2日目の宿は、熱海の竜宮閣へ。
モザイクタイルのお風呂があるというし、駅近で便利だったのでこちらに決めた。
ガラガラと扉を開けると、玄関ホールから凝った意匠の数々が目に飛び込んできた。
後ほどご主人と奥さんとゆっくりお話できる機会があり、
いろいろとお話を聞かせて頂くことができた。
こちらの旅館は元々は蕎麦屋を営まれていたそうで、旅館になってからは80年以上。なので蕎麦屋さんの名残りがあちこちに見られる。
戦時中は学徒動員の宿泊所として使われたため、建物も壊されずに済んだのだそう。
この組子格子が美しい小窓は蕎麦屋さんの時代には受付として使われていたのだそう。
廊下には竹で細工がされた火灯窓。
この下履きを入れる棚も当初からのものだそうで、
扉を開けると、扉が落ちてこないようにストッパーが付けられているなど丁寧な造りになってた。
スリッパ立ても味わいがあるなあ。
玄関のたたきはモザイクタイル貼り。
玄関入って右手の小部屋は以前はロビーに、蕎麦屋時代は待合だったという。
天井の細工などこの部屋だけは洋風の意匠が見られる。
宿名の竜宮閣にちなんで、お客さんが持ってきてくれたという亀が
部屋の入口の小屋根の上に乗ってる。
磨き込まれた廊下や階段の手摺
階段の壁面には数々の有名人のサインが飾られていて、
多くの人から愛されている旅館なのだということが伺えた。
壁に入れられた飾り窓、部屋の前には石畳が敷かれてる。
さまざまな自然木を用いた各部屋の入口扉も風流。
部屋の入口には、こんな坪庭的な設えがされている部屋もあったり、
いろいろと趣向が凝らされている。
今回泊まらせて頂いたお部屋。
この障子の向こうには小階段があって、階段を上がると花火がベストスポットで見れるスペースが設けられている。
自分の部屋のは写真がボケてしまっていたので、別の見せて頂いたお部屋も
こんな風に部屋の中に花火大会用の展望部屋?のようなものが一つずつついていた。熱海花火大会時には特等席になるようだ。
共同の洗面所はステンレスのシンクに周りはミントグリーンのモザイクタイル貼りに。
御手洗いもモザイクタイルが貼られ、こんな飾り窓が。
御手洗いの扉の透かし彫り
そして地階にある温泉へ。
地階にも部屋がいくつかある。
鶴の意匠が美しい小窓。
浴室の扉を開けると、浦島太郎と竜宮城が描かれたモザイク画!
亀に乗った浦島太郎、わかめやサンゴの間を魚が泳ぐ。
温泉マークと竜宮閣の名前も。
源泉掛け流しのお湯はちょっと熱め。
お湯の量が豊富なので、水道代はかからないかと思いきや、
逆に熱いので薄めて入るお客さんが多いために水道代がばかにならないのだそう。
又夏の海水浴客が持ち込む砂が細かくて悩みの種だとか。
旅館業のご苦労がしのばれる。
温泉成分が蛇口周りに結晶化してる・・
3Dタイルが敷き詰められた床、ステップもモザイクタイル貼り。
竜宮城の向かいの壁面には、女性が川で水浴びする様子が描かれたタイル絵がかかっていた。
浴室は二つあり、もう一方の浴室には、鯉が描かれたタイル画
額縁はマーブルタイルが使われている。
こちらはたしか有名な画家さんが描かれたものだと言われていた。
タイル画を眺めながら至福の朝風呂タイム。
九谷焼のマーク?
向かいの壁面は浜辺の松林に帆かけ舟や富士山が描かれている。
「京葉」とサインが入ってた。
竜宮閣、お風呂も建物もタイルもいろいろと満喫できてよかった。。