金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

47:田中登 『失われた書を求めて―私の古筆収集物語』

2017-03-30 19:58:15 | 17 本の感想
田中登『失われた書を求めて―私の古筆収集物語』(青簡舎)
★★★★☆

「仕事で読んだ本」としてこのブログには記録してなかったのだけど、
この一年くらい、古典籍関係の本をちょこちょこ読んでいた。
ああいうのはどうやって古書店で発見されるのだろう……と疑問に思っていたが、
これを読んで疑問が氷解。
この本では、研究者でありコレクターである著者が、
実際に古筆を手に入れたときの思い出を一点一点につき綴ってくれているので、
その経緯が非常にスムーズに理解できた。
特に、後半の狭衣物語に関する部分は非常に興奮した!

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大河ドラマ「おんな城主直虎」#12

2017-03-26 20:01:38 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#12

「私の槍……!」に笑ってしまったよ。


 * * *

最後まで好きになれなかったが、よくよく考えると、
直親はほんと、いいことなしの人生だったよね……。
父親を殺され、逃亡生活を強いられ、好きな女とは結ばれず、
面倒なヒステリック妻に手を焼き、
たいした活躍もできないまま死に……。
政次とのからみでひどいサイコパスっぷりを発揮していたが、
それが自分の行動に活かされることもなく。
あれは脚本上、政次を追い込むためだけの演出だったのかな。

安定のヒステリックしの。
「触るでない、私の夫じゃ」
まではわからんではないが、
「全部お前のせい」
は意味不明だよ……。
これを真に受けたおとわが自分を責めるのも、
「なんでだよ!?」と思うばかりでちっとも感情移入できなかった。

今川のぼんぼんもおかしい。
そもそも、「背かれる前に殺しちゃえ!」って発想がおかしくない?
反発買ってよけいに背かれる危険が生じると思うんだが……。 

政次の闇落ちに、アル中と化していたおとわもびっくり。
おとわだけは「裏切らざるをえなかった」という可能性を
ちゃんと思い浮かべたのが救い……。
次回以降、直虎vs政次になっていくのかね。
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46:石黒智子 『小さな暮らし』

2017-03-21 14:02:29 | 17 本の感想
石黒智子『小さな暮らし』(SBクリエイティブ)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

潔く、シンプルに。簡素で豊かな生活術
暮らし上手な石黒智子さんの、住・食・衣・時間を楽しむ極意。
モノとの付き合い方から、片づけ収納のルール、台所のととのえ方、
シンプルな家計管理法まで。著者宅のカラー写真を多数収録。

モノを選ぶ確かな目と、シンプルなライフスタイルで人気の
石黒智子さんによる、暮らしの知恵を集めた実用集です。
居心地のいい暮らしを追求していくと、お金のかからない
「小さな暮らし」にたどりつきます。
自分の暮らし全体を見通せるようになると、
肩の力が抜けてラクに生きられるようになります。
堅実にムダなく、毎日を楽しむための具体的な方法をご紹介します。

**************************************************

「ものを減らす」がメインだと思って手に取ったが、そうではなかった。
真似はできない&したいとも思わない内容が多かったけれども、
確固とした自分のこだわりがあり、それに従って生きているのはいいなと思う。
厳選したデザインの良いものを、自分で加工して使いまわす生活も、
自分にはできないからこそ、そういう人がいることに安心する。

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大河ドラマ「おんな城主直虎」#11

2017-03-19 20:46:31 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#11

回想シーンは死亡フラグ。

昔に戻ったようだね! と幼馴染三人の子供時代が出てきた段階で、
政次か直親のどちらかが死ぬってわかったよね……。

 * * *
 
瀬名の救出はおとわの努力とは関係ないところで達成されたのだが、
直親のもとへ松平からお礼と鷹狩のお誘いが。
元康が激太りしてる!?と思ったら、偽者。
(包帯取ったらデブなおっさんになってた「吉宗」を思い出したわ……)
今川にはめられて、直親は松平との密通に事実を作り上げられてしまったのだった。
テレビのない時代だもの、相手がどんな面してるかなんてわからないもんね。
しかし今川は、弱ってるくせに、手の込んだことするなあ。

政次も、ひとり駿府に呼び出されてから、はめられたと気づいて大ピンチ。
政次の裏切りをどうやって演出していくのかと思ってたけど、こうなるのね。なるほど。

井伊を救わんがため、松平に助けを求めにいったおとわは
助力を拒まれ、頼みの綱の瀬名にも突き放されてしまう。
「助けてやったのに!!」
と憤慨しているのだが……あれ、そうだっけ……?
おとわ、瀬名のこと助けたっけ……?
結局、瀬名を救ったのは元康の交渉で、
助命嘆願はしてたけど、結局役に立たなかったんじゃなかったっけ??
恩に着せられてもなあ……。

