金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

ドラマ「95」♯4

2024-04-30 19:25:56 | 2024年に見たドラマ
うおー、ホモソーシャルの毒!!!
 
 
姉視点での宝来事件の経緯説明からスタート。
「成績がよくて母に溺愛されている弟」に対するわだかまりがあった上での
あれなのね……。
弟に対するコンプレックスがあったし、心情的に助けは求められないし、
宝来には憧れていたし、100%イヤではないけどやっぱりイヤ。
そして弟のほうも、化粧して着替えていた姉の姿を見て、
「100%イヤではない」のがわかっているし、
たぶん、性に関する恐れや気後れもあって、止めにはいけない。
 
宝来、翔に対する対抗意識ゆえに弱そうなQを狙い、
翔への挑発として姉に手を出したんだと思ったわ。
「花男」読んでムラムラした、ってだけ!?!?
それで実行しちゃうあたり、Qや姉のことを
本当にバカにしてるってことなんだろうけど……
 
ドヨンに打ち明けたことで、報復の場を整えられてしまい、
後戻りできない道へ。
「仲間が傷つけられたから」という大義名分と、
ドヨンの寄り添うような言動で
Qは「自分のためにしてくれた」と思い込もうとしているのだろうけど、
明らかに「そこまでしたいと思っていない」というレベルまで
暴力を振るわされている。
仲間でいたい、見限られたくない、仲間の思いに応えたい、と
ホモソの毒に完全に冒された主人公。
予告で「翔に否定されるのが怖い」と言っているし、
これからますますひどいことになりそうで、苦しい。
 
これを「やんちゃなキラキラ青春もの」とか「友情物語」として
描いていたら、嫌悪感が先に立つ。
でも、第一話で思い出したくない過去であると示し、
Qについては「洗脳されている」とセイラに二度も言わせ、
翔のことも「親の金で好き勝手してるだけ」と母親に言わせている。
制作サイドがかなり自覚的に主人公たちの愚かさを描いているのだと
わかるから、先が楽しみ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラマ「95」♯3

2024-04-30 18:18:33 | 2024年に見たドラマ
先にネタバレを見てしまったので、心の準備はできていたのだけども……
ラストで突然の鬱展開。
 
そうだよな、ヤクザとかチームとか不良とか、
エンタメの中に出てくるときはかなり脱色というか、
恐ろしいところ、醜いところはカットされているけど、
その世界に足を踏み入れたら、
身近にいる女の子がこういう目に遭う危険性がぐんと上がる。
 
経緯はまだよくわからないけれども、
一対一になったら、男同士の世界で「格上」だと思っている
宝来に屈するしかなかったのかも。
いきなり距離を詰めて家までやってきた宝来は、
露骨にバカにするようなコメントを連発していたし、
雑誌に載ったのも翔の力であってお前の力ではない、と
ナチュラルに告げてたし。
 
身なりを整えられて、人気雑誌にスカウトされて、
眩しいような男の子たちの仲間入りをして。
でも、セイラに
「洗脳じゃないの、無理しない方がいいよ」
と釘は刺されていたし、
不幸な結末になることは第1話からずっとほのめかされていた。
人間はそこまで急には変われなくて、
変われなかったこと、あるいは無理に変わろうとしたことによる悪影響が
ここから出始めるのかも。
キラキラした青春ムードで「格上」の同性に認められる喜びを
描いていた第2話は、今後のための仕込みだったのね。
次回、宝来に報復をしたら、どんどん報復合戦になって
苦しい目に遭うんじゃないだろうか。
 
【その他いろいろ】
 
・翔は設定盛りすぎだし、漫画のお金持ち描写みたいになってるんだけど、
 実際、現実離れしたお金持ちっているよね……。
 
・翔が一時期オウムにかぶれてたのを母親が暴露してからかう場面、
 「翔もまた未完成で危うい存在である」ということを
 描いているだけなのかな?
 セイラが「洗脳」という言葉を使っているのが気になる。
 
・こういう文化と無縁だったから感覚がわからないんだけども、
 人気雑誌に載ったからって、あんなに周囲の反応が変わるものなんだろうか。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大河ドラマ「光る君へ」♯17

2024-04-29 19:57:18 | 大河ドラマ「光る君へ」

これから道長が伊周や定子を追い込んでいくことになるので、

その正当性を高めるためにそうしているのだとはわかるが……

やっぱり中関白家を悪く描きすぎだよ~

しかし、ドラマとしての意図がはっきり見えて、

意味があるとわかるので「仕方ない」と思えるのであった……。

 

