金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

大河ドラマ「光る君へ」♯4

2024-01-28 22:07:38 | 大河ドラマ「光る君へ」

いやー、今回の本郷奏多@花山天皇も最高だったな!

花山「俺が帝になっても蔵人やって」

実資「断固として辞退」

とロバート秋山に振られたあとの、

「おじうえ~~!」と甘えて抱きついたと見せかけての

烏帽子強奪。

果たして映像化されるのか? と話題になっていた

「高御座でのゴニョゴニョ」がセリフで済まされた代わりに、

なにやら雅で美しい緊縛プレイが始まった・・・・・・。

一応、政治に意欲は見せているのだけども、

「よーし、みんなを驚かせちゃうぞ☆」

「俺のこと好きになっちゃうぞ☆」

で動いてる困ったさんぶりも見せていた。

 

今回も安定したクオリティ。

なぜ紫式部が五節の舞姫に? という疑問にも、

それまでの経緯を当時の情勢とからめてきちんと描いて

答えてくれていた。

そして、そこで三郎の正体と、彼と道兼の関係を知るという

ストーリーにもちゃんとつなげている。

説明的でない説明がきちんとなされているうえ、

こういうエピソードが無駄なく機能している作り、

本当に信頼できる。

そして、三郎の身分を知り、道兼と再会したまひろが、

儀式の途中でショックで倒れたりとかせず、

きちんと事を終えてから正確な情報を得る、という展開もいいんだな。

 

【その他いろいろ】

・円融帝の詮子に対する態度は本当にひどいんだけど、

 詮子も詮子で、あまりにも恋愛脳すぎるというか、

 まったく父親と自分をつなげて考えてなかったんだな・・・・・・。

 

・父親にしたら物足りず、

 妹に「嫡男にのくせに何も知らない!」と言われた道隆だけど、

 父が帝に毒を盛ったことを知って即座に父への恭順を示すの、

 やっぱり嫡男~!!という感じ。

 

・恋愛脳の娘のことは、哀れとも思ってなさそうな兼家。

 

・未来の夫となる宣孝に対しては、

 わりとぺらぺら事情や思いをしゃべっちゃうまひろ。

 

・空気を読めず配慮が足りないまひろに対しては、

 チクッと釘を刺しつつ、やっぱり深刻にならないように

 ムードをコントロールしている倫子。

 今回、やってることは、

 「自分が女好きの花山天皇に目を付けられたら困るから

  舞姫役をまひろに押しつけちゃおうよ!」

 ってことなんだけども、圧倒的なお嬢様に頼られて嬉しい、という

 まひろの気持ちもわかるよ・・・・・・。

 倫子&猫ちゃんの組み合わせ、可愛かった。

 

・散楽の男、えらくまひろに肩入れするじゃん。

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大河ドラマ「光る君へ」♯3

2024-01-21 20:57:46 | 大河ドラマ「光る君へ」

いやー、すごいな。

シナリオにも演出にも演技にも、どっしりした安定感があって、

安心して見ていられる。

今のところ、個人的な印象では

「いだてん」や「青天を衝け」と同じカテゴリー。

ドハマリするようなキャラクターやストーリーはないのだけども、

作りがしっかりしていて、制作サイドを信頼できるし、

毎回きっちり楽しませてもらえる。

 

今回いちばんドキドキしたのは、まひろの女子社会デビュー。

女子社会に揉まれていない貧乏貴族の娘(ガリ勉系陰キャ)が、

お嬢さまソサイエティにレクチャーなしの単身で飛び込むんだからな!

案の定、空気を読まずに「偏つぎ」で一人勝ち。

古今集をすべて覚えているという家庭教師のセンセに

「すごい、合ってます!」と言っちゃう始末。

勉強嫌いのお嬢様たちに「なに、あの子、おかしくない??」と

ハバにされてもおかしくない展開だよ。

そうならないように、お嬢様のリーダーたる倫子が

空気をコントロールしてるから無事で済んでいるだけ。

この倫子、最初の、

「すごーい! まひろさんは漢字が得意なのね!」

で、

「最初は寛容だけども、許容ラインを超えると、

 攻撃を仕向けてくるクラスの女子ボス」

的な描き方をするのかと思ったけれども、

まひろが彼女について父に語った台詞を見るに、

本当に性格がいいお嬢様なのかな?

居心地はよくないけれど、まひろ自身、

倫子や、あの場所に惹かれる気持ちもある、みたいな。

 

しかし、為時パパ、自分がスパイとして役立たないのに、

意図を明かさず、しかもその素養のない娘を

スパイに仕立てようとするあたり、

本当にこういうセンスがないのよね……

 

【その他いろいろ】

 

・実資もやっぱり職場の女性達を敵に回すのはつらいのね……

 

・兼家パパはマジで謀略の鬼。

 

・赤染衛門、公任、斉信、行成登場。

 テンション上がっちゃう。

 

・実資に「台盤所の女たちを調べよう」と言い出され、

 冷や汗をかく道兼。

 パパの入れ知恵でしのいだものの、今回もかわいそうであった。

 

・黒木華が「はな」ではなく「はる」であることを

 つい最近知った……

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ドラマ:『G線上のあなたと私』♯1・2

2024-01-20 10:28:30 | 2024年に見たドラマ
人を茶化したり、人が聞いているところで噂話をしたりする
ヒロインのデリカシーのなさが、見ていてしんどい……。
失恋を引きずっているヒロインだけど、
彼女に新しい恋が訪れてほしいと思えないんだよな~。
 
中川大志くん演じる加瀬くんが、
姑の意地悪に悔し泣きする北河さん(松下由樹)を慰めるシーンは、
すごく良かった。
こういう、年齢を超えた親交や、
大人になってから何かを学び始める楽しさを見たいのよ~。
ヒロインの好感度の低さもあって、
恋愛要素に興味が持てないのが残念。
 
嫌いじゃないし、つまらないわけでもないのだけども、
どうも自分の期待するものとは別の方向に話が進みそうなので、
配信期限も迫っているし、第2話で一旦ストップ。
 
ここのところ、仕事の関係で複数の俳優さんを追っていて思ったのだけども、
俳優さんとか声優さんのファンって、結構大変じゃない??
人気がある人たちだからというのもあるだろうけど、
供給が多すぎて、消化しきれない……!
歴史分野は新規の供給が頻繁にあるものじゃないから、
別ジャンルの供給量にびっくりしている。
推し活で生活が困窮するというのが、ちょっとわかってきた。
 
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5:村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』

2024-01-19 20:27:46 | 24 本の感想
村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
もし僕の墓碑銘なんてものがあるとしたら、
“少なくとも最後まで歩かなかった”と刻んでもらいたい―
1982年の秋、専業作家としての生活を開始したとき路上を走り始め、
以来、今にいたるまで世界各地でフル・マラソンや
トライアスロン・レースを走り続けてきた。
村上春樹が「走る小説家」として自分自身について真正面から綴る。
 
****************************************
 
Amazon Audible にて。
夜寝る前に聞いていた。
たいてい途中で寝落ちして、途中から聞き直したりしていたので、
ずいぶん長くかかってしまった。
 
スポーツも好きではないし、村上春樹のファンでもないので
面白いという感じでもなかったけれども、
「体力つけて、自分の生活の生産性を上げたいな~」
という気持ちを高めるために聞いていたのだった。
 
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4:西條奈加『まるまるの毬』

2024-01-19 20:25:15 | 24 本の感想
西條奈加『まるまるの毬』
★★★★☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
親子三代で菓子を商う「南星屋」は、売り切れご免の繁盛店。
武家の身分を捨て、職人となった治兵衛を主に、
出戻り娘のお永と一粒種の看板娘、お君が切り盛りするこの店には、
他人に言えぬ秘密があった。
愛嬌があふれ、揺るぎない人の心の温かさを描いた、
読み味絶品の時代小説。
吉川英治文学新人賞受賞作。
 
****************************************
 
Amazon Audible にて。
 
将軍のご落胤である和菓子屋の主人と、その娘・孫娘 の三人家族。
この設定、どっかで聞いたことがあるぞ……と思ったら、
この本のクライマックスとでも言うべき最終話を、
かなり昔に文芸誌掲載時に仕事で読んでいたのだった。
くすりと笑える箇所もあるし、
第1話から読んでいるとやはり登場人物たちに愛着がわいてくるので、
筋を知っていた最終話も、その積み重ねの後だと心に響く。
 
派手さはないけれど、しみじみとよいお話だった。
反省しない悪役が主人公に投げかけた言葉が、
主人公の救いになる展開もうまい。
 
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大河ドラマ「光る君へ」♯2

2024-01-14 21:39:31 | 大河ドラマ「光る君へ」

第1話から6年飛んで、子役はすべて本役にチェンジ。

 

本郷奏多の花山天皇、とってもいいねえ。

足の指で扇を開きながら親子丼の話をする花山、

「他の奴はみんな逃げたけど、お前はずっと側にいてくれたし、

  お前のおかげで俺もちょっとは賢くなった」

と為時に恩義を感じている花山。

Ω<「内緒だけど、俺、そろそろ帝になるみたい」

一握りの人類にしか口に出来ないパワーワード。

 

6年前の殺人は父にバレていて、それをネタに脅されて

帝に毒を盛るように父から言われてしまう道兼。

ここから、花山天皇を退位に追い込む汚れ役をやらされ、

(おそらく父にチクったと考えて)道長との不仲も極まるのだろう……

ときちんと後の展開への導線が引かれていて、とってもいい。

まひろが代筆の仕事でさまざまな人の恋の話を聞いたり、

相手になりきって文や歌を書いたりしたことが、

源氏物語を書くにあたっての土台になった、っていうのもちゃんと見える。

ものすごく丁寧に作られているのがわかる。

 

その反面、まひろと道長の恋は???だった。

いや、まだ恋と自覚してない恋なのだろうと思うけれど、

「幼いころに出会った相手と再会して恋に落ちる」という物語のパターン、

文脈に頼りすぎているというか……

あれ、そんな要素あったか???

という唐突さを感じている。

 

【その他いろいろ】

・色黒の実資には笑っちゃったが、

 ロバート秋山、公家や帝の肖像画っぽい顔立ちだし、

 ちゃんと「実資!!!!」って振る舞いしててよかった。

 筋は通すが、プライドが高く、小うるさいおじさん。

 

・時姫、ナレでさらっと死去がアナウンスされた。

・帝の愛を取り戻したいのに、円融天皇から冷たく拒絶される詮子、

 可哀想。

 でも、お父ちゃんひどいから、しょうがないよな……。

 当時の娘は、夫より父との関係のほうが強いし、

 帝の愛は政治だし、

 兼家と詮子はほぼ同一の存在なんだよな、帝にとって。

 

・兼家が、「人を殺したこと」ではなく「自ら人を殺したこと」を

 咎めてるの、いいね。

 現代の価値観に寄せすぎず、ちゃんと当時の感覚に沿おうとしている。

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大河ドラマ「光る君へ」#1

2024-01-07 21:28:45 | 大河ドラマ「光る君へ」

第1話はいろいろ説明しなきゃいけないことも多いし、

若干退屈ながらも丁寧に描いてるな~……と思っていたら、

ラストに衝撃の展開!!

「実は結構バイオレンスなんだよね」な平安時代、来たー!!!

道兼は創作の生け贄になったのだ……

 

「道長と紫式部が幼なじみ」に加えて「道兼が紫式部の仇」設定も

追加になったけど、私は、

「ドラマの中で整合性がとれてて、おもしろければOK」

というスタンス。

ストーリーについては、今後次第だけども、

独自性をちゃんと出してきたことについては評価する!

いろんな点で、しっかり説得力を持たせる丁寧な描き方をしているのも

二重丸。

 

【その他いろいろ】

・OP、音楽のことはようわからんけど、

 ビジュアルはエロチックで、

 紫式部や源氏物語のイメージには合ってたと思う。

 

・まひろ(紫式部)の子役は、鎌倉殿の大姫ちゃん。

 

・赤ちゃん定子、第1話から登場!

