金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

映画:『ラストナイト・イン・ソーホー』

2022-08-29 10:03:17 | 映画の感想
2022年の映画②『ラストナイト・イン・ソーホー
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

エロイーズはデザイン学校に入学し、
ソーホー地区で一人暮らしを始めたアパートで眠りに着くと、
夢の中で60年代のソーホーにいた。
そこで歌手を夢見るサンディに出会うと、
身体も感覚も彼女とシンクロしていく。
夢の中の体験が現実にも影響を与え、
充実した毎日を送れるようになったエロイーズは、
タイムリープを繰り返していく。
だがある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。
その日から現実で謎の亡霊が現れ、徐々に精神を蝕まれる。
そんな中、サンディを殺した殺人鬼が
現代にも生きている可能性に気づき、
たった一人で事件の真相を追いかけるのだが……。

*******************************************

Amazn primeで視聴。
「タイムリープホラー」として紹介されていたもの。

60年代のカルチャーにかぶれた女の子が、
60年代の闇に触れる話でもあった。

歌手としてのし上がっていこうとしたサンディが、
男に利用され、搾取され尽くしていくのが本当に痛々しい。
「昔はよかった」が信用できないのは、こういうとこ。
ヒロインが憧れた60年代は、
今よりずっと女性が思うように生きていくのが難しく、
搾取されやすい時代でもあったのだ。

ヒロインを好きな男の子が、あまりにもいい人すぎる。
「彼女とベッドインできる!
→彼女が錯乱、大騒ぎのあげく追い出される」
という気まずい展開があっても、変わらず親切だったのに、
トラブルに巻き込まれて刺されたうえ、火事にも遭って
あわやこのまま死ぬかも……と踏んだり蹴ったり。
最後、報われてよかったよ。

以下、ネタバレ。











「現在も生きている犯人」が、美人局ではなく
サンディのほうで、しかもそれが大家だったとは。
「夜8時以降に男を連れ込まないこと」
という入居の条件は、ヒロインを守るためでもあったのかな。

殺人者である彼女を抱きしめたヒロインの気持ち、
わかるよ……
殺された相手をかわいそうだとは思えないし、
むしろ「やってやったな!」って感想を
抱いてしまうほどだもの。

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大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯33

2022-08-28 21:52:40 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第33話「修善寺

今日も息詰まる45分であった。
伏線となる「武蔵国をめぐる重忠と時政の間の溝」を
頼家暗殺と絡めて自然に出してきたの、
本当に情報処理が上手い。

頼家、今回もかわいそうだった。
願いを受け入れられないとわかっていても、
自分の存在をアピールするために
鎌倉に要求を送らざるをえないし、
素直に「力を貸してくれ」と平六に言ったのに
あっさり断られるし。
最後、善児とのバトルでちゃんと互角に戦い、
(善児に隙が生じたにしても)太刀を浴びせて
面目を保てたの、よかった。
金子大地さん、すごーく良かったなあ。
頼家のプライドの高さと、孤独や弱さ、
内にあるいろいろをしっかり表現していた。

政子と実衣ちゃん、仲直りしたかと思ったのに。
政子に向かって
「実朝を育てたのは私、余計な口出しはしないで」
と言い放つ実衣ちゃん。
息子には政なんかせずに和歌でも詠んでいてほしいという
政子の発言も甘っちょろくてどうかと思うけど、
あまりにも不遜では。
源仲章を連れてきて、三善殿のメンツをつぶすし。
仲章が息子を殺した男だってこと、
実衣ちゃんは知らないのね。

「おかしい」「どうかしてる」「間違ってる」と
自分を否定する息子を、小四郎は「かつての自分」だと
セリフでも説明。
頼朝も、小四郎のこと、そういうふうに見てたのね、
きっと。

タイトル「修善寺」は、頼家が殺される場でもあり、
かつてここで両親を殺した男を、トウが自ら殺す場でもあり。
ダブルミーニングになっていることの多いタイトルも
毎回おもしろい。
「宗時を殺したのが善児」とわかっても、
「必要だから」という理由で
小四郎は善児を殺さなかったけれど、
小四郎にバレたという時点で
梶原のいう「天運」は尽きたんだな。
ここもエピソードの積み重ねの妙。

【その他いろいろ】

・ 受け継がれる偽ドクロ。
 もう捨てたほうがいいよ、呪われてるよ、それ!

