金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」♯41

2022-10-30 21:23:17 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第41話「義盛、お前に罪はない
 
小四郎、最終回で殺されるでしょ、これ……
伊賀の方の毒殺説とは別の描き方で、殺されるよ。
 
この後、言うこと聞かなくなった実朝を殺すんだろうし、
業が深すぎて(&視聴者からのヘイトも強くなりすぎて)、
 
「小四郎が手を血で染めましたが、おかげで光の執権泰時のもと、
 しばらく鎌倉は平和になりました☆」
 
で済むとは思えないもん。
 
 
和田合戦は、思った以上にエモーショナルな演出がなく、
ただひたすらに後味が悪くて、呆然。
畠山重忠ほど「無実」でも「理不尽」でもないから
悲劇性は少ないんだけど、
「残された癒やしの義盛がいなくなって、
 これからどうしたらいいの……」
という不安がすごい。
泰時の反抗期も極まりそうだし、
政子も完全に小四郎への信頼を失っていて、
ギスギスしまくりだよ……
 
平六、ちょっとくらい義盛に情を見せるかと思ったが、
そんなことなかったね!
まあ、序盤から義盛のこと嫌いな描写はあったし、
三浦の惣領としては、自分より目立ってて、
しかも言うこと聞かない分家のおじさんが邪魔なのはわかる。
でも、もうちょっと躊躇するかと思った。
 
 
【その他いろいろ】
 
・義盛ですら、
「起請文なんか、後から破いちゃえばいいじゃん。
 血を吹き出して死んだ奴、聞いたことない」
 って言ってたのに、八田どのはもちろんのこと、
 平六まで割としっかり起請文の効果を信じてるのが
 面白い。
 「起請文キャンセルする方法=起請文を吐く」で、
 一生懸命吐こうとしてて、胤義に突っ込まれていた。
 
・のえ「離れ離れはイヤです」
 小四郎「危険だぞ」
 のえ「二階堂に参ります(一緒に行かない)」
 現金すぎるのえさん、もうすっかり面白キャラに……
 
・珍しく肉体労働したり、バトルシーンを見せたりした
 大江どの(意外に強い!)、ちゃっかり政子の手を握ってた。
 なんなの、やっぱりラブなの?
 
・吾妻鏡における、義時死後の泰時と朝時の
 ギスギスした感じが好きなので、
 朝時が泰時に対してコンプレックスの混じった
 怒り方してたの、よかったわ~。
 このドラマでは泰時母は八重さんなので、
 母の出自による朝時の「我こそは嫡流なり!」意識はないのね。
 単純に、優秀な兄への鬱屈といった感じ。
 兄が朝時の手柄を申告して父の勘当を解いたのにも
 反発するのかと思いきや、素直に礼を言ってたな……。
 
・泰時には盛綱と初がいてよかったね……。
 一人で碁を打ってる小四郎の、ひとりぼっち感よ……。
 
・三善どの、実朝のために小四郎に抗ってくれたんだな。
 気が弱いのに。
 
・実朝くん、ここまでコケにされたら、
 そりゃあ小四郎に対してキレるわ! だけど、
 「お前のこと信用しない」って面と向かって言っちゃうのは
 頼家と一緒。
 上皇の権威を利用して対抗しようとしていることも、
 言わずにやらないとダメだよ~。
 
・実衣「姉上は口を出さないで!」
 政子「乳母は控えていなさい!」
 政子、やっと言ってくれた~!
 比企の道さんのときから、乳母には遠慮しつつも
 腹に据えかねることもあり……という感じだったものね。
 
・小四郎「あなたのお父上に教わったことでございます」
 何でも頼朝のせいにするな~!!
 頼朝よりひどいからね、やってること!!
 
コメント (2)
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映画:『明け方の若者たち』

2022-10-29 19:34:17 | 映画の感想
2022年の映画⑥『明け方の若者たち』(松本花菜 監督)
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」
その16文字から始まった、沼のような5年間。
明大前で開かれた退屈な飲み会。
そこで出会った<彼女>に、一瞬で恋をした。
下北沢のスズナリで観た舞台、高円寺で一人暮らしを始めた日、
フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり・・・。
世界が<彼女>で満たされる一方で、
社会人になった<僕>は、""こんなハズじゃなかった人生""に
打ちのめされていく。
息の詰まる会社、夢見た未来とは異なる現在。
夜明けまで飲み明かした時間と親友と彼女だけが、救いだったあの頃。
でも、僕はわかっていた。いつか、この時間に終わりが来ることを・・・。
 
