全国高校ラグビー決勝!
前後、高校サッカーを見ながら、14時から満を持してTV観戦です。ディフェンディングチャンピオンは東海大仰星ですが、ここ数年の高校ラグビー界を考えると、東福岡の方が地力がありそうなので、東海大仰星を応援です。
フィジカルの強さ・ミスのないハンドリング・ターンオーバーを奪う技術を含めたコンタクト
開始早々から東福岡が連続攻撃でずっと攻め続けます。東福岡フィフティーンは、とても高校生とは思えない身体をしています。専門のフィジカルコーチが付いているそうで、単に筋肉がついているだけではなく、体幹がとてもしっかりしています。そして、ハンドリングでまったくミスがありません。大学生や社会人でも、長い連続攻撃をしていれば、どこかでノックオンをしてしまうものですが、ミスがまったくなく、連続攻撃が続きます。それを東海大仰星が何とかしのいで、攻撃に移っても、フィジカルの強い東福岡に止められた挙句、うまくボールを掻きだされたりして、ターンオーバーされてしまいます。なかなか先制点は入らない展開でしたが、明らかに東福岡ペースでした。
すると、前半で東福岡がトライ・コンバージョンゴールを決めると、後半にも東福岡がトライ・コンバージョンを決め、14対0とリードします。対する東海大仰星は、決めるべきところで決めきれず、嫌な展開です。
スピード!
このままズルズルと行ってしまうのかと心配されましたが、ここから東海大仰星が本来の展開力を発揮します。速い球出しで、センターやフォワードを使って、タテ、タテとゲインし、最後はバックスに展開して、トライを奪いました。難しい角度からコンバージョンも決めて、14対7とします。
こうなると、東海大仰星のペースです。続いて、再び東海大仰星がスピードに乗った連続攻撃で、ゴールラインまで迫ると、今度は執拗にフォワードで攻めます。しかし、前半最後のプレーでは、これを決めきれませんでした。ここを決められないと、せっかくの流れが東福岡に行ってしまうところでしたが、最後は、鋭く空いたスペースに切り込んで、きれいにグラウンディグして、トライを奪いました。ゴールも決まって、これで同点です。
好事魔多し!
こうなると、東海大仰星が押せ押せとなります。再び東海大仰星が速い展開で、東福岡陣内に攻め込み、東福岡は防戦一方です。しかし、好事魔多し、です。東福岡陣内深くまで攻め込みながら、痛恨のノックオンです。それだけなら良かったのですが、それを奪った東福岡がカウンター攻撃で、誰も後ろに残っていなかった東海大仰星ゴールまで独走し、再逆転のトライを奪いました。チャンスが一転して、悪夢に変わった瞬間です。
これで潮目が変わり、息を吹き返した東福岡が続けて、トライ・ゴールを決めて、28対14のダブルスコアとしました。
ドラマはここから!
しかし、まだまだ東海大仰星も諦めませんでした。下を向くことなく、再び、速いプレーを展開し、時間をかけずに、ゲインを稼ぎバックスがトライを決め、ゴールも決まって、28対21。30分ハーフの時間は残り少なくなってきましたが、勢いに乗った東海大仰星は嵩にかかって攻めていきます。
そして、東福岡のゴールラインを目の前にして、右に右に展開していきます。そして、タッチライン近くまでボールを運んだ時に、何と、痛恨のノックオンです。これで万事休すです。時計は30分をまわり、東福岡選手がタッチラインにボールを蹴り出すと、ノーサイドの笛が吹かれました。
東海大仰星の攻撃力は見事でしたが、やはり、フィジカル、ミスのないハンドリング、ターンオーバーする技術など、総合力では東福岡が優っていました。大学ラグビーの帝京、高校ラグビーの東福岡は、ちょっと別格の感があります。
高校スポーツ
高校野球についても何度か書いていますが、力のある選手がレベルの高い環境を目指すのは止めようがないと思いますが、これほど特定の学校にレベルの高い選手が集まり、力の差が開くのは本当に良いのかと思うのは、私だけではないと思います。
投手の力に負うところが大きく、しかも打者は7割は失敗するという野球という競技では、全国大会と言えども、それほどすごい点差になることはありません。しかし、ラグビーの今大会では、東福岡が139対0という全国大会の最多得点記録を塗り替えました。予選ではなく、全国大会です。
今日の高校サッカー準決勝も、青森山田対東海大仰星、前橋育英対佐野日大でした。ベスト8で敗れた東福岡も優勝候補でした。東福岡は、高校バレーにも出ていました。こうしてどの競技も、同じ高校が顔を並べ、優勝を争い、推薦やセレクションではなく、普通に競技している高校は蚊帳の外に置かれます。
何度も言うように、選手がレベルの高い環境を求めることは仕方がありません。しかし、今のこの状況が普通とも思えません。強豪チームでは、多くの能力ある選手が補欠として終わりますし、普通の生徒が集まる高校では、全国大会などはリアルな目標となり得ません。
競技全体のレベルアップになり、底辺拡大にもなるようなやり方があるといいですね。野球でも、サッカーでも、ラグビーでも、バレーでも、何でも都道府県対抗になっているので難しいでしょうけど、練習試合などでのランキングをつけて、ランキング別の大会などがあれば、それぞれが充実感を得られ、それぞれの試合も拮抗し、レベルアップにつながるのではないかと思いますけどね。
高校サッカー準決勝の2試合目を見終わってから、クロの散歩に行きました。ダイヤモンド富士とはいきませんでしたが、きれいな夕日でした。