金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

240:河村恵利 『時代ロマンシリーズ 10 かがり火百万石』

2020-11-22 20:55:50 | 19 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

戦国時代、乱世の荒波に翻弄されながらも、
加賀百万石の礎を築いた前田利長・豪姫の愛と修羅!!

*************************
『かがり火百万石』 利家と松
『夜半の嵐』 利家の嫡男・利長と、信長の娘・永姫
『波振り』 利長と茶々
『花の香籠め』 利長と家康
『葉の上』 利長の弟・利政と蒲生氏郷の娘・籍 

1冊通して加賀前田家。

表題作は利家と松の話かと思いきや、
利家の姉嫁と松の関係が中心。
利家と松、10歳近く歳が離れてたんだな。

「夜半の嵐」の永姫とお麻阿の関係性、
歳の差夫婦の間の空気が可愛い。

茶々の人物像もテンプレートでなく好感が持てる。

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89:岡田鯱彦 『薫大将と匂の宮』

2020-05-04 21:07:31 | 19 本の感想
岡田鯱彦『薫大将と匂の宮』 (扶桑社文庫)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

薫大将と匂の宮、光源氏の亡き後に二人の貴公子が織りなす物語こそ
『源氏物語』でも名高き「宇治十帖」である。
千年以上に亘って未完とされていたその『源氏物語』には、
驚くべきことに幻の続編が存在した。
貴公子たちの恋の鞘当てが招く、美しき姫君たちの死。
平安の宮中を震撼させる怪事に、紫式部と清少納言が推理を競う。
絢爛たる長編小説を表題に据えた王朝推理傑作選。

************************************

最近、創元推理文庫から新装版が出たようなのだけど、
わたしが読んだのは扶桑社版。
このあらすじからして自分は絶対好きだろうと思ったのだが……

200ページ強しかない表題作を読み切るのに3日かかった。
その他の収録作品も、「先へ先へ」と気が急く感じじゃないのよね……。
よくできてるなあ、と思うし、
六条御息所に関する源氏物語の記述の謎がいかにして生まれたか、という
「『六条御息所』誕生」なんて、
新書だったら普通に面白く読んでいたと思う。
なんというか、どの話も、物語じゃなくて
「説」を読んでいる感じがするの。

「艶説清少納言」だけは、キャラ付けや関係性が
今まで読んだものとはまるでちがう感じで、楽しかったけど。

わたしの中で、「うまい」「よくできている」と「面白い」が
両立しない稀有な本だった。

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大河ドラマ「麒麟がくる」#14

2020-04-19 20:12:46 | 19 本の感想
今回も、いなくていい十兵衛だった(通常運転)。


彼が登場するシーンにほとんど意味はなく、
道三・義龍とのシーンでの発言も、
キャラが定まってないものだから
義龍への義理で言ってるのか
本当にそう思ってるのか、ようわからんのよね。

ずーっと反抗期の義龍だが、
道三のほうはちゃんと対話しようとしてる。
信長についても噂だけで判断しないように
説いているのに、
義龍の返答は、「そんなに信長を気に入ったのか」で、
もう言葉が届かない感じ。
たぶん、「俺より気に入ったんだろ」って
独自解釈でますますいじけてる。

深芳野は自殺したの??
義龍は、母の死を契機に
自分に家督を継がせることを
道三に約束させたが、器の小ささが強調されるばかり。

【その他いろいろ】

・熙子、やっぱり性格悪いな。
 帰蝶への優越感がちらり。

・菊丸・駒・藤吉郎で三角関係が。

・前田利家、佐々成政ちらりと登場。
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74:『旧国名でみる日本地図帳: お国アトラス』

2020-04-10 20:22:50 | 19 本の感想
旧国名でみる日本地図帳: お国アトラス』 (平凡社)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

日本の地理・風土は旧国に根ざしている!
日本の古い地理的単位であった旧国で区分した地図を、
国の概要や特産とともに紹介。
郷土の歴史や風土が再発見できる「読む地図帳」。

