金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

239:ミヒャエル・エングラー 『ぼくのあいぼうはカモノハシ』

2021-07-24 17:29:27 | 21 本の感想
ミヒャエル・エングラー 『ぼくのあいぼうはカモノハシ (児童書)

【Amazonの内容紹介】

気のやさしい男の子と、
ちょっとすましたカモノハシの
とぼけたやりとりが楽しい、
ほのぼのとした冒険物語。

ルフスはドイツの男の子。
お姉ちゃん、お母さんといっしょに、
くらしています。
エンジニアのお父さんは、
オーストラリアに単身赴任中。
ルフスは、お父さんと離れてくらすのを
さみしく思っていました。

そんなルフスは、
人間の言葉をしゃべるカモノハシに出会います。
そのカモノハシは、動物園から抜け出してきたと
いい、「シドニー」と名乗りました。
そしてシドニーは、
故郷のオーストラリアに帰るのを
ルフスに手伝ってほしいというのです。
「お父さんに会いたいなら、ちょうどいいでしょ」
ルフスは、シドニーを、
家に連れてかえることにしました。 
(以下略)

******************************************************

今年度の読書感想文コンクール小学校中学年の部の
課題図書。
あとがきで言及されていたけど、
航空会社のセキュリティがガバガバすぎる。

感想文の方向性としては、

・主人公の性格や行動
・カモノハシとの友情

のどちらかを自分の体験とからめて
書いていくことになるのだろう。

小学生にとっては、主人公の姉がかなり印象的だったみたい。
カモノハシが結構いいかげんで、こやつのせいで
主人公がひどいめにあっているのだけど、
小学生はこのいいかげんさや無責任さが
感じ取れない模様。


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235-238:最近読んだ漫画 

2021-07-24 17:18:10 | 21 本の感想

深堀りできそうなのに、
思ったよりあっさり終わってしまった。
コンパクトにまとまっている。



短編集。
松平信康が主人公の話、初めて。



原作が書籍化したときに作家に叩かれてた記憶がある。
こういう話だったのね~。
転生前に援助交際していたヒロイン、
売春することに対する抵抗がなく
あっけらかんとしていて、雰囲気も軽やか。

 


読み前からわかってたけど、not for me。


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232-234:木原敏江『夢の碑 風恋記 (前)・(中)・(後)』

2021-07-23 09:09:08 | 21 本の感想
木原敏江『夢の碑 風恋記 前編・中編・後編』
★★★★☆4.5

【Amazonの内容紹介】

時は中世鎌倉時代の初め、
坂東武者のりりしき気慨が東国の野に満ちていた。
都に帝王、東国に荒武者、歴史のうねりが風雲を呼ぶ、
古今東西幻想綺談「夢の碑」シリーズ鎌倉戦乱編。

*************************************

和田合戦の前から承久の乱までの時期を舞台にした
歴史ファンタジー。
土台は精神的なBLだと思う。
主人公の男二人、それぞれに女性を愛して
子をなしているんだけど、
最終的には男二人の絆なんだよね……。

すごいきっちり資料読みこんで描いてるのがわかるし、
ファンタジー要素と史実がうまくからみあって
壮大な世界が広がっている。
オリジナルの要素も作りこまれていて、違和感がない。

後鳥羽院については、もう解釈一致すぎた。
慈円と鴨長明も登場。
葉室の下の名前は読み落としたが、
光親でも宗行でもなく、架空の人物なのかな?
(どっちかといえば悪役だし)

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230-231:原ちえこ『白の悠久 黒の永遠(上)・(下)』

2021-07-22 09:50:47 | 21 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

遥かなる平安の世の末に、愛とロマンが交差する! 
平清盛(たいらのきよもり)に仕える明日菜(あすな)は
清盛の命を狙う黒い影を目撃してしまう…。
その黒い影とは、清盛の魂の輝きに魅入られた、
海の魔・龍媛(ナーガ)の使い、烏洞(うどう)だった。
烏洞は清盛の近侍・渡(わたる)の身体を乗っ取るが…。
原ちえこが贈る、時代ミステリーロマン!