・頼家は実朝のこと、どう思ってたんだろ。
 当時、貴人の子は乳母一家に養育されていたから、
 同母兄弟といえどもあんまり思い入れないのかしら。

・鎧をつけた小さい実朝、可愛かった。
 三善殿の説明も微笑んで聞いてて、人柄が現れてる。

・予告で頼家を煽ってたから、平六が調子に乗った北条を
 ぎゃふんと言わせるために頼家をそそのかすのかと思ってた。
 本音をぶつけてきた頼家の頼みも、あっさり断っちゃった。
 まあ、一族の命運を背負った立場で、
 勝ち目のない側につかないよね。

 ・「次の執権は政範?」と訊くりくさんに、
 時政パパは答えをはぐらかす。
 宗時の死に際して、小四郎に
 「これからはお前が北条を引っ張っていくんだ」
 と言ったのもあって、さすがにりくさんの希望に反しても
 「小四郎が後継者」路線は潰さないのね。

・実朝の妻になる坊門の姫について、
 今回は「身内」と言っただけで詳しい説明はなかったけど、
 後鳥羽院にとっては「母親の姪、妻の妹」だから
 政治的にはかなり優遇した選択。

・鎌倉=ボロ屋しかない田舎。
 京の人間、地方をなめくさってるから……。

・大江殿、一度切り捨てると判断したら
 とりつく島もない……

・時房がいいこと語ってるのに聞いてない小四郎。
 兄弟に対しては扱いが雑になるよね。

・八田どの、有能すぎる。

・義盛「どうして俺のとこ来たの?」
 小四郎「難しいことは考えずうまい酒が飲めそうだ」
 バカって言ってる……。
 義盛と巴、仲良しでなにより。

・一幡のことを思い出していた善児は、
 「一幡」の名を見て動揺してしまい、
 頼家に斬られたあげく、トウに殺害される。
 もうかつての善児には戻れなかったのね。
 頼家vs善児のアクションシーンにやけに尺を取るな~と
 思ってたんだけど、善児が退場するからだったのね。

・泰時は賢いけど、父親に似て、腕はあんまり立たない。
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196:ほしおさなえ『紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆』

2022-08-28 10:59:19 | 22 本の感想
ほしおさなえ『紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

ふじさき記念館にインクメーカーとガラスペン作家による
コラボ企画が持ち込まれる。
館長の一成は百花に協力を頼むが、
「インク沼」と言われるほど人気のカラーインクに
百花自身すっかり魅了されてしまう。
商品のネーミングに悩む百花。
ある夜、母の冬海から百花の父親の遺品である
万年筆を渡される。
作家だった父との会話を懐かしく思い出した百花は、
自分の名前の由来が童謡「春の小川」だと知らされる。
そして、企画会議で百花の出した童謡のタイトル案が採用され、
カラーインク単独でも商品化され発売されることに! 
しかし、製造数が上がったことで藤崎の本社の営業部、
一成の従兄弟浩介からの横やりがまたしても入り、
企画が本社案件になってしまい……!? 
紙に書く、思いを書く。そして、伝わる優しい絆。

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「お仕事もの」としての要素が中心ではないと思いつつも、
主人公のアイディアが毎回すぐに受け入れられ、
評判もよくて売れる、という挫折のなさが
やや気になっていたこのシリーズ。
上記の点は相変わらずなのだけれども、
今回は社内の人間関係に端を発した困難が
一冊の中の山場として設定されていた。
主人公が言いたいことをはっきり藤崎さんに
ぶつけるようになった、という成長が描かれていて、
すっきりした気分で読み終える。

水引のアクセサリー、画像検索で見るとそこまで……という
印象なのだけども、作中の描写だととても素敵なものに思える。

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195:芦沢央『悪いものが、来ませんように』

2022-08-27 17:36:03 | 22 本の感想
芦沢央『悪いものが、来ませんように』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

自分の娘への強い愛情を抱える奈津子。
助産院の事務をしながら、不妊と夫の浮気に悩む紗英。
二人の異常な密着が恐ろしい事件を呼ぶ。
「最後まで読んだら、絶対もう一度読み返したくなる」話題作、
ついに文庫化!

