金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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映画:『ローマに消えた男』

2015-12-01 21:03:18 | 映画の感想
映画:『ローマに消えた男』(ロベルト・アンドー監督)
★★★★☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

イタリア統一選挙を目前に控えたある日、
支持率が伸び悩む野党をけん引するエンリコ(トニ・セルヴィッロ)が
突然ローマから姿を消す。
彼の側近アンドレア(ヴァレリオ・マスタンドレア)は、
急場しのぎにエンリコの双子の兄ジョヴァンニ(トニ・セルヴィッロ)に
代役を頼むことにする。
二つ返事で引き受けたジョヴァンニは、あっという間に人々を魅了し……。

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映画館にて。

はっきり説明されないことが多いし、
カタルシスを得られるタイプの話ではないので
一般受けしなさそうだけど、これは好きだ!
期待通りに面白かった。
主演男優の演じ分けが上手で、同じ顔・同じ髪型なのに
表情や身振りでどちらなのかがすぐにわかるし、
精神異常を抱えた替え玉の方が人々を魅了していってしまう展開に
はらはらもさせられた。
そして渾然としたラストも良し。
よくわからなかったところもあったので、もう一回見たいな。





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映画:『黄金のアデーレ 名画の帰還』

2015-12-01 20:47:17 | 映画の感想
映画:『黄金のアデーレ 名画の帰還』(サイモン・カーティス監督)
★★★★☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

アメリカ在住の82歳のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)は、
グスタフ・クリムトが描いた伯母の肖像画で
第2次世界大戦中ナチスに奪われた名画が、
オーストリアにあることを知る。
彼女は新米弁護士ランディ(ライアン・レイノルズ)の助けを借り、
オーストリア政府に絵画の返還を求めて訴訟を起こす。
法廷闘争の一方、マリアは自身の半生を振り返り……。

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映画館にて。

一言で言えば、「わかりやすい感動作」。
感動作のテンプレに沿って、
戦争・迫害・家族愛・逆転勝利という、いかにもな要素をちりばめているので
勝利が約束されたようなものだ。
映像と音楽、そしてさしはさまれる回想シーンを含めた演出の妙で、
「あざといな、くそー」と思いながら涙ぐんでしまった。

主人公格が、上品な老女と若造という組み合わせなのも良かった。
当初、意欲的に戦おうとしていたマリアがウィーンに帰り、
戦争の記憶を呼び覚まされ、国に失望して諦めようとしたのに対し、
戦争を経験しないランディの方が「民族の歴史」に触れて
頭に血の上った状態になってしまうのは、なんというか、
良くも悪くもすごくリアルだと思った。
若い人のナショナリズムって、こういうところあるよね。
知らないからこそ声高になる感じ。

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