少女漫画的には、不幸な生い立ちの幼馴染(イケメン)に
「たったひとつの美しい思い出」
だなんて言われたら泣けるのだが、
すでに直親のことをサイコパスとしか見られなくなっているので
ときめきも半減。
そして、死ぬとわかってるから、
「戻ってきたら結婚しよう」も死亡フラグとしか思えないんだけど、
「これがあのヒステリックな被害妄想女のしのの耳に入ったら……ブルブル」
と思ってしまったよ。

あと、戦しよう!と言い出したじいさんの笑顔が無邪気すぎて笑った。

ここのところ、かなりのめりこんで見ているのだが、
その理由の大部分が、不憫すぎる政次。
彼が退場したあとでも見続けられるのだろうか……と
今から、政次ロスを心配しているわたし。
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45:太田忠司 『伏木商店街の不思議』

2017-03-12 22:13:08 | 17 本の感想
太田忠司『伏木商店街の不思議』(河出書房新社)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

伏木商店街は一見、どこの街にもあるような駅前の商店街。
でも、おいしい洋食屋や、腕のいい靴屋にまじって、
特別仕上げで運気アップのクリーニング屋(「クリーニングの柴田」)や、
持ち主がいなくなった“時”を預かる時計屋(「間下時計舗」)、
思い出が蘇るメンチボールを揚げる肉屋(「塚田精肉店」)もあるし、
倦怠期の夫婦が仲直りするオツな映画館もある(「シネマエウレカ」)。
看板犬ならぬ、看板怪獣だっている(「三ツ谷煙草店」)。
迷いこんだら抜けられない、魅惑の商店街にようこそ―。
星新一を継ぐショートショートの名手が贈る31の物語。

**************************************************

ああ、伏木=ふしぎ=不思議なのか!
と読み終わってから気づいた。

「星新一を継ぐ」という売り文句のせいで、
星新一並みのキレを期待してしまったのがよくなかった。
これだけのネタを店や職業に絡めてひねり出すのは大変なことだと思うし、
初めて知った知識もあって楽しめたし、
決して面白くないわけではないのだが。

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大河ドラマ「おんな城主直虎」#10

2017-03-12 20:45:14 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#10

「あー……こいつ(直親)、こんなこと言って、まともなふりして、
 どうせまたなんかやらかすぞ……」

「……」

「……おかしい、まともなままだ……」

といった感じの前半25分であった。

奥山の遺体が発見され、ヒステリックな「しの」は案の定、
「かたきを討ってくださいませー!!」。
直親は、父を失って泣いた過去を思い出し、
政次を追い落としにかかるかと思いきや。
政次の義妹の「なつ」の訴えと、珍しくまともな直親の見解により、
一段落。
奥山のじいさんと「しの」は「ああ、親子だな……」と思ったが、
「なつ」は本当に血縁者なんだろうか。まともすぎるよ!

正直、政次のこの騒動が20分でおさまってしまったことに
拍子抜けしたが、政次と直親が「鶴」「亀」と呼び合い、
一緒に碁を打ったりして、わだかまりが解消した様子だったのは
ちょっとうれしかったわ……。
奥山が化けて出ることに、政次が怯えてるのも可愛かったしね。

20分で解決しちゃってどうするの、と思ったら、
後半は元康の裏切り→瀬名の危機におとわが駆けつけてからむ。
おとわは今川のところに来ると、どうしていつも
根性論の体育会系になるの……。
たいした働きもしないのに、マッチョぶりを無駄にアピールしてる
ボディガード傑山には笑った。

予想に反して、政次の件は丸く収まったが、
次回予告……
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44:渡辺有子 『365日。小さなレシピと、日々のこと』

2017-03-11 22:03:53 | 17 本の感想
渡辺有子『365日。小さなレシピと、日々のこと』(主婦と生活社)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

1月1日おせち、1月7日七草がゆ、3月3日桃の節句……など、
季節ごとの行事や、普段のごはんを、
365枚の写真とエッセイ、レシピで綴ります。
料理以外にも、旬の食材、旅、花、器、おいしい店や手土産、
一目惚れした服、おしゃれな先輩の着こなしなど、
暮らしのヒントになる小話が満載です。

**************************************************

うう、素敵すぎてまぶしい……!!

