大谷翔平選手が両リーグ最速の40号を打ち、自己最長の8回まで投げ自己最多の8勝目を挙げました。大谷翔平選手のすごさについては、これまでにも何度も書いていますし(「SHOTIME!大谷翔平”完全未遂”」など)、今年も毎日のように報道され、今更とも思いますが、改めて考えてみたいと思います。
直接関係ない話ですが、今何かを書こうとすると、どうしてもコロナ禍の話になってしまいます。そんなこともあり、本当だったら、もっと大谷選手のことを書いていたと思うのですが、なかなか書く機会がありませんでした。
新型コロナウイルス発生は誰の責任でもありません(誰かが意図的に作ったものでなければ)。しかし、発生してからの言動については、然るべき立場の人には然るべき責任があると思います。菅首相や、小池知事の発言は、言い訳や自己保身ばかりですし、やっていることは、場当たり的だったり、後手後手、アリバイ作りのようなことばかりです。今までで一番の感染爆発の第5波ですら、欧米各国に比べれば感染者がはるかに少ないのに医療体制がひっ迫するのはなぜか?、最初の段階では仕方がないとしても1年半経ってもお願いだけなのは何故?、オリンピックが感染拡大の直接の原因でないとしても、楽観バイアスを引き起こしたのではないか?、オリンピックがやりたかったら、もっと違う言動が必要だったのではないか?、この危機的な状況で今更酸素ステーションですか?、代々木のパブリックビューイング会場の有効活用はどうなったのですか?、50代の私がまだワクチン終わっていないのに27日から若者に予約なしで接種って本当にできるのですか?、などなど、国民、都民には疑問だらけです。
最初に書いたように、コロナ発生には誰も責任はありませんが、2020年1月に社会問題となってから1年半以上経つのに、「もっとやるべきことがあったのではないか」、「コロナ自体はなくせなくても、出来ることがあったのではないか」というのが、国民、都民の正直な声ではないかと思います。少なくとも私はそう思います。
この「やるべきことをやる」、「自分がコントロール出来ることに集中する」というのは、私が尊敬する松井秀喜さんの信条です(「自分でコントロール出来ることに集中する!」)。大谷翔平選手のすごさというのも、まさにこの自分が必要だと思う「やるべきことをやり」、外部の雑音がどれだけ大きくても「自分がコントロール出来ることに集中する」ことが出来ることでしょう。
高校卒業時にメジャー挑戦を表明した時から、それはそれは多くの外野の雑音があったと思います。曰く「二刀流など無理だ」、二刀流が出来ることを証明してからも、曰く「投手に専念した方が良い」、メジャーにわたってからも現地メディアからも、曰く「二刀流どころか、メジャーではどちらも通用しない」、今年ホームラン量産するようになってからは、曰く「打者に専念した方が良い」、少しスランプ気味なら、曰く「休んだ方が良い」、アメリカ以外の出身者がメジャーリーグの顔になっていることに対しては「英語を話した方が良い」などなど、数えきれない言動がありました。
しかし、大谷翔平選手はそんな雑音どこ吹く風という涼しい顔でプレーをしています。野球が好きでたまらないという野球少年そのままです。誰かに期待されるからでも、義務でもなく、彼にとっては、投げて、打って、走ることが好きだからやっているだけなのでしょう。お金にはほとんど頓着していないようですし、プライベートで変な話どころか野球以外のことがまったく伝わってこないように、ただ好きなだけでなく、本当に野球のことしか頭になく、野球がうまくなるためだけに没頭しているのでしょう。しかし、それをあの次元で実現しているのが本当にすごいことです。野球の本場アメリカのメディアも大谷選手を形容する言葉を失っていますし、巨額の金が動き、データ分析全盛のメジャーリーグにあって、「ベースボールの本質」は何かと改めて考えさせられているようです。日本の野球少年が、本場のベースボールにその本質を思いださせるなんて、痛快すぎますね。しかも、本人の言葉によれば、これでまもまだリハビリの途中ということで、前にも書きましたが、本当にマンガ超えで、どこまでも想像の上を行く大谷翔平選手です。