m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

リスト・ハンガリー文化センターでの講演会&岩の湯

2023-07-13 | 建築巡り・街歩き【その他】
今回のハンガリー&チェコの旅で、参考にしていた本のひとつ、
「ハプスブルグ帝国のアール・ヌーヴォー建築」の著者小谷匡宏氏の講演会が開催されると、ハンガリー大使館観光室の方に教えて頂き、
開催がちょうど旅行から帰ったばかりのタイムリーな時期だったこともあり、
東京まで講演を聞きに行ってきた。


小谷氏は建築設計や介護施設の経営の傍ら、三十数年の間に世界中の大半のアール・ヌーヴォー建築を見て回られたという。
その現地調査と資料によると、世界のアール・ヌーヴォー建築の1/2は東欧に、1/4はハンガリーにあるとのこと。その分布はユダヤ人の人口の分布と一致し、アール・ヌーヴォー建築はユダヤ資本によって建てられたのでは、
という研究の成果や、現地で実際に見られた様々なアール・ヌーヴォー建築の写真をスライドショーと共に解説して頂けた。


スライドショーでは、自分も見てきたばかりのブダペストのアール・ヌーヴォー建築を見て、リアルに思い出したり、まだ訪れていない都市の特徴的なアール・ヌーヴォー建築の数々を見て、次はどこへ行こうかなあ、と思いを巡らせたり・・
セラミックを取り入れた建築は、ブダペストに多く見られたが、
やはりそれはジョルナイ製のものがほぼ100%らしい。
ひょっとして、ヘレンドとかも建築用陶器を扱ってたりするのかなあ、と思ったが、それはないようだった。

最後はお世話になった観光室の方にご挨拶もでき、小谷氏も、ご紹介して頂き、お話することができてよかった。



この日は日帰りで、泊まらず夜行バスで帰る予定だったので、バスに乗る前にどうしてもお風呂に入っておきたく、
前回行き損ねた赤羽岩淵にある銭湯、岩の湯へ行くことに。
晩御飯は、その近くに見つけた洋食屋さん、「キララ」へ。
デミグラスソースのオムライスを注文したら、ソースがめちゃ美味しかった。
サラダもサービスして頂けてうれしい。


そして岩の湯へ。
加藤郁美さんの「にっぽんのかわいいタイル」にも載っている銭湯で、
前にもおすすめされてたので行ってみたかった。


玄関を入ると、たたきに貼られていたモザイクタイル。


そして両脇には、存在感を放つ傘立て、


中央には宝船が描かれたタイル絵が。
入口からテンション上がる~


ちょうど、訪れた時、誰もおらず、、
しばらく女将さんと話をしていたのだが、誰も来られないうちに写真に撮ってもよいと言って頂けたので、激写。
銭湯へ行くことは、泊まりとかじゃなければそうそうないのだけど、
自分は結構な確率で、誰もいない時間によく遭遇して、
こうして撮らせてもらえることが多い。
タイル好きとしては、とても有難く、うれしい〜


圧巻だったのは、この桃太郎のタイル壁画。
洗い場のシャワー&カランブースに、絵巻物のようにずらっと絵が描かれている。


絵のタッチもとても繊細。
絵の上は、マーブルタイルが一列に並ぶ。


床へ目をやると、玉石タイルの中に貝のタイルが混じってる~
可愛い~この貝のタイル、自分も持ってるけど、こんな広範囲で、所々に入れられてるのを見ると、可愛さ際立ち愛おしくなる。


女風呂と男風呂にまたがって描かれてる富士山らしきペンキ絵も大迫力。
サインが入っていたが、2014年に描かれたもののようだ。
銭湯は、女将さんによると、昭和14年ごろから始められたと言われてた。
とにかくお風呂が広くて、天井も高く、洗い場は4列くらいあった。
この午前中に訪れていた江戸たてもの園で保存されてるお風呂屋さんが、
とても広くて、驚いてたのだけど、現役でもこんな大きなお風呂屋さんがあっただなんて、感激。
床面積が広いから掃除が大変だろうなあ。


