金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

136:松岡格・ワタナベマキコ 『中国56民族手帖』

2019-08-29 20:05:17 | 19 本の感想
松岡格・ワタナベマキコ 『中国56民族手帖』(マガジンハウス)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

ビビッドな個性が咲き乱れる中華世界へご招待!

北京オリンピックもすぐそこ!

今、一番熱い視線を浴びている国。
では、あなたの知っている中国人はどんな人でしょうか?
広大な大陸には実は56もの民族が。
その県民性?の違いは日本をはるかに超えているのです!
カラフルな女性の民族衣装は
いつもおしゃれな酒井景都さん(デザイナー&モデル)がナビゲート。
まねしたくなるアイディアや、着てみたくなるデザインがてんこ盛り。
あなたのお気に入りはどの衣装?
さらに暮らしぶりに踏み込むと、
ひとつひとつの民族は驚くほど個性たっぷり。
盛大な水掛祭りをするタイ族、お酒が大好きなワ族、
ミュージシャン集団ウズベク族、カエルを崇拝しているプミ族……。
物語あふれる背景に、もう夢中。
今まで見たことがない豊かな中国文化に会いにいこう!

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服も料理も、写真で見たかったよ……。
イラストは可愛いけど、服の質感は全然わからないし。

中国って本当に広い国なんだなあと、改めて思った。
漢民族とモンゴル族の印象だけで
中国のイメージが構成されていたので、
初めて知ったことがたくさんあった。
タイ族、朝鮮族、カザフ族、キルギス族など、
国境を接する国にいる民族と
同じ文化を持つ民族が中国国内にたくさんいるのだ。

「ナビゲーター」と称して、モデルの酒井景都さんが
民族ごとにコメントを入れているのだけど、
役にもたたずおもしろくもない内容ばかりで、
いったい何のためにわざわざ彼女にコメントを入れさせたのか
本当にわからない……
なんだろう、何かしがらみがあったんだろうか……

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135:瀬川貴次『百鬼一歌 菊と怨霊』

2019-08-29 20:02:54 | 19 本の感想
瀬川貴次『百鬼一歌 菊と怨霊』(講談社タイガ)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

これは怨霊の仕業なのか―。
仙洞御所を切り裂く落雷、不可解な殺人事件、
闇夜に消えた呪いの歌声。
時の権力者、後白河法皇を恐怖に震え上がらせた怪事は、
非業の死を遂げた崇徳上皇の祟りだった!?
怪異譚好きの宮仕え少女・陽羽から相談を受けた
天才歌人の希家は、現場に共通して残されていた
謎のメッセージに気付く。
和歌から読み解く事件の真相は?
シリーズ三部作完結巻!

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読み終わったあと、裏表紙のあらすじを見た。

「シリーズ三部作完結巻!」

いや、いやいやいや……本気で言ってる!?!?

そもそもシリーズ通しての謎が「彼」の事情だったから、
それが明かされた時点で「おや?」と思ってはいたよ。
でもさあ!
現状、兼実もまだ失脚してない、
中宮の立場もまだ危うくない、という状態だから、
彼のような身分の人間が殺人をおかすほどの動機だとは思えないんだよ。
しかも、1巻で中宮との関係が意味ありげに示されていたから、
それが大きく関わってると思うじゃん。
本人にもよくわからない気の迷いなの????

今回の事件の真相も、
「そこまでするほどの関係じゃないよね?」
って感じではあったけど、たぶん、
シリーズ途中だったらそれほど気にならなかった。
完結巻と考えると、物語がきちんと閉じた感じがなくて残念。

そして、最後まで希家は活躍しなかった……。
シリーズ通しての謎に対して、彼は今巻の終盤まで
「謎」という認識さえしていなかったんだよね。
彼にとってのゴールが設定されていなかったから、
物語が閉じた感がないのか……?
一回くらい「和歌の天才」らしいところを見たかった。
(他人の歌の解説しかしてない!)

18歳の中宮と11歳の帝の関係には、
あいかわらずときめいたし、陽羽も可愛い。
リアルタイムで追っている数少ないシリーズだったので、
しょんぼり。

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134:汀こるもの 『火の中の竜 ネットコンサルタント「さらまんどら」の炎上事件簿』

2019-08-25 22:30:01 | 19 本の感想
汀こるもの『火の中の竜 ネットコンサルタント「さらまんどら」の炎上事件簿』(メディアワークス文庫)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

ぼくが出会ったのは火の中でしか生きられない
定めの奇妙な探偵たちだった。

サラマンドラは火の中でしか生きられない――。
パソコン教室の講師として平凡な人生を送っているぼく。
だけど、ある日生徒から持ちかけられた相談により、
ネットに潜むトラブルの渦に巻き込まれることになる。
不用意なブログの書き込みを発端とした
32万アクセスの大炎上案件解決のために
ぼくが頼ったのは、インターネットよろず相談所「さらまんどら」。
火の中で生きる竜「サラマンドラ」を自称する彼らは、
自ら炎上に飛び込んでトラブルを解決するという。
所長のオメガに仲間に引き入れられたぼくは、
このトラブルの「非常識な解決」を目の当たりにする――。

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『ただし少女はレベル99』からの流れで。
妖怪ものじゃなければ楽しめるかな~と思い、
読んでみた二作目。
「炎上」をテーマにした現実的な物語のうえ、
こちらは設定にまつわる情報量がセーブされているからなのか、
読みやすく、楽しかった。

オメガと同居している子どもたちについて掘り下げがないのは
続編を想定しているからなのかな。
主人公格2人の過去が明かされてしまったのだけども、
てんこ盛りでもったいなかった……。
半分は2巻めに回してもよかったのでは……と思ったけど、
昨今の出版業界の様子を見る限り
2巻が出るかわからないから、これでいいのか。

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大河ドラマ『いだてん』#32

2019-08-25 20:49:15 | 大河ドラマ「いだてん」
美川生きてた!!

岸先生とか、まーちゃん結婚とか、
盛りだくさんな回だったのに
予告の美川がすべてをかっさらっていった感。
関東大震災以来、友人の四三すら
その生死を気に留めていなかった美川、
出てこないのに誰も心配していなかった美川……。

*********************


「なんで1位取らなかったの?」
「銀や銅はもういらないよ、勝てなかったってことじゃん」
無責任な一般大衆を代表するような
東京市長の発言に、まーちゃん怒る!
結果主義だった彼も、ロスオリンピックで変わったのね……と
思ったら、後からやってきた岸先生のほうがマジギレ。

「のびたうどんみたいな顔しやがって!」
「ド素人はすっこんでろ!」
「覚えてろこの野郎!」

まーちゃん以上の暴言で暴れる岸先生。
なだめるまーちゃんが常識人に見えてしまった……。

天皇陛下にオリンピックの報告に行き、
「こっちのまぶただけ二重だった!
 陛下、気づいたかな?」
と気にしてる先生、可愛い。

キュートな岸先生に二回もスポットがあたった時点で
嫌な予感はしてたよ……。
ぜんそくで臥せってる場面で確信。
案の定、岸先生、急逝で退場。
癒し枠だったのに……

オリンピック招致、ローマに負けそう……という状況で
嘉納先生が
「ムッソリーニに頼んで譲ってもらうっていうのはどうかな?」
と言いだしたのには笑ったわ。
そして、嘉納先生の体に異変が! というところで
「次回へ続く」。

四三がもう四十過ぎてるんだもん、
嘉納先生もずいぶんなお歳だよね……。

【その他いろいろ】

・「ありがとう……貴様!」
 とか言いながら仲良くピンポンしてる野口&まーちゃん。

・初対面でいきなりケンカ売ってくる杉村。
 なんだかんだでみんな仲良くなっちゃうんでしょ?

・まーちゃん、菊枝と結婚。
 えっ、見合い相手だったの?→「結婚しよう!!」→次のシーンで結婚式。
 展開早い!
 麻生久美子に「地味な女」はないだろう。
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133:亀田俊和 『観応の擾乱』

2019-08-24 08:03:26 | 19 本の感想
亀田俊和『観応の擾乱 - 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い』(中公新書)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

足利尊氏と直義兄弟、尊氏の子・直冬や執事の高師直、
そして南朝勢力までもを巻き込んだ激しい争いは、
何をもたらしたのか?
論じられることの少なかった内乱を多面的に論じ、
その内実を明らかにする。

*********************************************

昔やってた「ビバリーヒルズ青春白書」みたいに、
固定メンバー内でくっついたり離れたり、
お前らいい加減にしろよ!
……というのが、観応の擾乱のイメージ。

なんだかよくわからんその観応の擾乱を、
史料を丁寧に追って読みとくと……?
というのがコンセプトのこの本。
このあたりのことは、大河ドラマ『太平記』に、
本数冊分の内容を足したレベルでとどまっていたので
知らないことがたくさんあった。
尊氏の息子の義詮が直義を積極的に排斥しようとしてたり、
尊氏vs義詮の構図が発生していたり。
各時期に運営されていた幕府のシステムの欠点と、
御家人たちの動向とのつながりも、興味深く読んだ。

小説『廃帝』でイメージが先にできてしまってるから
そう思うのかもしれないけど、
利用するだけして北朝を守らないの、ほんとひどい。

【メモ】
◆P.153
「『太平記』は事象をうまく説明できない場合、
 中国の歴史を長文で記してごまかす傾向があるようだ」

◆夢中問答集
直義の質問に夢窓疎石が答えた法語を集録したもの


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132:ロイス・セパバーン 『マザンナの風にのせて』

2019-08-22 08:03:47 | 19 本の感想
ロイス・セパバーン『マザンナの風にのせて』(文研じゅべにーる)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

1942年,アメリカ。
日系アメリカ人のマナミは、ワシントン州ベインブリッジ島で、
家族と幸せに暮らしていた。
いつものように学校へ通い、友達と遊ぶ日々は、
ある日突然変わってしまう。
家族で「強制立ち退き」しなければならなくなったのだ。

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今年度の読書感想文コンクール(小学校高学年)の課題図書。

アメリカの日系人強制収容を扱っているため、
テーマ性は高い……と読む前は思っていたのだけど。

世界情勢どころか、自分を取り巻く状況さえ
よくわかっていない子どもの視点で進むため、
「戦争のもたらす悲劇」という要素は薄い。
収容所の中でも学校で授業を受けているし、
衣食住に不自由している描写が少ないから
そう思ってしまうのかな。
もちろん不穏な出来事は起こっているのだけど、
主人公がよく理解していないために、
焦点がそこにあっていない、というのは
ある面リアルではあるのだけど。

主人公が可愛がっていた犬を失ってしまうこと、
二度目の喪失を避けるために勇気を奮うこと。
この二つが話の中心。
背景として戦争はあるのだけども、
小学生の感想文を見ても、「戦争」の存在感は薄かった。

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131:柳沢小実 『土曜の朝だけ! 「きちんと」 が続く週末家事』

2019-08-21 08:43:25 | 19 本の感想
柳沢小実『土曜の朝だけ! 「きちんと」 が続く週末家事』(大和書房)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

仕事の後、帰ってから掃除や片づけは大変!
だからこそ「週末家事」。
ある程度まとめて家事をすることで平日がぐんとラクに。

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目新しい内容はあまりなかったけれども、
靴の事前補強はいいな。
この本を読んだのをきっかけに、カーテンを洗った。
ブランド米の詰め合わせもすてき。

しかし、モビールの的外れ感がすごい……。

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130:浅井建爾 『日本全国 地図の謎』

2019-08-20 21:01:22 | 19 本の感想
浅井建爾『日本全国 地図の謎』(東京書籍)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

地図は、ミステリー

県境の真上にある神社。
日本一の砂山。
東京よりも人口が多かった島根県。
今川焼きはどこから、そしてどこへ……。

県境をめぐる謎、山と川をめぐる謎、海をめぐる謎、
市と町と村をめぐる謎、ヒトと食をめぐる謎、
名所と建物をめぐる謎など、
日本各地の謎を地図と現地写真でさぐる!

*********************************************

飛び地や自治体の境目、都道府県同士の面積や人口の比較、
ご当地名物や歴史上のトリビアなどなど、
地理に関するネタが楽しい。
県境をまたぐ神社、それぞれに祭っている神や名称がちがい、
社務所も別にあるというのがおもしろい。

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大河ドラマ『いだてん』#31

2019-08-18 20:44:52 | 大河ドラマ「いだてん」
鶴田~!!

これまでそれほど出番はなかったのに、
数少ない出番でちゃんと種まきして
ドラマチックに仕上げてきたなあ!
後輩の練習台になるためだけに呼ばれて、
もう若い選手にはかなわないと思い知らされ、
みんなが後輩ばかり応援する中での優勝。
史実だからこそだけども、高石で
「そこまで現実は甘くない」
と見せたあとだから、感激もひとしお。


帰国後、新聞社で、
「大横田が金メダルを取れなかったのは俺のせい!」
と急に人格が入れ替わったようなことを
言いだすまーちゃん。
菊枝が声を発して彼をなぐさめ、

フラグが立った!

と思ったのに、

「へんな声」
「名前も忘れた」

って!!!!!

大河の主人公にダメ男はいっぱいいるが、
恋愛面においてここまでダメなふるまいの男は初めて見た……!!

【その他いろいろ】

・やっぱり働きたくないだけじゃん四三!!

・はしゃぐ岸先生、かわいい。

・まーちゃん今日の暴言
「迷惑ジジイめ、余計なことを」
 日系移民のみんなを東京オリンピックに招待するとか、
 嘉納先生、考えなしにリップサービスしちゃう人なんだろうな……

・小池「しりとりしませんか」
 鶴田「しないよ馬鹿野郎!」
 小池「だるま」
 このやりとりめちゃ可愛かった。



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129:鳴神響一 『斗星、北天にあり』

2019-08-15 23:19:56 | 19 本の感想
鳴神響一『斗星、北天にあり』(徳間書店)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

「斗星(北斗七星)の北天に在るにさも似たり」
と評された出羽国(秋田県)の戦国大名安東愛季(あんどう・ちかすえ)。
秋田を統一した知る人ぞ知る英雄である。
檜山と湊の安東氏を統一し、蝦夷を治め、信長、秀吉とも誼を通じ、
民のための国造りに心血を注いだ愛季の一代記。
北斗の星の如く輝く愛季の生き様に心が奮える!

*********************************************

まず、戦国時代なのに有名どころではなく、
秋田の安東氏にスポットをあてた時点で
高評価が前提。
安東氏って、秋田氏って名前をかえて
大名として生き残ってたんだ……。
当時の東北については、伊達を除いてスポットがあたることが
少ないから、知らないことだらけで楽しめた。

ただ、登場人物がキャラ立ちしてないから、
その関係性や命運にあまり興味が持てなかった……。
主人公は強くて正しく、人間臭さがない。
唯一、キャラクターとして印象的だったのは汀だけど、
再会したら、妻たちとたいして区別のつかない
普通の女になってしまっていた。
唯一ドラマとしておもしろかったのは、汀の子たちとのあれこれで、
ここで初めて主人公の感情に寄り添えた感じ。

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