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ロームシアター京都(京都会館)建築ツアーその一

2018-08-17 | 建築巡り・街歩き【京都】

先日、ロームシアター京都の建築ツアーへ参加してきた。

昭和35年、前川國男設計により建てられた京都会館は平成24年に一部改築、改修され、ロームシアター京都として

三つのホールにレストラン&カフェなどが新設されて再オープンした。

その改築、改修の基本設計を担当されたという香山壽夫建築研究所の下川太一氏にレクチャーを受けながら

建物見学することができた。

 

 

改築、改修にあたっては、日本を代表するモダニスム建築として評価の高い京都会館の建物価値を検証し、

当初の設計思想や特徴をできるだけ生かし、古いものに新しいものの価値を重ねるという方法で構想を練られたという。

 

 

外観は建築当初からの日本の木造建築をコンクリートで模した力強い造形のまま

 

 

欄干を模した手摺や

 

 

南禅寺三門の反り上がる屋根をイメージした屋根、

 

 

三門をイメージしたというピロティには力強いコンクリート打ち放しの柱が建つ。

 

 

軒下天井パネルは改修時にはボロボロだったため、耐震補強のために改修された部分。

 

 

ピロティからメインホールに続く中庭に敷かれた石も、建築当初のものは突起が大きかったため、

訪れるお客さんを考慮し、フラットなものに入れ替えられたそう。

 

 

そして新たに付け加えられのはこちらの中庭を取り囲むバルコニーを内部化した部分だそう。

 

 

こちらの本来はバルコニーだった場所に金属製屋根とガラス壁を取り付けることで内部化し、

雨除け、待機所としての役割をもたせたという。

こちらは伝統建築の裳階(もこし)の意匠を現代的に取り入れたものだとか。

 

 

そしてこちらのスペースはメインホールにつながる。

 

 

 

 

和を意識したデザインの格子戸がメインホールとの仕切りに入れられている。

 

 

エレベーターホールを囲むタイルはやわらかい青磁色。

ブラウン系の絨毯ややきものタイルともマッチしてる。

 

 

本来は外のバルコニーの手摺だったコンクリート造りの欄干はそのまま残されている。

 

 

床のタイルはそのまま。

備前焼のような風合いの素焼きの渋いタイルが敷かれてる。

 

 

一枚一枚違った焼きムラのあるタイルが味わい深いなあ。

 

 

外から見て、この階段が付いているところまでの部分は当初はバルコニーだったところ。

後付けのガラス壁や屋根は違和感なくなじんでいるように見える。

 

 

そして、改修の際、こだわった点の一つに、二条通に面する三門と重なるピロティから中庭を通って、

裏の冷泉通へ一直線に通じるホール内の空間。

この空間を不足している楽屋スペースとして使うという意見もあったそうだが、

当初からのこの空間構成を優先したのだそう。

 

 

その通路の壁面には東山の稜線をイメージしたという塗壁。

 

 

銅と緑青をふかせた銅、一番下は鉄と金属で構成されている。

 

メインホールなどへ続く・・

 

 

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