金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

119:ドミニック・ローホー 『シンプルリスト』

2011-09-29 09:09:07 | 11 本の感想
ドミニック・ローホー『シンプルリスト』(講談社)
★★★★☆

好きな音楽・香り・味、幸せを感じる時間、
したくないこと、などなど、リストを作ることで
自分を見つめ直すことをすすめる本。
自分を知るところから、生活、あるいは人生の中の
あらゆるものに優先順位をつけて、
自分にふさわしいものを選び取る、というコンセプト。
おもしろそうだからやってみたい……と思いながら
何もせずにすでに2週間が経過している
リストはたとえばこんなもの。
(目についたものを適当に選んでます)

・自分にとって大切でないことに費やした時間
・自分の時間の大部分を占めていること
・自分の蔵書一覧
・好きなにおいを表現するための語彙
・食べ物や飲み物に関する表現
・恐れていること
・社会の不平等に対して自分ができること

考えたこともない内容がいくつもありそう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

118:泉正人 『「仕組み」整理術』

2011-09-28 08:56:05 | 11 本の感想
泉正人『「仕組み」整理術』(ダイヤモンド社)
★★★☆☆

いちいち意識しなくてもできる「仕組み」を作ることで
日常的に整理をしよう!というコンセプトの本。
佐藤可士和、野口悠紀雄、本田直之等の整理本からの
引用があり、そういう他の人が書いたことをまとめた、
という側面が強いかな?
この人自身のオリジナリティというのは感じず、
インパクトも薄くてモチベーションは上がらず。
初めてそういう本を読む人にとっては
入門編としてよいかも。

最近、先輩が「捨てる」ブームらしく、会社のモノの整理を
率先してやってくれている。
わたしも私物を処理しようと思っているのだけど、
書類が多すぎて整理することを考えただけでうんざりする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

117:あさのあつこ 『13歳のシーズン』

2011-09-27 09:12:23 | 11 本の感想
あさのあつこ『13歳のシーズン (BOOK WITH YOU)』(光文社)
★★★☆☆

おとなしく目立たない藤平茉里、
美人で大人っぽいがとっつきにくい印象を与える綾部深雪、
明るいクラスの人気者・苅野真吾、
物静かな優等生の駒木千博。
同じクラスの中学一年生四人が、夏休みの宿題で発表する
年表作りを一緒にすることになった。
年表作りをきっかけに、次第に距離を縮め、
仲良くなっていく四人だが、ある日茉里の持っていた年表が
何者かに破られて……

*********************************

進研ゼミで連載していたらしい。
深刻そうなシチュエーションを含んでいる割に
全体的に浅く、ひねりもなく、リアリティがない……
(年表破った犯人の動機なんか、ベタすぎて失笑)
と思っていたのだけど、Amazonの評価がいやに良くて驚いた。
中学生には受けるのか……
しかし確かに、中学一年生の頃、「チャレンジ」で
連載していた小説ってこんな感じだったかも。
たぶん、中学生の大部分は、物語にひねりなんか
求めていないんだよね。
基本を押さえていく時期だもの。

両想いにならないところがあさのさんらしい気がした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

116:立松和平・南直哉ほか 『やさしい「禅」入門』

2011-09-26 09:59:09 | 11 本の感想
立松和平・南直哉ほか『とんぼの本やさしい「禅」入門』(新潮社)
★★★☆☆

出家したいわけじゃないですよ。
出家してわずらわしいことすべてから逃れられるならしたいけど、
わたしにはストイックな生活は無理だと思います。

最近、仏教系の修業をしていた人の手記をネットで読んで
興味を持ったため、借りてきたもの。
座禅の方法や意味、永平寺の修行生活の紹介、
精進料理の説明、道元思想の概要、の4章からなる入門書。
難しいことは受け付けないわたしの脳は、
観念的な話になると読解の機能が働かず、
ところどころ「読み込めません」状態だったのだけど、
大部分はよくわかりました。
知らない世界なので、なんでもおもしろく感じただけかもしれないけど、
門外漢の入門書にはよいのかも。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画:『サイダーハウス・ルール』

