金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

2023年 映画と読書のまとめ

2023-12-31 17:46:11 | 1年のまとめ
【小説】
 
好み度★5
朱野帰子『対岸の家事
谷津矢車『廉太郎ノオト
 
好み度★4のうち印象に残っているもの
永井紗耶子『木挽町のあだ討ち
砥上裕將『線は、僕を描く
知念実希人『仮面病棟
井上ひさし『東慶寺花だより
柚木麻子『早稲女、女、男
柚木麻子『らんたん
 
【追悼・永井路子先生】
 
たぶん、私が人生で初めて「作者読み」したの、永井先生だったと思う。
「鎌倉殿」効果でいっぱい復刊してくれて、本当によかった。
そして、著作はすでに図書館にも置かれなくなっているので、
電子書籍の時代になったのもありがたい。
 
【小説以外】
 
植村直巳『青春を山に賭けて
三土たつお街角図鑑
 
【漫画】
 
 
漫画、あまり読まなかったな~。
冊数自体はわりと読んだと思うけど、おもしろかったシリーズもので
読み終わったのが上記のこれだけ。
 
安藤ゆき『町田くんの世界 』
荒井ママレ『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』
 
の2作は面白かったし好きだけど、
まだ最初の1~2冊しか読んでいないので保留に。
漫画、電子書籍の積ん読がすごい量になっているので
来年は少しずつでも消化したい。
 
【映像作品】
 
映画『犬部!
映画『色男ホ・セク
 
今年見た映画は14本。
『インディペンデンス・デイ』は初見じゃなかったので除外すると、
好み度★5をつけた映画は一つもなかった。
好みじゃないけれど印象的だったのは、上記の4作。
『犬部!』は好み度としては★3.5だったのだけども、
インパクトがあった。
 
そして、今年の大河ドラマを3ヶ月で脱落してしまった代わりに、
ドラマはわりと見ていた。
仕事の資料として何人かの俳優さんの出演作を見ていたためだけど、
完走できたのは以下の4作のみ。
 
ドラマ『夜行観覧車
ドラマ『SPEC
 
大河ドラマ以外にテレビを見てこなかった人間の
所感だけども……
大河ドラマも「明らかに尺の配分がおかしい」とか
「整合性が取れない」とかあるけど、そこは天下のNHKで、
まだ良い方なのだということがわかった。
テレビドラマって、映画とちがって、
完成していない作りかけの段階でリリースしちゃうから、
「放送し続けていい出来じゃないだろ」という代物でも
最後まで遂行しなきゃいけないのね……。
頑張っている俳優さんとかスタッフさんたちが
気の毒になるものもある……。
 
あと、「単純接触効果」の影響は思っていたより大きく、
いろんな媒体でその人に触れて情報が蓄積していくと、
解像度が上がって魅力がわかるようになることもある。
俳優のYYくん、苦手な顔だな~と思ってたけど、
わりと好きになっちゃったもん。
 
*****************************************
 
2024年の大河ドラマは、藤原道長×紫式部になりそうなのが
やや不安ではあるのだけども、かなり楽しみ!
「風と雲と虹と」「炎立つ」も平安時代中期だけど、
地方が主な舞台で武士が主人公だったから、
「平安貴族もの」はおそらく初のはず。
 
ご訪問くださっているみなさま、今年もありがとうございました。
よいお年を!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お出かけの記:THE GATEHOUSE @名古屋駅

2023-12-31 16:13:43 | おでかけの記

連日の早朝出勤でズタボロになりつつ、

仕事納めの日にアフタヌーンティー。

ゲートタワー15階、ゲートホテルにあるゲートハウス。

(写真、失敗した……)

アフタヌーンティーセット 4,400円。

飲み物は一杯のみ(1,600円で飲み放題にできるとのこと)。

ホットビスケットやお菓子は小ぶりで上品な感じ。

お腹いっぱいになりすぎず、お茶にちょうどいい量。

 