一方の壁面は全面ガラスブロックになっていた。


浴槽は、横に並んで二つ。
これが、両方ともとても熱い。
自分はどちらかというとぬるめ派なので、耐え切れず・・


カランと玉石タイル。


洗い場の水の排水周りのタイル貼り。


一画にはこんなタイルも貼られてた。


こちらのタイルも少し新し目。


一部、補修のようなツギハギ部分も。



女将さんがとても親切で、タオル、持ってきてるのに余分に貸してくれたり、
いろいろお世話を焼いてくださった。
タイルも見れて、バスに乗る前に汗を流せてさっぱりできてよかった〜
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ハンガリー&チェコの建築&タイル旅2023【事件&ルダシュ温泉&東駅&ペーチ駅他】

2023-07-12 | ハンガリー&チェコのタイル&建築旅2023
ブダペスト3日目は、ペーチへ行く予定で、列車のチケットもウェブ予約していた。
列車の予約やブダペストの情報については、事前にハンガリー大使館観光室へ問い合わせして、時刻表から、かなり分かりにくい入力方法まで教えて頂き、無事予約することができ、とてもお世話になった。

朝一でペーチへ行くことも考えたが、ブダペストで朝活してから
8時台の列車で行くのが効率がよいと考えて、まずは朝活に、ルダシュ温泉へ行くことにしていた。

その早朝のこと、事件が勃発。
ホテルの部屋から出ようとしたら、、カギを回してもカチャっと音がするのに扉があかない!
そういえば、オーナーさんが来た時にも一度開かないことがあって、
小窓からカギを差し出して外から開けてもらったことがあった。
まずい~何度やっても開かない。
オーナーさんは、たしかこの日は留守にしてると言ってた。
電話をしてみるも、繋がらず・・(番号の前の+を押し漏れていた;)
一応、メールもしたが・・気づいてもすぐには来れないだろう。
こうなったら助けを呼ぶしかない~~
アパートなので、誰か住民がいるはず。
「助けて~~!Help me please!」何度か叫んだが、誰も助けに来てくれる気配なし・・
たしかベランダがあったので、そこから脱出できないだろうか?!
とベランダを確認するも、2階とはいえかなりの高さがある。
飛び下りたり、伝い下りるのは不可能、しかも人が通る気配なし。
せっかく早起きしたのに、部屋から出れなかったら水の泡じゃない~!
それどこか気付かれずに1日部屋に閉じ込められてしまったら、、ペーチへ行けないじゃん!!これは、ヤバい〜
ひょっとして叫び声に切迫感が足りないから、誰も緊急事態とは思わず来てくれないのでは?と、
「助けて〜〜〜!」
少し大げさ目に叫んでみた。
何度か叫んでいると、ようやく住民が出てきてくれた!
「ドアが開かないんです!外から開けてください」と小窓からカギを差し出すと
外からだと簡単に扉が開いた。「はぁ、助かった~~」住民にお礼を言い、
ようやく脱出。
事件のおかげで予定より数十分押しで、ルダシュ温泉へバスで向かった。


ルダシュ温泉へ到着。慌ててて外観を撮るのを失念したが、
内部は新しく改装されていた。
古いまま残ってるはずの八角形のトルコ式浴室は、残念ながらこの日は男性用のようで、入れないとのこと。


廊下にはトルコ風風呂のタイル絵が掛けられていた。



温泉は、水着着用で、水泳ゾーンと温泉ゾーンに分かれている。
ここは水泳ゾーン。水泳帽要着用。
ちょっと泳ぎたかったけど、持ってきていた帽子をたぶんゲッレールト温泉で
ポケットに入れてて落としてしまっていて断念。(有料で借りることもできるが)


吹き抜けのプールを囲んで1階、2階と回廊が巡っていて、休息スペースになっている。


更に奥の温泉ゾーンへ。
青い羊の壁泉がお出迎え。
新しいもののようだけど、ジョルナイ製のものかな?!


