金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

148:柳田理科雄 『空想科学読本〈1〉』

2010-08-28 20:34:03 | 10 本の感想
柳田理科雄『空想科学読本〈1〉 (空想科学文庫)』(メディアファクトリー)
★★★☆☆

仕事のために購入。
初読は高校2年生のときなので、14年ぶり?に再読。
当時はかなり笑った記憶があるのだけど、
いま読むと特にインパクトはないなあ。
批判などを受けて改訂された部分に注目して読んでしまう。
バカバカしいことを大真面目にやるセンスは好き。
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147:村瀬孝生 『おばあちゃんが、ぼけた。』

2010-08-27 23:20:12 | 10 本の感想
村瀬孝生『おばあちゃんが、ぼけた。』(よりみちパン!セ)
★★★★☆

著者は老人通所施設「宅老所よりあい」の所長。
ぼけたお年寄りたちに寄り添い、振り回される日々の中で
遭遇したエピソードを、ユーモラスに描いている。
死を隠蔽している、といわれる現代社会において、
年をとるということ、死ぬということについて
その一端を子どもたちに教えてくれるであろう一冊。
四コママンガもいい味出してる。
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146:藤井誠二 『「悪いこと」したら、どうなるの?』

2010-08-26 19:43:27 | 10 本の感想
藤井誠二『「悪いこと」したら、どうなるの?』(よりみちパン!セ)
★★★★☆

「少年が犯罪を犯したらどうなるのか?」に関する説明を
皮切りにして、少年法や少年院のシステムにまつわる問題点、
加害少年の家族がたどる道、被害者家族の心情に
切り込んだ一冊。
夜中に読んでいて、
「うわあああああ!」
と頭を抱えて転がりたいような気分に。
知人に、お父さんが保護司をやっている方がいるのだけど、
その話を聞いても、暗澹とした気分にしかならない。

決してそればかりではないけれど、
犯罪を起こすような要素は、
経済的・人格的な家庭環境というものを通して連鎖するので、
100パーセント本人の責任であるとはいえない場合もある。
それでも、「とりかえしのつかないこと」をした人間は、
その人生も「とりかえしのつかないこと」にならなきゃ
いけないんじゃないだろうか。

好みじゃないけど、内容は胸を直撃。★4.5。
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145:山同敦子 『こどものためのお酒入門』

2010-08-26 19:19:13 | 10 本の感想
山同敦子『こどものためのお酒入門』 (よりみちパン!セ)
★★★☆☆

お酒の種類やその違い、造られる過程やその歴史について、
お酒を飲めない子どもたちにもわかりやすく説明されている。
お酒にまつわる文化や、生産者たちの「ものづくり」精神に
重点が置かれていて、きっと飲めない人にとってもおもしろい。
知らなかったことがいっぱいでした。

それにしても、めっきり飲まなくなったなあ。
飲んで紛らわせたいようなストレスがなくなったせいか、
それとも飲んでも何の解決にもならないとわかったせいか。
お酒自体の味わいを愛していたわけじゃなかったんだなあ……
と、飲まなくなってからしみじみ思うようになりました。
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144:森沢明夫 『青森ドロップキッカーズ』

2010-08-23 21:51:16 | 10 本の感想
森沢明夫『青森ドロップキッカーズ』(小学館)
★★★☆☆

苗場宏海は中学三年生。
中学に入ってからいじめにあうようになり、
自分の思い描く「理想郷」に逃げ込むことで
毎日をやりすごしている。
そんなある日、気になる同級生の女の子が
カーリングに興味があると話しているのを訊き、
宏海は初心者向けのカーリング教室に参加する。
カーリングを通して、仲間や希望を得た宏海は
変化していくことになる。

********************************************

ずいぶん前に仕事のために購入したもの。
この著者のほかの作品が映画化されるみたいだけど、
この文章は……よく言えば映像向き?
全体的に浅い感じで、心理描写も
キャラクターの書きこみも丁寧ではない。
いじめがなくなった理由も、
柚香・陽香の元チームメイトたちの態度の豹変ぶりも
説明が一切ないため、すごく都合よく
話が進んでいっている印象を与えてしまう。
高校に入ってからの試合のエピソードは
とっても良かったんだけどな~。
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143:倉本智明 『だれか、ふつうを教えてくれ!』