2011-09-24 12:31:10 | 映画の感想
映画『サイダーハウス・ルール [DVD]』(ラッセ・ハルストレム監督)
★★★★☆

セント・クラウズの孤児院で子供たちの世話をしながら、
望まない妊娠をした少女たちのために
当時違法だった堕胎手術を行っている医師・ラーチ。
孤児院に生まれ育ったホーマーは、
「人の役に立て」とラーチに言い聞かされ、
彼の手伝いをしながら成長する。
ある日、堕胎のために孤児院を訪れたカップル・
ウィリーとキャンディに引き付けられたホーマーは
孤児院の面々に別れを告げ、彼らとともに孤児院を出て
外の世界を初めて知る。
ウィリーの両親が経営するリンゴ農園の手伝いをしながら、
ホーマーは労働者たちの暮らすサイダーハウスでの
新しい生活を楽しみ、
彼を自分の後継者に据えようというラーチの働きかけも
断るが……

***************************

確か、『日々ごはん』で紹介されていた映画。
話の展開は割と淡々としていて派手ではないのだけど、
最後まで引き付ける。
号泣するような種類の話ではなくて、見終わった後に
感動がじわじわ胸の内に広がっていくような。
ラーチ先生の愛に胸を打たれる

2時間に収めるためにかなりの部分をカットしたせいか、
タイトルの「サイダーハウス・ルール」の印象は薄く、
他人であるところのラーチ先生とホーマーの父子関係のほうが
印象に残った。
原作も読んでみたい。

【以下、ネタバレ含む】

しかし、父親が娘を妊娠させるとか……
本当に勘弁してほしい。
父親が娘を何十年間も監禁して子供を産ませていたという
海外のニュースを今年いくつか目にしたような気がするんだけど、
近親相姦のタブーは人間社会が作ったもので
本能的なものではないので、
理性のブレーキがかからないとそうなっちゃうものなんだろうか。
かろうじて理性で抑制されているだけなんだろうか。
映画中でも罪として描かれているし、映画には何の非もないのだけど、
この要素に対してとにかく拒否反応を起こしてしまうので★4つ。
これがなければ★5つだった。
だって、これがあるばかりに二回目は見たくない
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画:『メメント』

2011-09-23 08:40:27 | 映画の感想
映画『メメント』(クリストファー・ノーラン監督)
★★★★☆

10分間しか自分の記憶を保てなくなったレナードは、
自分や周囲の人間、事件にまつわるデータを忘れないため、
ポラロイド写真とメモをとりながら、
大事なことは自分の身体にタトゥーとして書き記し、
妻を強姦し殺害した犯人を捜し出そうとする。
頼りになるのは自分の残した写真とメモだけという状況の中、
「こいつの嘘を信じるな」と自分の字でメモが書かれた
写真の男とともに、ある廃屋へ向かうが……

***************************

確か、「記憶」にまつわる本で紹介されていたもの。
まったく存在を知らなかったのだけど、
話題になっていた作品みたい。

たとえば時間が
ABCDEFGHIJK……
という順序で流れているとすると、「JK」の場面から始まり、
「IJ」→「HI」→「GH」→「FG」……という形で
少しずつ時間を巻き戻しながら
「直前に何が起こっていたのか」を明らかにしていく構成になっている。
場面の重複がいくつもあるため、時系列が混乱しそうになるのだけど、
徐々に全容が見てくるのがおもしろい。
この見せ方だけでも結構楽しめるのだけど、
後半は「おや?」と思う場面が増えて、終盤ではまさかの展開。
もう一度見て全体像を確かめたい!と思う作品。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

115:和田竜 『のぼうの城』

2011-09-20 09:18:37 | 11 本の感想
和田竜『のぼうの城』(小学館)
★★★☆☆

秀吉の北条攻めが始まり、成田家には北条家から、
兵を率いて小田原城に籠城するよう催促する使者が
やってきていた。
当主・氏長は、秀吉に内通する手はずをととのえながら、
忍城を出て小田原城に向かう。
忍城に残された家臣たちは、形だけで終わるはずの
戦支度を始めたが……

****************************

確か、水攻めのシーンがあるからと、
東日本大震災に考慮して映画が公開延期になったんだよね。

石田三成と大谷吉継といった豊臣方の描き方はよかったけど、
成田家のほうはライトな漫画のノベライズといった感じで
イマイチだった。
甲斐姫のキャラクターも、ある程度史料に基づいているとはいえ
食傷気味。
もう、おてんば姫には飽きたよ!!