今回の、出会ったころのことを語る貴子のセリフではっきりわかった。

このドラマは、それぞれの男女の愛の形を描こうとしているのだなあ。

それぞれにあかんところはしっかり描きつつも、

道綱母にとっての兼家も、貴子にとっての道隆も、

「光る君」だったわけだ。

おそらくは、倫子や明子、まひろにとっての道長も。

 

中関白家の栄華が2回で終わったかと思ったら、

ホワイト化した道兼も来週で退場とは。

さくさく進むなあ。

 

【その他いろいろ】

・「私の財も使っていいからね」とゆるぎない正妻の力を見せつけつつも、

 女の存在を探ろうとする倫子さま、怖すぎ。

 道長の嘘も全然信じてないよね。

 

・乙丸と百舌彦の従者コンビは今回も可愛い。

 乙丸は、まひろを不幸から守りたい気持ちと、

 道長との恋を応援したい気持ちと

 相反する二つの気持ちを持っているのだなあ。

 

・今回の大河では、清少納言と斉信はデキてることになってる様子。

 そして、斉信のほうが執着している。

 

・「中関白家、全然ダメ。帝は未熟だからな~、俺たちが支えないと」

 という公卿たちの話を聞いちゃった一条天皇。

 前回の道隆の態度で、中関白家が自分の望みを叶えてくれる存在ではないと

 理解したというのもあるだろうけれど、

 帝として距離を取らなければならないと判断した。

 

・道隆「呪詛ではないか!?」

 晴明「呪詛ではなく寿命です」

 すでに見限っているので、冷淡。祈祷も下請けに出す!

 

・すっかり落ち着いてしまった道兼、表情に険が全然ない。

 急なホワイト化が腑に落ちないのだけども、

 兼家パパにガツンとやられてドン底まで落ちたからこそ、

 ということなのかな。 

 

・「兄上のことは昔から好きじゃないけど、伊周よりはマシ」

 と道兼本人の目の前で言う詮子。

 冷静に今後の対処を考える彼女、

 兼家パパの血をいちばん濃く継いだ?

 そして定子さまもまた政治力が高く、ちゃんと対策を考えている。

 

・さわさん、さんざん嫌な態度とってたのに調子いいな、とは思うけど、

 このようにした意図はわかる。

 彼女なりに学ぼうとしていたことを示しつつ、

 まひろに文字の力を気づかせ、創作意欲を起こさせたのだね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

86:杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』

2024-04-27 15:38:39 | 24 本の感想
杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』
★★★★☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
大御所ミステリ作家の宮内彰吾が、癌の闘病を経て61歳で死去した。
女癖が悪かった宮内は、妻帯者でありながら多くの女性と交際しており、
そのうちの一人とは子供までつくっていた。それが僕だ。

宮内の死後、彼の長男から僕に連絡が入る。
「親父は『世界でいちばん透きとおった物語』というタイトルの小説を
死ぬ間際に書いていたらしい。
遺作として出版したいが、原稿が見つからない。なにか知らないか」

奇妙な成り行きから僕は、一度も会ったことがない父の遺稿を探すことになる。
知り合いの文芸編集者・霧子さんの力も借りて、
業界関係者や父の愛人たちに調べを入れていくうちに、
僕は父の複雑な人物像を知っていく。
やがて父の遺稿を狙う別の何者かの妨害も始まり、
ついに僕は『世界でいちばん透きとおった物語』に隠された
衝撃の真実にたどり着く――。
 
****************************************
 
先輩から借りた本。
 
読み終えた後、
 
「理屈としては通っているけど、父親の感情とか思考パターンには
 釈然としないものがあるな。
 まあ、でも読んでいる間は面白かったからいいか……」
 
と思って後書きを読み、
 
※以下ネタバレ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この本自体が「そう」であり、主人公が書いた物語になっていることに気づく。
サービス精神に満ちた労作だ!
 
霧子さん、序盤からずっと出てきているにもかかわらず、
この人が登場する必然性がたいしてないので、
「この人が盗みの犯人か?」「親父の愛人だったのか?」
とかいろいろ考えちゃったのだけども、
結局、物事をスムーズに進める装置&解説役でしかなかったのにはズッコケ。
 
文句をつけようと思えばつけるところはあるのだけれども、
一点突破のアイディアと、それを実行した労力に、
素直に「お見事!」と賛辞が出てくる一冊だった。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

85:小川哲『君が手にするはずだった黄金について』

2024-04-24 16:28:48 | 24 本の感想
小川哲『君が手にするはずだった黄金について』
★★★★☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは
「承認欲求のなれの果て」。
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの?
青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、
ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。
著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。
彼らはどこまで嘘をついているのか?
いや、噓を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか?
いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!
 