************************************

ネットでたまたま見かけて購入。
旧国名の地図はよく見るけれど、
現在の都道府県と照らし合わせをすることがなかった。
これは現在の都道府県と重ねつつ、ひとつの国として抽出して
街道や遺跡を示してくれている。
交通の要所だったのかどうか、栄えていた場所だったのかどうかが
イメージしやすい。

情報量は予想していたよりは多くなかったけれど、
上記の「イメージのしやすさ」という点では文句なし。

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239-240:最近読んだ本(メモのみ)

2019-12-30 18:45:47 | 19 本の感想
安藤正基『八十亀ちゃんかんさつにっき: 1
★★★☆☆

ご当地ネタ漫画も飽和状態って感じがするけど、
やっぱり地元民としては楽しいものだ。



デイヴィッド・S・キダー他『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365

全部は読んでいないので、好み度★はなし。
日本の書店でも平積みになっていて、
売れてるんだな~と署名を覚えていた。
Amazonプライムの読み放題で読みはじめ、
「音楽」のコーナーで早々に挫折、
あとは興味のあるところだけ拾い読み。
日本人向けの内容じゃなかったけど、
知っているようで知らないことはたくさんあって
ためになった。
かつての百科事典の訪問販売と同様、
教養コンプレックスはお金になるのだろう。

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238:ニーチェ/適菜収 『キリスト教は邪教です!』

2019-12-30 18:15:56 | 19 本の感想
ニーチェ/適菜収『キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』』(講談社+α新書)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

名著、現代に復活。
世界を滅ぼす一神教の恐怖!
世界を戦火に巻き込むキリスト教原理主義者=ブッシュ、
アメリカの危険を百年前に喝破。

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友だちが「おもしろかったよ」と言って、くれた本。
センセーショナルなタイトルだけど、タイトル通り
キリスト教批判。
ニーチェの著作をわかりやすく訳した、いわゆる「超訳」もので、
どこまで原典に沿っているのかわからないけど、
次々に繰り出される悪口がおかしい。

「『新約聖書』の世界はほとんど病気。社会のクズや神経病患者、知恵遅れが、こっそり皆で集まったような、まるでロシアの小説のような世界なのです」(P.78)

だの、

「本当にお下劣な野郎ですね」(P.99 パウロを評して)

だの、

「本当に、ドイツ人はろくなことをしません」(P.170)
 
だの、言いたい放題。

ただ、意外なことにイエス自身のことは批判していないんだよね。
彼や彼の教えを利用したパウロや僧侶、教会は
さんざんこき下ろしてるんだけど。


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237:桑原水菜『遺跡発掘師は笑わない 元寇船の眠る海』

2019-12-30 18:14:50 | 19 本の感想
桑原水菜『遺跡発掘師は笑わない 元寇船の眠る海』(角川文庫)

★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

今度の舞台は九州北部! 天才発掘師・西原無量の事件簿・第6弾!

若き天才発掘師・西原無量が派遣されたのは、
長崎県鷹島沖での水中発掘調査チーム。
蒙古襲来の折に沈んだ元寇船の調査だったが、
その近くで無量が美しい黄金の剣を発見し!? 大人気シリーズ第6弾!!


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気のせいかいつもよりも読みやすく、
さくさくと読了。

今回は元寇がらみの事件。
今までそれほど興味がなく、詳しくもなかったのだけど
興味をそそられた。
九州に行ったとき、観光スポットとして
焼き物の産地がいくつか紹介されていたけど、
そうだよね、朝鮮出兵のときに陶工を連れてきたからだよね。

萌絵の立ち位置もしっくりくるようになってきた。


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236:小椋佳 『言葉ある風景』

2019-12-29 21:04:52 | 19 本の感想
小椋佳 『言葉ある風景』(祥伝社黄金文庫)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