 

・息子三人の長所や短所はきちんと把握しつつも、

 嫡男の道隆を「けがれなきものにするため」に

 道兼を放置している兼家。

 こういう多面的な描き方は好きだよ。

 ひがみっぽく弱い者につらくあたる道兼に、

 「兄の犠牲になっている弟」という設定を加えることで

 キャラクターにも深みを与えていた。

 

・まひろの父、貧乏なのに他に女がいるのかよ! 

 とツッコミが入りそうなところ、母に

 「自分の里が豊かなら……」

 とちゃんと説明させていた。

 たぶん、全然知らない人には何のこっちゃだっただろうけど、

 「女の実家が男の生活の面倒を見る、という風習を

 ちゃんとわかって描いてますよ」

 という目配せになっていた。

 

・子どもが親や姉に敬語を使わないのが気になった。

 まあ、今の子どもは親に敬語使わないし、使えないけど。

 

・「この時間に呼び出すの止めて」と右大臣に言う

 ユースケサンタマリアな晴明。

 

・出自の差という乗り越えられない壁に加え、

 前半、丹念に貧乏暮らしを描いていたことで、

 「妻を殺されても、それをなかったことにする父」

 に説得力を持たせていた。

 

・今回の短いシーンだけで、「花山帝、やべーやつ」感が

 しっかり伝わってきた。

 

・鳥を逃がしちゃう、源氏物語を思わせるシーンを入れたのもイイネ!

 

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3:標野凪『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』

2024-01-07 19:31:28 | 24 本の感想
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
住宅地の奥でひっそりと営業している、
おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。
この喫茶店には、がんばっている毎日から
ちょっとばかり逃げ出したくなったお客さんが、
ふらりと訪れる。
SNSで発信される〈ていねいな暮らし〉に振り回されたり、
仕事をひとりで抱え込み体調を崩したり……。
目まぐるしく変わる世の中で疲れた体と強ばった心を、
店主そろりの美味しい料理が優しくほぐします。
今宵も「あなたの悩みに効くメニュー」をご用意して
お待ちしております。
心がくつろぐ連作短編集、開店。
 
****************************************
 
Amazon Audible にて。
 
この本が売れていたのは知っていた。
このパッケージにした関係者の方、かなり有能なのでは?
表紙が可愛い&おしゃれで、
「持っているor読んでいるのを見せる本」として使われているのを
You TubeやSNSで何度か見た。
 
美容師さんの話がしんどい。
私は仕事柄、理不尽なクレーマーに遭遇することが多くないのだけども、
単価の高くない職種で接客してると、
自分勝手で理不尽なお客は多いのだろうな……。
「嫌な客」で終わらず、それをきっかけに主人公が自身の行動も反省して
よい方向へ向かっていく流れがよい。
最終話は話題にしているアイテムが多すぎてやや散漫な印象だったけど、
これも他罰的な思考に終始せず、ちょっと安心。
 
各話が時系列順に並んでいるわけではなく、
前の話で起こった出来事や登場したアイテムの背景が、
後の話で明かされる構成になっているのがよかった。
 
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1-2:谷口 菜津子『ふきよせレジデンス〈上〉・〈下〉』

2024-01-04 19:27:31 | 24 本の感想
谷口 菜津子『ふきよせレジデンス〈上〉・〈下〉』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
「第26回 手塚治虫文化賞」新生賞の著者が描く、
「ひとり」たちの物語。

夢破れ、人間関係をリセットした配達員・リクは
変わっていく周りに焦燥感を覚えていた。
そんなリクの唯一の癒やしは、
ちょっと変わったコンビニに勤めている店員のきらり。
明るくて可愛いギャルのきらりには、秘密があって……!?

これは、 「夢」と向き合い「日々」を思案する、
あるアパートの住人たちの物語。
 
****************************************
 
友人から借りた漫画。
 
優しくあたたかい世界。
登場人物の多くが、配偶者、夢、両親、親友……と
何かしらを喪失しているのだけれども、
その克服に現実離れした都合の良さは感じられず
(解決に無理が生じないラインに問題が設定されている)、
ハッピーエンドを素直に喜べる。
人の善性や、「未来はきっとよくなる」ということを信じたくなる。
 
Amazonの書影が使えなくなっちゃったので、
表紙はタイトルのリンクからご確認ください。
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