*******************************************
 
Amazon primeで視聴。
 
エレベーター内に流れていた宣伝以外、
まったく事前知識なしの状態で見始めた。
 
序盤から3分の1以上、
えんえんと「青春」をテーマにしたプロモーションビデオみたいなのが流れ、
 
「垢抜けない版『花束みたいな恋をした』?」
「はやりのヒロインが難病で死ぬ系?」
 
とあれこれ予想しつつも、何も起こらない。
夢いっぱいの大学時代が終わり、
会社に入ってままならない現実に直面するのも、普通といえば普通。
 
「こんな長いベッドシーン、いる???」
とうんざりし始めたころ、
ようやく「彼女と連絡が取れなくなる」という事件が起き、
その理由が明かされる。
 
以下、ネタバレ注意。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
彼女のほうが既婚者で、主人公も初日にそれを知らされており、
最初から「不倫」なのだった。
よくあるといえばある設定だが、女性のほうが既婚者なのと、
中盤でそれが明かされるのはちょっと珍しい。
身勝手なのが女性のほうで、男の子のほうがダメージを負っているのも。
風俗嬢に失恋の思いを打ち明けるシーン、
ベタだけどちょっと涙ぐんじゃった。
 
カタルシスは全然ないんだけど、
「しっかり爪痕を残した恋」ということで、まあ、いいんじゃないだろうか。
遅くまで飲んで遊んでも元気いっぱいだった、「あのころ」を懐かしむ気持ちは
たぶん多くの人が持ち合わせていて、それを刺激しただけで
コンセプトとしては成功だという気がする。
 
同期のしゅっとした男の子、
人の手柄を横取りする嫌な奴になるのかと思ったが、
そんなことはまったくなく、むしろすごくいい子だった。
 
序盤、彼女の財布が汚いことが視覚的に強調されてたんだけど、
あれは何だったのだろう。
伏線かと思ったが、何にもつながらなかった。
 
彼女サイドから見た短編もあるようだけど、
そっちは気が向いたら見ます。
不倫、「関係ない人間が叩きすぎ」だとは思うんだけど、
やっぱり「フェアじゃない」のはよろしくない。
 

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288:河村恵利『戦国落城秘話 青柳の糸』

2022-10-27 10:36:32 | 22 本の感想
河村恵利『戦国落城秘話 青柳の糸』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
後世に戦国武将の鑑と謳われた木村重成の生涯を描いた表題作のほか、
大坂城落城にまつわる、人々の儚くも美しい想いを綴った珠玉作品集。
「青柳の糸」「桐の葉」「水底」「水鳥」「霧の籬(きりのまがき)」の
5編を収録。
 
****************************************
 
木村重成、名前すら知らなかった……
そしてその妻は大蔵卿局の姪で、
「青柳」という名も本当に残っているのね。
 
河村先生は本当に茶々が好きなのだな。
 
【収録作品】
「青柳の糸」木村重成とその妻
「桐の葉」片桐且元と茶々
「水底」毛利勝永と山内忠義
「水鳥」江戸もの オリジナル? 本多忠朝
「霧の籬(きりのまがき)」本多忠朝
 

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287:河村恵利『逢魔ヶ辻~晴明と道長~』

2022-10-25 21:06:05 | 22 本の感想
河村恵利『逢魔ヶ辻~晴明と道長~』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
平安の頂点に立つ藤原家の三代に渡る男たち。
彼らは少年、青年、老年時代の安倍晴明が繰り出す恋の術に翻弄されて、
気がつけば、思いもよらぬ結末に…。
ちゃめっけたっぷりの安倍晴明の活躍を描いた「逢魔ヶ辻」3編のほか
時代ロマン2編を収録。
 
****************************************
 
安倍晴明が若いイケメンでないというだけで、評価する!
夢枕獏の呪縛が強すぎるのだろうけど、
陰陽師にも晴明にも夢見すぎなんだよ、みんな!
 
というわけで、どちらかというと不細工な晴明が、
じいさん・おっさん・子どもの姿で登場するのがいいね。
この話では、道長と明子が幼馴染で、
倫子は「政敵の娘」という位置づけ。
道綱母が、どちらかと言うと可愛らしく控えめで、
『蜻蛉日記』とのギャップがすごい。

【収録作品】

「逢魔が辻 その一 晴明と道長」
「逢魔が辻 その一 晴明と兼家」
「逢魔が辻 その一 晴明と師輔」
「清水聖」のちに藤原頼通の妻となる進命婦
「平安怪盗伝説 真結び」これは完全な創作かな
 
進命婦のことは初めて知った。
これは宇治拾遺物語が元ネタらしい。
恋心を打ち上げた爺さんにこの態度、
なかなかできることではないよ。
 

 

