友人とランチをしに梅田へ行った後、ちょうどリクシルギャラリーで始まった「富士屋ホテルの営繕さん」の展示に訪れた。
富士屋ホテルはまだ宿泊はしたことがないのだけど、近代建築好きとしては憧れのクラシックホテル。
今年創業140年を迎えたというホテルは、創業以来初めての大規模改修の為、2年間の長期休業に入るという。
その機会を利用し、展示では富士屋ホテルの建物のあらゆるメンテナンスに携われているという「営繕さん」にスポットを当て、
ホテルの様々な魅力的なディティールが共に紹介されていてとても楽しい展示だった。
なんと欄干などの現物展示もあった。
改修中の今、一時保管されたものだそう。
ホテルの様々なところに印象的に使われている朱塗りの欄干のメンテをされるのも営繕さんの仕事だという。
褪色した朱塗りの塗装や、その場に合わせ新たに手摺をつくるなど。
この富士山の彫刻もひとつひとつ手彫りで彫られたのだなあ。
新しく造られた設備もホテルの歴史的な建物の中になじむようにつくられているのがすごいなあ。
ホテルの細部の意匠も気になる。
かつてフロントのカウンターとして利用されていたという欅の一枚板のカウンダ―。
細部まで細かく彫り込まれていて素敵。
普段立ち入りできそうにないスィートルームらしき?お部屋の意匠も興味津々。
部屋の中にも朱塗りの欄干が回っていたり、花頭窓があったり。
猫足の洋風のバスタブに寺社仏閣風の花頭窓の取り合わせも面白い。
タイル好きの私としてはぜひとも見てみたいモザイクタイルみっしりのトイレは圧巻・・
43室ある客室全てに異なる花の名前がつけられているという花御殿のルームキー。
めちゃめちゃきれいだなあ~
ドアにも花、カーテンもその花をモチーフに部屋毎に特注だとか・・
手を加え修理された椅子と三代目の経営者を模したとされる飾りがついたカウンター。
顔が面白い・・
これはたしか、ぷにょさんのブログで見た気がする。
ホテルの各所にある手描きの看板をつくるのも営繕さんの仕事だそう。
どの文字も味わいがあっていいなあ。
先ほど写真で見た花御殿のルームキーの2013年まで使われていたという現物展示も。
長さ20cm以上あるんじゃないかというくらいの大きさ。
絶対なくさなさそう。
取り外された金物類は次の使用の機会のために大切に保存されているという。
美しいアールヌーヴォーデザインのドアノブ。
古いものを大切に使い続け、
できる限り新しいものに変えずに手を加えて修繕する。
修理で効かなくなった場合はその場になじむものを新たにつくられたり、違和感のないものに交換など、
ホテルの建築や備品に至るまで、細心の注意が払われ、当初からの雰囲気が損なわれないように大切に維持されている
様子を知ることができ、営繕さんのすばらしい仕事ぶりと富士屋ホテルの魅力をたっぷり味わえた。
展示を見たらますます本物のホテルに泊まりたくなってきた;
営繕さんの修理部屋。
ところで今日は展覧会の初日だったこともあり、本物の営繕さんがギャラリーの館長さんと一緒にギャラリーに登場されてびっくり!
少しお話もさせて頂け、以前にとあるお願いをし、お話したことのある館長さんとも初対面できて感激した。