ストーリーはおもしろいんだけど、書き込み不足のため
リアリティが出なかったという感じ。
長親が領民に慕われて、それが水攻めを破るきっかけになるのなら、
それ相応の説得力が必要。
「馬鹿にしつつ愛している」ことが即「この人のために戦う」ことには
つながらないと思う。命がかかってるんだし。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

114:岡本太郎 『自分の中に毒を持て』

2011-09-19 09:03:10 | 11 本の感想
岡本太郎『自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか』(青春文庫)
★★★☆☆

かなり前に予約したんだけど……
しゃちほこ村の図書館が保有している数が少ないため、
回ってくるまでにずいぶん時間がたってしまった。
なぜ読もうと思ったのか、もう覚えてないや。

今の日本の現状を憂いながら(といっても初版は1993年)、
芸術をからめ、「いかに生きるか」という指針のようなものを
自分の体験談をまじえて語っている。
ノエミだのステファニーだの、かつての恋人の名前を出して
恋愛遍歴のようなものを語っているところでは、
正直苦笑してしまったけど、芸術論や人生論、
常に危険な道の方を選んできたという著者自身の生き方に
ついての話はよかった。
安全でないほうがおもしろい、というのはわかる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画:『リトル・ミス・サンシャイン』

2011-09-14 09:57:39 | 映画の感想
映画:『リトル・ミス・サンシャイン』(ヴァレリー・ファリス監督)
★★★★☆

ゲイの兄が自殺未遂をし、その知らせを受けたシェリルは
彼を家に引き取ることになる。
勝ち組になるためのメソッドを売り込むのに必死な夫、
ニーチェの真似をして決して言葉を発しない息子、
ヘロインが止められず老人ホームを追い出された義父……
問題だらけの家族に兄が加わり、
殺伐とする一家だったが、
末の娘・オリーブがミスコンである
「リトル・ミス・サンシャイン」
の最終選考に残る。
彼女を会場まで届けるために、家族は壊れた車を押しながら
カリフォルニアを目指すことに。

*****************************

ぽっちゃり体形の末っ子・オリーブのために、
問題を抱えた家族が一丸となる
コメディ風味のロードムービー。
地味だけど良作。
旅の途中でも問題が次々に発生するし、
人は死ぬし、大変なんだけど、
雰囲気は不思議と前向き。

アメリカのミスコンに出ている女の子の写真を
ネットで見かけることはしばしばあるし、
この映画でもそういうシーンがあって、
毎回思うんだけど、気味が悪い……。
小さい女の子が、濃い化粧してギラギラに
着飾っているのが不気味に感じられる。
いくつになっても、年齢相応じゃないのは
良くないんだろうな。
オリーブはおそらくブサイクという設定なんだけど、
彼女のほうがダントツで可愛く思えた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

113:湊かなえ 『告白』

2011-09-11 09:08:20 | 11 本の感想
湊かなえ『告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)』(双葉文庫)
★★★★☆

放課後の中学校のプールに浮かんでいた
女の子の水死体。
我が子を校内で亡くした女性教師は
ホームルームで告白した。
「事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
誰が犯人なのか、生徒たちに示唆した後、
女性教師は犯人に復讐したことを告げる。

*********************************

いまさらだけど。
映画が良かった、と聞いていたのだけど、
例によって映像→原作という順番で見ると、
映像のイメージが邪魔をして
文字の世界に入っていけなくなるので、
まずはDVDを見る前に原作を。

語り手が変わることで、
人物像が変化したり、状況や動機が
徐々に明らかになっていくのだけど、
それが上手くて読ませる。
陰惨な印象がないのが不思議。
これをどう映像化したのか気になる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする