灯火管制、懐かしい言葉である。戦況が厳しくなると田舎でも空襲があるとの情報の元、それらに対処することがいろいろ行われた。その一つに灯火管制がある。空襲警報が発令されると、瀬戸物の電球のかさに黒い布を被せ光が外に漏れないようにしていた。それらを守らせるために互いに監視しあったり、当番を決めて見回りをしたりしていたのである。こうしたことは、レーダーを備えた敵機には全く効果のないことと後になって知ったのだが、同時は真剣だったのである。
ちなみに当時は蛍光灯などないどの家庭も裸電球、それも1つか2つ、どの部屋にも電球のある家は田舎ではなかった。電球の数と燭光数で電気代を納めていた。誤魔化す家もあり、電気会社が時々見回りに来ていたのを覚えている。