日本では壁泉といえば、ライオンがポピュラーだけど、
ハンガリーではライオンより羊をよく見かけた気がする。





更に、濃いブルーの陶製ベンチと、壁泉があって、



その奥が温泉に。
程よい温度で暖まって気持ちいい。
浴槽は細かなモザイクタイル貼り。


窓からは、ドナウ川に架かるエルジェーべト橋が望める。


浴槽だけでなく、柱や壁面も細かなモザイクタイル貼りに。


細かなモザイクを2列ずつずらして貼られてた壁面。


水風呂やぬるめなどいくつかあるモザイクタイルの浴槽に、
エオシン釉のような光沢のある存在感のあるタイルがアクセントを添える。





シャワーブースは黄色のタイルでコーディネイト。



ブルーの羊と色違いの壁泉。

温泉を出た後は、ペーチへ列車で向かう為、東駅まで、元来た道をバスで戻らないといけなかったが、なんとバス停が見つからず・・
通常だと向かいの道沿いにあるはずなのに全然見つからなくて、
列車の時間が迫ってきて、泣きそうに;
結局温泉に走って戻って、受付で聞くと、これは分からんだろうっていうようなトリッキーな場所にバス停があったのだった。
あ~、慌てた・・
今後は遠出する日の朝は、近場でおとなしくしとこうという教訓を得た。


そして、ブダペスト東駅に戻ってきた。
東駅は、ブダペスト最大のターミナル駅で、地下鉄とも接続していて、今回の宿泊ホテルの最寄り駅でもある。


1日目に撮った写真も交えて。
駅舎は、1884年に建てられたもので、当時はヨーロッパでもモダンな駅舎とされていたそう。
初日に初めて地下鉄から上がって来た時に、目の前にそびえたっていた堂々とした佇まいの東駅を見て、ヨーロッパへやって来た感がふつふつと沸いてきた。


駅構内からガラス貼りのファサードを。


ガラス窓に入るグリルも細やかなデザイン。


主な国際列車と国内線も発着する。
掲示板を見るとペーチへ行く列車は更に奥のホームだったので
急いで走った。




構内にはこんなかわいい売店がぽつぽつある。


無事列車に乗れた。


座席は、こんな感じの向かい合わせの6人掛けコンパートメント。
途中で、遠足らしき?中学生やらが入れ替わり乗ってきて賑やかだった。


内装の鮮やかなブルーと黄色のカラーリングも素敵だな。



ちなみに帰りは、こんな座席。
真ん中のテーブルが折り畳み式で、手前にパタンと開けて、お弁当など置くことも可能。


約3時間ほどで、ペーチに到着。
良い休息時間になった。



こちらはペーチ駅。
ブダペストの東駅に比べるとさすがにこじんまりとした駅。


内装は新しくなってるようだったけど


シャンデリアが、ステンドグラスも入った面白い形のもの。


同じパターンで、色や大きさの違うものも。


モチーフが同じで、デザインが違う壁付のものや、


廊下にぶら下がってる照明も、シンプルだけど可愛いかった。







そして駅前には、いきなり大規模なアール・ヌーヴォー建築。
「ハプスブルグ帝国のアール・ヌーヴォー建築」にも載っていた
マジャール鉄道本社ビルだそう。


建物下部は荒々しい石貼りに、窓周りなどには控えめなレリーフ装飾がついていた。


少し歩くと、出くわした教会。
煉瓦貼りだけど、



よく見ると煉瓦に交じって、入口上部に所々にレリーフタイルがはめ込まれている。





ブルーのタイルも。
遠目で見るとほとんどわからないけど、タイル好きとしては、発見するとうれしい。
更にこれから怒涛のタイル物件が続々と・・
続く

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ハンガリー&チェコの建築&タイル旅2023【ブダペスト地下鉄その四・3号線Lehel ter駅&4号線Rakoczi ter他】

2023-07-10 | ハンガリー&チェコのタイル&建築旅2023
リスト音楽院のコンサートが終わった後は、もうひと踏ん張り
地下鉄駅巡りへ繰り出した。
この日はDeak Ference ter駅から3号線の北側区間の駅を見ていくことに。
まず降り立ったのはLehel ter駅。
ザラッとした土の質感のある壁面がピンク色に染まっている。
駅名のサインもカッコいい。


グレーとピンクがテーマカラーな駅のようで、
ホームのベンチは壁面の色とはちょっと違うピンク色がおしゃれ。


そして驚いたのが、ホームに建つ柱から天井にかけての鉄板を使ったインスタレーション。
ブルーのライトが鉄板に反射し、ホーム全体が幻想的な空間に包まれている。



ブルーだけでなく、オレンジ色の光のコーナーもあったり、、


駅とは思えない演出は、
それほど費用が掛かってそうにないのにさりげなくてセンスがいい。
ハンガリー恐るべし、とうなってしまう。


ホームから地上へ上がってきたところには、ホームとは全く違う色使いの天井。


Dozsa Gyurgy ut駅はアイボリー色の大理石に、黒大理石のラインが入る柱がポイントに。






升目状の天井、照明は間に一直線に入ってた。


駅の構内でしばしば見かけたハンガリーの伝統的なお菓子、「クルトシュ」
ちょうどこの駅でも見つけて、小腹が空いてたので、買ってみた。


クルトシュは棒に巻き付けて焼かれたものなので、真ん中が空洞。



トッピングはいろいろあって、シナモンをチョイスした。
ちぎると渦巻状に解けていく、軽い口当たりのパンだった。


Forgach utca 駅はパンチングメタルの壁面。


ブラウンカラーでコーディネイトされた渋い駅。


改札を上がると、蛍光灯のラインが自由な弧を描いてた。
おもしろいなあ。


ベンチを兼ねたカラフルな光の演出も楽しい。



そして、Gyongyosi utca駅へやってきた。


ホームは、白い壁面に、青い帯状のラインが入る。
ホームのベンチは宙に浮く感じで吊るされてる。


大理石の壁面に、テーマカラーのブルーと白、黒で塗分けされたタイルが貼られていた。


Ujpest-Varoskapu駅は紫のグラデーション。


駅ごとにベンチもデザインされている。メタリックな椅子


陶板アートも発見。
1990年、Zalakovacs Jozsefとサインも入っていた。
ハンガリーの画家で、大学教授でもある方の作品のよう。


エナメル壁画とのことだったが、発色がクリアで、色の取り合わせも素敵な作品だった。


後一駅で終点というところまで来ると、
遅い時間帯だし、乗客は一人になってしまった。
チャンスとばかり、車内を激写。


北側の終点駅、Ujpest-kozpont駅には、Tari Gabor によるエナメル壁画が、


こちらはNemcsics Endre によるエナメル壁画が設置されていた。


3号線終点まで行ったので、一気にKalvin ter駅へ戻ってきた。
ここは、4号線と交わる前回ご紹介したカッコイイモザイクタイル使いのある駅。


黄色とオレンジの通路




壁に反射させるというライティングもカッコイイな。
うっすら色がついてる光。


ここから4号線へ。
Rakoczi ter駅はメタリックで無機質な雰囲気。


柱に照明が仕組まれていて、
半透明のアクリル板を通して、光が浮かび上がる。
これも面白い演出だなあ。



改札へのエスカレーター上には、メタリックな二本の柱がぶら下がる。
天井は水玉。





天井の水玉は、照明を強力化して反射する反射板のような役割も
あるようで、天井からは明るい光が降り注ぐ。




コンクリートとメタルのシンプルでスマートな空間が広がる。







エスカレーターの手すりの下あたりにも照明が仕組まれていた。




そして、II.Janos Pal papa ter駅。


吹き抜けのホーム、コンクリートの壁面には白い陶板が貼られている。


大小さまざまな四角形の組み合わせ。








こちらにも、反射板を利用した間接照明がまぶしい。









吹き抜けの空間には、コンクリートのフレームを何重も重ねたようなデザインがされていた。


次の駅がホテルの最寄り駅だったので、この日はここまで。

地上は歴史的建造物の宝庫で、100年前にタイムトリップでもしたかのような街並みが続くブダペストであるが、ひとたび地下へ下りれば、
ハイセンスな現代的アート空間が広がっていて、駅を降りる度にこれでもかと、思いがけない素敵空間が現れる。
ブダペストの地下鉄恐るべし。だった。

これでやっとブダペスト2日目が終了。
2日目でブログもすでに16回分にもなり、自分でもあらためて振り返ると、一体どれだけ見て回ったのか!?
というくらい密度の濃い2日目だったが、
日頃の鍛錬?の成果と、アドレナリンが出て興奮状態の為か、疲れ知らずで                                                                                                                                                                                                                                                                                 集中力が最後まで切れることがなかった。