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275-286:大和和紀『イシュタルの娘~小野於通伝~』1~12巻

2022-10-23 21:57:24 | 22 本の感想
大和和紀『イシュタルの娘~小野於通伝~』
★★★★★
 
【Amazonの内容紹介】
 
「うわさにたがわぬおもしろき娘よ」と信長にも愛された娘・
小野於通(おの・おつう)。
於通を知らずして戦国は語れない!!
大和和紀が初にして待望の戦国ロマンのヒロインに抜擢したのは、
小野於通――!! 
その輝きはあたかも戦国の闇を夜明けに導く明けの明星――
信長に見出され、秀吉に重用され、家康に信頼された才女、小野於通。
その知られざる生涯を大和和紀が描く本格戦国ロマン!!
 
****************************************
 
長い間積んでいたのを、旅行を機に読み始めた。
(とりあえずダウンロードしておいた1~12巻だけ)
序盤のあたりだけは一度読んだはずなのに、
ヒロインが無理やり結婚させられたパートしか記憶がない。
 
いや~、めっちゃ面白いじゃないか!!
オリジナルのファンタジー要素かと思っていた飯綱権現の話、
九条稙通のエピソードとして実際に伝わっているのだね。
歴史上の有名人に絡みすぎといえば絡みすぎだが、
お通が教養と才能で世を渡っていく文化人であるから、
それが不自然でない 。
実際、千利休や古田織部といった文化人が、
自分よりはるかに身分の高い人々と広く親交していた時代なので、
すんなりと受け入れられる。
お通と真田信之に関わりがあったのは知っていたが、
淀殿に仕えていたという説もあるのだな。
いろんな説をふまえて、うまく調理している。
 
お通があまり感情的でなく、冷静な賢い女性であるところが良い。
教養と才能でのしあがっていくヒロインというのは、
創作物でも実はあまりいないのでは。
実在の女性で表に出た人が多くなかったというのもあるけれども、
架空のヒロインでそれをやろうとしても、
作者に教養がないと難しいのだろうな
(たいしたことない部分でやたら持ち上げられる話になってしまう)。
 
お江与と秀忠のカップルが可愛い。
秀忠が尻に敷かれている設定はスタンダードだけど、
このお江与のキャラ立ては珍しいと思った。
 
しかし……
信尹、参内する時ぐらいちゃんと髻を結ってくれ!!
傾奇者時代はその髪型が設定に合っていてむしろよかったが、
ずっとこれだと「少女漫画の呪縛……」と思ってしまう。
指南書みたいなのに書いてあったのを読んだことがあるが、
女の子対象のコンテンツだと、
ヒーローの髪型が原因で特に江戸時代はウケないらしい……。
私は別に髷が好きなわけじゃないのだが、
歴史物で「それなりに身分があるのに髷を結ってない男」が
ヒーローだと興ざめなんだよ。
 
いま1・2巻が無料公開されているみたいなので、
興味がある人はどうぞ。

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273-274:市川ジュン『華の王〈上〉・〈下〉』

2022-10-23 21:46:50 | 22 本の感想
市川ジュン『華の王〈上〉・〈下〉』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
後に尼将軍と恐れられた北条政子の半生を、
源頼朝との恋愛を通して描いた歴史絵巻。
流人だった頼朝と運命的に出会い、
数々の戦を乗り越えて天下の覇者にまでのぼりつめた夫婦の愛を、
ドラマティックに描く。
 
****************************************
 
この作者さんの作品は、『鬼国幻想』『燁貴妃』に続いて3作目。
好きなところがたくさんあるんだけど、
どうしても受け入れられない要素が二つある。
 
その1:男性キャラにちゃんと髷を結わせてくれ~!!
 
作者さんが長髪の美形がお好きだというのは、とてもよくわかるのだが、
歴史ものだからそれはしっかりしてほしい。
他をしっかり調べて考証に気を遣っていても、
頼朝が「ずーっと長髪を下ろしている」というだけで台無し……
(というか、他がしっかりしてる分、興ざめになってしまう)
長髪男はともかく、おかっぱ男は、髷を結おうにも結えないよ。どうすんの。
 
その2:女性にわめかせないでくれ~!
 
「気の強い賢い女性」という設定は、私も大好き。
しかし、ヒロインがやたらとわめくと、頭が悪そうに見えてしまう。
今回の政子は、ある部分仕方ないところもあるのだが、
本人の才覚というより、「虎の威を借る狐」。
賢い女性を描くというのは難しいのだなあ。
 
女をめぐるいざこざで安達景盛を討とうとした頼家を止めた。
そこで話は終了。
承久の乱までは描かないのね。

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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」♯40

2022-10-23 21:42:02 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第40話「罠と罠
 
こいつ、本当に大河ドラマの主人公か……?
誰か早く始末してくれ~!!
 
そう思わずにはいられないほどの小四郎の闇落ちっぷり。
 
それに対する和田義盛のあまりの「変わらなさ」が
苦しくて苦しくて。
謀反に加担したら
「本気じゃ無かった」
「つい調子に乗ってしまった」
で済まないのが解らないんだよね。
時政パパと同じで、ずーっと板東の田舎のチンピラ時代と
同じノリなんだ。
変わりすぎた小四郎と代わらなさすぎる義盛の対比が
すさまじくて、
ギャグのはずの「無数の和田義盛」も笑えなかったよ~。
 
「眉毛剃る」って、上総広常のところへ説得へ言ったときの
エピソード持ち出してきてさー。
本当にあのころは平和だった。
あの場にいた上総も梶原も、平家との戦いじゃなくて
内ゲバで死に追いやられてるんだよな……
怖すぎるよ鎌倉!
 
黒すぎる小四郎、もはや姉に嘘をつくのも普通のことになりつつあるが、
政子もだまされっぱなしではなかったこと、
「もっとうまくやれるはずなのに、怯えてる」と評したこと、
実朝が圧倒されっぱなしじゃなくて義盛を救おうとあがいたこと、
よかったね。
こうやって希望を見せられて、
あっというまに希望を打ち砕かれるわけだが……。
 
「もう俺らしか残っていないよな」
という義盛の底抜けの人の良さも見せられて、
なんだかんだでやっぱり義盛を闇討ちにはできない小四郎。
「本当は和田殿のこと好きじゃん!」
と時房に言われて、否定できない小四郎。
それでいて、回避できたと思った戦が、結局始まってしまうし、
うまく立ち回っていたと思っていた平六もピンチに陥るし、
本当に脚本が上手い。
 
【その他いろいろ】
 
・事情を知らない実衣に「孫の顔を」と言われて
 即座に「私のせいで」と謝る千世ちゃん、
 優しすぎる……涙。
 歩き巫女が言ってたとおり、これで幸せなわけはないんだけど、
 夫に放置されてるより、秘密を共有した理解者であったほうが
 まだマシだと思っているんだよね。
 頼むから、優しさにあふれた可愛い夫婦を
 ひどいめにあわせないでくれ~!!
 
・実衣「都育ち のわりに大雑把」
 のえ「育ちがいいと小さいことは気にならないんです」
 政子はのえについて「りくさん思い出すわね」と言っていたが、
 りくさんほど賢くなく、欲丸出しなとこが憎めないのえさん。
 
・小四郎の闇落ちの理由が、
「泰時の代になる前にトラブルの種を全部取り除いておくため」
 ということだとはわかったが、泰時の返事が、
「私のために……!(感動)」
 ではなく、相変わらずの
「父上は間違っている! 私は別のやり方でやる!」
 なの、いいよね。
 キャラが一貫している。
 光の執権になれたのは、やっぱり父親が全部始末したおかげだと
 思うけど。
 
・泰時が政子に小四郎の悪行をチクってる、
 その背後に小四郎がいたの、怖すぎた。
 
・小四郎「兄上の望んだ世にもうすぐなる」
 三郎兄上、なんだかんだで少年ジャンプの主人公タイプだから、
 マジで曲解だと思うよ、それ。
 頼朝を利用するしたたかさはあったが、
 まさか同じ「板東武者を殺しまくって」そうしたいとは
 思ってなかったでしょ。
 
・合戦の気配を感じて、朝時を呼び戻す初、
 有能すぎる!
 
・我が家に伝わる秘策=女装
 帝や公卿もやってたわりとメジャーな方法。
 よそでも本当に機能してたのか謎。
 
・実朝と義盛の語らいで泣いちゃった……
 
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映画:『十二人の死にたい子どもたち』

2022-10-20 11:03:53 | 映画の感想
2022年の映画⑤『十二人の死にたい子どもたち』(堤幸彦 監督)
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
その日、12人の未成年たちが、安楽死を求め廃病院の密室に集まった。
「みんなで死ねば、怖くないから」
ところが、彼らはそこで13人目のまだ生あたたかい死体に遭遇。
突然の出来事にはばまれる彼らの安楽死。
あちこちに残る不自然な犯行の痕跡、次々起こる奇妙な出来事。
彼らだけしか知らない計画のはず。まさかこの12人の中に殺人鬼が……?
死体の謎と犯人をめぐり、疑心暗鬼の中ウソとダマしあいが交錯し、
12人の死にたい理由が生々しくえぐられいく。
全員、ヤバい。 気が抜けない。
いつ誰が殺人鬼と変身するのか! ?パニックは最高潮に。
彼らは安心して“死ねるのか"怯えながら“殺されるのか"
監督 堤幸彦(「SPEC」「イニシエーション・ラブ」)が仕掛ける、
出口無しのノンストップ未体験・密室サスペンスゲームの幕が上がる。

*******************************************
 
Amazon primeで視聴。
 
キャラクターが立っているし(力持ちのゴスロリ娘とか最高じゃん)、
メンバーから次々に証言が出てくる謎解きパートは面白かったのだが、
そもそもなんで、招かざる客について
みんなで推理したり調査したりし始めたんだという疑問が。
それらしい理由はつけられていたけれど、
「多くの子にとっては、自分たちが死んだ後のことだから
 どうでもいいじゃん」
という思いが拭えず、会話の運びが不自然に感じられる。
「みんなで死ねば怖くない」と言って集まったのだから、
自殺に対する恐怖を持っていて、
できれば先延ばしにしたいという気持ちがあるのも理解できなくはないのだが、
ちょっと無理やり感がある。
自殺を目的に集まったのに、
全員が賛成しないと決行しないというシステムも謎で、
「反対なら、お前は帰れ」で済む話だよ……。
 
そして、多感な少年少女だからといって、
やたらと感情的にわめき散らすのもやめてもらいたい。
途中で疲れちゃった。
ファザコン娘の憎らしい感じが印象的。
 
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271-272:上橋菜穂子・藤原カムイ『精霊の守り人〈上〉・〈下〉』

2022-10-19 08:02:21 | 22 本の感想
上橋菜穂子・藤原カムイ『精霊の守り人〈上〉・〈下〉』
★★★★☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
短槍使いの女用心棒バルサは、あるとき偶然1人の高貴な少年を助けた。
少年の名はチャグム。
新ヨゴ皇国の第二皇子だった。
その晩、バルサはチャグムの母親であるニノ姫から、
帝の放った刺客からチャグムを守ってほしいと頼まれる。
別の世界に生きる謎の生き物の卵がチャグムの体に産み付けられたのが
狙われる原因だった。
バルサは皇子の寝間に火をかけると、皇子を連れて宮を脱出した。
 
****************************************
 
興味を持ちつつも、ファンタジーが苦手なため
なかなか原作小説に手を出せなかった作品。
コミカライズ版を貸してもらったので
ようやく読んだ。
 
主人公が「戦う30歳の女性」というのが、児童文学としては斬新。
当時よりは世間一般の30歳のイメージは若くなった思うけれど、
やはり子どもにとって30歳は「おばさん」だろう。
それでも人気が出たのだなあ。
 
ファンタジーな設定がなかなか頭に入ってこなかったけれど、
バルサとタンダの関係性にはキュン。
 

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映画:『コンフィデンスマンJP ロマンス編』

2022-10-18 20:10:10 | 映画の感想
2022年の映画④『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(田中亮 監督)
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
華麗に大胆に悪人を騙し続ける百戦錬磨のコンフィデンスマン(=信用詐欺師)、
ダー子、ボクちゃん、リチャード、そして五十嵐。
次なるオサカナ(=ターゲット)は、香港マフィアの女帝で、
その冷酷さから<氷姫>という異名を持つラン・リウ。
彼女が持つと言われている伝説のパープルダイヤを狙って、一行は香港へ。
ランに取り入ろうと様々な策を講じるが、なかなかエサに食いつかず苦戦する。
そんな中、天才詐欺師ジェシーが現れ、同じくランを狙っていることがわかる。
そして、以前ダー子たちに騙され恨みを持つ日本のヤクザ・赤星の影もちらつき始め、
事態は予測不可能な展開に。
騙し騙されの三つ巴の戦いを制するのは誰なのか! ?
史上最大のコンゲームが始まる! !
 
*******************************************
 
テレビドラマのシリーズは未視聴。
見ていなくても おおよそ話は分かったが、
見ていて登場人物に愛着があった方が、楽しめたと思う。
 
「演技をしている登場人物の演技をする」というシーンが多いので
どこまでが本当の演技力なのかいまいちよくわからないけど、
不倫で話題になっていた東出くん、なんだか微妙にぎこちない。
でもこのぎこちない演技が、朴訥としたお坊ちゃんタイプの登場人物には
合っている。
 
竹内結子と三浦春馬が出ていて、
映像作品って、なんだか、タイムカプセルのよう。
 

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