昨日の試合は、散ドラの劇的勝利に終わりましたが、その興奮覚めやらぬ中、球審として次の試合に臨みました。去年も試合を結構見られず、球審はおろか塁審もほとんどしなかったので、公式戦の球審をするのは、おそらく2年ぶり5試合目です。
加えて、以前はルール・ブックを鞄に入れて、折に触れ見直していたのですが、ここのところ、社外のセミナー関係の本ばかりで、まったくルール・ブックに触れていなかったので、若干不安が頭をよぎります。
そこへ持ってきて、散ドラの試合で、インフィールドフライが飛び出したりしたものだから、完全に動揺しました。
幸い試合では、とんでもないプレーは出ず、両軍ベンチとも紳士的だったので、無事に試合をジャッジすることができました。
散ドラの試合でもありましたし、次の試合でもありましたが、ボールデッドや走者の安全進塁権について、若干記憶が不確かだったので、久々にルール・ブックを広げました。
七・〇五(g)二個の塁が与えられる場合‐送球がスタンドまたはベンチに入った場合(要は、ボールデッドのゾーンに入った場合ですね)。
※打球処理直後の内野手の最初のプレイに基づく悪送球であった場合は、投手の投球当時の各走者の位置。その他の場合は、悪送球が野手の手を離れたときの各走者の位置を基準として定める。
昨日の散ドラの試合のケースで言うと、アキヒロが5ゴロ内野安打でセーフとなり、本塁に突っ込んだナオユキを刺そうと一塁手が悪送球してボールデッドとなりましたが、この時は内野手の最初のプレーではなく、一塁送球後の二度目のプレーなので、悪送球が野手の手を離れたとき、すなわちアキヒロは一塁に達していたので、一塁から二個の塁が与えられ、三塁に進塁したということです。
野手の最初のプレーの時、上の例で言えば、5ゴロの一塁送球が悪送球でボールデッドとなった場合は、投手の投球当時の位置、すなわち打者走者は本塁になるので、そこから二個の塁が与えられて二塁に進塁ということになります(実際の試合では、「テイク・ワンベース」ということが多いですが、本当は本塁から「テイク・ツーベース」が正しい表現です)。
ちなみに、昨日の祝勝会で、塁審にボールが当たった時のルールが話題になりました。審判は石と同じ扱いですが、野手の前でボールに当たった時は、ボールデッドになり、走者は進塁が認められるという議論でした。確かに、打球の場合は、次のような規定があります。
六・〇八 次の場合、打者走者は安全に一塁が与えられる。
(d)野手(投手を含む)が触れていないフェアボールが、フェア地域で審判または走者に触れた場合。
というとことで、打球が審判に当たった場合は、打者走者に安全進塁権が与えられますが、送球の場合は、以下の通り、インプレイです。
五・〇八
送球が偶然ベースコーチに触れたり、投球または送球が審判員に触れたときも、ボールインプレイである。
昨日、私が球審をした時のケースは、盗塁を刺そうという捕手の二塁送球が塁審に当たり、三塁方向に弾んでベンチ(ボールデッドゾーン)に入ったというケースです。これは内野手の前で塁審にボールが当ったから、安全進塁権ということではなく、内野手の最初のプレーが塁審に当たってインプレー中、ボールデッドのゾーンに入ったので、投手の投球当時の位置、つまり一塁からテイク・ツーベースで三塁進塁が認められたということです。
いや、審判は本当に難しいものです。
昨日の祝勝会でも、的確なジャッジをした審判団を褒めていましたが、次の試合のネット裏で、あれこれルールの確認をしておりました。毅然とした対応に見えましたが、実は内心不安なところもあったのだと思います。それでも、審判に毅然とした態度が大切だということですね!
昨日の試合でも、その点だけは気をつけましたが、今後も審判技術もしっかり向上させたいと思います!