山田小学校沿いのうねった道の中に、縁石で丸く囲まれた木があります。この道は、富士森公園方面や北野街道方面の抜け道になっているので、車で通った方もいると思います。細くうねった道ですが、車は結構スピードを出しており、この木は明らかに「邪魔」で、あまりにも「不自然」です。私が八王子に引っ越す前、寺田町に住む会社の先輩から「オバケが出るので木を切らない場所がある」云々という話を聞いたことがあったので、私は勝手にこの木がそうだと思っていました。そんなことでしか説明がつかないような不自然な木だからです。
私は犬の散歩でこの道を歩くこともあるのですが、この木の側に歩道はなく危ないので、そばで見たことはありませんでした。しかし、ある時、木の根元を見ると、小さな木の札が立っているのに気づきました。近づいて見てみると、雨乞いの址、広園寺開山などの文字があります。詳しいことは書いてないのですが、これから推測する限り、近くにある広園寺開山の頃雨乞いをした址を記念して保存しているということのようで、どうやらオバケが怖いからではないようです。しかも、この木がだいぶ朽ちかけており、それを再生するための処理方法が八王子市の名前で説明されています。まさか、市がオバケの片棒を担いだりしないでしょうから、やはり歴史的な遺産なのでしょうね。
関係ないかもしれませんが、この木のちょっと先から山田川が始まっています。ところが、ここでこんこんと水が湧いているわけではなく、道の下に潜り込んでいます。600年以上前の干ばつの時、この木の辺りで雨乞いをしてをして、土を掘ったら水が湧き出て山田川になった…なんていったら話が出来過ぎですかね。それにしても、山田川の水源はどこにあるのでしょうか…。地下鉄をどこから入れるかではありませんが、気になります。
いずれにしても、よく保存したとも言えますが、山田小を作る時などにもう少し工夫すれば、あんな風に堂々と道の中に木が居座ることもなかったと思うのですけどね…。