今月の建築講座で大阪大学へ訪れてきた。
以前個人的に見学したことはあったけど、今回は解説付きで、そして内部の講堂なども見ることができた。
こちらは昭和3年に建てられた大阪大学会館で、旧制官立浪速高等学校本館だった建物。
玄関周りは三角形をモチーフとした装飾や照明のデザインが見られ
玄関扉上部にも山型のギザギザモチーフのステンドグラスが。
先生の改修前に撮られた写真によると、ステンドグラスは180度ひっくり返ったデザインになっていて、
修復時に上下間違って設置されたのではないか?とのこと。
登録有形文化財ともあろう建物なのに、そういう間違いがあるんだ~と驚いた。
たしかに、これをひっくり返したら、葉に挟まれた花が連なるデザインにも見えるし、そっちの方がしっくりくる感じ。
階段はどっしりした六角形の親柱に、腰壁に入れられた面格子が連なる。
こちらのデザインも三角や山型のギザギザがモチーフの独特なもので、
プレキュビズムと言われる様式なのだそう。
講堂へ。
こちらの2階客席の腰壁にも不思議な三角すい状のモチーフが入れられ、
舞台の両脇には忍者のまきびし風デザインの照明カバー?!も
舞台側から見たところ。
アーチの中央が山型になっているのは雨水などがとどまらず両側へ流れおちるようにとのことだそう。
3階の階段ホールにあるのは、改築工事中に元校長室から発見されたという奉安庫。
金庫部分を保存して、周囲の漆喰のレリーフを一部復元したのだそう。
こちらは昭和6年に建てられた旧制大阪帝国大学医学部付属病院石橋分院で
現在は総合学術博物館となっている。
建築当初は玄関の建物内部に設置されていたという壁泉。
現在はテラスの隅に復元され設置されている。
羊の口には当時は流れていただろう吐水口が開いていた。
玄関を入ると床には人造石研ぎ出しによるカラフルな幾何学模様が見られ、
玄関ホール壁にはみっしりとタイルが貼り巡らされている。
中央の階段は上がり口の角が緩やかなカーブを描き、
階段を上がると踊り場には左右対称にデザイン違いのステンドグラスが入れられている。
このちょっと控えめな模様はモンドリアンパターンといわれるものだそう。
色ガラスをよく見ると、ちょっとマーブルがかかったものや二色が混じりあったものなど
深みのある美しい色彩のものばかり。
このピンク色のガラスもなんとも言えずかわいい色
屋上へ出ると、かつて水回りに貼られていたらしき、きれいな釉薬の掛かったタイル部分があった。