金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

45-48:伊藤ゆみ 『お寺のおくさん1~4』

2020-02-29 19:13:37 | 20 本の感想
伊藤ゆみ 『お寺のおくさん1~4』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

半年前ホステスから一転、お寺に嫁入りしたさくらは、
やることなすこと失敗ばかり。
厳しい姑にどやされる毎日であったが、
ひたむきで愛にあふれるさくらの言動に触れ、
ひとりまたひとりとひかれ始めていく。
そんなさくらを、夫であり住職の慈光は温かく見守ってくれていた。
ある日、お供え物のまんじゅうを盗んだ兄妹。
顔にはアザが……。
母と共に父親にDVを受けていた彼らを見捨てることができず、
さくらは三人の前に立ちはだかるのだが……。
伊藤ゆみ先生がお贈りする《新米お寺のおくさん》
さくらが繰り広げるハートフル&感動のストーリー、
第1巻(全4巻)!!

*********************************************

読み放題にて。
漫画。

そういえば、前にどこかのお坊さんが、
住職の奥さんに向いているのは水商売出身の女性って言ってたわ。
檀家さんとの付き合いに、水商売のスキルが有効なんだって。

というわけで、「ホステスで何が悪いんや」と思うんだけど、
まあ、一般的には冷たい目で見られるものなのかな。

絵柄でかなり敬遠されそうだし、
病気ネタを使いすぎだと思うんだけど、話はうまい。
ヒロインが天使すぎる&旦那さんの言動がかっこよすぎるうえ、
お姑さんとか育てのお母さんのセリフに
たびたび泣かされてしまう。
思いがけない良作だった。

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42ー44:最近読んだ本

2020-02-29 18:52:48 | 20 本の感想
すべて漫画。読み放題にて。

朱琳『春香伝
★★★☆☆

妓生の娘と両班の息子の身分差を超える恋を描いた
李氏朝鮮時代の有名な説話らしい。
説話の定型。



もりひのと『あまつそらなる
★★★☆☆

すごい。ヒロインにひとつもいいところが見つからない。
行動のひとつひとつに「??」が飛び交う。
タイトルと作品のムードのズレもすごい。
設定はよく調べて練りこんであるので
作りには好感が持てる。



ナツハル『2泊3日、恋をした>』
★★☆☆☆2.5

なんか、上の本もこれも、おじさん強調してるな……と思ったら
そういうレーベルだったのか。
唐突に好きになって、唐突に行動して、
人物像もたいして深まらず終わってしまった。


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41:為永春水/酒井美羽 『春色梅児誉美』

2020-02-29 18:35:09 | 20 本の感想
為永春水/酒井美羽 『春色梅児誉美
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

丹次郎は、年ごろのやさ男で遊郭・唐琴屋の若旦那。
唐琴屋の売れっ妓芸者で丹次郎の恋人である米八。
唐琴屋のお嬢さまで丹次郎の許嫁であるお長。
そんな3人が織りなす、大江戸ラブコメディー。
切ない想いを胸に秘めつつ、恋は暴走する――。

*********************************************

読み放題にて。
漫画。

いったいどこが「ラブコメ」なのか。

今と感覚がちがうので仕方がないんだけど、
主人公、役立たずなうえ、
「女たちの苦しみの元凶はお前では?」に尽きる。
現代だったら確実に、バッシングにあって
脇役の藤兵衛に人気を奪われていたことだろう。
原作だと、もう一人の女にも手を出して
揉め事を引き起こしているので救いようがない。

女性たちは魅力的で、女性同士の関係性は好き。

しかし「実は〇〇は××のご落胤だったのです!」は
一回だけにしてほしいところだ。

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39-40:倉科遼/南恵夢 『世界女帝列伝 卑弥呼1~2』

2020-02-29 18:22:29 | 20 本の感想
倉科遼/南恵夢 『世界女帝列伝 卑弥呼 1・2』
★★☆☆☆2.5

【Amazonの内容紹介】

『女帝』で大人気の倉科遼と、実力派・南恵夢のフレッシュタッグ!
山間の小さなクニ、稲佐に生まれた火の神子・イナ。
他国から流れ着いた男・スサと少女の、
心愛と成長のファンタジックストーリー。
父である長の死により、里長となる宣言をするイナのもとに、
見慣れぬ剣とともに逞しい漢が漂着する――
後に卑弥呼と呼ばれることなる少女と、
純粋な剣客・スサノヲとヒヒイロカネの力による、
クニ同士の覇権争いと邪馬台国建国までの道のりを縦軸に据え、
二人のラブ・ストーリーをwebコミックの旗手・南恵夢が
シャープな筆致で流麗に描く“女帝パワーアップ歴史版”!(フルカラー作品)

*********************************************

読み放題にて。
漫画。

絵はきれいで、色使いも人体の描き方も好きなんだけど、
動きやポーズがところどころ不自然なのと、
デフォルメされたコマに違和感あり。
デザイン性の高いコマもあるし、
一枚絵のほうが向いてるんじゃないだろうか……。

