金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

40:佐藤多佳子 『一瞬の風になれ 第三部 -ドン- 』

2010-03-26 17:40:44 | 10 本の感想
佐藤多佳子『一瞬の風になれ 第三部 -ドン- 』(講談社文庫)
★★★★☆

読んだのが一週間以上前のため、
ストーリーに関してはすでに記憶もおぼろなのだけど、
夢中になって読めました。
スポーツ青春ものの王道をゆく物語で、
ベストセラーになったのにも納得。
これは万人受けするなあ~。
続きを書こうとすれば書ける、だけど書かない、
というこの終わり方も、物足りなさを感じるよりは
良い余韻を残すほうに作用して良かったな。
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39:誉田哲也 『武士道シックスティーン』

2010-03-14 18:57:07 | 10 本の感想
誉田哲也『武士道シックスティーン』(文春文庫)
★★★★☆

武蔵の「五輪書」を愛読する剣道一筋の香織は、
中学最後の大会で無名選手の「甲本」に負けてしまう。
雪辱を果たすべく、数ある推薦先から
「甲本」が進学すると思われる高校を選ぶが、
高校の剣道部で再会した「甲本」=西荻早苗は
部内の試合であっさりと香織に負けてしまう。

***************************************

読む前から帯の文言から「こういう話なんだろうなあ」という
主人公二人のキャラクターをベタに想像していたのだけど、
全然ちがった
時代錯誤すぎるうえに突き抜けている香織のキャラクターに
笑ってしまうのだけど、友だちもできないだろうし、
実際にいたら排除されるよなあ……と暗い気分に。

河合さんが素敵
続編も出ているようですね。


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38:フィッツジェラルド 『グレート・ギャッツビー』

2010-03-14 17:13:27 | 10 本の感想
フィッツジェラルド『グレート・ギャッツビー』(光文社古典新訳文庫)
★★★★☆

裕福な家庭に育ち、他の男の妻になったかつての恋人を
取り戻すべく、女貧しさの中から身を起こし、
裕福になったギャッツビー。
夜な夜な豪勢なパーティーを開き、
元恋人の現れるのを待っていたギャッツビーは、
ようやく彼女との再会を果たす。
人のニック・キャラウェイの目を通して語られる
ギャッツビーの夢と野心、その崩壊。

***************************************

「華麗なるギャツビー」の邦題のほうが印象に残ってるので、
なんだか違和感のあるそのまんまタイトル。
「華麗なる」と「グレート」では喚起するイメージが
ずいぶん違うよね。

翻訳もの特有の読みにくさはあるのだけど、
訳文にそれほど苦労することもなく読み終えました。
アメリカの富裕層の生活ぶりが浮世離れしているように
感じられて、なんだか夢の世界のよう。
そして読後は途方にくれる。
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37:大倉崇裕 『オチケン、ピンチ!!』

2010-03-13 19:47:49 | 10 本の感想
大倉崇裕『オチケン、ピンチ!!』(理論社)
★★★★★

前巻の最後、ガラスを割った容疑で
3枚目の始末書を書く羽目に陥る岸。
始末書3枚で退学というルールのため、
オチケンの存続が危ぶまれる。
学生部の土屋に言われ、仕方なく調査をはじめた越智は
陰謀のにおいをかぎつける。

********************************************

いやー、おもしろい
1巻めですでに「おもしろい」とわかったので、
肩透かしの心配もせず安心して読める。
職場の休み時間に読んでて、
顔がにやつくのを押さえるのが大変だった。
岸と中村の行動がどんどんエスカレートしていくわ。
越智の単位も心配です。

続編希望!ということで、
売り上げに貢献すべく購入します。
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36:はらだみずき 『サッカーボーイズ』

2010-03-13 19:22:08 | 10 本の感想
はらだみずき『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』(角川文庫)
★★★☆☆

ジュニアサッカーチーム・桜ヶ丘FCに所属する遼介は、
4・5年生と続けて学年キャプテンをつとめていたが、
6年生になってから、
キャプテンの座とレギュラーポジションを失い、
監督には怒鳴られてばかり。
チームの雰囲気が悪くなる中、監督が峰岸から木暮に代わり、
チームメイトとの関係も変わっていく。

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最初の50ページくらいが退屈すぎて、
もう途中で読むのをやめようかと思ったのだけど、
小暮が監督になったあたりから読ませる展開に。
後半はなかなかおもしろかったのだけど、
評判の割りに「すごくよかった!」という感じがないのは
文章のせいかなあ……。
著者がサッカー指導の経験者なのが影響しているのかどうか、
物語の中に「記録」が入っちゃってるんだよね。
「ここは読み飛ばしても大筋には関係ないところだな」と
わかるような、やたらと説明的な部分があって、
ストーリーの勢いをそいでしまう。
続編もあるようだけど、読むかどうかは未定。
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35:大倉崇裕 『オチケン!』

2010-03-08 10:09:52 | 10 本の感想
大倉崇裕『オチケン!』(理論社)
★★★★★

その名前が原因で、廃部の危機に瀕した落研(落語研究会)に
引きずりこまれてしまった越智健一。
飄々とした風変わりな岸と、爽やか青年の中村という二人の先輩に
振り回され、幽霊が出るという部室で過ごす健一は、
部室の使用権をめぐる、サークル間の陰謀に巻き込まれる。

********************************************

これも「ミステリーYA!」のシリーズ。
★4.5のおもしろさ!!

読んだことのない作家さんだし、
一冊読みきる時間が取れないし……で
読み始めるまでに時間がかかったのだけど、
これはアタリでした。
落語の内容をからめたミステリーで、
キャラクターにも味があって(腹黒の女部長がよい)、
ほのぼのした雰囲気が良い。

続きがあったらいいのに……と思っていたら、
続編も出てた
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34:佐藤多佳子 『一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ-』

2010-03-07 19:49:46 | 10 本の感想
佐藤多佳子『一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ-』(講談社)
★★★★☆

仕事で部分的に既読の部分がいくつかあって、
どうしても集中力がそがれる……。
わたしは既読の部分に出会うと、
「いつの、どこの入試問題or教材に使われていたか」
とか
「この部分に傍線があって、こういう問いの設定がされていた」
とかいうことに意識が行ってしまって、
作品世界から現実に引き戻されてしまう。
しかし、いいですな。これぞスポーツ!青春!
これ、映画化されるだろうなあ……と思ったら、
すでにドラマ化されていた。
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33:佐藤多佳子 『一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-』

2010-03-07 19:38:50 | 10 本の感想
佐藤多佳子『一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-』(講談社)
★★★★☆

蔵書は少数精鋭で!と決めているので、
読んだあとで手元に置いておきたいと思った本しか
買わないようにしているここ数年。
ベストセラーとして話題になっている時期は
なかなか回ってこないので手に取らずにいたのだけど、
本日3時間ひたすら暇をつぶさなければならない事態が発生。
ふと職場の本棚を見たらあったので
2年遅れで読んでみました。
3時間で2冊読める文字量。

ストレートな青春小説で、人物像形やストーリーにも
いやなところがなく、おもしろく読めました。
スポーツものだと(特に同じスポーツを題材にしていると)
どうしても設定がかぶるところがあって、
『Run!Run!Run!』を先に読んでいたためデジャヴが……
(出版はこっちのほうが先)。

陸上もので一番好きなのは川島誠『800』。
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32:柳広司 『漱石先生の事件簿―猫の巻』

2010-03-07 19:28:28 | 10 本の感想
柳広司『漱石先生の事件簿―猫の巻 (ミステリーYA!)』(理論社)
★★★☆☆

「吾輩は猫である」の世界を、
「先生」の家に下宿する書生の「僕」の目を通して
描いたミステリー。
タイトルは「漱石先生の~」だが、
「先生」は一切謎解きをしておらず、
謎解きは「僕」の独壇場。
あとがきにもあるように、「吾輩は猫である」は、
読んでもどんな話だったか、記憶に残らない。
本書は「吾輩は猫である」のエピソードを
ミステリー仕立てにして解釈しなおしたものだけれど、
原作については
「確かにこんなエピソードがあったような……」
という程度の印象しか残っていない。
題名と書き出しが有名であるにもかかわらず、
この印象の薄さ……謎であるよ。

これは「ミステリーYA!」というシリーズの中の一冊。
このシリーズを読んだのは初めて。
もう一冊、同じシリーズの『オチケン』を借りてきた。
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