2010-08-20 21:27:53 | 10 本の感想
倉本智明『だれか、ふつうを教えてくれ!』(よりみちパン!セ)
★★★☆☆

20代前半までを弱視者として過ごし、
その後全盲になったという著者が、
障害というものを足がかりにして
「ふつう」や社会のルール、人間関係について
述べた一冊。
乙武さんの『五体不満足』にあったのと同じように、
小学校時代、友達が弱視の自分のために野球に
特別ルールを作ってくれた、
でもそれは本当の共生でなかった……
というエピソードから始まり、
著者自身の体験談を交えながら、
「障害者」というひとかたまりでとらえてしまうことの
暴力、人の人との関わりについて考えを述べている。

『五体不満足』からさらに一歩進んだところで
「バリアフリーとは何か」を考えさせられる。
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142:長江優子 『タイドプール』

2010-08-20 21:12:03 | 10 本の感想
長江優子『タイドプール』(講談社)
★★★☆☆

父親の再婚相手・マコさんとの生活が始まり、
「目に見えないルール」をおかされることに
苛立つ小学五年生のえり子。
幼稚園からいっしょのちひろとは親友だが、
鼓笛隊の担当が発表され、
えり子が指揮者に選ばれたのをきっかけにして、
ちひろに避けられるようになる。

***********************************

タイドプールとは、岩場の潮溜まりのこと。
小さく厳しい世界に生きる生き物たちに、
家庭や学校の人間関係を重ねて描いた児童文学。
書き込みは丁寧で、
マコさんに対する小さなイライラの積み重ねや、
えり子がちひろと仲たがいしてからの
クラスの女の子たちの間に流れる空気には
説得力がある。
それにしても清水さん、6年生なのにオンナだなあ。

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141:中島らも 『お父さんのバックドロップ』

2010-08-20 21:01:27 | 10 本の感想
中島らも『お父さんのバックドロップ』 (集英社文庫)
★★★☆☆

同級生の下田くんの家に行ったタケルは、
帰宅した下田くんのお父さんに遭遇。
お父さんは有名な悪役プロレスラー・下田牛之助だった。
頭は金髪、顔は赤白の隈取り、
リングでみどり色の霧を吹く。
「尊敬できない」と面と向かって言う息子のために、
お父さんは空手家「クマ殺しのカーマン」に挑戦状をたたきつけ、
対戦することになったのだが……

***********************************************

勤め先でいただいてきたもの。
中島らもは『空のオルゴール』で二度と手を出すまいと
思っていたのだが……
こちらは子供向けのライトな、ほのぼのした作風。
おちゃめで愛しいお父さんたちを描いた短編集。
「お父さんのロッククンロール」のチヨノばあちゃんに
笑ってしもうた。
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140:森達也 『世界を信じるためのメソッド―ぼくらの時代のメディア・リテラシー』

2010-08-20 17:18:31 | 10 本の感想
森達也『世界を信じるためのメソッド―ぼくらの時代のメディア・リテラシー』(よりみちパン!セ)
★★★★☆

教科書にもメディア論は載っているけれど、
これだけ堅苦しさを感じさせずに、易しく
書かれたものは、ほかに思い浮かばないなあ。

マスメディアの伝えることを鵜呑みにするな、
というのはよく言われることだけれど、
意図する・しないにかかわらず、どうしても
製作者側のフィルターがかかってしまうという
メディアの性質とその理由、
そしてメディアのもたらす情報を偏らせているのは
視聴者である一般大衆であることを、
具体例をまじえて説明してくれる。

より難しい文章を理解するためのベースつくりを
するには最適。
中学生のメディア論入門編におすすめ。
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139:叶恭子 『叶恭子の知のジュエリー12ヵ月』

2010-08-19 23:56:22 | 10 本の感想
叶恭子『叶恭子の知のジュエリー12ヵ月』(よりみちパン!セ)
★★★★☆

なんとなく、写真とともにつづられたエッセイを
想像していたのだけど、予想に反して言葉集。
中高生の悩み相談もあり。著者の写真は一切なし。
オビの文句が、
「教えて、恭子おねえさま。」
だったため、読む前から完全にイロモノ扱いを
していたのですが……
ひどくまっとう!!

「世の中には、二つのことがあります。
 変えられないことと、変えられること。
 (略)
 変えられないことに執着するのは、
 エネルギーの無駄遣いです。
 変えられない中でどうするべきかを、考えましょう。」

とかね。
容姿や恋愛、親との関係、友達関係などなど、
悩み多き思春期の女の子たちに向けて、
真摯に、誠意をもって語っているのが感じられて、
「恭子おねえさま、申し訳ありませんでした」
と謝りたくなりました。
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