金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

55:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈11〉』

2008-06-27 08:49:23 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈11〉』(文春文庫)
★★★★☆

忠吾が男色家の盗賊に拉致され、貞操の危機に陥る
「男色一本饂飩」はププププ
ホモネタってなんでこんなに笑いをさそうのかしら。
基本的に、女性の描く男同士の同性愛は
ドリーム入ってて受け付けないのだけど、
男性が書くとおもしろいんだなあ。

愛妻を殺害された同僚のため、自ら進んで立ち働く
小柳はいい男であるよ。
自分にも妻子を死なせた過去があるから……なんて
陰のあるキャラクターを確立させてます。
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54:三島由紀夫 『仮面の告白』

2008-06-27 08:21:38 | 08 本の感想
三島由紀夫『仮面の告白』(講談社 日本現代文学全集38)
★★★★☆

汚穢屋の若い男に心惹かれ、
兵隊たちの汗の匂いに恍惚となり、
両手首を縛られ死に瀕した聖人の絵に性的興奮を
覚えた少年時代。
同級生の少年に恋をしながら、同性愛者であることを
知られまいと心を砕いた学生時代。
やがて成人した主人公は、友人の妹である園子に
心惹かれるが……

******************************************

知り合いの男の子が今読んでると言っていたのに便乗して、
借りてきました。
三島由紀夫ってちゃんと読んだことないなあ……と
思ってたところだったし。

旧字で書かれた本を借りて来ちゃったので、
最初は漢字の解読に四苦八苦しましたが、
慣れてくると普通に読めました。
学生時代の苦悩を描く第二章がおもしろい。
文学的な分析はまーったくできませんが、
ひとりでにやにやしながら読んでましたわ
園子に出会ってからの展開は、
いまいち好みじゃなかったのだけど、
ストレートに同性愛小説に行かないところが
三島由紀夫なのかも。

日本語が美しい。
三島がこれを書いたのが24歳のときだということに驚愕。
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53:草野たき 『リボン』

2008-06-26 13:45:02 | 08 本の感想
草野たき『リボン (teens’ best selections 11)』(ポプラ社)
★★★★☆

女子卓球部には、卒業式に憧れの先輩から
制服のリボンをもらうという伝統がある。
「誰からもリボンをほしいと言われないかわいそうな先輩が
出ないように」とジャンケンでもらう相手を決める後輩たち。
ジャンケンで負けた亜樹は、彼氏もおらず試合でも勝てない
先輩にリボンをもらいにいき、断られてしまう。
そんな出来事のあと、中学三年生になった亜樹は、
クラスの友人や部活仲間との人間関係に揺れ、
伸び悩む成績や将来に悩み、
徐々に自分を変えて行くことになる。

**************************************

進研ゼミで連載されていたもの。

佐々木くんにムフフ……
王道なんだけど、このベタな展開がたまらん!
恋愛はエッセンスの一つに過ぎないんだけど、
佐々木くんとのやり取りが出てくるたびに
にやにやしてしまいましたわ。

母親に対する目とか、友人関係への率直な言葉が
小さなトゲのように胸に刺さります。
意地悪でやさしい、草野さんの作品世界が
満喫できる作品でした。
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52:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈10〉』

2008-06-25 12:02:13 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈10〉』(文春文庫)
★★★☆☆

特に好きな話もなかったのだけど、
安定したおもしろさがあって楽しめました。
密偵・文五郎が昔の義理のために平蔵を裏切ってしまう
「犬神の権三」、
同じく密偵で平蔵の若いころからの友人でもある彦十が
裏切り未遂(?)を起こす「むかしなじみ」。
密偵の裏切りは、これまでにも何回か書かれてきた
パターンですね。
彦十は未遂で終わってよかったよかった。

「五月雨坊主」では、口説き文句と言ってもいい
伊三次の言葉を、およねが
「つまらないことを、いまさら、持ち出すんじゃぁない」
とスルーしているのがおかしい。

それにしても、同心たちはよく内偵のために
坊主になってるんだけど、あとで困らないのかしら。
忠吾は泣いてたけど、前にも坊主になったことなかったっけ?
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51:奥田英朗 『町長選挙』

