金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

2020 映画と読書のまとめ

2020-12-31 18:10:45 | 1年のまとめ
2020年は、いくつか兼ねている仕事のうちの一つを
ほとんど放棄していたおかげで、
趣味に走った一年となりました。
放棄していることに焦りはあるけれど、
自分のキャパをこれだけ食われていたのだな、と
認識することに。

来年は心機一転、その仕事もがんばる予定。 
みなさま、よいお年を!

*****************************************

【一般小説】

①永井路子 『炎環』 
②塚本邦雄 『藤原定家―火宅玲瓏
③塚本邦雄 『菊帝悲歌―後鳥羽院
④吉田一 『藤原定家―美の構造
⑥澤田瞳子『秋萩の散る
⑦佐藤雫 『言の葉は、残りて

珍しく趣味に走った一年。
原点回帰で歴史&古典に浸っていたので、
好み度の高かった本もその関係ばかりに。

【古典】
池田亀鑑 『平安朝の生活と文学

「古典」と「歴史」の線引きが難しい。
『御堂関白記』は「歴史」じゃないか? とも思うのだけど、
「日本の古典」と銘打たれているからこっちへ、
電子書籍のセールをしていた影響で、
ビギナーズ・クラシックスのシリーズを結構読んだ。
「御堂関白記」はこれまで関連書籍を読んでこなかったため
特におもしろく感じた。

【歴史】
繁田信一 『かぐや姫の結婚
⑥松薗斉 『王朝日記論

『明月記』もジャンルに迷ったけれど、こっちへ。
『幕末下級武士の絵日記』、興味の薄いジャンルだったけど
ほんわかした絵柄になごむし、当時の風俗や武士の生活が
伺えておもしろかった。

【その他】
③石徹白未亜『節ネット、はじめました。
④サンキュータツオ『ヘンな論文

今年は仕事関係の本をほとんど読まなかった。
そのため言語関係の本がない。

【漫画】
①遠藤達哉『SPY×FAMILY 1~3』
②杉田圭 『超訳百人一首 うた恋い。』1~4巻 
③石川ローズ 『あをによし、それもよし 3 』 
⑥D・キッサン『千歳ヲチコチ: 4~8
⑦えすとえむ 『いいね!光源氏くん1~4
⑧伊藤ゆみ 『お寺のおくさん1~4

漫画は積読解消で結構読んだけれど、
数のわりにあまり記憶に残ってないな……。
③と④は応援したい! という心持ちで。

【映画】

④『来る

『来る』は決して出来はよくないのだけど、
一点突破のおもしろさがあった。

今年は映画館の会員になったため、
わりと映画館によく見に行っていた。
それでも、コロナウイルスの影響で
行けない期間があり、見たのは17本。
映画も積読というか、アマプラの視聴リストに
入ったままのやつがたくさんあるので、
来年は消化したい……。

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272-273:最近読んだ漫画

2020-12-30 20:47:40 | 20 本の感想

映画はおもしろかったけれど、わたしは別に
キャラ萌えしていたわけじゃなかったんだな、と気づいた。

昔つきあっていた相手との記憶なんて、 一片たりとも残さず、まっさらに消したい過去でしかないのだが……
 
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271:永井路子 『闇の通い路』

2020-12-20 13:22:32 | 20 本の感想
永井路子 『闇の通い路』 (文春文庫)

【Amazonの内容紹介】

築地の破れめから往きあう隣家の人妻との密通が
幕府をゆるがす事件に。
平安末期から鎌倉期の人間模様をいきいきと描く
魅力の八篇

********************************
 
あ~~!! 
もう『鎌倉殿の13人』が楽しみすぎて
頭がおかしくなりそう!!
……なのだけど、まだまだ一年以上先なのよね……。

というわけで、昔読んだ永井路子の名前も憶えていない
短編を探して読んだのがこの本。
結果的には、この本に探していた話はなかったんだけど、
なかなかよかった。
☆が平安もの、★は鎌倉もの。
平安ものふたつは、もやもやしてすっきりしない。

「お告げ」☆
お告げにすがった女の運命は。

「その眼」☆
名国司と名高い男の裏の顔。

「わが殿」★
牧の方の兄・牧宗親の話。
マニアックすぎるところにスポットライトを
あててくれる永井先生、好き!!

「重忠初陣」★ 
畠山重忠はできすぎたイケメンなんだよな!
どこに出てきてもかっこいいじゃん!