****************************************
 
先輩から借りた本。
タイトルだけ知っていたのだけど、予想していた内容とはずいぶん 違った。
主人公が作家だというのもあって、
「本当は俺が手にするはずだった名声を、あいつが手にした! 許せない!!」
みたいなドロドロとした嫉妬と焦燥に満ちた小説なのかと思っていたのだけども、
意外や意外、「主人公が作家である」という設定にはあまり重きをおいておらず、
読み心地は軽くさらりとしている。
情報商材を売って問題になっていた旧友と、炎上した漫画家についての話が
特に面白かった。
 
37ページ
「もしかしたら、僕にとって小説を書くことと、美梨と会うことは、
 人生において同じ部分に存在しているのかもしれない。」
140ページ
「何もかもがうまくいって摩擦のない人生に創作は必要ない。」
 
この二カ所も印象的だった。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラマ「滅相も無い」♯1~2

2024-04-24 16:23:52 | 2024年に見たドラマ

TVerにて。

突然地上に現われた「穴」に入るため、

宗教の教祖のもとに集まった男女8人がこれまでの人生について語る……

という形式の、深夜にやっている30分ドラマ。

紙芝居と演劇と映像が合体したような作品で、

特に演劇には馴染みがないから、新鮮に感じられた。

現時点では、フィクションの世界を楽しむというよりは、

演技・演出を楽しむ作品なのかもしれない。

 

第1話の主役は中川大志くん、第2話は染谷将太くん。

どちらも表情と姿勢と話し方、仕草だけでちゃんと小学生になってるの、

すごいよ……。

第1話は話の筋自体はわりとストレートなんだけど、

「両親が先に穴に入ったから」だけでは穴に入る動機として弱い気がして

「ようやく怒れたのに、穴に入るの??」と釈然としないものが残るし、

第2話では最後の最後で「どこまでが本当!?」「結局入らなかったの!?」と

攪乱してきた。

 

先述の通り、楽しむ対象はストーリーではない気がするので

「めちゃくちゃ面白い」という感想にはならないのだけども、

続きは見たいという不思議な作品。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大河ドラマ「光る君へ」♯16

2024-04-22 12:32:16 | 大河ドラマ「光る君へ」

「枕草子」が好きだという自覚はあったけれど、

私、中関白家のファンでもあったんだな。

このドラマにおける中関白家の描写がつらいということは。

 

史実の道隆が政治的にどうだったかというのは

まったく知らないんだけども、

疫病を放置して自己中心的に振る舞う道隆も、

調子に乗りまくる不遜な伊周&隆家も、ダメすぎる。

アホ父・アホ兄弟の振る舞いのせいで、

のちのち窮地に追いやられる定子さま……

 

悲田院に乗り込んでナイチンゲールやるまひろも、

同じくそこへ乗り込んで疫病に倒れた彼女を救う道長も、

疫病ナメすぎてるし、あまりにも現実離れしている。

それでも腹が立ったり、うんざりしたりしないのは、

「これらの体験がのちに源氏物語につながる」

「道長が権力を追い求める理由になる」

と、今後の道筋が見えているから。

中関白家の描写も、つらいことはつらいが、

はっきり「詮子の不興を買った」ということをここで描く意味はわかるので、

受け入れられる。

そして、序盤から、びっくりするほど開き直って創作してるんだけども、

それでも登場人物の人物像や思考パターンが一貫していて、

ストーリーとして筋が通っているから、気にならない。

16話も見てきて、「うまくないな」と思ったの、

結婚がらみで急にまひろの知能が下がった点と

兼家パパの死後に急に道隆がキャラ変した点しかない。

 

そして、今回の大河ほど、教養の価値を感じたドラマもない。

序盤から頻繁に差し込まれていた源氏物語のオマージュもそうだけれど、

今回の「香炉峰の雪」なんて、その最たるものじゃないだろうか。

中学・高校で古典をやっていなかったら、

「来たー!!」にはならないもんね……

ドハマリはしないのに、とにかく「うまい!」と感じる作り。

 

【その他いろいろ】

・さわさん……現実にもこういう人がいるよね。

 道綱にまひろとまちがえられたのも、

 教養がなくて蜻蛉日記の話についていけないのも、

 まひろのせいではないのにね。

 

・隆家が無作法で無礼すぎて、腹立たしい。

 「刀伊の入寇」でちゃんと名誉回復してくれるのか??

 

・行成くんの道長ラブ、周知の事実だったことがなかなかの衝撃。

 

・雪で戯れる帝&定子さま&公達ズ、まぶしい。

 

・一条天皇&定子さまのラブシーン、美しすぎた。

 

・「穢れた身」であることを逆手にとって、道兼を仲間にする展開!!