レシピはわずかで、エッセイの文字数も日によって多かったり少なかったり。
おしゃれ写真集といった感じであった。
レシピ目的でなく、「素敵な暮らし」を眺めるつもりで読むのがよい。

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43:北嶋廣敏 『不思議猫の日本史』

2017-03-10 17:49:32 | 17 本の感想
北嶋廣敏『不思議猫の日本史』(グラフ社)

【Amazonの内容紹介】

平安でとても文学的だった時代の猫は、
やがてペットとして愛玩されるようになって、
いつのまにか化けたり、喋ったり…。
「枕草子」「源氏物語」そして、江戸、明治―。
猫はどのように描かれ、どのような存在だったのか?
奇談・異聞集なども交えて、人間と猫の長い歴史を辿る。

**************************************************

一部分しか読んでいないので、好み度★はなし。

なんとなく猫派の方が優勢の印象があるのだけれども、
わたしはどちらかと言えば、犬派である。
「なんでそんなに猫がいいんだよ!!」
という気持ちが、この本を手に取った発端。

怪異にはまるで興味がないので、説話を取り上げたパートは流し読み。
猫の歴史と、平安時代の作品に登場する猫を取り上げたパートを中心に読んだ。
宇多天皇と一条天皇が猫を可愛がっていたのは知っていたけど、
悪左府と呼ばれた頼長の逸話は初めて知った。
少年時代の頼長が、病気の猫のために千手観音を描いて、
「病気を治して、十歳まで生かしてください」
って祈った、ってエピソード、めちゃ可愛い。
そして、定家が懐に猫を入れて可愛がっていたっていうのにも
胸キュンである。

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42:小路幸也 『コーヒーブルース Coffee blues』

2017-03-09 20:39:22 | 17 本の感想
小路幸也『コーヒーブルース Coffee blues』(実業之日本社)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

北千住の“弓島珈琲”店主の僕(弓島大)は、
近所の小学生の少女から、姉の行方を探してほしいと頼まれた。
少女の両親には何かの事情があるのだろうか。
僕の家に間借りする三栖刑事や他の常連客も
解決に乗り出してくれることになった。
だがその矢先、僕と三栖が関わった過去の事件が、
五年ぶりに頭をもたげ、事態は錯綜していくことになるが…。

**************************************************

読んだのは単行本の方。
スカイエマさんのこの表紙、すごくいいよね……と、以前から気になっていた。
はやりの「ほっこり+日常の謎+連作短編集」かと思いきや、全然違った。

ストーリーにまったく関係ない登場人物の名前や設定が出て来て、
回収もされないのでいぶかしく思っていたら、これ、シリーズものの2冊目だ。
本当に、毎回思うのだが、シリーズとして読まなければわからないものは
ちゃんとナンバリングするかシリーズであることを示してほしいし、
そうしないのなら単独できちんと楽しめるようにしてほしい。
「前巻も読んでみよう」と思うよりも腹立たしさの方が先に立つ。

展開に意外性があって退屈はしないのだけども、
つながりすぎた世界がご都合主義に思えるし、
えらく重い要素が多いのに掘り下げられないので、
うすっぺらく感じられてしまう。
恋人が薬漬けになって死んだ事件が、
作中で軽く扱われていることに衝撃を受けたわ……。

それでも一冊の本としてきちんと整っているのは
ベテラン作家さんの実力だなあ。

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41:辻井南青紀 『縁結び仕り候: 結婚奉行』

2017-03-08 14:10:09 | 17 本の感想
辻井南青紀『縁結び仕り候: 結婚奉行』(新潮社)
★★☆☆☆2.5

【Amazonの内容紹介】

幕府の礎は幕臣の家庭円満にあり。
「同心・桜井新十郎、本日より結婚奉行配下を命ず」
鬼の火盗改から一転、武家同士の婚姻や養子縁組を推進するお役目を
命じられた桜井新十郎。
幕政安泰の大義名分のもと、祝言当日に消えた花婿探しや
自らお家断絶を願い出る老臣の宥め役を振られ悪戦苦闘の日々。
さらにある一件に潜む不正の構図に気づいた新十郎は
強大な敵と対峙することとなり…… 。
新鋭が贈る痛快お仕事時代小説!

**************************************************

コンセプトは面白いと思ったんだけど……。
まず前半は、深堀りしない&オチが付かないまま終わり、
「面白くなりそうなのにならない!」ともどかしさを覚えた。
そして、連作短編だった前半に対し、後半は3話ひとつながりになっていて、
最初から「それ、主人公の役目と関係なくない?」という感じだったのが、
話が進むにつれて当初のコンセプトからずれていく一方。
田沼意次の政治に関する評価も、ひと昔前のものでちょっと違和感があったし、
主人公がピンチに陥っているにも拘わらず、全然ハラハラできず、
ひたすら退屈だった。
奥さんのキャラ付けと主人公との関係はとっても良かったんだけどなあ。
新人さんなんだろうと思ってたら、
デビューから結構経っている作家さんで驚いた。

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