金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

251:河村恵利『時代ロマンシリーズ15 西の京墨流し』

2020-11-29 22:19:11 | 20 本の感想
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

室町時代、大内文化が花開いた西の小京都・山口。
その西の京で繰り広げられた大内義興の
ピュアな恋と骨肉の争いを描く。 

***********************

『西の京墨流し』大内義興とその妻、大内家の争い、雪舟
『逢坂の関』名古屋山三郎と茶々

大内家についての知識がほぼ皆無なので、
(治めていた周防の文化的なレベルが高かったことと、
 義隆が陶晴賢に討たれたことくらいしか知らん)
表題作はなかなか人物関係やストーリーが
頭に入ってこなくて困った。
しばらくしたらもう一度読み返そう。

このシリーズの雰囲気、
「ロマン」だの「ピュア」だのいう
カタカナのもたらすイメージと
全然あってない気がするんだけど、
何とかならなかったんだろうか……。

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250:藤本タツキ『チェンソーマン〈9〉』

2020-11-29 21:07:29 | 20 本の感想
藤本タツキ『チェンソーマン 9

【Amazonの内容紹介】

先の戦いで多くの仲間が傷つき、命を落とした――
迫り来る銃の悪魔との決戦を前に、アキの心は揺れる。
マキマが明かす、銃の悪魔をめぐる驚愕の真実、
アキが見た“最悪の未来”――
全てが重なる時、悪夢のような運命が
デンジたちを蹂躙する…!!  

***********************

ねえ、なんでこういうことするの??
なんでなんで!?!?

前巻も気が狂いそうなわけのわからなさだったが、
この巻では作者に恐怖を感じた……。
いまだに少年ジャンプに連載ということが信じがたい。

好みとかいう問題じゃないので★はつけられないよ!

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大河ドラマ「麒麟がくる」#34

2020-11-29 20:40:20 | 大河ドラマ「麒麟がくる」
毎回感想書くほどじゃないんだけども、
脱落せずに見てます。
信長をはじめとする戦国武将だけに
焦点をあてるのではなく、
室町幕府や朝廷をちゃんと描いてくれているのが
好印象。

松永久秀は相変わらずキュート。
欲と矜持と、ユーモラスな部分が同居していて、
初回登場時から一貫してよいキャラクター。
今日、十兵衛とふたりで階段にちんまり座ってるのも、
「私の領地あげます」「マジで!?」のやり取りも
可愛かった。

そして、承認欲求の塊・信長。
ここまで子どものまま、
「褒めて褒めて!」が行動原理になっている信長像、
斬新だな。
「褒めてくれる人が好き!」なのも、幼児じゃん……。
帝にまでその承認欲求がバレてて、うまく操られている感。
それでいてそのキャラが一貫していて、破綻しておらず、
うまい具合にストーリーを動かしている。

よいキャラクターと展開も多く、
つまらないとは思わないのにハマれないのは、
やっぱり光秀のキャラの立たなさっぷりが
原因なんだろうか……。
怒っても苦しんでも、人格の核のようなものが不明なので、
史実に準じたストーリーに沿って動かされているだけに
見えちゃうんだよ。
たとえば、今回の比叡山焼き討ちに関しても、
彼の仏教界に対するスタンスがよくわからないので、
後悔だったり苦しみだったりに
「根」が感じられないんだよな……。

あと、義昭も、キャラ変しすぎじゃないか??
もちろん、増長するような環境や
信長に対する不満は描かれていたけれど、
変化が唐突に思えて仕方ない。

しっくりこないまま34話まで来てしまった。
あと10話で終わるってなんか不思議な感じ。
コメント (2)
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249:八條忠基『有識文様図鑑』

2020-11-27 19:54:09 | 20 本の感想
八條忠基『有職文様図鑑
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

「ヤベェ本」としてSNSで大ブレイクした
『有職装束大全』の著者による、
読みやすく、面白く、ためになる文様入門書。
豊富な写真と確かな知識に裏打ちされた
文様の奥深き世界へようこそ。

