これから道長が伊周や定子を追い込んでいくことになるので、
その正当性を高めるためにそうしているのだとはわかるが……
やっぱり中関白家を悪く描きすぎだよ~
しかし、ドラマとしての意図がはっきり見えて、
意味があるとわかるので「仕方ない」と思えるのであった……。
今回の、出会ったころのことを語る貴子のセリフではっきりわかった。
このドラマは、それぞれの男女の愛の形を描こうとしているのだなあ。
それぞれにあかんところはしっかり描きつつも、
道綱母にとっての兼家も、貴子にとっての道隆も、
「光る君」だったわけだ。
おそらくは、倫子や明子、まひろにとっての道長も。
中関白家の栄華が2回で終わったかと思ったら、
ホワイト化した道兼も来週で退場とは。
さくさく進むなあ。
【その他いろいろ】
・「私の財も使っていいからね」とゆるぎない正妻の力を見せつけつつも、
女の存在を探ろうとする倫子さま、怖すぎ。
道長の嘘も全然信じてないよね。
・乙丸と百舌彦の従者コンビは今回も可愛い。
乙丸は、まひろを不幸から守りたい気持ちと、
道長との恋を応援したい気持ちと
相反する二つの気持ちを持っているのだなあ。
・今回の大河では、清少納言と斉信はデキてることになってる様子。
そして、斉信のほうが執着している。
・「中関白家、全然ダメ。帝は未熟だからな~、俺たちが支えないと」
という公卿たちの話を聞いちゃった一条天皇。
前回の道隆の態度で、中関白家が自分の望みを叶えてくれる存在ではないと
理解したというのもあるだろうけれど、
帝として距離を取らなければならないと判断した。
・道隆「呪詛ではないか!?」
晴明「呪詛ではなく寿命です」
すでに見限っているので、冷淡。祈祷も下請けに出す!
・すっかり落ち着いてしまった道兼、表情に険が全然ない。
急なホワイト化が腑に落ちないのだけども、
兼家パパにガツンとやられてドン底まで落ちたからこそ、
ということなのかな。
・「兄上のことは昔から好きじゃないけど、伊周よりはマシ」
と道兼本人の目の前で言う詮子。
冷静に今後の対処を考える彼女、
兼家パパの血をいちばん濃く継いだ?
そして定子さまもまた政治力が高く、ちゃんと対策を考えている。
・さわさん、さんざん嫌な態度とってたのに調子いいな、とは思うけど、
このようにした意図はわかる。
彼女なりに学ぼうとしていたことを示しつつ、
まひろに文字の力を気づかせ、創作意欲を起こさせたのだね。
女癖が悪かった宮内は、妻帯者でありながら多くの女性と交際しており、
宮内の死後、彼の長男から僕に連絡が入る。
「親父は『世界でいちばん透きとおった物語』というタイトルの小説を
奇妙な成り行きから僕は、一度も会ったことがない父の遺稿を探すことになる。
やがて父の遺稿を狙う別の何者かの妨害も始まり、
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの?
TVerにて。
突然地上に現われた「穴」に入るため、
宗教の教祖のもとに集まった男女8人がこれまでの人生について語る……
という形式の、深夜にやっている30分ドラマ。
紙芝居と演劇と映像が合体したような作品で、
特に演劇には馴染みがないから、新鮮に感じられた。
現時点では、フィクションの世界を楽しむというよりは、
演技・演出を楽しむ作品なのかもしれない。
第1話の主役は中川大志くん、第2話は染谷将太くん。
どちらも表情と姿勢と話し方、仕草だけでちゃんと小学生になってるの、
すごいよ……。
第1話は話の筋自体はわりとストレートなんだけど、
「両親が先に穴に入ったから」だけでは穴に入る動機として弱い気がして
「ようやく怒れたのに、穴に入るの??」と釈然としないものが残るし、
第2話では最後の最後で「どこまでが本当!?」「結局入らなかったの!?」と
攪乱してきた。
先述の通り、楽しむ対象はストーリーではない気がするので
「めちゃくちゃ面白い」という感想にはならないのだけども、
続きは見たいという不思議な作品。
「枕草子」が好きだという自覚はあったけれど、
私、中関白家のファンでもあったんだな。
このドラマにおける中関白家の描写がつらいということは。
史実の道隆が政治的にどうだったかというのは
まったく知らないんだけども、
疫病を放置して自己中心的に振る舞う道隆も、
調子に乗りまくる不遜な伊周&隆家も、ダメすぎる。
アホ父・アホ兄弟の振る舞いのせいで、
のちのち窮地に追いやられる定子さま……
悲田院に乗り込んでナイチンゲールやるまひろも、
同じくそこへ乗り込んで疫病に倒れた彼女を救う道長も、
疫病ナメすぎてるし、あまりにも現実離れしている。
それでも腹が立ったり、うんざりしたりしないのは、
「これらの体験がのちに源氏物語につながる」
「道長が権力を追い求める理由になる」
と、今後の道筋が見えているから。
中関白家の描写も、つらいことはつらいが、
はっきり「詮子の不興を買った」ということをここで描く意味はわかるので、
受け入れられる。
そして、序盤から、びっくりするほど開き直って創作してるんだけども、
それでも登場人物の人物像や思考パターンが一貫していて、
ストーリーとして筋が通っているから、気にならない。
16話も見てきて、「うまくないな」と思ったの、
結婚がらみで急にまひろの知能が下がった点と
兼家パパの死後に急に道隆がキャラ変した点しかない。
そして、今回の大河ほど、教養の価値を感じたドラマもない。
序盤から頻繁に差し込まれていた源氏物語のオマージュもそうだけれど、
今回の「香炉峰の雪」なんて、その最たるものじゃないだろうか。
中学・高校で古典をやっていなかったら、
「来たー!!」にはならないもんね……
ドハマリはしないのに、とにかく「うまい!」と感じる作り。
【その他いろいろ】
・さわさん……現実にもこういう人がいるよね。
道綱にまひろとまちがえられたのも、
教養がなくて蜻蛉日記の話についていけないのも、
まひろのせいではないのにね。
・隆家が無作法で無礼すぎて、腹立たしい。
「刀伊の入寇」でちゃんと名誉回復してくれるのか??
・行成くんの道長ラブ、周知の事実だったことがなかなかの衝撃。
・雪で戯れる帝&定子さま&公達ズ、まぶしい。
・一条天皇&定子さまのラブシーン、美しすぎた。
・「穢れた身」であることを逆手にとって、道兼を仲間にする展開!!
みんな好きじゃん、こんなの。
・明子さまではない女の存在に気づき、笑う倫子さまが怖すぎる。
・久しぶりの乙丸&百舌彦の従者コンビ、癒やし。可愛い。