代表56校
高校野球西東京大会は、日大三高が9回裏劇的サヨナラホームランで久々の夏の甲子園出場を決めました。さすが第一シードです。また、日大鶴ヶ丘の投手は、熱中症で救急搬送されたそうです。本当に今年の夏は過酷でしたね。
そして、北神奈川予選は、本命・東海大相模を破った慶應が桐光に勝って、こちらも久々の夏の甲子園出場を決めました。横浜とともに、神奈川の実力を示してほしいですね。この他、岡山では創志学園が出場を決めて、全56校が決まりました。
高校野球も、いろいろな問題を起こしてきたのは事実ですが、やっている選手たちは、間違いなく真剣です。本当に多くの人たちの思いを背負って、甲子園の舞台に立つのです。スタンドで応援するしかない同じチームの仲間たちの思い、たった1チーム以外は敗者となる予選で戦ったライバルたちの思い、決して楽ではないサポートを子どものために喜んで引き受けてくれた親の思い。こうした思いを背負って、必死に戦う姿が、やはり観るものの胸を打つのだと思います。今年の夏はいつになく暑いですが、身体には気を付けながら、熱い戦いをしてほしいですね。
それに対して、こっちの方は本当にうんざりです。スポーツに携わる資格もありません。
日大アメフト部と日本ボクシング連盟問題
悪質タックル問題で揺れた日本大学ですが、第三者委員会が内田前監督、井上前コーチの指示を認めたため、両者を懲戒解雇処分としました。遅きに失しましたが、当然の結果です。
一方、今回の事件の背景には、このような事態を招くまで内田前監督を重用し、しかも事件発覚後も主体的に事態の収拾に乗り出さなかった田中理事長の独裁体制というガバナンスの問題があったわけですが、これに対しては、田中理事長の説明責任を問うにとどまりました。
様々な企業不祥事の背景には、このような権力者の腐敗があることが多々あります。日大の悪質タックル問題でも、田中理事長は直接関与はしていないでしょうが、内田前監督に何をやっても誰にも文句を言われないような権力を集中させたということについては、間接的でも相当の責任があることは間違いありません。しかし、日本に限らずですが、組織において、最高権力者を排除するのが本当に難しいというのが実情だと思います。
取締役会や、理事会などでは規定の上では、全員同じ力を持つと言われますが、現実には、代表取締役(社長だったり、会長だったり、最大の権力者)や理事長が、最終決定権を持っています。その対策として、社外取締役などの制度もありますが、現実には組織に精通しないものが、たまにしかない取締役会や理事会で、実態を把握し、組織をけん制するのが難しいものです。社内組織から指名された監査役が十分な監視機能を持たないのも、久しく言われてきたことです。私自身も、明確な解答を持っているわけではないですが、このおかしな状況を指摘し続けるしかないでしょうね。
また、時を同じくして、まさに同様の事例である、日本ボクシング連盟の問題が報道されました。助成金を受けた選手が、連盟会長から他の選手に助成金を分けるように指示され、他の幹部に確認したところ、あくまで自分の意思で他の選手に分けたことにしろと示唆する音声テープが公開されました。また、今回の告発では、日本各地のボクシング連盟支部関係者はじめ333人もの関係者が加わっているそうです。
人数が多から正しいということにはならないと思いますが、件の会長が何と「終身会長」というポジションに就いているということを聞けば、やはり正義は告発した側にありと当然思います。選手のために、実力主義で健全に運営されるべき組織において、「終身」の地位を保証することなどあり得ません。「終身」がないことなど、スポーツ関係者が一番分かっているはずであるにもかかわらずです。本当に情けない限りです。