20年以上、互いに励まし合ってきたフリーランスの同業者と、

「この業界で、よくここまで生き延びたよね……」

とお茶しながらしみじみ。

大学を出てからずっと2~3足のわらじでやってきたのだけども、

「別の仕事もあるから、一つがうまくいかなくても追い詰められずに済んだ」

というのは多分にある。

メインの収入源をごっそり失いそうになったときも、

「まあ、他があるから何とかなるだろう」

と他の人より冷静でいられた。

そして、

「最初はうまくいかなくても、学習能力はそれなりにあり、

 続けるうちにアップデートして苦手も克服できる」

という自分の傾向もわかってきた。

歳をとったほうが気楽に生きられるというのは

本当にその通りだった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

270-272:最近読んだ本

2023-12-31 15:55:54 | 23 本の感想
Amazonアソシエイト、画像が使えなくなってしまった模様。
表紙で本を覚えているところもあったので、
それで記録できなくなったのは残念。
 
伽古屋圭一『猫目荘のまかないごはん』
 
タイトルになっているわりに、ごはんの印象は弱め。
主人公の課題とその克服はきちんと描かれているし、
込められたメッセージもはっきりしているのだけども、
登場人物が「ストーリー上の役割」を果たしているだけで
血肉の通った人間という感じが薄かったのは残念。
 
 
 長月天音『キッチン常夜灯 』
 
暖かく優しい物語。
おいしそうな描写を求める人にとっては、
十分に期待に応えてくれる一冊。
1~2話ずつ細切れで読んでいたせいか、後半、
「主人公、シェフに対してえらくなれなれしいな?」
と感じてしまったのだけど、通して読んでいたら印象も違ったのかも。
恋愛要素がなかったのが、この物語にはよかった。
 
 
近藤麻理恵『人生がときめく片づけの魔法 改訂版』
 
Amazon Audibleにて。
この本が強かったのって、著者の「不思議ちゃんキャラ」が立ってたのも
あったよな~と思う。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

269:三土たつお 編著『街角図鑑』

2023-12-24 18:13:47 | 23 本の感想
三土たつお『街角図鑑』
★★★★★
 
【Amazonの内容紹介】
 
パイロン、マンホール、送水口、段差スロープ…
集めることで見えてくる、街角デザインの秘密!

パイロンの役割とはなんだろうか。
注意喚起と物理的な柵として使われることがほとんどだろう。
そこでちょっと考えて欲しい、
パイロンを柵として設置した人の気持ちの奥底を。
それは、私有地にあるのか公有地にあるのか。
固定されているのか動かせるのか。
数は? 間隔は? メンテナンスは?

そう言われると、街中のパイロンが気になってくる。
赤いの、赤白、上が欠けてるもの、
ベースに錘をはめているもの、壊れているもの…。
街中にある、私たちの生活に欠かせなかったり、
とても重要な役割を果たしているものは、
実は「視界に入っていなかった」だけ。
そこに気づくと、俄然、街はおもしろくなる。

さらに、数を集めると、秘められたデザイン意図や、
使う人の無意識が見えてくる。
街歩きが楽しくなる、路上観察に目覚めてしまう図鑑です。
 
****************************************
 
マンホールのふたの写真をせっせと撮っている私に、
友だちがくれた本。
タイトルの通り、街角で見かけるいろんなアイテムの
名称や説明、種類を教えてくれる。
こういう何でもない風景に楽しみを見いだせるような生活、
絶対楽しいよな~。
世の中にはいろいろなマニアがいるというのもわかって
世界の多様さにわくわくしてしまう。
 
三角コーンやリサイクルボックスを擬人化した表現も
ユーモラスでほっこり。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

265-268:最近読んだ本

2023-12-24 18:09:49 | 23 本の感想
 亀山ルカ『毎日がうまくいく! 働く女子の わたしらしく「書く」習慣』

テーマ&ジャケ買い。

SNSやブログも扱っている点が、類書と違う点かな。

 
 加賀美真也『言いわけばかりの私にさよならを』
 
知人から回ってきたもの。
初めて読む作者さん。
ひねりのないストレートな、清く正しい学生もの。
中学生くらいが対象なのかな?
小学校高学年が読書感想文用に選ぶ本にありそう。

