ちょうど今公開中のヴォーリズ建築の六甲山荘へ訪れた。
六甲山荘は関西大学教授であり、大丸百貨店監査役や神戸ゴルフクラブ理事なども務めた小寺敬一の別荘として昭和9年に建築された。
木造平屋建てで建築面積約80坪の建物。
六甲山荘まで電車やバスの乗り継ぎが大変そうだったのでこの日は車で家族についてきてもらい、私が六甲山荘を見学している間、
子供たちと旦那には六甲自然観察保護センターのボランティアガイドさんの案内による自然観察会に参加してきてもらったが、これも結構楽しくてよかったようだ。
この建物のメインルームのリビングは、夏の別荘ということで直射日光を避けて庭に面する北西二面全面に開口部を設け、明るさを取り入れている。
ほんとにガラス越しに見える庭の緑がきれいで光がやわらかく、涼しげだ。
築70年ほど経っているのだが最高級の建材を用いて造られ、歴代の持ち主にも大切に使われていたということで、ほぼ傷みもなくきれいに保存されているという。
床はナラ材、壁はヒノキ、天井には太いマツの梁が通されている。
壁のヒノキはあえて節の多い部分を使用し、又一枚一枚の板の幅をランダムに取るなどして山荘の雰囲気を出している。
床と壁の接点に当たるところにはカーブをつけて巾木を付け、掃除をしやすくするなど、ヴォーリズならではの心配りのある設計が見られて、すごい!と思ってしまった。
大工泣かせではあるようだが・・
リビング南面の中央には暖炉が置かれている。
暖炉は御影石で出来ていて、床のタイルは京都の泰山タイル、両脇には二人掛けの椅子が備えられている。
椅子の座面を上げると中には薪がしまわれている。
ヴォーリズらしく収納にもあちこちに工夫が見られる。
ヴォーリズがデザインして作らせたというドアノブ。
リビング横にある食堂。
意外とこじんまりした感じだったが家具も当時のもので、ステンドグラスの扉がつけられた食器棚がある。
リビングとの間は釣り戸で開閉式になっていて、食堂側にしか引き手がついておらず、戸を閉めてしまうとリビングからは壁のように見えるなど、細かい配慮がされている。
夫婦の寝室。
この寝室の隣に二部屋子どもの寝室が並ぶ。
寝室と寝室の間には洗面所とトイレが両方から使えるように配置されている。
厨房のかまどには凝った装飾がされていた。
他にも五右衛門風呂や女中部屋には壁に収納できる備え付けアイロン台なども残っており、あちこちにヴォーリズならではの工夫が盛り込まれた建物を堪能できた。
ちょうど六甲ではあじさいが見頃で、あちこちに満開のきれいな花が見られた。
いい時期に行けてよかった~