*************************************

絵柄からわかるとおり、かなり古い少女漫画。
若き日の清盛が、悪役でもなく
ヒーロー(ヒロインの相手役)でもなく、
度量の大きい庇護者として設定されているのが新鮮。
愛されヒロインはモテまくるが、
まあ、確かに可愛いから……。
少女漫画らしいキュンとする要素もあっていいね。
なぜかホラー文庫に割り振られているが、
歴史ファンタジーであってもホラーではないと思う。

登場人物が命に関わるようなひどい目にあわされているわりに
終盤の解決が少女漫画しすぎている気もするんだけど、
まあ、それも清盛の魅力ゆえか。

「そんな簡単に諱を呼ぶな!!」
とハラハラしちゃうところもあったけど、
生きている院を「崇徳上皇」って呼ぶよりは
「顕仁上皇」のほうがまだありうる??

番外編で、「源義経=出っ歯の不細工」説を採用してて
信頼できると思った。
悲しすぎる話なんだけど。

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224~229:最近読んだ漫画

2021-07-21 21:11:13 | 21 本の感想

4巻で終わりなのかと思っていた。
5巻で完結。
今回も面白い。
続けようと思えば続けられる話だと思うけど、
おもしろさを保ったまま
すっきりまとまってよかった。



本編未読。
和風ファンタジー。
独特のムードがあって、絵も上手い。




すごいなあ。
こういう設定にすればちゃんとエンタメとして
人気が出るんだ!


 江口夏実『鬼灯の冷徹1~3』 


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映画:『王の願い ハングルの始まり』

2021-07-21 16:44:54 | 映画の感想
2021年の映画⑱『王の願い ハングルの始まり』(チョ・チョルヒョン監督)
★★★★★

【Amazonのあらすじ】

李氏朝鮮第4代国王である世宗(ソン・ガンホ)は、
上流階級のみが特権として中国の漢字を学び、
使用することを憂えていた。
彼は民衆が簡単に学べる固有の文字を生み出すため、
身分は低いながらも数か国語に精通する僧侶の
シンミ(パク・ヘイル)とその弟子たちに協力を求める。
だが、臣下たちは国王と身分違いの僧侶たちとの
交流に猛反発する。

*******************************************

映画館にて。
地味なんだけど、とても面白かった。
「一説をもとにしたフィクション」
と最初に注意書きがあったし、
史実そのままではないのだろうけど、
当時の習俗(衣装とか葬儀とか)が新鮮だったし、
朝鮮の歴史に興味を持つきっかけになった。

上のあらすじは、「身分」を強調しているけど、
実際見てみると、身分差ではなく、
儒教vs仏教の対立が背景になっている。

・国が儒教を保護し、仏教が排斥されている
・庶民は漢字を読み書きできず、漢字に通じている高官が
 恩恵を受けている

という状態の中で、

・王が儒家ではなく僧たちに文字を作らせている
・庶民に文字を与えたら自分たちの特権が失われてしまう

ということに対して反発を受けている。

これ、ハングルについてちょっとでも知ってたら
もっと面白かったんだろうな~。
そして、仏教ってやっぱり学問の最先端だったんだな。
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223:河村恵利『時代ロマンシリーズ11 天つ雷鳴』

2021-07-21 16:27:22 | 21 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

はるか遠い日本の古代、
大津皇子は天皇になる野心を抱き、
遂に謀反を企てるが。
古代ラブロマン・シアター傑作集!!

*************************************

藤原不比等が台頭する前の、飛鳥時代が舞台の三編。
大津皇子の話は意外な味付けがされていてドキドキ。

【収録作品】
「天つ雷鳴」大津皇子の謀反の背景
「風の祭」但馬皇女と穂積皇子
「昨日の花」草壁皇子と阿部皇女

河村先生の『明日香の王女』、未読なんだけど
電子書籍化されていないのね~。

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大河ドラマ『青天を衝け』#23

2021-07-18 20:54:15 | 大河ドラマ「青天を衝け」
家康、まるでメインキャラクターのように
大政奉還のシーンに乱入。
物言わぬ演技は良かったけど、
解説役の職分を超えてるよ!

歴史上のトピックとしては、

・大政奉還
・岩倉具視の復帰
・薩摩によるクーデター

の三つ。

原田市之進も急襲されて命を落とし、
平岡もすでに亡く、栄一も外国。
「こういうことを一人で考えねばならぬとは……」
という慶喜の孤独が印象的。

小御所会議で山内容堂や春嶽が
慶喜外しに抗議してくれてよかった。
(「人望ないって聞いてたのに……」
 という岩倉のびっくり顔😲
薩摩の攻撃を罠だと見破り、
挑発に乗らないようにしたいのに、
幕臣たちを抑えきれず戦へ。
負けるとわかっているからこそ
憐れを誘う……。

一方、ヨーロッパ組は、民部公子の教師からの指示で
断髪することに。
髷を落とすことを切腹のように扱う水戸藩士に対し、
栄一のわくわく感、そして順応の早さよ。
水戸藩士たち、新しい髪型に耐えられず
日本に帰っちゃった。
コメント (2)
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222:桜井美奈『塀の中の美容室』

2021-07-18 16:06:19 | 21 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

『ご』と入力すると『ゴメン』と出てきて……
『ゴメン。今日も仕事でダメになった』
の一文ができあがる――。
激務が続く番組制作会社で働く芦原志穂。
彼女は今日も恋人にデートのキャンセルを
告げるメールを打っていた。
最近では「次はいつ会えそう」という
メールすら届かない。
そんな中、志穂は上司からの命令で、
刑務所の中の美容室を取材することになるのだが――。
彼女たちは、なぜそこに髪を切りにいくのか。
刑務所の中で営業を行う美容室を舞台にした、
感動の連作短編集。

*************************************

kindle unlimitedにて。 

各話、しごくあっさりとしているのだけども、
美容師の秘密を描いた最終話とエピローグでは
心動かされた。
刑務所の中にあり、受刑者が美容師を務めるという
設定が新鮮。
設定から想像していたような重苦しさや湿っぽさはなく、
不思議な軽みとさわやかさがある。
しみじみと良かった。

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219-221:笠原真樹『群青戦記1~3』

2021-07-18 15:57:08 | 21 本の感想
★★★☆☆
   
【Amazonの内容紹介】

スポーツ強豪校の滋賀県・星徳高校。
“甲子園”“国立”“花園”…憧れの全国の舞台を目指し、
高校生達の青春はいつも輝いている。……はずだった。 
とある日、いつもと変わらず部活動に励んでいた放課後、
赤い雨が降り注ぎ校舎全体が霧に包まれた…。
突如、学内に襲い来る異形の武士!? 
学外にそびえるは安土城!? 
学校まるごと戦国時代にタイムスリップしてしまった!? 
期待通りの舞台とは程遠い戦国時代!! 
死にたくねーなら順応しろ!! 
“戦国武将vs高校生アスリート”開戦!!

*************************************

電子書籍サイトの無料公開にて。

絵柄が好みじゃないし、好きになれそうなキャラクターが
見事に一人もいないし、1巻の展開がストレスフル
(高校生たちがめっちゃむごたらしく殺される)だったのとで、
2巻以降は読むのをやめようと思った。
しかし2巻、3巻と巻を重ねるごとに
好きなところも出てきた。

気がつけば、パラレルな過去の世界に……という
異世界トリップみたいなものだけど、
現代のツールを使ってチートというわけでもなく、
序盤はやられっぱなしで、だんだん順応して
力を発揮していくというのがよかった。
(スポーツ強豪校という設定はこのためにあったのね)
校舎が城とみなされているのも面白い。
史実と違う世界の謎のほか、
死んだはずの生徒に襲われるという謎もあって、
興味を惹く仕掛けが施されている。

フェンシングの貴公子っぽい成瀬くんが好みだけど、
この世界設定では、成瀬くん、そのうち死ぬのでは……。

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