昨日、7月7日は七夕ですが、この日、奈良吉野の金峰山では“蛙(かわず)飛び行事”が行われました。
金峰山寺を含む吉野一帯は、2004年に世界文化遺産に登録されましたが、当山は、役小角
(えんのおずぬ)が開創と伝えられる修験の大道場として知られています。
金峯山とは吉野山から山上ヶ岳(大峰山)にいたる山々の総称で、“金のみたけ”という意味だそうで、
山上ヶ岳にある大峰山寺への玄関口の役割を持っています。
吉野は桜でも有名ですが、私はかって、この吉野の奥深く入ったことがあります。
何となく霊験新たかな感じであったような気がしていますが、あまり記憶が定かではありません。
それよりも別の機会(昭和55年頃)に大峰山の修行に参加したことがあり、こちらの記憶は鮮明に
残っています。
絶壁の崖をつかまるところがなく、岩に吸い付くようにして登ったり、大岩の外側を素手で回るなど、
大変怖い思いをした記憶があります。 7か所くらい、そのような怖いところがあって、それを完遂した後は、
自分自身が大変大きく感じられ、何物にも動じない強い精神力が湧いてくるのが感じられたのを覚えて
います。 なるほど、修行というのはこういう事なんだ・・と。 よく、大峰山の “谷底覗きの行”が
大変怖いと話しに出てきますが、こちらも体験しましたが、崖を回る行に比べると、特になんてことない・・
というほどのものでした。
ま、横道にそれましたが、この、修験道の開祖である役行者が産湯を使われたと伝えられる弁天池の
清浄な蓮の華を、7月7日、蔵王堂に運んでご本尊に献じる法要が行われ、あわせて境内では
「蛙飛び行事」が執り行われるのです。
「蛙飛び行事とは、修験道を軽んじ鷲に断崖絶壁へとさらわれた男が、改心し後悔しているのを、
通りがかりの高僧が男を蛙の姿に変えて救いだし、一山僧侶の読経の功徳によってもとの姿に戻した、
という伝説を行事にしたものである。」とあります。
蛙(かわず)飛び
(HPより)
蔵王堂
(HPより)
「蔵王堂は、金峯山の高台にそびえたつ、東大寺大仏殿に次ぐ木造の大建築で、現在の本堂は
1592(天正20)年に再建された、室町末期を代表する建造物です。
高さが約34mもあるので、吉野を巡る折々にその威風を見ることができます。本尊として3体の
蔵王権現像をまつり、中尊の高さは7m余りの巨像。また、内陣の2本の金箔張りの化粧柱や須弥壇は
太閤秀吉が花見の際に寄進したものといわれ、桃山建築の美しさを残しています。」とあります。
何かの機会があれば、改めて訪れてみたいと思います。