***********************

京都に行く前に読んでいた文様の本はこれ。

図鑑なので一気に読むタイプの本ではなく、
ぱらぱらめくったり、目的をもって調べたりするのに
よいのかも。
朽木形もそうだけど、
「本当にこれがいいと思ってたの? 本気??」
と思うような文様、結構あるな……。

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映画:『わたしは、ダニエル・ブレイク』

2020-11-27 19:50:23 | 映画の感想
2020年の映画⑮:『わたしは、ダニエル・ブレイク』(ケン・ローチ 監督)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

隣の誰かを助けるだけで、人生は変えられる
イギリス北東部ニューカッスルで大工として働く
59歳のダニエル・ブレイクは、
心臓の病を患い医者から仕事を止められる。
国の援助を受けようとするが、
複雑な制度が立ちふさがり
必要な援助を受けることが出来ない。
悪戦苦闘するダニエルだったが、
シングルマザーのケイティと二人の子供の家族を
助けたことから、交流が生まれる。
貧しいなかでも、寄り添い合い絆を深めていく
ダニエルとケイティたち。
しかし、厳しい現実が彼らを次第に追いつめていく。
 
***********************

友達に教えてもらって見たもの。
ネットありきのシステムについていけず、
保障の申請ひとつするにも多大な労力を強いられ、
マニュアル通りの型にはまったお役所仕事には
なかなか助けてもらえない。
主人公の直面する現実がもどかしい。
実際、本当に支援が必要な人には、
そのための情報にアクセスするために必要な環境が
整っていないことが多いんだろうな。
シングルマザーが缶詰を貪り食うシーンの
切羽詰まった感。
解決に向かって何か大きな変革が起こるのかと思いきや……
終盤の展開には
「マジで……? 正気!?」
とうろたえてしまった。
確かに問題提起にはなるだろうけれど、
エンタメだと思い込んで見始めてしまったので愕然……。
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248:河村恵利『時代ロマンシリーズ 14 淡つ江御寮』

2020-11-27 19:09:31 | 20 本の感想
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

戦国時代の覇者・織田信長の妹・於市には
三人の美しい娘がいた。
その末娘・お督の数奇な運命を描いた歴史ラブロマン!!
 
***********************

タイトルからわかるように、浅井三姉妹の江に関連した巻。
ドラマチックな人生なのだけども、
夫たちから江、江の夫たちへの思い入れが
それほど深くは描かれず、
この人生に関する思いのようなものも
押し出されていないので、
全体的にあっさりとした読後感。
ただ、これは無理もないなあと思う。
夫が三人もいるから、シリーズとして描く場合には
夫婦の関係に焦点を当てるのは難しい。
毎回それをすると飽きるし、白々しくなってしまうものね。

『淡つ江御寮』お市と長政、気になる秀吉
『大野御前』佐治与九郎とお江
『岐阜御前』秀勝とお江
『天女五衰』秀忠とお江、おしづ
『浮寝の宿』オリジナル? 江戸時代

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247:河村恵利『時代ロマンシリーズ19 辻盗り』

2020-11-27 07:59:29 | 20 本の感想
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

“辻盗り”とは、男が路上で気に入った女をさらい、
己のものとすること…。
表題作のほか不思議で切ない恋を描いた歴史ロマン傑作集。
 
***********************

再読。
この巻はオリジナルが多め。
畠山重忠の伝承をもとにした『袖の淵』は
遊女の行動に「なんでそこまで???」としか
思えなかったんだけど、確かに伝承には
「後を追って死ぬことが愛の深さの証」
みたいな思想が感じられる。

『辻盗り』 オリジナル
『梁の上』 オリジナル
『袖の淵』 畠山重忠と遊女
『相生』 オリジナル 江戸時代 ちょっと不思議
『いつわり誓文』 オリジナル 江戸時代 ちょっと不思議

最終話、土佐坊昌俊が絡んでくるとは意外。
起請文を書きながら義経を襲った、というエピソードが
八坂神社の末社・冠者殿社の「誓文払い」という祭事に
つながったとのこと。

