金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

三浦しをん 『桃色トワイライト』

2006-06-29 14:51:04 | 06 本の感想
本の感想135:三浦しをん『桃色トワイライト』(太田出版)
★★★☆☆

あいかわらず妄想炸裂なエッセイ。
今回はオダギリジョーLOVE!でした。
「しをんのしおり」や「人生激場」に比べると、
一冊の本としての個人的な「笑える度」は下降しているような気がするのだけど、
「黄色人種だからな」のところで呼吸困難に陥りそうだった。
『新選組!』は、香取くん演じる近藤勇のキャラクターに毎回ムカつきながらも
結局最後まで見てました。
山南さんがよかったね。

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金城一紀 『フライ、ダディ、フライ』

2006-06-28 14:53:35 | 06 本の感想
本の感想134:金城一紀『フライ、ダディ、フライ』(角川書店)
★★★★☆

堤真一とV6の岡田くん主演で映画化されてましたね。
DVDで見る前に読んでおこうと借りてきたのだけど、
いまいちよくわからないところが……と思ったらシリーズ2作めだったのね。
傷つけられた娘のため、父親としての誇りのため、娘を殴った男と戦おうと、
高校生・朴舜臣からケンカの特訓を受けることになった中年パパのお話。
『GO』に通じる疾走感とポップな雰囲気で、読後感は爽快。
主人公と朴舜臣のやりとりが可愛らしくて、ときどき胸打たれて、
がんばれお父さん!と素直に思えました。
しかし朴舜臣の思想は、とても高校生のものとは思えないよ……。
前作も探してきます。

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佐藤多佳子 『黄色い目の魚』

2006-06-24 14:55:04 | 06 本の感想
本の感想133:佐藤多佳子『黄色い目の魚』(新潮社)
★★★★☆

疎外感からイラストレーターである叔父の家にいりびたるみのりと、
「ろくでなし」の父の影響でひたすら絵を描く木島。
ふたりの幼年時代から高校時代までを描く連作短編集。
絵でつながれた二人のロマンスもいいのだけど、
個人的には別々に生きていた子供時代の話のほうが好き。
ふたりの人生が交差する「からっぽのバスタブ」では、
美和子への手紙がいかにも「つなぎ」だなあという感じがして
やや気になりましたが、
出会ったことによって、それぞれが内面の問題を克服していく過程は
読み応えがあっておもしろかった。


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片川優子 『ジョナさん』

2006-06-23 14:58:04 | 06 本の感想
本の感想131:片川優子『ジョナさん』(講談社)
★★☆☆☆

恋愛、家族や友達との関係、将来のこと。
高校生の女の子が抱えるさまざまな悩みと日常。
それが自然に切り取られているのは、作者が高校生で、
その状況のただ中にいるからなんでしょうか。
そこから離れると記憶はどんどん風化していってしまうのだけど、
確かにあのころ、こんな悩みや苛立ちを抱えていた気がした。
ただ、最初の方で主人公に感情移入できなかったため、
個人的には最後まで読み通すのがかなりつらかった。
トキコのキャラクターも魅力的だし、
光るエピソードがいくつかあったのだけど、
物語の中でうまく作用していない気がして残念。

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光原百合 『十八の夏』

2006-06-23 14:56:47 | 06 本の感想
本の感想132:光原百合『十八の夏』(双葉文庫)
★★★★☆

短編集。
縁あって通っていた読書日記サイトさんで取り上げられていたため、
記憶に残っていた本。
ずっと手付かずだったものの、ようやく入手して読みました。
村山由佳作品のせいか、わたしは
「男性視点でつづられる年上の女性との恋愛」
がすっかりきらいになってしまっているので、
これもハズレかなあ……と思いながら読んでいたのだけど、
ラストで評価を覆されました。びっくりした~!
いやみのない文章とやさしさのにじんだ展開に、心温められました。
「ささやかな奇跡」がいちばん好き。