「闇の通い路」★
邸の隣りあった御家人同士の間に起こった諍い。
不倫が思わぬ騒動に。

「猪に乗った男」★
「謀反」に到るまでの仁田忠常の人生。
まさか仁田忠常主役の小説があろうとは。

「雨の香り」★
吾妻鏡に記載された小事件をもとにした話。
タイトル通りのしっとりとした、
ちょっとエロスも感じる短編。

「宝治の乱残葉」★
好き!
身分違いのひそかな、叶わぬ恋。いいねえ。

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映画:『日本のいちばん長い日』

2020-12-20 13:01:03 | 映画の感想
2020年の映画⑰:『日本のいちばん長い日 』(原田眞人 監督)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

1945年7月。
太平洋戦争での戦況が悪化する日本に対して、
連合軍はポツダム宣言の受託を迫る。
連日にわたって、降伏するか本土決戦に突き進むかを
議論する閣議が開かれるが結論を一本化できずにいた。
やがて広島、長崎に原爆が投下され、
日本を取り巻く状況はさらに悪くなっていく。
全国民一斉玉砕という案も取り沙汰される中、
阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)は決断に悩み、
天皇陛下(本木雅弘)は国民を案じていた。
そのころ、畑中健二少佐(松坂桃李)ら若手将校たちは
終戦に反対するクーデターを画策していた。

***********************

アマプラにて。
リメイク版。

結果を知っている後世の人間が当時の人々のことを
愚かだと言うのはナンセンスだと思うんだけど、
「陸軍/国民はみんな戦う気です!」とか、
「いやいや、あなた、それあなたの希望でしょ」
という内容が「事実」として語られてしまうのって、
怖いね。
当時ばかりではなく、現在だって
そういう場面はたくさんあるけれど。
若い将校たちが「これしか道はない!」と思い込んで
その道をひた走っちゃうのが、何だか切ない。

そして、結果としては無駄死にだったとしても
そんなふうに命を散らしていくことを、
何か、青春の輝きに似たようなものとして
とらえてしまう自分。
当時生きていたら愚かな行動に走っただろうな……。

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映画:『NETFLIX 世界征服の野望』

2020-12-11 20:30:10 | 映画の感想
2020年の映画⑯:『NETFLIX 世界征服の野望』(ショーン・コーセン 監督)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

世界初のDVDレンタル・販売サイトを提供する会社として
創設されたNETFLIX。
市場の研究を重ねては新しいシステムを構築していく中、
同社はレンタルビデオチェーンの大手であった
Blockbuster社と激しい攻防を繰り広げる。
やがて映像ストリーミングサービスの時代が到来すると
業態を配信中心に転換させ、
名だたるクリエイターたちによるオリジナルコンテンツを
次々と製作。
やがてアカデミー賞で『ホワイト・ヘルメット -シリアの民間防衛隊-』が
短編ドキュメンタリー賞を受賞したほか、
数々の話題作を世に送り出す。

***********************

映画館にて。
まったく興味がなかったんだけど、
時間が合うものがこれしかなくて見た。

睡眠不足だったため途中で寝そうになったときも
あったんだけど、業界の歴史を描いたものとして
おもしろかった。
確かにもう、店舗に行って映画を借りることはなくなったし、
一時期利用していた、郵送でDVDをレンタルするサービスからも
すっかり遠ざかった。
映画は映画館か、Amazonビデオのみ。
もともと、映像作品を見るために家での時間を
拘束されるのが好きじゃないから、
映画館に行きでもしない限り映画は見ないし、
Amaプラもやむを得ないときだけ利用するだけだけど、
もしわたしに日常的にテレビを見る習慣があれば、
「家でサブスクリプション」以外は選択しないだろうな。

本当に、コンテンツの受容形態は変わった。
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268-270:瀧波ユカリ『あさはかな夢みし〈1〉~〈3〉』

2020-12-11 20:16:19 | 20 本の感想
瀧波ユカリ『あさはかな夢みし(1)~(3)』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

時は平安時代、京の都に一人の姫君がおりました。
現実世界(三次元)の殿方に全く興味がなく、
明けても暮れても草紙を読んでは妄想妄想。
そんな腐りきった平安女子を更生させるべく
一人の舎人(召し使い)がやって来た。
はたして姫君は人並みの恋愛、結婚を叶えられるのか!? 
『臨死!! 江古田ちゃん』で現代社会に
痛烈な風刺とユーモアを炸裂させた瀧波ユカリの最新作。
ヒトなんて、今も昔もあさはかだもの。

***********************

2巻までは文句なしに面白かった。
ちゃんと平安時代の風俗について勉強して、
そのうえでくずしているのがわかるし。
ただ、実在の人物を登場させたのがよくなかったのか、
史実に沿おうとした結果なのか、
3巻は迷走していた感。
でもツンデレ尊子さまにはときめいちゃう。

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265-267:松田奈緒子『重版出来〈13〉~〈15〉』

2020-12-11 20:13:03 | 20 本の感想

【Amazonの内容紹介】

新展開! 編集長交代で、心を波乱が襲う!
 「バイブス」編集長の交代により、新編集長となったのは 
少年誌で多々のヒット作を生み出し、雑誌を立て直した男。 
しかし内実は、漫画家をコントロールして
才能を食い潰す人間だった。 
心はその新編集長・相川の指令で 相川が連れてきた
超売れっ子少年誌作家を担当することになり、 
新連載を立ち上げることに。 
しかし相川に依存する漫画家と相川新編集長との間で、 
心の仕事には試練しかなく…!?