 
 樺沢紫苑『神時間術』
 
Amazon Audible にて。
実践的で面白いなあと思うところはいっぱいあったのに
タイトルでなんか恥ずかしくなっちゃうな。
あまり曜日の関係ない仕事をしているため
土日の過ごし方というのに悩んでいたのだけれど、
曜日に限らずストレスを24時間で解消していくという
スタイルには、なるほどと思った。
運動が集中力を高め時間を増やす、
授業を15分ずつ区切り休憩を容れる、というのにも。
 

 
 
 
 勝間和代『勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法』
 
Amazon Audible にて。
生活や仕事のスタイルは変わっても、
パワフルなところはずっと変わらない勝間さん。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

264:喜多嶋隆『潮風テーブル』

2023-12-24 18:00:16 | 23 本の感想
喜多嶋隆『潮風テーブル』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
この海辺の料理店には、あなたが求めているものがきっとある。

守りたい居場所が、ここにある――
海果は、この夏最大のピンチを迎えていた。
台風で家が大きな被害を受けた上、近所にパスタのチェーン店ができたのだ。
端物の魚介類や、地元産の形が不揃いの野菜を使って原価を抑えても安さで負ける。
落ち込む海果だが、相棒・愛の機転で新しい看板メニューが誕生。
やがて、2軒の店をめぐる事態は思わぬ展開に……。
葉山の海辺にある料理店を舞台に、素朴で実直な海果を取り巻く人間模様を描く。
潮風が吹き抜ける感動の物語。
 
****************************************
 
シリーズものだったのか……
前巻までを読んでいないから、キャラクターたちの人となりや事情が
よくわからないというのもあったけど、
ぶつ切りの文章と構成にかなり癖があって、慣れるのに手こずった。
そして、端々から昭和のにおいがする。
スーパーの駐車場のバーをぶっ壊して走り去るの、
令和の倫理観では受け入れられないと思うよ……。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画:『インディペンデンス・デイ』

2023-12-23 21:12:58 | 映画の感想
2023年の映画⑭『インディペンデンス・デイ』(ローランド・エメリッヒ 監督)
★★★★★
 
【Amazonの内容紹介】
 
宇宙センターで衛星アンテナが奇妙な音をキャッチした。
報告によると、質量が月の4分の1もある巨大な物体が
地球に接近しつつあるという。
その正体は異星人の宇宙空母であった。
彼らは人類への攻撃を開始し、主要都市は一瞬にして廃墟と化す。
絶滅の危機にさらされた人類は、ついに史上最大の作戦を開始する!
 
************************
 
友人宅で、Amazon primeにて。
20年以上ぶりに再視聴。
公開されていた当時、学校帰りに友だちと映画館に見に行ったのだった。
見に行った帰り、マクドナルドで大興奮して感想を語っていたのを
はっきり覚えている。
 
「テレビがブラウン管や~!!」
「モニター古い!」
「宇宙人側にはタッチパネルが浸透してる~!」
「コンプライアンス的に、今だとあのシーンはNG」
「宇宙船の中、ばりばりに重力あるやん!」
等々、20余年のギャップを感じるところもあるのだけども、
今見てもおもしろいし、どうなるか覚えているのにドキドキしちゃう。
 
宇宙人にさらわれたと主張し、酒浸りで仕事もまともにできないお父さんが、
最後、特攻してヒーローになるの、
「うう、ベタだし、特攻を肯定したくない……」
と思いつつも、おそらくこの先も「困ったおっさん」としか生きられない
彼のことを考えると、
子どもたちにとってはこの上ない美しい散りざまなんだよな~
 
高校生のときにはまったく気に留めてなかったけど、
エンジニアのデイヴィッド、頭脳派なのにえらい体格いいな……

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラマ:『夜行観覧車』第6~9話

2023-12-23 20:51:51 | 2023年に見たドラマ・アニメ

彩花さんよォ、向かいのお姉さんにあんな嫌なことしといて、

虫が良すぎんか、ああん!?

 

……とは思うけど、落ち着くところに落ち着いて良かった。

息子がイケメンでスポーツも音楽もできて性格もよく、

女の子にモテるのなら、もうそれで十分じゃん!!

って他人は思っちゃうんだけど、

「医者になれるだけの頭の良さ」というのが

夫の最も突出した特徴なのだと思えば、

前妻の間に生まれた長男にそれがあって、

自分の生んだ次男にはそれがないというのは

耐えがたいことなんだろうな……というのも想像はできる。

自身も医者だった優秀な前妻への対抗意識の根底に、

夫への愛があるというのも理解できるし、

このあたりの人物や関係征の描き方はかなりしっかりしている。

 

マダムたちの間にも微妙ないざこざがあったり、

サブプロットもしっかり組まれていて見応えがあった。

第1話の中学受験の明暗で危ぶまれた主婦二人の友情も、

その後はゆるがずに守られて一安心。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

263:宇佐見りん『推し、燃ゆ』

2023-12-21 11:50:12 | 23 本の感想
宇佐見りん『推し、燃ゆ』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。
アイドル上野真幸を“解釈“することに心血を注ぐあかり。
ある日突然、推しが炎上し——。
デビュー作『かか』は第56回文藝賞及び第33回三島賞を受賞(三島賞は史上最年少受賞)。
21歳、圧巻の第二作。
 
****************************************
 
芥川賞受賞作。
話題になっていたので、タイトルだけ知っていた。
Amazon Audibleに入っていたので聞いた。
 
タイトルや、女子高生が主人公であるというところから、
ポップでライトな雰囲気を予想していたのだけども、予想外に重い。
はっきりとは書かれていないものの、主人公はおそらく発達障害で、
病院で診断が出ているにもかかわらず、家族に理解があるとは言えないし、
高校生活にも適応できず、中退することになる。
 
この発達障害の設定が必要だったのか? という感想も見かけたけども、
彼女の生きづらさというのが、
「推し」にのめり込む背景にもなっていたと思うので、
やはり必要だったのではないかな。
 
彼女は同情を誘わないタイプの人間なので、
フォローされない状況も、それを良しとは思わないけれども、
「周囲の反応も、まあ、そうなるだろうな……」
という納得感があるのだった。
 
ここまで何かにのめり込んだことはないけれども、
「推し」に認知されたくない、その他大勢の中に埋もれていたい、
という気持ちはよくわかる。
私も、どんなに好きな作家さんでも、会いたいとは思わないもんな。
美男美女の芸能人は生で見てみたいと思うけれども(テレビで見るより美しいらしいから)、
話したいとは思わない。
相手にとってその時間に何のメリットがあるの?? と思っちゃう。
ただ健やかに幸せに、活躍していてくれ~と思うのみ。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

262:永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』

2023-12-21 11:22:13 | 23 本の感想
永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
◆第169回直木三十五賞・第36回山本周五郎賞 受賞作◆
疑う隙なんぞありはしない、あれは立派な仇討ちでしたよ。

語り草となった大事件、その真相は――。
ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、
美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。
父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙は
たくさんの人々から賞賛された。
二年の後、菊之助の縁者だというひとりの侍が仇討ちの顚末を知りたいと、
芝居小屋を訪れるが――。
新田次郎文学賞など三冠の『商う狼』、直木賞候補作『女人入眼』で
今もっとも注目される時代・歴史小説家による、
現代人を勇気づける令和の革命的傑作誕生!
 
****************************************
 
Amazon Audibleにて。
Kindleの読み上げ機能は固有名詞の読みがめちゃくちゃだったりするけど、
Audibleは人が読んでいるだけあってそうしたミスはなく、
しかもプロが読んでくれるから情感たっぷり。
今回みたいな人情ものにはよく合う。
 
仇討ち事件について聞きに来た相手に乞われ、
事件についてだけでなく
自らの半生を語る芝居小屋の人々。
話が進むごとに仇討ちは本当に行われたのか?という疑問がわいてきて、
それがミステリー的な要素となり、タイトルが「仇討ち」ではなく
「あだ討ち」である理由も明かされる。
優しくあたたかい人々を描いた人情物であるとともに、
「武士とは」「正義とは」ということも
考えさせられる内容にもなっていた。
第4話・第5話あたりからぐぐっと引き込まれるが、
当人が語るネタばらしの最終話は、やや冗長。
ここがもう少しきっぱりさっぱりしていたら★5だった。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする