パパラギ
1920年に初版が出た大変古い本です。ドイツ人の作家による、産業革命後の欧米文明を批判した内容ですが、今日でも考えさせるところが失せていないのです。 「パパラギ」とは、白人(ヨーロッパ人)のことで、サモアの酋長がヨーロッパを旅した時の出来事を演説する・・という設定?ですね。 要すれば、パパラギは、文明の恩恵を受けて暮らし・・人生そのものが豊かになり、それは素晴らしいことなのに、サモアの原住民はどうして文明を求めようとしないのか? それに反して、この酋長(ツイアビ)は、そうではない。 文明は結局は人間を不幸にしているんだよ・・と言っているんですね。
以下、少しネットから引用させてもらいます。
彼(ツイアビ)はヨーロッパ人の生活を見てそれをうらやましいとは思いませんでした。 それどころか、彼が「パパラギ」と呼ぶヨーロッパ人たちは、どこかで大きく道を踏み外してしまっているとしか思えませんでした。パパラギはモノとお金にとりつかれています。 そしていつも時間がないとこぼしています。効率と利潤を追求し、進歩をあがめているために何か根本的に大事なことを取り逃がしてしまっているのです。
---お金---
丸い金属と強い紙、彼らが「お金」と呼んでいるもの
これがパパラギの神さまだ
あの国ではお金なしには生きてゆけない
日の出から日の入りまで
お金がなければ、飢えも渇きもしずめることができない
夜になっても寝るためのむしろがない
からだを大地に埋めるにも、
思い出のためにその上に置く大きな石にも、
お金がかかるのだ
私はたったひとつだけ、
パパラギの国でもお金を取られないことを見つけた
空気を吸うこと
だが、それも彼らが忘れているだけだと思う
この話をパパラギにきかれたら、息をするにもすぐに丸い金属と強い紙を取ると言いだすだろう
なぜなら、彼らは一日じゅう、お金を取る方法を探しているのだから
お金は悪魔だ
お金にさわった者はその魔力のとりこになり・・・・(略)
---時間---
こんなパパラギがいた
死にそうな魚のように目をむいて、口をぱくぱくさせ
頭が破裂したみたいに赤くなったり青くなったり
手足をばたばたさせたりしていた
そのパパラギの使用人が、約束の時間よりほんの少しおくれて来たからだった
ほんの少しなのに、このパパラギにはとり返しのつかない損害だったのだ
「おまえは私の時間をいっぱい盗んだ
時間を大切にしないやつは生きている資格がない」
こう言って使用人を追い出してしまった
私は彼らに教えてやりたい
日の出から日の入りまで、ひとりの人間には使いきれないほど
たくさんの時間があることを
Mantovani 映画「南太平洋」 Some Enchanted Evening South Pacific Carmen Cavallaro to Love again
私はよく何歳かときかれた
そのたびに笑って「知りません」と答えた
そんな私を彼らはかわいそうだと考える
「自分の歳くらい知っているべきだ」と彼らは言った
私は黙って、心では「知らないほうがずっといいのに」と思っていた・・(略)
Phantom the Opera BY Sarah Brightman