新型コロナ第4波の襲来にもめげず、今年もハナミズキが、あたかも空に浮かぶ
ように咲いてきました。 このブログにも、開設以来その時期には、記事として取
り上げたり、チラッと写真を掲載したり、割と出番の多い花となっています。
ベランダに来て、もう20年近くなりますが、最初は白い花の苗木だけでしたが、
2年後に、市から無料配布があった時に赤の苗木をもらい、それらが今も頑張って
いるのです。
ベランダのハナミズキ
若さんからの投稿記事『神楽坂研究(6)「ハナミズキと桜の物語」』(2017.5.6)
にもありますが、アメリカとの花交流の歴史は、うるわしく心安らぐ物語です。
『1912年に当時の東京市長、尾崎行雄が、アメリカ合衆国ワシントンDCへサクラ
(ソメイヨシノ)を贈った返礼として、1915年にアメリカからハナミズキ60本(白
花40、赤花20)が贈られた。』 それらは、日比谷公園、小石川植物園などに植え
られたとあります。 今では、全国的に、街路樹や庭木として桜のあとの楽しみを
もたらしています。 我がベランダなどにもやってきているのです。
ハナミズキは、北アメリカ原産で、東海岸からミシシッピー川あたりまで自生し
ているといい、春先には、南部ジョージア州では初旬、さらに北部メイン州では春
の終り頃の開花で、さながら『ハナミズキ前線』が日本の桜前線のように報道され
ることもあるという。
随分前になりますが、私は、ワシントンのポトマック川ほとりの満開の桜を見た
ことがあり、これらの歴史に感動したことを覚えています。
先の戦争中にほとんどのハナミズキは伐採されるなどして、原木は、世田谷区に
ある東京都立園芸高校にしか残っていないそうです。 桜寄贈100周年を記念して
2015.4.10に同校で、当時駐日大使であった キャロライン・ケネディ氏隣席のもと
「ハナミズキ百年祭」が行われました。
日本郵便は同日、「米国からのハナミズキ寄贈100周年」の記念切手を日米同時
発売しました。
ハナミズキといえば、2004年に発売された一青窈さんの『ハナミズキ』が想い出
されますが、その歌いだしの歌詞『♪空を押し上げて手を伸ばす君~』はまさしく、
そんな感じの花ですね。
一青窈さんは、2001年9.11のニューヨーク同時多発テロ事件現場にいた友人から
送られてきたメールをきっかけにこの詞を書いたそうで、当初はテロ、爆弾などの
過激な言葉がつづられていたそうですが、それらを削っていって最後に「君と好き
な人が百年続きますように」にたどり着いたとありました。
ベランダのハナミズキから、思いはアメリカにわたり、9.11の事件にまで及び、
コロナ禍で続く巣ごもりにほんの少し刺激をもらいました。
一青窈 with BankBank_ハナミズキ