途中で終わっているので、ストーリーについては何とも。
スサノオが朝鮮半島から漂着した青年、という設定なので
好き嫌いは別れそうだ。

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おでかけの記5:鎌倉パスタ@矢場町

2020-02-27 14:45:02 | 20 本の感想
映画に行った日のランチ。
パルコに入っているお店。


(途中で写真を撮ったため、食べかけ)

自宅で作らないものを、ということで、
エビ・ホタテ・アスパラのクリームパスタ。
昼から白ワインも。

感想は特になし。
自宅では「たらこ」「カルボナーラ」「ツナマヨ」くらいは
パスタソース+野菜を使って作るけど、
パスタ自体がそんなに好きなわけじゃないのかも。
外で食べても、ものすごくまずいものが出てこない代わりに
「おいしい!」と思うものもない。

運ばれてきた瞬間、わたしと友人が驚いたデザート。


メニュー表の写真から想像したものより
かなり小さかったため。

結論:パスタを外で食べるのはやめよう。

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映画:『ミッドサマー』

2020-02-24 21:12:55 | 映画の感想
2020年の映画④:『ミッドサマー』(アリ・アスター監督)
★★★☆☆

【シネマトゥデイのあらすじ】

思いがけない事故で家族を亡くした
大学生のダニー(フローレンス・ピュー)は、
人里離れた土地で90年に1度行われる祝祭に参加するため、
恋人や友人ら5人でスウェーデンに行く。
太陽が沈まない村では色とりどりの花が咲き誇り、
明るく歌い踊る村人たちはとても親切でまるで楽園のように見えた。

*****************************

公開前からSNSでずいぶん話題になっていた作品。
ホラーらしいので、ホラー好きの友だちと。

話題作だったからか、映画館は結構な割合で席が埋まっていた。
マイナー系の映画館だから、いつも空席が目立つのに。

「明るい八つ墓村」という形容を事前に見ていたけど、
確かにそうだったよ。
明るかった。
物理的にも、精神的にも。
白夜、白い服、そして鮮やかな花々。
精神的にも明るい、ってのがまた不気味なんである。

ホラーは「音」に脅かされるという印象があるのだけど、
そういうところもほとんどない。

※以下、ネタバレ。




閉鎖的な田舎の村の風習、という民俗学的なホラー。
序盤からとにかくイヤ~な気持ち悪さが続くんだけど、
心霊系の恐怖ではなく、死体や血のグロ画像による恐怖。

友人から誘われて、彼の故郷にやってきた主人公たちは、
夏至祭に老人二人が崖から飛び降りて死ぬという儀式を
きっかけに村の異常性に気づく。
スウェーデンにも昔は姥捨て山のような風習があって、
老人を崖から突き落とした……という話は知っていたので、
「ああ、ちゃんと踏まえてるのね」
くらいの印象で、この時点では個人的にそれほど怖くはなかった。
(グロ画像は勘弁してほしかったが)

恐怖マックスだったのは、
「お肉のパイ」というセリフが出てきたとき!
恋のおまじないである陰毛の混入についてしか
言及されていなかったけど、あの流れだもの、
どうしてもそっちの方向を想像してしまう。
フジリュー版『封神演義』の伯邑考みたいな展開でしょ、
これ……。

人がじゃんじゃん殺されているのに、
殺している人たちに一切の悪意がないというのが、
不思議なムードを醸し出している。
見た後にもイヤーな感じ、胃がむかむかする感じは残っているのに、
不思議と明るい気分でもある。
この作り方も本当に底意地が悪いなと思うんだけど、
この気分の原因、最後にチャールズを殺したからだよ。
一年前からずっと別れたいと思っているのに
悪者になりたくなくてヒロインを突き離せず、
友人の論文のテーマを平気で盗み、
そうせざるを得ない状況に追い込まれたとはいえ、村の娘とセックスしちゃう。
そういう不誠実な男にヒロインが見切りをつけて、
殺す相手として自ら選び、不毛な恋愛から解放された。
そこから来る清々しさ。

自分では気づかなかったけど、いっしょに見た友だち曰く、
序盤のあれもこれも伏線だったそうなので、
もう一回見たらさらに不気味さが味わえそう。
わたしはもういいです。
でも人には見てほしい!

追記:みんなが写真を撮っていたポスター。


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大河ドラマ「麒麟がくる」#6

2020-02-23 20:12:39 | 大河ドラマ「麒麟がくる」
三好長慶・松永久秀暗殺の情報を聞き、
それを相談したいといって
三淵のところへ持ちこんじゃう十兵衛。
みんな腹の底で何考えてるかわかんないのに。
将軍周辺が一枚噛んでたらどうすんの……。

やたら大物との接点を持ち、
「おもしろいやつ」と言われるのは
大河主人公のお約束。
少女漫画のヒロインのようだ。
(そしてたいてい、視聴者から見ると
 たいして面白くはない)

駒ちゃん、やっぱ十兵衛好きなんか。
結構強引だな。
十兵衛が「ここへ来て」とひとつ筵へ誘ったときには
突然のラブシーン!? と思ったが、
ニブチン主人公はやっぱ裏切らない。
語り合うだけで何も起こらないのであった。