****************************************

初めての作家さん。
これも電子書籍で読んだので、
帯もあらすじも見ないままの状態で読み始めた。

前情報なしで読んだほうがいいね。

以下、ネタバレ。










いわゆる叙述トリックが使われた作品。
親密すぎる女友達同士かと思いきや、
実はそうではなかった、と後になってから判明する。
紗英と奈津子がいつ出会ったのか、とか、
紗英と奈津子はどういう関わり方をしてきたのか、とか、
なんかぼかされているな……とは思っていたけれど、
奈津子の結婚・出産と紗英のそれとの時期のずれには
まったく気づかなかった。

叙述トリックを使用した小説は、
「それが使われていなくても面白い話であってほしい」
という願望がわたしにはあるのだけども、
(トリックのためだけに存在する話は、
 時間の無駄だった、と思ってしまう)
これは十分におもしろかったし、
叙述トリックだったと明かされることで
また別の世界が見えるところも好き。

たとえ男女の働き方に関する差別が是正されて、
男性が主夫として子育てをメインで担当したとしても、
父ー息子あるいは父ー娘の間には、
母ー娘ほどの愛憎は発生しない気がするんだけど
どうなんだろう。


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194:柚木麻子『BUTTER』

2022-08-26 17:26:11 | 22 本の感想
柚木麻子『BUTTER』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

若くも美しくもない女が、男たちの金と命を奪った――。
殺人×グルメが濃厚に融合した、柚木麻子の新境地にして集大成。
各紙誌で大絶賛の渾身作がついに文庫化!!

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された
梶井真奈子(カジマナ)。
若くも美しくもない彼女がなぜ──。
週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに
梶井の面会を取り付ける。
フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、
里佳に〈あること〉を命じる。
その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、
里佳の内面も外見も変貌し、
伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。
各紙誌絶賛の社会派長編。

****************************************

「木嶋佳苗をモデルにしてるのね~」
と思いながら読みはじめたが、
思った以上に、彼女やその関わった事件を
がっつり下敷きにしていた。
もちろんオリジナリティもしっかりあって楽しめる。
身体、ジェンダー、食事、仕事、家族……と
さまざまな要素に考えさせられる部分があって、
書き留めたい言葉がたくさん。

離婚して生活が荒れていく男性について、
「料理や掃除なんか、高レベルを目指さなければ
 誰だってある程度はできるだろうに」
と思っていたのだが、それをしない理由について
言及されていた。
納得はしないけれども、そういう人もいるのかもしれない。

料理や食事の描写も丹念で、
カロリーの高いおいしいものが食べたくなることうけあい。

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193:宿野かほる『ルビンの壺が割れた』

2022-08-25 17:32:48 | 22 本の感想
宿野かほる『ルビンの壺が割れた』
★★★★☆

うおー!
全然好きじゃない!
でも、おもしろかった!!

もともと薄い本だというのもあるけれど、
一度も気が逸れることなく一気読み。
電子書籍だったため、帯もあらすじも目にすることなく
事前知識ゼロの状態で読んだのもよかったのだと思う。
これから読む可能性がある人は、
ネタバレなしの状態で読むことをおすすめします。

以下、ネタバレ。
















序盤からやけに娘に興味しんしんで、
わざわざ絵を引き延ばして印刷してたし、
元カノの本名や住所を聞き出そうとしていた。
そこに気持ち悪さを感じていたのだけど、
そういうことだったのかー!!

元カノが結婚式を前に行方をくらませた理由を
知りたくて読んでいたのだけども、
話が進むにつれて、
どんどん意外な事実が明るみになってきて、呆然。
この「てんこもり」具合が、
拙い印象も与えてしまうのだけども、
デビュー作ならこれくらいのインパクトは必要だよね。

苦手な要素はいっぱいだったのに、
引き込まれたし、おもしろかった!

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192:万乃華れん『五七五 ぼくのとなりはブラジル人』

2022-08-25 17:28:57 | 22 本の感想
万乃華れん『五七五 ぼくのとなりはブラジル人』
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

ぼくは、ふつうの小学5年生の早川あさひ。
ぼくの席のとなりは、ブラジルからきた女の子のラウラ。
ラウラは、日本語をほとんどしゃべれない。
それなのに、おたがいの手をみて、川柳をつくることに。

****************************************

書店で名古屋市の推薦図書? みたいな扱いを
されていたとのこと。
テーマは「異文化理解」。
外国からやってきたクラスメイトとの関係が
主軸になっていて、彼女を通して主人公が、
ブラジルにルーツを持つ人々、その文化や風習を
知ってなじんでいく……という展開。
小学生の視点で描かれているし、同じクラスに
自分とは異なるルーツを持つ子がいるという小学生も
増えているから、感想文は割と書きやすいのではないかな。

この作家さんの本を読むのは初めてだけど、
「五七五」を題材にした本を何冊か出しているためか、
川柳は展開に活かされた小道具であって、
メインの題材ではない。

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191:井出留美『捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ』

2022-08-23 16:06:25 | 22 本の感想
井出留美『捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ』

【Amazonの内容紹介】

捨てないパン屋として評価される田村陽至氏の人と思想を、
食品ロスの専門家として数多くの受賞を誇り、
食品ロス削減推進法成立の原動力となった井出留美氏が活写する。
田村氏のモンゴル滞在の経験や、ヨーロッパへのパン修行の旅など、
美しい自然風景と感動的なエピソードを交えながら、
捨てないパン屋になるまでの葛藤を通じて、
自然への深い愛情と、食品ロスなき未来への希望を描いた
ノンフィクション。

****************************************

今年度の読書感想文コンクール小学校高学年の部の
課題図書。
こういう表紙、今はやってるね。

文字が大きく、割とすぐに読めてしまうのだけど、
内容としては割と盛りだくさん。
感想文のためのフックとしては、

・夢を叶えるために諦めない姿
・リスクを承知で決断する姿
・遠回りしてでもやりたい仕事はできるということ
・食品ロスの問題
・働き方の問題

あたりかなあ。
小学生だと働き方には注意が向かないみたいだけど。
帯を見る限り、「食品ロス」をメインテーマとして
売っているようだし、これを感想文のテーマとして据えるのが
小学生にとってはいちばん書きやすいと思う。
「反省」と「今後の展望」が子ども自身のアイディアとして
出てきやすい。

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190:ほしおさなえ『紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー』

2022-08-22 14:09:57 | 22 本の感想
ほしおさなえ『紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

大手紙企業「藤崎産業」の記念館でバイトをする百花は、
前社長夫人薫子に気に入られ夕食に誘われる。
そこで、孫で館長の一成が幼い頃から薫子に育てられ
紙への愛情が深くなったことを知る。
ある日、彫金デザイナーの雫を伴い
本社営業課長の浩介が記念館に現れる。
彼は社長の息子で、いとこの一成を敵視し、
記念館不要論を唱えていた。
しかし、百花が和紙を使った新商品のアイディアを
雫に提案したことで、事態は思わぬ方向へ。
『活版印刷三日月堂』に続く、やさしい絆の物語。

****************************************

今回も紙の魅力は十分に伝わってきた。
紙商はもうかっても、職人が豊かではなかったというの、
他の品でも見られる現象で、これはシステム的に
どうしようもないのかなあ。
歴史上、商人が目の敵にされて、襲撃の対象になっていたのも
わからないでもない。
生産者が直接売買するのは、今よりずっと難しかっただろうし、
だから商人の存在は不可欠だったのだろうけれども、
「楽して上がりをはねている」という印象は
どうしてもぬぐえない。
実際は販路の開拓ひとつとっても、全然楽じゃないと思うけど。

