銀メダルですが、まさに快挙です!男子400mリレーで、日本チームが銀メダルを獲得しました。37秒68の全体2位で予選通過した日本ですが、決勝ではメンバーも変わりますし、本気度も変わってきます。その舞台で、37秒60とさらに記録を更新し、37秒27のジャマイカに次ぐ世界第2位です。
失格になりましたが、アメリカにも堂々の勝利です。短距離でアジアの日本がアメリカを破って銀メダルを獲得するなど、誰が想像したでしょう。北京大会での銅メダルも快挙でしたが、それ以上の快挙です。しかし、山縣、飯塚、桐生、ケンブリッジのメンバーは、飯塚を除く3人が100m代表で、しかも3人とも9秒台が期待される記録の持ち主ということもあり、これまでの最強メンバーであり、それに加えて、他国にはないチームワークとバトンワークのなせる業ですね。また、スタートが得意な山縣、加速してから伸びる飯塚、コーナーワークがうまい桐生、そして爆発力のあるケンブリッジという順番も良かったですね。期待された個人種目では、必ずしも満足な結果が出せませんでしたが、最後の最後で、世界を驚かせました。本当に見事でした!
そして、びっくりしたのが、50km競歩です。昨晩、銅メダル獲得を見届けて寝たはずなのに、今朝ニュースを見てみると、4位になったカナダの抗議で一旦荒井選手が失格とされ、今度は日本の抗議でそれが取り消され、銅メダルが確定するというドタバタがありました。
私も昨夜、問題となった場面は中継で見ていました。3位だった荒井選手が45km過ぎの終盤、カナダ選手に抜かれてしまいましたが、再び荒井選手が追い上げて並びかけた48km付近でのことです。両者が接触した直後、カナダ選手は体力の限界だったようで、バランスを崩し、荒井選手に置いていかれました。しかし、直後のリプレーでは、荒井選手が邪魔したというより、抜きにかかった荒井選手をカナダ選手が肘で妨害するように接触しています。もちろん、ギリギリの戦いで意図的なものではないでしょうが、事実関係としては、カナダ選手のヒジが後方にいた荒井選手に当たったのは、その時に私も確認していました。
日本陸連も即座にその中継映像を取り寄せて、迅速に抗議をしたとのことで、晴れて荒井選手の銅メダルが確定しました。しかし、メダルをとるためにここまでするのかと、寂しくなります。明らかな誤審ならともかく、普通に見ていても、妨害には見えず、カナダ選手はその後のレース展開を見ても、明らかに体力の限界で勝負あったというところだったのに、メダルのためなら、何でもやるのだということを改めて感じました。今回のカナダの抗議と一緒にしてはいけないかもしれませんが、ドーピングの動機も根っこは同じところにあるのだと思います。「メダルをとれれば、何でもいい」ということではないと思います。少なくともスポーツの原点はそこにはありません。少なくとも、これまでの日本人メダリストの中には、そうした選手がいないことが、日本の誇りです。今後もそうした日本の良さを示してほしいものです。
そして、シンクロのチームも見事な演技で銅メダルを獲得しました。これで、チームは2大会ぶりのメダル獲得です。井村コーチは、(デュエットだけではなく)選手全員にメダルを持って帰らせると言っていましたが、それを実現しました。コーチも立派ですが、地獄の練習に耐えて監督の言葉を実現した選手も立派です。しかし、昨日も書きましたが、いつまでも井村コーチだけに頼るわけにはいきません。今後の展望を持つことも大切ですね。
ということで、金12個、銀8個、銅21個の合計41個と、ロンドン五輪のメダル38個を更新しました。前にも書いたように、メダル獲得だけが成果というわけではありませんが、選手にとっても、国にとっても、分かり易い目安であることは間違いありません。また、メダルを獲得した選手は、純粋に嬉しいに決まっていますから、出来るだけ多くのメダルを取るにこしたことはありません。今大会のメダリストには、本当におめでとうと言いたいですし、メダルを獲得できなかった選手、希望した色でなかった選手には、次の東京でがんばれと言いたいと思います。
このあと、まだメダルは出るでしょうか。