いよいよ翌日はジョルナイの聖地、ペーチへ。

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喫茶菊水

2023-07-10 | 純喫茶&リノベカフェなど


先日、南森町に用事で出かけた際、商店街を歩いていると、現れた喫茶菊水。
めちゃそそられる雰囲気だったので、
用事を済ませた後、こちらで休憩することに。



2階には魅力的な桟のはいった窓が見え、
壁面には絵画がかかってる。
1階はうどん屋さんで、喫茶室は2階のよう。



入口ドアの桟の入り方が2階の窓とお揃い⁈



扉上には、渋めの色合いのステンドグラス風のガラスが入る。



喫茶室のある2階へ上がると、外から見えてた窓が並んでた。
天井には、ステンドグラス風の照明カバー。
良い光景~
どこに座ろうか迷って、この素敵な窓が眺められる席にした。



窓ガラスだけでなく、鏡にも扉や窓と同じ意匠が入ってた。






プリンパフェを注文。
フルーツもしっかり入っていてうれしかった。


お手洗いに立つと、壁にはこんな花模様のタイル、



床には渦巻模様のタイルが。


こちらは、通りがかりに見つけた居酒屋さんのタイル。




所々縮れてるようなタイルや、ぎりぎり端っこまで釉薬が掛かりきってないものなど、、焼き損じを集めたものなのかもしれないけど、
逆に風合いがあっていい感じのタイル壁面だった。




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ハンガリー&チェコの建築&タイル旅2023【リスト音楽院】

2023-07-08 | ハンガリー&チェコのタイル&建築旅2023
ドハーニ街シナゴーグからリスト音楽院へやって来た。
昼間に一度訪れ、見学ツアーがないと知り、がっかりしたのだが、
夜7時から無料コンサートが開催されると伺ったので、出直してきたのだった。



世界的にも権威のある音楽教育機関であるリスト音楽院。
建物は、1907年に建てられたもの。
2階の石柱の間にはリストの彫像が置かれている。


エントランスホールの中央にあるのは、モザイクタイルや大理石で装飾された壁泉。



最初は、絵画かと思って近づいていき、モザイクと分かった時の驚き・・


モザイク部分は、とても細かく緻密。
金色がふんだんに使われていてとても華やか。


組紐モチーフのモザイクが縁取る。


モザイク下の壁泉、よく見ると、全て貝殻で顔が作られていた。
そして水盤の中も細かなモザイクがびっしり。



様々な形の貝が使われている。
ロカイユといわれる装飾だそう。



壁泉以外も、大理石とタイルの柱や金をふんだんに使用した天井装飾が煌びやか。


柱の上部にはフレスコ画


黒大理石に、金の鋲、柱上部にはエッグ&ダーツ文様など、豪華装飾。


そしてそれに負けないくらい、柱の下部や腰壁には存在感のあるジョルナイ製のタイルが貼られていた。


渦巻タイルや、上部に帯のように貼られたタイルはエオシン釉が独特な輝きを放っている。


壁面に貼られたタイルは、少し明るめのグレー、
所々に渦巻タイルが入る。



大理石の赤と黒の階段、エオシン釉の球体、
黄金の装飾が入ったグリルと、超ゴージャス。



親柱には、擬宝珠ならぬ、巨大な黒真珠のような光沢を放つ
陶製の球体が置かれてた。





2階のホール前のホワイエ。
1階よりも明るさ、華やかさが増す。


フレスコ画は、アラダール作、「芸術の泉」



1階は黒大理石が使われていたが、2階は赤みを帯びた大理石の柱。









柱上のレリーフ装飾。


ジョルナイ製タイル。





腰壁のコーナー部分はこんなレリーフタイルが使われてた。


ステンドグラスは、幾何学的な模様。


2階の出入口の扉も素晴らしかった~



ステンドグラス、そしてエッチング装飾の入ったガラスが美しい~。


こちらはメインホール。


黄金に包まれた空間は、眩いばかりの煌びやかさ。






大ホール出入口扉。


ドアノブ。






階段踊り場のステンドグラス。



19時からのコンサートは、小ホールにて始まった。
音楽院の学生によるもので、約1時間ほど、無料で聴けて感激。

リスト音楽院の内装も、ジョルナイタイルがふんだんに使用されていて、
リッチ&ゴージャスの極みで堪能できた。
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ハンガリー&チェコの建築&タイル旅2023【ドハーニ街シナゴーグ他】

2023-07-05 | ハンガリー&チェコのタイル&建築旅2023

聖ラースロー教会を見学した後、再び中心部へ戻ってきた。
リスト音楽院のコンサートの19時までまだ時間があったので、後二つチェックしていたシナゴーグのひとつ、ドハーニ街シナゴーグを見学することに。
見学料が日本円にして、3千円以上もしたので、
躊躇してしまったが、、ちょっと金銭感覚もマヒ気味だった為、
仕方ないか~と入ることに。


ドハーニ街のシナゴーグは、ヨーロッパ最大のシナゴーグであり、世界でも
エルサレム、ニューヨークに続いて3番目の規模だそう。



建物は1859年にムーア様式で建てられたもので、塔の上には玉ねぎ型のドームが乗る。



赤い煉瓦が帯状に走る外壁に、ダビデの星、六芒星かと思ったら、八芒星?!


入口のアーチ上部にも八芒星が見られる。


エントランス床のモザイクも。



壮大な内部空間は、高い吹き抜けの天井、幾何学模様の天井装飾に、シャンデリア、三層に分かれた信者席は約3000もあるという。
この豪華さを見ると、ブダペストのユダヤ人コミュニティの繁栄ぶりがよくわかる。


主祭壇の上には、リストも演奏したというパイプオルガンが。



席が三層に分かれているので、天井もかなりの高さ。


主祭壇前のドーム。
中央部には、ステンドグラス、
周りには緻密な模様が描かれている。


天井装飾は、ピンク色メインで、淡い色彩で描かれた文様が美しく、
中央には豪華なシャンデリア、シャンデリアを挟むステンドグラスから
光が入る。







両サイドの壁面には、ダビデの星モチーフのステンドグラス。


美しい説教壇。





柱などに細かく施される文様。



敷地内には、ハンガリー・ユダヤ博物館や、第二次世界大戦下に、ホロコーストで犠牲になった人々を追悼する記念碑などもあった。


ヨーロッパ最大規模の豪華なシナゴーグを堪能。


シナゴーグを出て、リスト音楽院への道すがらに出会った建物いろいろ。
陶製装飾のある建物発見。


アール・ヌーヴォーのレリーフ装飾と共に、ブルーの陶製飾りが壁面に
彩りを与えてた。
1階の窓周りの陶飾りは、埃被っててほぼ見えない状態で、、磨けばきれいなブルーが出るのに~と、思わず磨きたくなってしまった。


こちらの建物にも、一部タイルが貼られてた。



中央の窓周りには渦巻文様のレリーフタイルが貼られていて、
エオシン釉のような光沢のある輝きを放ってる。


扉は、建物全体の雰囲気とは違うのだけど、とっても可愛い。
銅板の扉に、中央には鳥と木がデザインされている。
落書きが残念だけど・・


そしてこちらは見たかった建物、「アーケードバザール」
タイルがボルト留めされたファサードに、陶製のカラフルなレリーフ装飾が入っている。




文字の部分はエオシン釉のような輝き。






扉のガラスにも、壁面の模様と同じものがエッチングで描かれていた。



いい扉といいドアノブがあると、写真に撮ってコレクションするのも楽しんでたが、、こちらは古い扉を使ったアート?!
扉を顔に見立てたペイントが面白い。


廃墟カフェSzimpla Kertなるものもあったのでちょっと覗いてみた。


古い建物をリノベーションして、廃材を使ったアートや、備品、植物のグリーンも取り入れられてる。



廃材のモニターや、配線などが、ごちゃごちゃと、独特な異空間を醸してる。


昼はカフェ、夜はバーになるみたい。







奥のオープンカフェスペースに来ると、意外にお客さんがいて、
賑わってるようだった。




一見シンプルに見える建物にも、


コーナー部分の軒に、熊?の顔が並んでいたり、
細部に潜んでるものたちを探すのが楽しい。



こちらの建物には美しいレリーフが貼り付いていた。


羽の付いた女神、両手には月桂樹のようなものを掲げてる。


この扉も個性的。


イカのような形のアイアンワークの両脇には蛇がデザインされてた。



やはり自分は、建物全体というより細部を見て楽しむのが好きなんだなあと
街歩きしながらつくづく思ってしまった。




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ハンガリー&チェコの建築&タイル旅2023【レヒネル・エデンの聖ラースロー教会他】

2023-07-03 | ハンガリー&チェコのタイル&建築旅2023

カジンチ通りのシナゴーグを見学した後、国立オペラ劇場の見学ツアーが15時からあったはず、近くなのでとりあえずとやって来た。
受付でチケットを購入しようとしたら、またしても見学ツアーは、この日はないとか。
コンサートチケットは販売されてるようだったが、この日はリスト音楽院へ行く予定だったので断念。
同様に、見学ツアーがないと知らずに来た人たちが何人かいた様子。


これ以上、中へは入ることはできなかったが、エントランス付近のみ、見ることができた。
贅沢に大理石が使用された柱が並び、


ヴォールト天井にはフレスコ画が描かれ、金メッキ細工がまぶしいくらい、
豪華絢爛。


床はモノトーンの大理石モザイクで幾何学模様が描かれている。


七宝繋ぎ文がモザイクタイルで~





劇場ホールは、もっとすごいんだろうけど、
エントランスホールだけでもクラクラした。


入口扉前のアーチ。
建物全体写真は失念;

この後、19時開演のリスト音楽院のコンサートまで、
まだそこそこ時間があったので、少し離れたレヒネル・エデンの物件へ
バスを乗り継いでいくことに。
途中に見た1階がタイル貼りの建物。


1階部分が深いグリーンのタイル貼りで、鮮やかな黄色の陶製飾りが映える。


入口のアーチ
お店のようだけど、何のお店なのか??


床はセメントタイル貼りで、
黄色とピンクの華やかな文様。




エントランスには壁面から天井にかけて、細やかな漆喰装飾が施されている。


そして、更に階段ホールが素敵だった。
特にこの階段の手すりの形状!
階段に合わせて流れるように弧を描いている。
アイアンワークも緻密。
天井は漆喰装飾や天井画もある。
美しい~


面白いデザインの門。


アール・ヌーヴォーの扉の手前に、入口を見守る人。


そしてバスでやって来た聖ラースロー教会。
1898年レヒネル・エデン設計により建てられた。


煉瓦造りのゴシック・リバイバル様式で建てられた聖堂、
煉瓦の間の白い部分はタイルが貼られている。



このような白い、渦巻状の模様のあるレリーフタイル。



側面から見ると、陶製の屋根瓦が見られ、三つの尖塔のドーム部分にも陶製瓦が使われている。
煉瓦、タイル、テラコッタ、銅板と、様々な素材で彩られる教会。


ジョルナイ製の屋根瓦。
屋根の稜線には更に細かな陶製装飾が並ぶ。



六角形の尖塔には時計がつく。
先端は銅板造りのよう。


拡大してみると、瓦は六角形。


建物の側面にある出入口。


こちらの屋根瓦にも陶製瓦が使われていた。
他の屋根とはまた違った渋めの色合い。鮮やかな黄色の陶製飾りは同じ。


後陣から見た建物。
外壁補強の為のフライングバットレスが見られる。



煉瓦の間の白く見える部分は、このレリーフタイルが使用されている。


ブリックラインが扉や窓を囲む聖堂内への入口。


この扉の細工がめちゃくちゃ細かくて美しい。


こちらは中央の扉。


あまりの細やかさにうっとりと見惚れてしまった。






側面にあった出入口の銅板の扉にも、似通ったデザインの装飾が施されていた。



聖堂内は意外にシンプルで、交差ヴォールト天井には控えめな漆喰装飾が施され、


祭壇などにはジョルナイ製のセラミックが使用されている。


こちらの祭壇など、インテリアの一部は、レヒネルではなく
タンドル・オットーの仕事だそう。





細やかで丁寧な造りのステンドグラスが並ぶ。


白い壁面に映えるステンドグラス。




こちらは民族調モチーフ。






こちらもセラミック製の祭壇。


教会内の様々なインテリアには木製や大理石ではなく、セラミックが多用されているようで、金彩などを贅沢に用いた陶製品がとても華やか。






シンプルだけど可愛い入口のステンドグラス。

タイルや陶製装飾をふんだんに用いたレヒネル・エデンならではの教会建築を楽しむことができた。








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