2008-06-23 10:58:45 | 08 本の感想
奥田英朗『町長選挙』(文藝春秋)
★★★☆☆

精神科医・伊良部シリーズ第3弾。
「オーナー」のモデルはナベ●ネだし、
「アンポンマン」のモデルはホリ●モンだし、
「カリスマ稼業」では叶●妹登場。
モデルが明らか過ぎてそっちに気をとられ、
伊良部の存在感、はちゃめちゃぶりが目立たず、
笑えるところが少なかった。
表題作の「町長選挙」もいまいち盛り上がりに欠ける。

それにしてもセクシーナースなマユミちゃんの
作った歌がひどすぎる
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50:山田詠美・ピーコ 『ファッションファッショ マインド編 』

2008-06-20 11:32:41 | 08 本の感想
山田詠美・ピーコ『ファッションファッショ マインド編 』(講談社)
★★★★☆

雑誌『Style』に連載されていた対談。
2冊目のこっちから読みました。
「マインド編」と銘打ってあるだけあって、
ファッションに反映される生き方とか心意気に関する話が
多かったのだけど、第一線で活躍する人の矜持みたいな
ものも垣間見られておもしろい。

「流行の服を着ているなあ」とか
「ブランドのバッグだね~」とか思うことはあっても
「お洒落だわ!」と感じることは
滅多にないものだけど、そう感じさせる相手に
おばあちゃんやおじいちゃんが多いのは何でだろ。
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49:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈9〉』

2008-06-19 13:56:09 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈9〉』(文春文庫)
★★★☆☆

この巻の一番のトピックスといえば、
おまさの結婚でしょうか。
長きにわたり平蔵に報われぬ片想いをしているという
印象があったけど、
巻数にしてみるとそれほどでもないですね。
途中で狐火の二代目と暮らしてたりしてたし。
それにしても、かつて盗賊仲間との間に生まれたという
おまさのひとり娘はどうなるんでしょうか。

「狐雨」では、狐憑きになった同心を前に、
てきぱきと応じる奥方を、平蔵がぽかーんと
眺めているのに笑った。
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48:石田衣良 『灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉』

2008-06-18 14:49:09 | 08 本の感想
石田衣良『灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉』(文藝春秋)
★★★★☆

「駅前無認可ガーデン」のみ、雑誌掲載時に既読。

マンネリはマンネリだけど、久しぶりに読んだので
気にならない。
シリーズ一気読みすると飽きちゃうかもしれないけど。
7巻ももう出ているようですね。

「野獣とリユリオン」は、調子が良すぎる……というか、
そんなに簡単にいくかなあという感じだけど、
テーマとしてはおもしろい。
全編通して母ちゃんがいい味出してます。
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47:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈8〉』

2008-06-17 09:38:48 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈8〉』(文春文庫)
★★★★☆

同心・小柳を主人公にした「あきれた奴」が
よかったな。
自分のつかまえた盗賊の妻が、子とともに
身投げしようとしたのを偶然助けた小柳が、
その盗賊に取引をもちかけ、
独断で彼を牢から出すが……という話。

「あきらめきれずに」では、
平蔵の親友・左馬之助がついに結婚。
今とは感覚がちがうとはいえ、
二十八で年増呼ばわりとは……
それにしても、ドラマ版は結構見てたのに
左馬之助の存在がまったく記憶にない。
ドラマにも登場してたんだろうか?
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46:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈7〉』

2008-06-16 20:50:30 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈7〉 (文春文庫)』(文春文庫)
★★★☆☆

「隠居金七百両」「泥鰌の和助始末」では、
平蔵の長男・辰蔵が活躍。
頑張るものの、甘ったれのお坊ちゃんぶりが抜けず、
平蔵にぶんなぐられるわ、スパルタ特訓されるわ、
さんざん
辰蔵をしごく平蔵を止めるどころか、
「もっと、おやりなされませ。息の根が絶えてもかまいませぬ」
などとけしかける久栄に笑った。

「泥鰌の和助始末」は、
平蔵と松岡重兵衛の別れのシーンでほろり
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