイの内容紹介】
1940年4月9日、ノルウェー。
首都オスロに強大な戦力を持つナチスドイツ軍が侵攻し、
主要都市は次々と占領されてしまう。
ナチスドイツ軍は降伏を迫るが、ノルウェー政府は拒否する。
その後ナチスドイツ軍は再度降伏を求めるべく、
ドイツ公使(カール・マルコヴィクス)と
国王ホーコン7世(イェスパー・クリステンセン)への謁見を要求する。
国王は、ナチスドイツ軍に従うか、国を離れて抵抗を続けるか、
国民と家族のために結論を出さなくてはならず……。
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映画館にて。
今年最初の映画はこれ。
先月からずっと楽しみにしていた映画だけど、
思っていたのとはちょっと違ったかな……。
史実ベースなので仕方ないんだけど、
爽快感はまるでなし。
ドイツ公使がノルウェー侵攻に否定的で、
国を守ろうと奮闘していたというのはよかったし、
国王の孫たちがお父さんとの別れに泣き叫ぶところなんか
うっかりもらい泣きしちゃったんだけど、
2時間ちょっとの本編のうち、1時間半は、
国王もドイツ公使も、どちらも「流されるまま」。
戦争の恐ろしさだったり、心休まる時間のない不安な日々だったりは
描けていたんだけど、いったいいつ国王と公使の見せ場が来るのだろうと
苛々してしまった。
国王はノルウェーに王室が必要になったからという理由で
デンマークから呼びよせられて王となったものの、実権はない。
ナチスの侵攻に対する初動を誤った政府は、
ほとんど役に立たないが、
王は政府の決定に従うという立場を貫くものだから、
もうひたすらにナチスの追撃から逃れるのみ。
孫を可愛がり、家族を愛する良き家庭人として描かれるんだけど、
タイトルから予想されるほど毅然としたところはないんだよね。
公使との会談でも、まったく堂々としておらず、
彼から逃げてるし。
公使の提案を拒否したのも、口では理由を言っていたが、
降伏したデンマーク国王である兄を引き合いに出されて
激昂しただけのように見えた。
そしてこれは結果論になるけれども、国王が提案をはねつけて
何かいいことはあったんだろうか……。
その後、国王はイギリスに亡命し、結局ノルウェーは降伏。
公使も、ノルウェーという国をリスペクトはしてるんだけど、
この人、いったい何をしたの??? という感想しか出てこない
描き方なんだよ。
いくらでもヨイショ&劇的な演出ができたと思うんだけど、
最後まで締まらなかった。
もったいないなあ……。
ノルウェーの歴史についてはほとんど知らなかったので
その点では興味深く見たけれど。