主人公の自分を卑下する癖は減って、
前向きにいろんなことを考え、アイディアを出し、
それを実現していく様子にわくわく。


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大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯32

2022-08-21 21:58:05 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第32話「災いの種

頼家がかわいそうすぎる😭 😭 😭 
自分の命が助かったことを誰も喜んでくれず、
自分が生死の境をさまよっている間に
妻子は一族もろとも殺されて、
嘘で自分を言いくるめようとする母親のことも
もう信じられない。
北条に報復しようとすれば、かつて信頼していた叔父が
「お前が軽々しく命令するから、仁田死んじゃったじゃん」
ってなぜか自分のせいにして責めてくる。
味方が誰もいない。
泣いて「父上」って呼びかける場面、
かわいそうすぎてもらい泣きしちゃった。
妻子の好物もちゃんと知ってるあたり、
頼朝よりは子どもを気にかけていたのだろうし、
事実を探るために呼んだ相手が和田&仁田ってところも、
人をちゃんと見ている証拠。
「しかるべき後見に育てられれば、
 立派なトップになれた」
という描き方をされているところが酷い。

比奈もかわいそうだったね……。
実家の一族を裏切ってまで夫の家に尽くしたのに
この仕打ち。
起請文の誓いを破ったら小四郎がひどい目に遭うからと
自分から離縁を申し出るところ、健気。
無理だとわかっていても、
「行くな」と言ってほしかっただろうに😭
非の打ち所がない妻だけど、小四郎は、
彼女にそこまで思い入れがないままだったんだろうな。
自分のことを好きな可愛い女の子と、
八重さんを追っかけてた自分を重ねて
ほだされちゃっただけで。
それなりに愛しくは思っていたのだろうけれど。

北条政範と平賀朝雅の登場、
そして、和田義盛が前回あたりから明らかに
畠山重忠に対する態度を軟化させてるの、
「着々と仕込んでるな……」
とわかる鬼脚本。

【その他いろいろ】

・慈円きた!!
 しっかり「愚管抄」してる。

・比企一族の滅亡に怯えるつつじに対し、
 平六はまったくの平常運転。
 この人のメンタル、どうかしてるよ!

・仁田殿もかわいそうだった……。
 吾妻鏡みたいに、北条に討ち取られるよりは
 まだ救いがあったけれど。
 「相談がある」と言った彼に「後で」と答えたことで
 彼を死なせちゃったこと、
 小四郎は少しは気にしてるんだろうか。
 なぜか頼家のせいにして責めてたけど。

・なぜ自分と仁田が頼家に選ばれたのかという義盛の疑問に
 「戦に強くて忠義者で馬鹿」まで言って、
 「場数を踏んでる」と言い換える平六、
 頭の回転は速いのよね……

・義盛、前回は重忠の返答に反発せず素直にうなずいてるし、
 今回は相談相手に平六といっしょに重忠を選んでるし、
 重忠は義盛を北条に取りなしてあげている。
 知ってる!
 こうやって仲良くさせて、悲劇性を高めるつもりなんでしょ!鬼!

・りくさん、鎌倉殿を「頼家」呼ばわり。

・善児が人間になった!!
 梶原から譲り受けたあたりから
 ちょこちょこ人間味を出してたけど、
 自分を好きになってくれた一幡を殺せないと。
 自ら一幡を手にかけようとした小四郎との対比よ……。
 来週、三郎兄上を殺したのが善児だと小四郎に知られて
 始末されてしまうんだろうか。

・比企尼が生きていた!
 北条への憎しみや「本当なら自分が将軍だった」って思いを
 植え付けるのが彼女だとは予想もできない展開。
 でもそれくらいのことを北条は比企にしたんだよな~。

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