【その他いろいろ】

・藤孝、まっすぐな男だな……。
 十兵衛と理想を語り合う姿がまぶしいよ。

・大柿って大垣のことだったのか。
 知らなかった。
コメント (2)
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38:重松清 『ひとりっ子同盟』

2020-02-21 19:32:58 | 20 本の感想
重松清 『一人っ子同盟』(新潮文庫)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

ノブとハム子は、同じ団地に住む小学六年生。
ともに“一人っ子”だが、実はノブには幼いころ
交通事故で亡くなった兄がいて、
ハム子にも母の再婚で四歳の弟ができた。
困った時は助け合う、と密かな同盟を結んだ二人は、
年下の転校生、オサムに出会う。
お調子者で嘘つきのオサムにもまた、複雑な事情があって―。
いまはもう会えない友だちと過ごしたあの頃と、
忘れられない奇跡の一瞬を描く物語。

*********************************************

やるせない。

両親の善良さ、ハム子のわかりにくい優しさなど、
ほんの時折、宝物のような美しさを潜ませつつも、
決して調子よく物事が解決したりはせず、
修復できないままに関係が終わったりして
全体的にはビター。

子どもであるがゆえのままならなさ、もどかしさを
必要以上に誇張するわけでもなく
淡々と描いていて胸が痛む。

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37:大岡敏昭 『新訂 幕末下級武士の絵日記』

2020-02-21 19:14:25 | 20 本の感想
大岡敏昭 『新訂 幕末下級武士の絵日記』(水曜社)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

忍藩(現・埼玉県行田市)の下級武士・
尾崎石城(おざきせきじょう)が書き残した「石城日記」。

石城と家族、親戚、友人、寺の和尚、料亭の女将ら
様々な人々との交遊が描かれた絵日記は、
一般に考えられていた封建的で厳格な武士社会のイメージを覆し、
貧しくも心豊かな下級武士たちの日常生活がわかる
貴重な記録であった。
今回、新たに尾崎石城の生涯がほぼ判明したことに伴い、
旧版に大幅な加筆修正と判型の大型化、図版の充実を図り、
新訂版オールカラーで刊行。

*********************************************

ネットで紹介されているのを見て知った本。

幕末の下級武士が残した絵日記を紹介したもの。
絵がついていることで、
「座布団は客に出すものではなかった」
「料理は膳に載せず、大皿を床に直置きして
 取り皿を使って食べていた」
「行灯が大きい。行灯に絵をつけていた」
等々、当時の生活ぶりがわかるようになっていて楽しい。

和宮の下向だったり天狗党の乱だったり、
幕末らしい出来事は起こっているし、
著者の石城も上申したことで
謹慎処分を何度も受けているんだけど、
絵柄がほんわかしているせいで、あまり悲壮感はない。
お金はないけど客が来たらもてなし、
お坊さんや中級武士たちとも仲良く
頻繁に行き来していて楽しげ。
妹の夫である義弟と仲良く過ごしていたり、
その子である姪っ子を非常に可愛がっていたりして、
人気のある人だったんだろう。

ちょっと高いけど(3000円する)、カラーだし
面白いのでおすすめ。

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映画:『前田建設ファンタジー営業部』

2020-02-21 18:53:59 | 映画の感想
2020年の映画③:『前田建設ファンタジー営業部』(英勉 監督)
★★★☆☆3.5

【シネマトゥデイのあらすじ】

2003年のある日、前田建設工業の広報グループ長が
アニメ「マジンガーZ」に登場する
地下格納庫兼プールの発注を受けたという設定で
建設を検証するウェブ連載を発案する。
若手社員の土井航(高杉真宙)は当初
このプロジェクトに乗り気ではなかったが、
社内外の技術者たちの熱意を目の当たりにし、
無意味だと思っていた業務に真摯(しんし)に臨もうとする。

*****************************

知人が絶賛していたので、見に行った。
いまあらすじを探しに行って初めて知ったのだけど、
これ、本当に前田建設工業が持ってるWebコンテンツが
もとになってたのね……。

序盤は、
「おじさん、何言ってるか聞き取れないよ……」
「若者ふたり、自分で抗議できないなら
 腹くくってちゃんとやれよ! 特に女の子の方!」
「メンバーが社内で避けられる表現が、
 コメディに徹し切れていなくて白ける」
等々不満が募り、気分も上がらなかったんだけど、
中盤、プロフェッショナルのプライドと知識、経験に
スポットライトが当たるようになってから面白くなってきた。
これまで縁のなかった建設業界のやっていることを
のぞき見できる楽しさもあった。

現実と空想が交差する終盤、夢オチだろうな……と
思わせて、の展開もよし。

ただ、キャッチ―じゃないんだよね……。
確かにおもしろかったんだけど、
おもしろさを説明しにくい。
広い映画館に、わたしともう一人しか客が入ってなかった。
主人公とダムおじさんの組み合わせは可愛かったけど、
この子を主役にした意義みたいなのも感じられなくてね……。
好きだからこそ、もう少し何とかならなかったのか、と
もったいなく思う。
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