 みんな好きじゃん、こんなの。

 

・明子さまではない女の存在に気づき、笑う倫子さまが怖すぎる。

 

・久しぶりの乙丸&百舌彦の従者コンビ、癒やし。可愛い。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

76-84:最近読んだ本(記録のみ)

2024-04-19 11:30:21 | 24 本の感想
 菅原佳己『日本全国地元食図鑑』
 
 『ニッポン全国 懐かしのご当地パン図鑑』
 
 『日本ご当地おやつ大全』
 
 『「無印良品」この使い方がすごい!』
 
 『無印良品 ラクして片づく収納術』
 
 『デコる! 学ぶ! 推す! 楽しいが広がる 趣味手帳のはじめ方』
 
若山曜子『お弁当サンド』
 
ミニマリストますみ『私の中を整理する片づけ』
 
メンタルドクターSIDOW『ケーキ食べてジム行って映画見れば元気になれるって思ってた』
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラマ「95」♯2

2024-04-17 21:23:41 | 2024年に見たドラマ
久しぶりにめちゃくちゃ好きになったドラマ。
 
地味でさえない高校生の主人公が
同じクラスのちょいワルイケメンになぜか見初められ、
執着されて囲い込まれた挙句、
強制的に身なりを整えられて垢抜ける……
 
とまるで少女漫画のような展開。
主人公、男の子だけど。
 
第2話はコメディテイストが強め。
掛け合いも楽しく、キャラクターの掘り下げもなされて、
とにかく みんな可愛い。
こちらに実害がないからだというのもあるけれど、
いきがっている高校生たちも、可愛いのよ。
主人公は、煮え切らないうじうじオドオド系なのだけれども、
「鬱陶しい」に至るちょっと手前で身をひねって
「可愛い」に着地している感じ。
演じる高橋くん自身が持っているムードがそうさせているのかも。
 
現実世界だったら、いくらリーダーの翔太郎が「仲間にする」と決めても、
この主人公の態度だと、取り巻き連中は「なんだアイツ」になりそう。
それでも、初回には主人公を仲間にすることに対して
そこまで乗り気じゃなさそうだったレオ&ドヨンが
主人公の脇に腕を入れて立たせてやったり、
お姫様だっこ(?)で店に連行したりしてて、優しい世界。
 
この先の展開に興味を持たせるためのフックも
きちんと設定されている。
王様感を出している翔太郎にも、背負うものやしがらみがありそうだし、
大人になった主人公に接触してきたライターにも裏がありそう。
そして、幼なじみ設定にふさわしく、互いに事情を理解していて
心配しあいつつ緊迫感の漂う翔太郎とレイラの関係性に、
ときめきの予感。
「どこへ連れてってくれるの」と問いかける松本穂香ちゃんの真っ黒な目と、
それにたじろぐ中川大志くんの、演技の妙。
レイラのビジュアルイメージは、当時の広末涼子みたいな感じなのかな。
明らかに友だちのコギャルたちとは一線を画したキャラ立て。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

75:平山瑞穂『エンタメ小説家の失敗学~「売れなければ終わり」の修羅の道~』

2024-04-15 18:04:33 | 24 本の感想
平山瑞穂『エンタメ小説家の失敗学~「売れなければ終わり」の修羅の道~』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
文学賞での華々しいデビュー、10万部超えのヒット、
そして相次ぐ映画化オファー。
人気作家への道を邁進していたはずの小説家は、
どうして筆を執ることすら許されなくなったのか?
著者が自らの作家人生を自虐的に再検討しつつ、
あとを絶たない小説家志望者への教訓を紡ぐ。
名だたる大手出版社で本を出してきたからこそ語れる
業界の裏事情も満載。
編集者たちとの赤裸々エピソードで、
知られざる〈小説家のリアル〉が明かされる。
 
****************************************
 
kindle unlimitedにて。
 
たぶん、どんな仕事をしているかによって感想が大きく変わる本。
 
筆者に近い仕事、すなわち、オファーを受けて
自分の名前で何かを生み出す仕事をしている人にとっては、
経験則が共有しづらいこともあってかなり有用。
 
逆に、全然違う形態の仕事をしている人にとっては、
「他責思考の愚痴ばかり」になるのだと思う。
 
第4章、「決定権があるのは誰か」、本当にそうですよ……。
建前上は作る人間に決定権があるような形を取っているけど、
「言うこときけない? じゃあ、この話はなしで」
って、普通にあるもん。畑違いの業界でも。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする