金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

8:荒俣宏 『風水先生レイラインを行く』

2012-01-30 19:00:15 | 12 本の感想
荒俣宏『風水先生レイラインを行く 荒俣宏コレクション2 神聖地相学世界編 』(集英社文庫)
★★☆☆☆

確か、恩田陸の『隅の風景』で紹介されていたもの。
ストーンサークルやピラミッドをはじめとしたランドマークは
「レイライン」と呼ばれ、ある意図をもって配置されていた!
……というオカルト?スピリチュアル?な世界が展開される
一冊なのだけど、正直、途中で2回寝落ちした。
おもにイギリスの遺跡を舞台にしているので、
イギリスやストーンサークルに興味のある人にとっては
おもしろいかも。
わたしは、後半にちょっと出てきた福島県信夫郡の話に
ちょっと食いついたくらい。
これはこの本がどうこうというより、
完全にわたしのセレクトミスだった。

文中に挿入されている著者の写真が笑いをさそう。
それにしても、この荒俣さんって、
守備範囲がとんでもなく広いなあ……
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NHK大河「平清盛」レビュー④

2012-01-29 20:49:49 | NHK大河「平清盛」レビュー
【第4話のあらすじ】

北面の武士となった清盛だったが、失敗続きでおもしろくない。
璋子への愛憎に苦しむ鳥羽上皇の心の隙に入りこんだ
父・忠盛は、武士としては初めて殿上人の地位に昇りつめた。
盛り上がる平氏一門だが、清盛は父の出世を快く思わない。
一方、忠盛に差をつけられる一方の源為義はやけ酒をあおり、
嫡男の義朝に不甲斐なさをなじられる。
そんな折り、宴に招かれた忠盛は公卿たちに笑いものにされ、
屈辱を甘んじて受ける父の姿に清盛は怒りを抑えることができない。
続いて豊明節会に出席することになった忠盛は、
内裏の渡り廊下で、関白藤原忠実にそそのかされた為義に
襲われかけるが……

**************************************

いや~今回はおもしろかった!

殿上人となった父にまたガキっぽく文句つけるのかと
思いきや、まったく心がこもっていないながらも
祝辞を述べる清盛。
大人になったね……
と思ったら、関白たちの忠盛イジメの現場を見たあとは
いつものようにまた「父上は武士の誇りを失った!」と
かみついておった
一方、不甲斐ない男の役はこの人におまかせ!小日向文吾(為義)を
父に持つ義朝も「(源氏の凋落は)父上のせいじゃー!」と
ブチ切れてしまうのであった。
父のことで思い悩む清盛&義朝は
「父ちゃん交換しようぜ」と小学生みたいな会話をしたあげく
河原で殴り合い。
そこへ為義の家人がやってきて、
暗殺計画のことを知らされた二人は急遽宮中へ
お互いオヤジのことで苦労するね。
為義と忠盛のやりとりをのぞき見していた二人は、
「わしが義朝のためにしてやれることはこれしかないのだ」
「王家の犬で終わりたくない」
という父ちゃんズの胸の内を聞いて、心打たれちゃった様子。

やっぱり情けない父・為義(結局また忠盛に
格の違いを見せつけられただけのような?)に
「強くなって父上を守ります」というイケメン息子・義朝の図。
いいわ~……

イケメンといえば西行(佐藤義清)は一人だけ涼しい顔をして、
武芸と和歌の才能、冷静沈着な振る舞いも見せつけ、
着々とイケメンポイントを稼いでいくのであった。

【今日の昼ドラ】

鳥羽「一言でいい、謝ってくれ」
璋子「何を?」
鳥羽「密通して、その子を帝位につかせたこと」
璋子「わたしが悪かったです」
鳥羽「お前って女はー!!!!!怒」

堀河局いわく、しらばっくれるべきで認めてはいけなかったらしい。
とことんかみ合わない二人。
きっと璋子は今回も、鳥羽がなんで怒ってるのかわかっていない。
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7:荻原規子 『RDG3 レッドデータガール 夏休みの過ごしかた』