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245:渡部泰明 『和歌とは何か』

2020-11-26 08:05:58 | 20 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

たった三十一文字の歌のなかに、枕詞や序詞など、
無用ともみえるレトリックが使われる理由とは?
答えのカギは、「演技」という視点にあった―。
身近な疑問を入口に、古典和歌の豊富な具体例をあげながら、
千三百年も続いてきた文学形式の謎に真っ向から取り組む。
歌の言葉と人が生きることの深いかかわりを読み解く、
刺激的な一書。

***********************

最近、和歌集をいくつか読んでいて気になったのが、
明らかに自分より身分の高い相手
(例えば、明石の上に対する光源氏)に贈る歌でも、
敬語が使われておらず、命令形だってこと。
この本の中にそれについての言及もあって、
やはり原則として、敬語は使わないものなのだそうだ。
和歌の言葉は現実の生活語とは違う次元の、
特別な役割を背負った言葉である、とのこと。

枕詞は何のためにあるか? という
あちこちで説明されているトピックについても、
いちばん説明がしっくりきた。
「五音・七音」というまとまりの中で
「五音(枕言葉)」が次の「七音」の予告となって
期待感を高める、選手紹介や相撲の呼び出しに似た
働きをしているとのこと。

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244:渡部泰明 編『和歌のルール』

2020-11-25 14:16:22 | 20 本の感想
渡部泰明 編『和歌のルール
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

これだけ知れば楽しく読める10の和歌のルールをやさしく説明 !

高校の教科書に載っている作品を中心に、
和歌の魅力を味わうのに十分な10のルールを選びました。
初めて和歌を読む人々を思い浮かべて書かれた、
わかりやすくて本格的な和歌案内書です。

ルールさえ知っていれば、今よりずっと楽しめるようになるのです。
ルールといったってずいぶんたくさんあるのだろうなあ、と
不安にならなくても大丈夫です。
どんな競技でも、基本的なルールはそう多くはないでしょう。
そのルールのうち、とくに基本的なものを
解説するのが本書の狙いです。
これだけ知っていれば、和歌の一番大事な魅力を味わうのに十分、と
いうルールだけを選び出しました。

もしかしたら、十個のルールでは少なく思えるでしょうか。
でもこれだけわかっていれば、かなりのものです。
格段に和歌が面白く読めるようになること、請け合いです。

執筆は、上野誠/大浦誠士/小林一彦/小山順子/鈴木宏子/
田中康二/谷知子/中嶋真也/錦 仁/廣木一人/渡部泰明。

***********************

章ごとに執筆者の先生が違い、
章の最後に執筆者がわかるようになっている。
途中で、
「もしやこれは……?」
と思った章が、著作を読んだことのある先生の
担当だったりすると、忘れているようで本の内容は
覚えているものだなと思う。

百人一首に取られた、
「春過ぎて~」「ひさかたの~」
の二種の枕詞は、枕詞の例として
取り上げられることが多いように思うのだけど、
実は用法としては珍しいものなのだそう。
驚き!
長歌についても知らないことがたくさんあった。

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243:河村恵利『時代ロマンシリーズ13 竹御所余聞』

2020-11-24 12:02:49 | 20 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

武門の府・鎌倉と公家の都・京――――
その暗闘に翻弄された男女の悲恋を描く、
ドラマチック歴史ラブロマン!!

*************************

「竹御所余聞」と銘打った鎌倉もの3編と
オリジナル2編。
将軍にふさわしい存在として公暁が注目されていくのに対し、
実朝の株は下がる一方。
実朝びいきでないわたしでもつらい……と思っていたら、
やっぱり裏があって、という展開。
義時と義村が語りあっているのに胸が熱くなってしまう。

毎回、本当にやるせないが、そこがいい。

【篠の小笹】竹御所と三浦光村、公暁
【花の根問】竹御所と三寅、光村、承久の乱
【なよ竹矢来】宝治合戦
【ひなの里】オリジナル ちょっと不思議
【岸の浦】オリジナル 江戸 ちょっと不思議

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