***********************

知らないうちに13巻から積んだままになっていた。
特に15巻はストレスフルな展開が続き、緊迫感あり。
確かに「カリスマ編集者」と持ち上げられている人でも、
たまたまいくつもの要素が重なってヒットしただけで、
編集者の力と言い切れないところはある。
実際、ヒットしなかった担当作もいっぱいあるわけだし。

中田くんに関しては不穏な状態が続きますな。

 
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260-264:最近読んだ漫画

2020-12-07 23:39:10 | 20 本の感想

キャンプの楽しさは伝わってくるし、ごはんもおいしそうなんだけど、 
ヒロインの好感度の低さがすごい! 
これ、男性読者だったら、お色気演出と 
「主人公に懐いてくる」という点で 
欠点をカバーできるんだろうか……。 
こうでもしないと話が動かないという
作劇上の必要性はわかるんだけど、
初対面から距離感を間違えている、
絶対に近づかないほうがいいタイプの
 女の子にしか思えなかったよ……
 


絵柄の癖がかなり強くて、飯ものなのに
料理が全然おいしそうに見えないのは致命的では……
と思ったけれど、自分で作るワクワク感、楽しさは伝わったよ。
ヒロインはじめ人物の絵が安定せず、キャラ立ちもいまいちで
読んでいてよけいな心配をしてしまうんだけど、
巻数が出ているのでおそらくそこは克服されたのだろう。




作者さんのこと、全然知らないんだけど、
ストーリー展開とキャラの立て方に安定感があって
安心して読んでいられる。
設定にいろいろとツッコミどころはあるんだけど、
それをマイナスに感じさせない総合点の高さ。
おもしろかった。


少女漫画らしいかわいらしさ!
ストーリーに引力がないのだけど、
一話ごとの読み切りとして考えれば
すっきりまとまっていてよいのでは。
パッケージはなんだか微妙なエロさを感じさせるんだけど、
2巻まで読んだ限りエロ要素はほぼなし。
可愛い。

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253-259:最近読んだ本

2020-12-05 16:45:06 | 20 本の感想
★★★☆☆

部屋着はいらない、というの、よくわかる。
パジャマか外出着のどちらかでいることが多く、
「部屋着」を使いこなせない。


ほぼ日刊イトイ新聞 『ほぼ日手帳公式ガイドブック2020
★★★☆☆

分厚いのがイヤなのと、紙質が好きじゃないのと、
方眼のラインが濃すぎるのとで、
ほぼ日手帳を使うことはないのだけども、
人の使い方を見るのは好き。


ブレット・ブルーメンソール 『1週間に1つずつ。毎日の暮らしが輝く52の習慣
★★★☆☆

もらいもの。
「いろんな自己啓発本に書いてあることを集めてみました!」
という感じ。ボリュームはある。
しかし、多ければいいってもんじゃないな……。
コンパクトにまとめたものには、それなりのメリットがある。


 『古今和歌集』

紀貫之も清原深養父も、やっぱりすごいんだな! 
というのが 歌集全体を通して読むとわかる。
単独じゃわからない。

 

【以下、蔵書整理のため再読】

 スズキダイチ『ヒロイック・コンプレックス』

 瀧山幸伸『一度は行ってみたい 街並発見』

 藤原美智子『美しい朝で人生を変える』

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252:倉本一宏 編『古事談 ビギナーズ・クラシックス』

2020-12-05 16:00:28 | 20 本の感想
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

清少納言・藤原道長・安倍晴明…… 
想像を絶する貴族社会の奇譚・逸話が満載 

鎌倉時代初め、源顕兼により編修された『古事談』は、 
王道后宮・臣節・僧行・勇士・神社仏寺・亭宅諸道の 
6巻から成る説話集。 
後続の『宇治拾遺物語』『古今著聞集』にも
大きな影響を与えた。 
好色譚「称徳天皇が道鏡を愛した事」から始まり、 
貴人の逸話や故実・奇譚・霊験譚まで、 
王朝社会の多彩な説話が満載。 
清少納言・藤原道長・平将門・安倍晴明も登場。 
70話を厳選し、原文・現代語訳と書き下し文に
解説を付した決定版!

***********************

ビギナーズ・クラシックシリーズの新刊。
紙書籍で購入。

しょっぱなから称徳天皇の自慰という下ネタ全開な
トピック。
しかしながら、本としての作りは
このシリーズにしてはかなりお堅い印象。
説話はいろいろと人物や背景の説明が必要になるのも
あるだろうけれど、いろんな説の紹介や、
小右記や江談抄といった元ネタとなった書物との
内容の比較など、「かっちり」してる。

古事談をまとめたとされる源顕兼が、注として
「この設定、おかしくない?」「間違いじゃない?」
とツッコミ入れているのがおもしろい。

「行く」を「ゆく」と読むか「いく」と読むかは、
地方による違いだったのか。知らなんだ。

このシリーズの表紙、読む前に見ると
わけがわからなくてシュールなんだけど、
本編に出てきたアイテムがちりばめられていて
おもしろいね。

【メモ】
・道長から頼通への相続は
「藤原氏の成立以来、嫡子が後を継いだはじめての事例」。
P.102 

・法住寺合戦「法皇や天皇そのものが攻撃目標となり、
完敗したという点で、日本史上、画期的な意義をもつ戦い」P.240

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