2012-01-28 11:29:46 | 12 本の感想
荻原規子『RDG3 レッドデータガール 夏休みの過ごしかた (カドカワ銀のさじシリーズ)』(角川書店)
★★★★★

夏休み返上で学園祭の企画準備に追われそうになる
生徒会執行部。
実家に帰らないことになりそうな真響に真夏が反発するが、
それを機に真響は地元・長野県戸隠での合宿を提案する。
テストを乗り越え、友だちの家を訪れるという
初めての経験に胸弾ませる泉水子だったが、
合宿では、ある思惑を抱く真響と生徒会長らの衝突、
真響と深行の腹の探り合いもあり、不穏な空気が流れる。
そんな中、真夏の愛馬の危篤の知らせが入り……

**************************************

「こいつ絶対ツンデレだ……全然好きじゃない」
と思っていた深行がだんだん可愛く思えてきてしまった。
完全に保護者。
そして怒っている泉水子がすごく可愛い。
「電車にひとりで乗れないのに?」
「乗れます。前とちがうんだから」
のやり取りが可愛すぎた。

チラ見せ伏線の連発に、
「ああ、もう、早く教えてよ!!」
ともどかしくて仕方ないのだけど、
このもどかしさが長篇の醍醐味よね。
回ってくるのを待ちきれずにハードカバーを
買ってしまうかもしれない。
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6:荻原規子『RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧』

2012-01-27 17:16:06 | 12 本の感想
荻原規子『RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧』(角川書店)
★★★★☆

熊野を出て、不安を抱きながらも東京の鳳城学園高等部に
入学した泉水子。
先に転校していた深行と再会し、寮で同室の真響、
その弟の真夏と親しくなって、
学園生活をスタートさせることになった。
しかし、新学期が始まったその日、最初のホームルームで
外国人留学生である一人のクラスメイトに
泉水子は違和感と恐怖を感じることになる。

**************************************

山伏と姫神に加えて、陰陽師、審神者と
今後の主要な登場人物も出そろったと思われるところで
学園サイキックバトルの様相を呈してきた。
お約束で泉水子と深行のロマンスが展開されると思うんだけど、
2巻は「なんか気になる」程度の淡~い感じ。

世界観の説明が必要だった一巻よりテンポもよく一気読み。
現在5巻まで出ているのかな?
続きもまだまだありそう。
楽しい話の続きがまだまだたくさんあるって幸せなことだなあ。
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5:栗田亘 『本は、ぼくの先生だった <1> 』

2012-01-23 21:51:26 | 12 本の感想
栗田亘『本は、ぼくの先生だった (1) (小さな学問の書 (10))』(童話屋)
★★★☆☆

仕事関係で読んだ本。
著者はかつて朝日新聞の「天声人語」を担当していたコラムニスト。
幼いころから読んできた本についての思い出を、
引用とともに語っている。
一冊の本について4ページずつ、17冊を紹介。
全10巻。
薄いし、総ルビだし、読書案内として子供も大人も
楽しめるんじゃないかな~と思うんだけど、
一般の書店では手に入らなさそう。
 
読みたいと思ったのは、「ガリヴァ旅行記」の原作と
福沢諭吉「福翁自伝」、河口彗海「チベット旅行記」。
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NHK大河「平清盛」レビュー③

2012-01-22 20:47:46 | NHK大河「平清盛」レビュー
【第3話のあらすじ】

西海で郎党たちとともに海賊と戦っていた清盛は、
賊と間違われてとらえられ、都に送られる。
父・忠盛が手を回し、釈放された清盛は、
源氏の御曹司である義朝に声をかけられ
競べ馬での勝負をふっかけられるが、相手にしない。
その頃、義朝の父・為義は、義朝を北面の武士に
取り立ててくれるよう上皇の近臣に働きかけていたが、
鳥羽上皇は白河院に仕えていた平氏の忠誠心を試すため、
義朝ではなく清盛を北面の武士に取り立てようとしていた。
それを聞かされた義朝は、
「王家の犬になりたくないから、北面の武士にはならない」
という清盛に対し、「甘やかされた御曹司だ」と言い捨てる。
清盛は牢を破り、検非違使に捕まっていた郎党たちを助け出すが、
郎党たちは再び検非違使に捕えられ、火の粉は平氏一門に降りかかる。
自ら責めを負うという清盛は、
平氏一門に守られている自分の立場を理解しない甘さを
忠盛に叱責され、邸を飛び出した。
その後、義朝のもとに現れ、競べ馬の勝負に持ち込んだものの
負け、途中で落馬した清盛は自分の甘さを嘆く。
「武士は王家の犬ではなく、王家を守ってやっているのだ」
という義朝の言葉を聞いた清盛は、北面の武士として、
鳥羽上皇と対面するのだった。