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桐野夏生 『顔に降りかかる雨』

2006-06-21 15:00:19 | 06 本の感想
本の感想129:桐野夏生『顔に降りかかる雨』(講談社文庫)
★★★★☆

「天使に見捨てられた夜」の前編にあたる作品。
一億円とともに親友のライターが失踪し、
事件に関わらざるを得なくなったミロ。
親友の恋人とともに彼女の行方を追って駆け回ることになる。
探偵稼業に目覚めることになるきっかけの話。
主人公は、どうも危ない感じのいい男に弱いようです。
ラストのどんでん返しもあり、読みごたえばっちりでした。
おもしろかった!

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梨屋アリエ 『プラネタリウム』

2006-06-18 15:01:46 | 06 本の感想
本の感想128:梨屋アリエ『プラネタリウム』(講談社)
★★★☆☆

非現実を織り込んだ、中学生たちの日常を描いた短編集。
タイトルにもなっているプラネタリウムが全編に登場するのだけれど、
必然性はいまいち謎。
梨屋さんの本はほかに『でりばりぃAge』しか読んだことがないけれど、
デビュー作のそれにくらべると格段に文章がうまくなっているのがわかる。
「つきのこども」は苦手要素が多くてあまり楽しめなかったものの、
ほかの三篇はおもしろかった。

「ウケ×セメ」は順序が逆じゃないのかしら……と
門外漢ながら気になってしかたない。
「つきのこども」の衣生の苗字にも反応してしまいましたことよ。

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瀬尾まいこ 『図書館の神様』

2006-06-17 15:03:06 | 06 本の感想
本の感想127:瀬尾まいこ『図書館の神様』(マガジンハウス)
★★★★☆

瀬尾さんの小説、本として読むのははじめて。
高校時代のできごとがきっかけとなって思い描いていた人生から外れ、
高校の講師になった主人公。
文芸部の顧問となって、ただひとりの部員・垣内くんと
図書館ですごす毎日の中でゆるやかに気持ちを変化させていく。
なにかドラマチックなできごとがおこるわけでもないのだけど、
主人公の気持ちや教室の雰囲気が変わっていく様子が
わざとらしさのない筆致で描かれていて、読み終わったあと、
ああよかったなあと穏やかな気持ちになれました。

しかし不倫って……やっぱり分が悪いよね。
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狗飼恭子 『おしまいの時間』

2006-06-16 15:04:36 | 06 本の感想
本の感想126:狗飼恭子『おしまいの時間』(幻冬舎文庫)
★★★★☆

再読。
高校時代の先生の死をきっかけに再会したリカコとイズミ。
イズミが先生の子をみごもっていると言い出したことから、
先生の弟ワタルを交えてはじまった三人の交流。
再読であることだし、特別インパクトを感じる文章ではないのだけど、
素直な表現、素直な恋心に、感動とはまたちがう感覚で
胸を衝かれちゃったりするのです。
イズミの手紙がせつない。
『薔薇の花の下』の美鶴もそうだけれど、
狗飼さんの小説に出てくる「美人」が好きです。

しかし主人公のリカコは、いったいどうやって生計を立てて
暮らしているのだろうか……。謎です。
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伊藤たかみ 『ミカ×ミカ!』

2006-06-15 16:40:23 | 06 本の感想
本の感想130:伊藤たかみ『ミカ×ミカ!』(理論社)
★★★★☆

『ミカ!』の続編。
中学生になったミカとユウスケのそれぞれの恋のお話。
舞台が変わったものの登場人物の配置や物語の構成は
前作をそのまま踏襲しているので目新しさは少ない。
でも、恋をしてけなげにも「女の子」になろうとするミカや
自分に好意をよせる女の子に「好きじゃない」と言いつつ
だんだん気になってきちゃう朴念仁のユウスケが可愛くて、にこにこ。
とてもキュートな作風。
久々に超好みなシリーズだったので、ほかの作品も読んでみたい。


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