詩をつくり、歌い、全国各地を旅し…学者には書けない、日本語論。

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シンガーソングライターの著者が、
「言葉」に関して綴ったエッセイ。

「お転婆」はオランダ語の「オンテムバアル」が語源だとか、
「あかの他人」の「あか」は「閼伽」だとか、
知らないことがいっぱいだった。

ただ、こういう話がひたすら続くので、一気読みはできなかった。
雑誌に連載されているコラムみたいに、ちょこっとずつ読むのが
合っている内容だ。

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224ー235:最近読んだ本(メモのみ)

2019-12-21 19:50:22 | 19 本の感想
小田真規子『休日が楽しみになる昼ごはん
★★★☆☆

電子書籍にて。
こういう類の本は好きなんだけど、個人的に今回のメニューは
あまりそそられず。



「日本語書き順」研究会『書けますか? 自分の名前の「書き順」 「日本人に多い名字」編 (角川文庫)
一部しか読んでいないので好み度★はなし。
書き順だけじゃ間が持たないのか、
苗字の由来や難読名字などの紹介も。




斎藤孝『「読む・書く・話す」を一瞬でモノにする技術
★★★☆☆

最近、「やったほうがいいこと」を知っていても実行できる人は多くない、
という話を読んで、反省することしきり。




瀬戸口みづき『ローカル女子の遠吠え【電子限定版】1巻・4巻』
★★★☆☆

電子書籍にて。漫画。
ずいぶん前に4巻だけいきなり買って読んで(いきさつは忘れた)、
その後で1巻を読むという、自分でも謎の読み方をした。

静岡県は隣なのに全然なじみのない県だ。





川村拓『事情を知らない転校生がグイグイくる。 1巻~4巻』
★★★★☆

これもWebで読んでいたのをお布施買いしたもの。
可愛い。



こもとも子『ごほうびごはん 1巻
★★★☆☆

毒にも薬にもならない、ごはんもの。
自炊したり、外食したり、「ごほうびとしての食事」以外に
一貫したテーマやコンセプトはなく、盛りあがりもオチもなく。
ただ、おいしいものが食べたい! という気分にさせられる。



目黒川うな『織田シナモン信長 1・2』
★★★☆☆

信長はじめ戦国武将が犬として現代に転生!という設定で
ツッコミどころ満載なんだけども、
知らなかった信長のエピソードを教えてくれるし、
とにかく犬が可愛いのでよし。



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223:篠綾子 『藤原定家謎合秘帖 華やかなる弔歌』

2019-12-20 14:54:22 | 19 本の感想
篠綾子『藤原定家●謎合秘帖 華やかなる弔歌』(角川文庫)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

後鳥羽上皇から勅撰和歌集の六人の撰者の一人に
任命された藤原定家。
そこにある日、歌神と名乗る者から脅迫文が届く。
曰く、ただちに和歌所を閉じよ。
さもなくば、当代の六歌仙を一人ずつ死に至らしめる―
これは後鳥羽上皇への挑戦状なのか。
当代六歌仙とは誰を指すのか。
そして、歌神の正体は一体!?
次々舞い込む弔歌と相次ぐ歌人の死。
事件の真相に迫る為、定家は長覚の力を借りて再び謎解きに挑む!

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すぐに続編を読んだということは、やっぱりわたしは
この作品が好きなんだよね……
絶賛できないんだけど、好きなんだよ。

真相に「そうだったのか!!」感がなく、
「その結論から考えて、そういう手段をとる必然性なくない??」
という疑問は今回も解消されないんだけど、
前作よりはもやもやが残らない。

ちゃんと和歌所での仕事を描いていて、
妹と通具の関係など定家周辺の人間関係を踏まえた
エピソードも織り込まれ、そこは満足。

自分は六歌仙の誰になぞらえられるのか、やきもきしたり
不満に思ったりする定家がおもしろい(妻とのやり取りに笑った)。
そして、すでに亡くなっているというのに、
式子さまへの言及の多さときたら。

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