********************************************

「画面が汚い」とか知事に言われたらしいこのドラマ、
義朝と西行というイケメン2人を投入しても薄汚い。
でも当時の武士や庶民の暮らしなんて、きっとこんな色彩だよね。


魔性の女・璋子の天然ぶりが凄まじい。
天然というか、病気かもしれないレベル。

璋子「なんで帝につらくあたるの? かわいくないの?」
鳥羽「かわいいわけねーだろ! 俺の子じゃねーし!!
   お前がじいさんと浮気してできた子じゃん!」
璋子「?? おじいさんの子なら叔父子でしょ。かわいいでしょ」

鳥羽上皇がキレてる理由がさっぱり理解できていないらしい璋子。
常識的な感情が理解できない様子。
会話も成立しないよね。怖すぎる


相変わらず反抗期まっさかり、暴れて父ちゃんに
迷惑をかけまくっている清盛。
義朝に甘ったれ呼ばわりされたあげく、
ついに父ちゃんからガツンと叱られ、泣いて邸から飛び出す。
ほんと子供だな……。
(しかし、叔父さんの忠正は大人げなさすぎ)
そのうえ義朝との勝負の途中で落馬して、
「俺は弱い男だ~」とかいって泣き出す始末。
まだ義朝とそんなに親しくないよね? 
そんないきなり自己開示されても困るよ……と
思って見ていたのだけど、なんか、最後はライバルとして
心を通い合わせちゃった、みたいなムード。
なんか、見てて恥ずかしかったよ。
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4:寺崎秀一郎 『図説 古代マヤ文明』

2012-01-20 21:25:11 | 12 本の感想
寺崎秀一郎『図説 古代マヤ文明 (ふくろうの本)』(河出書房新社)
★★★☆☆

マヤ文明に関するわたしの知識は、高校の世界史と、
これまでに読んだ本での言及にとどまっているので、
特別に興味を持っていない一般人のレベルだと思われる。
そういう人が全体像をつかむにはよい本。
写真や図が多いし、都市やトピックスごとに説明が
短くまとめられているので読みやすい。
ただし、専門用語らしきものが説明もなしに使われていて、
それが普通名詞なのか固有名詞なのかもわからず、
最後までわからなかったものも多数。
たとえば
「『ツイン・ピラミッド・コンプレックス』の
コンプレックスって何? 
普通のコンプレックスって意味じゃないよね?」
とか。
「リンテル」「カスティーヨ」も写真や文脈から、
こういうものだろうと予想がつくけれど、正確な定義はわからず。
そのあたりはちょっと不親切だったかな。

しかし、こういうときに欲しい知識だけすぐに手に入れられるから
インターネットって便利だ。今更だけど。

行ってみたいと思ったのは、パレンケ(マヤ随一の優美な建造物)、
テオティワカン(規模が大きそう)。
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DVD:『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 〈01〉~〈13〉』

2012-01-16 21:22:48 | その他(ドラマ・アニメ・落語)レビュー
DVD:『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 01~13』
★★★★☆

少佐とバトー、トグサ、課長にしかスポットがあたってなかった
1期に比べ、ほかのメンバーも活躍していたな。
1期が9課の日常を描きつつ世界観を示しながら
「笑い男事件」で徐々に話を盛り上げていったのに対し、
2期はテロと難民という政治的な問題を背景を提示して
最初から飛ばしている印象。
悪役も初期に明らかになっているし、話がどこへ向かっているのかが
わかるので、入り込みやすかった。
ストーリーはややセンチメンタル。
「あれは伏線だったのか!」と思う展開もあって、
1枚だけ……と思いつつ、結局最後は4枚続けて見てしまった。

少佐の格好はまともになったけど
(1期は機能的にも疑問が残る露出過多な服装だった)、
子ども相手とはいえ、パンツ一丁で
風呂から出てくるのはどうかと思った
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3:門田隆将『あの一瞬―アスリートはなぜ「奇跡」を起こすのか』

2012-01-15 21:41:06 | 12 本の感想
門田隆将『あの一瞬―アスリートはなぜ「奇跡」を起こすのか』(新潮社)
★★★☆☆

マラソン、野球、ボクシング、ソフトボール、サッカー、相撲……
さまざまなスポーツの名勝負と、そこにいたるまでの
選手やチームの軌跡を描いたノンフィクション。
世代的には、どうなのかしら、わたしより20歳くらい上の人々のほうが
リアルタイムで知っていることが多くておもしろいのかも。
わたしが名前だけでも知ってたのは、マラソンの瀬古と、女子ソフトと、
松井秀喜(高校野球の時代は知らない)くらい。
野球のスタルヒンとか、明徳義塾の話は、知らないなりにおもしろかったけど、
10篇からなっており、一篇一篇が短いのでやや物足りない。

「怪我をおして頑張る」とか「誰かのために」とか「恩返し」とか、
根性と人情は、正直もういいよと思うんだけど、
スポーツに求められてるのってたぶん、多くの場合はそれだよね。
対戦相手へのインタビュー内容も書かれてるんだけど、
相手にとっては、実はたいして印象に残ってないってことはないのかな。
空気を読んで、なつかしがったり持ち上げたりしてるだけで。
わたしがアスリートじゃないからそんなことを考えてしまうだけで、
それにすべてをかけていた選手たちは、三十年、四十年たっても
対戦相手や試合のことを強烈な印象で覚えているものなのかな。
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NHK大河「平清盛」レビュー②

2012-01-15 21:04:03 | NHK大河「平清盛」レビュー
【第2話のあらすじ】

白河院の子でありながら平忠盛に育てられた平太は、
自らの出自に思い悩み、いらだって暴れ、
「無頼の高平太」と呼ばれるようになっていた。
平太は元服の式で、なぜ院をいさめないのかと加冠役の貴族をなじり
父・忠盛に反発するが、無理やり元服させられ、
「清盛」の名を与えられる。
ある日、清盛が親しくしていた漁師の滝が漁をしたため
捕らえられてしまう。
白河院の出した殺生禁断令によって生活の立ち行かなくなった
息子や村のものたちを救うためだった。
清盛は院のもとに乗り込み、滝次の釈放を訴えて横暴をなじるが、
院によって、母親の死の経緯を聞かされ、大きな衝撃を受ける。
拒否していた舞の稽古をすると言い出した清盛は、
石清水八幡宮の臨時祭で舞人に選ばれ、
白河院の前で舞い、自らの剣を院に向けるのだった。

************************************

清盛、反抗期まっさかりでござるの巻。

ちょっとは父ちゃんの立場も考えろよ!!と思うけど、
年齢的には中学生、そんな配慮なんかないのであった。
自分の立場や政治的な影響などまるで考えず、
貴族に向かってぎゃーぎゃーわめくわ、
小汚いなりで院御所に乗り込むわ。
校舎の窓ガラスを割り、盗んだバイクで走りだすほうが
よっぽど人の迷惑にならないよ。
松山ケンイチの演技は上手なのか下手なのか
よくわからないところがあるんだけど、
白河院に母親のことを告げられて
無防備にぽかーんとしちゃうところは、
ギャップがありつつ違和感がなくよかった。

思春期爆発!反抗期まっさかり!な清盛に対し、
天皇家は前回に引き続き大人のドロドロにまみれております。
じいさんに中宮を寝取られてた鳥羽院は、
「お前も璋子もオレをバカにしてんだろ!!」
とかいって女房にキレながらも
璋子のところに通わずにはいられないのであった。
璋子、魔性の女……!
ここだけ昼ドラの世界。

次回、義朝のイケメンぶりに期待。
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